異世界転生してもテストという言葉は存在した
こんにちは、桜井吉野です。
これが僕の名前です。昔の名前は思い出せないけど、ま、いっか。と、投げ出しの状態です。
え、なんで敬語なのかって? それはですね。
なんと、僕は・・・・・・俺は! やっとハイハイができるようになったんだよ!!
長かったなぁー。ずっとベットの上での生活だったから嬉しくて。
ちなみに年齢は、おっと、驚くなよ? なんとだな二歳になったんだ!
これでステーキが食べられる!と思ったら。
「おかあさーん、僕ステーキがたべちゃい。」
そう聞いた母さんは
「あ、あなたこの子、ステーキが食べたいって」
「はは、なにをいっているだい。吉野はまだ喋れないだろ」
俺は(ステーキはちょっとまずかったか)と思い言い直した。
「じゃーあー、んーとー。キャビア!!」
「!!!!!」母さんと父さんは驚きの顔を俺に見せてくれた。
あの時の二人の顔ときたら驚きすぎだろ。
あ、なんでステーキが食べたいかというとだな、まぁー。何となくだ。
現在の状況説明は以上として。話を進めるとしよう。
今、俺は母さんに連れられて車に乗って外出中である。
俺のいた日本とは違いここの世界は文明が少し進んでいる。
たとえば、車は地面を走らずに、地面から少し浮いた状態で走っている。
最初は浮いてて意味あんの? とか思っていたけど、これはこれで案外いい。
なにがいいかと言えば。近未来って感じがいい。
んで、今現在、どこに向かっているのかというと。
母さんの働いている仕事場。
なぜそんなところに二歳になったばかりの子供が行くのかというと。昨日の話になるが・・・・・・
「よしのちゃん。さっき何の番組見ていたの??」
今は夕食時。四人掛けのテーブルに真正面に母さん、その左隣に父さん。という具合で夕食を食べている。
「天気予報。明日の降水確率は九十%だってさ。明日は外に遊びに行けないや」
この時だ。俺は自分がまだ二歳の子供だということを忘れていた。
見れば、母さんと父さん共に目を丸くし箸を止めていた。
「よ、よしの。おま、え・・・・・・・」
「え、なに?」
俺はいろいろと考えた挙げ句ようやく理解を成し遂げた。
てか、降水確率なんて二歳の子供でも言わない? ・・・・・・・言わないか。
てまぁ~。そんなわけで絶賛、今雨の降る中車で移動中です。
ここで明かすとしよう。今どこへ向かっているのかといえば・・・・・・・・。
学校だ。みんなが今通っている、または通っていた場所。
なんで学校に行くのかと言うとだな。
「ねーお母さん。なんで僕テストなんかうけなくちゃダメなの?」
運転席にいる母さんは後ろを向かずに話した。
「あなた本当に二歳?」
これだけ。たったこれだけの返事が帰ってきた。
ひどくない! 自分の子供の年齢も覚えていないなんて。
ここで補足をしておくと、母さんは中学校の教師をやっている。
だからなに? テスト受けるのと何か関係あるの? っと思ったそこの君。
・・・・・・・・・別に何の関係もありません。
そんな無駄話をしている間に学校へと着いた。
母さんは車からおりて、「少し待ってて」といい残し、校内へと入っていた。
それから二十分たらずで戻ってきて、後部座席のドアを開いた。
そのまま俺は母さんの後ろにつき一緒に校内へと入った。
「やーやー、待ってたよ。君が桜井吉野君かな?」
校内に入ってすぐ、そう問われた。
「いえ、違います。人違いです。」
「よしのちゃん! しっかりとあいさつしなさい」
叱られた。
「桜井吉野の二歳です。」
すっかり忘れていたが、子供っぽい喋り方してなかった。
ま、もういいけどね。子供っぽい喋り方する理由もなかったし。
「二歳なんだー。よろしくね」
なにがよろしくなの? そうツッコミたいのを必死にこらえる。
この人について少し説明をしておくとしよう。
美人。以上。
・・・・・・・すいません。ちゃんと説明します。
見た目は美人そのもので、身長はみる限り母さんと変わらないぐらいかな。髪の色は綺麗な黒髪。
年齢は母さんより若い。
「じゃあ、早速テストしようか」
あ、テスト本当にうけるのね。
「じゃー、はじめ。」
俺は配られたテスト用紙にいやいや名前を書き込み、問題を解き始めた。
1+1=
2+5=
13×3=
次の平仮名を漢字に直しなさい。
あめ=
ふゆ=
あさ=
ゆうひ=
つき=
・・・・・・・・なに、バカにしてるの? 問題を解き始めたを訂正しよう。
問題があまりにも簡単すぎてまだ解いていない。てか、解く気になれない。
こんなの、小学生でも満点とれるだろ。
そう思いながら、テストに取りかかった。
一週間後。例のテストの結果が自宅に送られてきた。
テストの結果は満点。
まぁ、当たり前である。あんなに簡単な問題も解けなかったら笑われてしまう。
テストの結果を見た父さんと母さんはと言うと、
「あ、あなた。まだあの子は二歳よ」
「あ、あぁ、わかっている。だか、二歳でこのか学力。」
二人はたいそう驚いている。
「すごいじゃない、よしのちゃん!!!」
「えー、そうかな~」
「すごいな、吉野!! 父さんに似たんだな。」
はは。それはないよ父さん。
「違うわよ、私に似たのよ」
はは。それも違うよ母さん.
なにはともあれ、褒められるということはいい気分だな。