老人と巨人
煙草に火をつけながら巨大な海賊船のような飛空挺からアリサの言うように五人程、降りたってきた。
「レベル鑑定不明とか化け物なじいさんだな」
「そいつはわしをこっちによこした神にいってほしいのう、まあ夕飯できてるで、食いながら話すかね、飛空挺はアリサちゃんから聞いてるから、ちゃんと発着場はつくっといたからの」
「例をいう、俺はナバタ=グレイオン、空賊だ」
「わしはコジロウ=スメラギ、しがない爺じゃよ」
コジロウとナバタはにやりと笑う
「ガルゼアさんて子供好きなんですね」
眼を爛々と輝かせてアリサは声をかける、ガルゼアは煙草代わりのパイポを吸いながら頷く。
ちなみにアリサは強面な感じの男が好みであり、種族もそこまで気にはしない、そして自分より強いとわかれば。
「ロックオンされるわな、アリサの奴に」
ナバタは苦笑しながら煙草を消失させ、代わりにこちらの世界で愛用される口の口臭を消す柑橘系のハーブ、カレッサを噛りながら呟いた。
愛煙家とはいえ、子供や女性の前では吸わないと決めてるのだ。
さてそれよりも連れだってきたのはナバタ含めて後四人。
青髪のオールバック研究者風の男、黒梟の食客、サナダ。
穏やかな雰囲気にシスター服を纏う銀髪のロングヘアーの女性、エリザ
チキュウと似たような服装をした金髪の少年、半袖半ズボンのギル
侍服を纏いざんばら髪の男、シンクロウ。
いずれも黒梟を束ねる幹部である。
「ほうほう、マナーがいいやつはいいわねい、だが勇者四人はいきなりすぎだなあ」
「やっぱわかるか」
ナバタは肩を竦める。
「基本的に無害なダンジョンマスターはおらんらしいからの、まあひとであれば当たり前だわね、リナちゃん、カイト君、ガルゼア君と一緒にお客さんを案内しておくれ」
「「わかったー!!」」
「孤児の子か、可愛らしいな」
「今はわしの孫さね、さてさて食事にしようかね」
コジロウはにこにこ笑う
出されたの東の大陸で主食とされる米料理で、鮭と似たような焼き魚と、なすとキャベツに似たような野菜をいれた味噌汁と、ある魔物の卵焼きに米を使ったセイシュと呼ばれる酒、とてもシンプルでありきたりな食事ではあるが、この世界にしてみれば上等な食事であり、もてなすには十分であった。
「しかし、まさかこんな魔境でこんないいものを喰えるとはな、さすがダンジョンマスターか」
セイシュをちびりと呑みながらにこやかに笑う。
「衣食住は大事じゃからのー、それでナバタ君、わしに何の用かね?まさか食事にくるだけではなかろうよ」
「ああ、禁魔の森にいるじいさんに興味もあったんだが、ちょっと世話になってるさるお方があんたに会いたいらしくてな」
ナバタは眼をすっと細めて上等な招待状を出す
「多種族国家リーティアの第一王女[吸血姫]アリアス=リーティアからお茶のお誘いだ、世界規模の脅威の帝国を滅ぼしたことの礼を兼ねてな」
「ダンジョンマスターというのは隠せないのかね」
「そりゃ無理だ、あんたの帝国でのやり口はもうすでに密偵がみているからな」
「やれやれ、もう少しこちらの世界を知るべきだったね、よいよ、ならわし一人がよいかね」
「出来るならな、話の通じるダンジョンマスターは稀だからな、あんた、これから面倒になるぜ」
「そうかそうか、ならば」
コジロウはにっこりわらうと
「わしの平穏を奪うならば悪鬼になることにしようかのう」
ナバタはその言葉にぞくりと背中に冷や汗をかいた。




