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ジャンとタマモ

ジャンの人間名についてまず語ろう、ジャンの名前はジャン=デーモンスフィア、かつてあったとある国から渡された姓である。


1000年ほど昔戯れに人間界に降り立ち、ある国を救った故に渡された家名、ギルドに所属し、破落戸を束ねスラムを塒にしていた男には過ぎた名前。


当時、まだ主を持たなかったタマモとはその時からの付き合いだ。時に背中を合わせ、時に敵対し、時に男女の仲に…。


ジャンに名を与えたのはリン=タオジー、自由連盟になる前の大商人の国…今誰も知らない名の国。


かつての友との約束。


タオジーの名、今は忘れた王家の血筋。


護るべき約束。


彼は語らないしこれからも謎のままだろう。


粗雑な雰囲気にありながらも、この街を護る風のような男、またタマモもまた誰にも語らないタオジーの名の誓いを護り代々のタオジーとの契約を誓った。


タオジーを命尽きるまで護りぬくと。


二人の人外は粗雑であり強い絆で結ばれ、時に愛を、時に傷をつけあい生きてきた。


二人は恋人であり敵であり同志であり、夫婦でもあった。


そんな彼女の名はタマモ=デーモンスフィア。


はるか昔の婚姻記録にジャンの妻として記録されている。


その話はタマモやジャンは語らないが…、ヤンはもうすでに幼少時に自分の過去を知っている。


語らないのは幼少から仕えてくれるタマモと若き日から友人のようにいてくれるジャン。


その二人が語らないなら自分は何も語らずにいようと、かつて二人の友を得た奔放で偉大なる女王リン=タオジーの子孫として。


そしてなぜ知っているかはまだ秘密にしている。


それを知ったらこの二人はどう思うか、ヤンはそれを楽しみにしている。


「ヤンじいちゃんたのしそうだな」


「いんや、昔のこと思い出してな、コジロウじいちゃんはこなかったんだな」


「しばらく森開拓するって」


「なら、またいい取引できるな」


タマモとジャンが騒ぐのを横目にギルドの扉をあける。

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