アリアス=リーティア
禁魔の森より遥か西方、様々な種族を認め、様々な生を謳歌する自由国家多種族国家リーティア、現在100万人という大規模な国民を有し、全国民が魔力適性を持ちなんらかの魔術を行使できる国家である。王制でありながら民主性を重んじ常に議会では民の要望を聞く専門の会議すら開くほどだ。100万人というなかで60万人は国に属する騎士団か魔術団で、王を筆頭に10人の懐刀と呼ばれる将軍が控えている。宮廷魔術師も含め専門の魔術師団もいる事もあり、遊撃と国防に特化したある意味戦闘において生存確率の高い独自の命令網を持った特殊な軍ともいえよう。
王の名はレガント=リーティア、第6代リーティア国国王、祖先には転生者である勇者がおり、その血を最も濃く受けた王[覇軍]という二つ名と共に多くの敵を滅し、同盟国の危機を幾度もなく救った偉大なる王。
「まさか、今生においてダンジョンマスターを招くとは思いませんでした」
軽装ではあるが、いつでも戦闘を行えるような鎧を纏い黒い髪をオールバックにした鍛え抜かれた肉体が鎧の下からもわかるような浅黒い肌の美中年がにこやかに笑う。
「その鎧はアダマンタイトか、アダマンタイトをなんらかの技術で白にし、白い甲冑にそれは花個紋か、なかなか個性的な所をつくのう、若い人はなかなか知らんじゃろうに、確か7月の何日かは忘れたが向こう巴草か、個意言葉は元気と明るさをまわりにわけ与えられることが出来る人じゃったかのう?」
「初代は花を好む人で、国民の多くもまた花を好み自宅で栽培してますね、花個紋自体は王家のみが家紋として扱ってます、国家にも使っておりますし」
「花個紋を使う人間はなかなかいないとはおもうが、ほんとに好きだったんじゃのう、言語は日本語かね?」
「ええ、大陸共通語と日本語を母国語としております、魔法陣や魔術言語として扱うの優秀ですし、初代は国民に愛されておりましたから」
「そうかそうか、初代はとても素晴らしい人だったんじゃのう、それでその敬語はやめてくれんか、こんな爺にするものではないよ」
「いえいえ、私はどんな者にも敬語ですから、生きるだけで尊敬に値します」
コジロウは柔らかく微笑む。
「それは見上げた心じゃの、どれ、ナバタ君に送ってもらったはいいが、彼等もやる事があるらしいからのう」
「丁度友好魔族の歓迎がありましてね、私よりも彼等の方が話が合うので、先にお願いしてるんですよ」
「なるほど、なるほど、友との再会かね、なれば先に行くのがよいねえ」
コジロウはにこにこと笑う。
「それで娘さんはどこかね、招待を受けたのだからわしも御土産をもってきたのだがね」
「ならばこちらですよ」
レガントはにこりと微笑み案内を申し出た。
美しい花園に案内され寛いでいる少女を見る。
「はじめまして、ダンジョンマスターコジロウ=スメラギ様、レガント=リーティアが第1子第1王女アリアス=リーティアと申します」
長身でありながらもどこか儚げな雰囲気を纏うシックな黒いドレスを着た黒く長い髪の紅い瞳の少女にコジロウはにこやかにほほ笑む。
「………ふむ、母親が吸血鬼かね、本来ならばハーフで産まれるはずだとおもうが」
「我が娘は母親の闇の神の恩寵も深く受け継いでまして、そのためか本来の吸血鬼と遜色ない種族になってます、私の人間の特性は日光無効と十字架無効、銀系無効、ニンニクも食べれますかね、ですが愛しい我が娘には変わりません」
「………よい国じゃのう、種族関係なく生きれる国、そして何故わしが呼ばれたのかのう、初代さんや」
「やれやれ、お前さんにはわかるか、コジロウ」
そう言うと同時に案内された花園に黒いローブを纏ってアリアスに似た黒髪の青白い肌をした女性が現れた。
「何十年ぶりかね、失踪したとおもったらこんなとこにいたか、マユリ、今はマユリ=リーティアかね」
「変わらずで何よりだよ、兄さん」
コジロウと初代女王マユリ=リーティアが笑いあう




