人と人間
横浜へ向かう夜行バス
僕の隣には、友人がいる
僕の前にも、2人、友人がいる
1時間ほど前まで、友人達とバカみたいに話していた。
この時、僕は、人間だった。
今はただの人だ。
ふとカーテンをめくり、窓とカーテンに挟まれてみた。
カーテンと窓の間の狭いスペース。
この空間には、僕しかいなくて、この世界には、僕しかいない。
朝日も景色も独り占め。
僕の世界だ。
ガサガサガササ。
ああ、眠りに落ちていた人々が目を覚まし始め、車内が朝を迎え始める。
友人も、起き始める。
「おはよう。」
「おはよう。」
また、僕は、人間になった。