お留守番
コジロウがリーティア国に出ている頃、禁魔の森ではリサとカイトがガルゼアと共に散歩をしていた。ミコトはコジロウの家で料理中である。
「相変わらずだな、ガルゼア、種族最強のあんたが子守すんのはやっぱ似合わねーな」
軽薄そうな声と共に現れたのは着崩した白シャツにジーンズとサンダルをはいた、オールバックの金髪の優男だった。
ガルゼアにどことなく似ているの母違いの同時期に産まれた異母兄弟であるからだ。
「あ、ジャン兄だ」
「ジャン兄ー」
「おう、ジャン兄ちゃんだぞー」
「俺としては誰彼構わず喧嘩うってた異母弟がここまで甘くなるとは思わなかったがな」
「うるせえ可愛いんだからいいだろうが!」
ジャンと呼ばれたヤンキー気質のガルゼアの弟である青年はふうとため息をつくと目の前におりたつ。
この男も最強種でアルティメットドラゴンの亜種である。
全体的な能力の優劣はさほどないがガルゼアが万能型であるならばジャンは近接戦闘型である。
よく兄弟喧嘩はするものの、アルティメットドラゴンは同族に寛容であり異種族でも家族と認めたものには優しい。
「じじいは?」
「ああ、城に出かけたよ、リーティアだったかな」
「あーそういや言ってたな」
ジャンはそういって煙草に火をつけようとして、ガルゼアに言う。
「…一応ハーブの煙草だかんな、こいつらには害はねえぞ」
「ならいい、さて、リサとカイト、ミコトが勉強を教えてくれるおばあちゃんを呼んできたよ、いこうか」
「…おい、まさかリグレットのばあさんじゃないだろうな」
「些か性格には難があるが、人間社会において馴染んでるのはあの人だからな、人間と子供ももうけてる、適役だろう」
「…性格歪んでもしらねえぞ」
「このこらなら平気さ」
ガルゼアは笑う




