表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ドールガール  作者: stenn
PR
10/18

ポテチの力

過去なんて書きません( ー`дー´)キリッ

ヒロインがただの食いしん坊に……。

そして過去は脚色してるだろうね。絶対。



 映見君の過去は楽しいものではなかったんだ。顔立ちから言って誰にでももてて、楽しい人生を歩んでたのかと思ったら違った……。




 簡単に言うとグレてたらしい。




 ……。ええと。




 なんて言っていいのかどう言っていいのか……。考えれば考えるほど分からず私は言葉を失った。だってよく分からない世界だし。あの顔で喧嘩とかしてたのかなぁ? 想像もつかないよ。




 けれど。




「優しかったなぁ。 本当に」




 ふわりと笑う横顔はほんと嬉しそう。




 映見君曰く、私は昔映見君に会ってるらしい。夜の街。喧騒を避けてたどり着いた先はビルの屋上で見上げれば大きな月があったんだって。




 そこに私はいた……とか。




 ……。



 えっと。



 それ、ちがう。私とちがう。そんな記憶もないし、第一に中学生の私には繁華街なんてレベル高すぎだし。今でもだけど……違う意味で。




 そしてもう一つ突っ込みたいのは……それ、何でファンタジー?




 ……。


 ……。


 アハ。


 なんて、言えるはずもなく。私は薄ら笑いを浮かべるしかなかった。だって、夢壊したくないし。悲しませたくないし。よく分からないんだけど、それがきっかけでヲタクになったらしいし。



 それって人生を変えたくらい大切な思い出ってことでしょ?




 言うのはダメかなぁ。やっぱ。




 考えれば考えるほどわからなくなって膝の間に顔を埋めてしまう。



 うーん。



「難しい顔してっとブサイクになるぞ? ただでさえプヨプヨなのに」



 ……そして、また私の部屋に縁が当たり前のようにいるのはなんでだろ?



 ポリポリとポテチを齧りながら、イヒヒと笑っている。悔しいので私はじろりと睨んでみせた。




 それに……プヨプヨなんてしてないもん。す、すこし。すこし体重が増えただけだもん……。




 太って無いもん。




 ……。




 ポテチ美味しそう。




「っか、何悩んでんだよ? 俺の勇姿を見ないで先帰りやがって」




 やっぱり縁のクラスが優勝。だよね。ちなみに切り替えが早かったうちのクラスは私のことなんかすっかり忘れて大半どこか打ち上げに行くって。




 ……誘われなかったけど。




 泣くよ?




 私は近くのクッションを力いっぱい縁に投げた。まぁ、毎度攻撃なので簡単に受け止められるんだけどさ。




 中に石でも仕込んでやろうか?




 私は頬を膨らませるとアハハと笑うんですけど……。怒ってるんだよ?





「別に、縁には関係ないもん。それに、縁は見てるだけなら誰もが応援してくれるじゃん。私見なくてもいいよね?」




 ……。




 ん?




 沈黙。どうして固まるのかなぁ?




 まさか……誰にも応援してもらえなかった、とか? あ。それとも、例の好きな娘に見てもらえなかった。……とか?




 ……。




 そう言えば縁に伝えないといけないことが……。



 ……。




 夕ご飯まだかなぁ。現実逃避してもチラチラと浮かぶ難題に頭が痛くなってくる。




 縁といい、映見君といい。首なんて突っ込むんじゃなかった。ぐぬぅ。




「……え? それって嫉妬?」




「どして?」




 そりゃなんでも出来て羨ましいなぁ。とは思うけど、ライバルみたいな嫉妬はした事ないよ。だってどうあがいても無理って子供の頃に知ったし。




 なんでそう思ったんだろ? 謎だよね。歳を重ねるたびにおかしな部分はよく分かんなくなってくや。




「う……煩い! 俺、帰るし」




「何しに来たの? 一体」




 別に用事がなくても良いけど。最近は用事があるからしか来ないみたいだし。そこには多分なにか用があったわけで。




 ほら、立ち上がったはいいものの悔しそうに顔を引き攣らせてるし。




 なんか……勝利。




 心の中でほくそ笑んでいると、それがバレたのかほっぺたをつねられて伸ばされる。




「……お前いい性格になったよな?」




「えにしほろらゃないろん(縁ほどじゃないもん)?」




 言うとパチンと頬を離された。痛いよ。何度も。でも、縁は照れたように私と目を合わさずにポテチを突出した。




 い、いいの? たべて。私は取り憑かれたようにポテチに手を伸ばしていた。




「ち。なんか、凹んでんなって思ってさ」




「……心配してくれたの?」




 流石幼なじみ。優しいし頼りになるなぁ。うん。ポテチがうまい。やっぱりコンソメだよ。コンソメ。




 この味が……。と悦に浸っていたら取り上げられた。うあ。ん。ポテチ高い高いしないでよ!




 とんでも取れない……。食べ物の恨みは一生ものだよ? いいの? いいんだね?




「てめぇ、何も聞いてないだろ? 俺は力になるって言ってんだよ……なんの悩みだ? また、ネットにでも晒されたか?」



 それはいつものことだし。というか、ポテチ。




「っか、ポテチに負ける悩みって何なんだよ? 余計に気になるわ、言うまでやらねぇ」




「……え?」




 ……。




 ……。




 じっと見つめること三分くらい。ふふふ。私の勝利に終わる。美味しいな。ポテチ。あ、縁は部屋の端で膝を抱えて敗北してる。




 確の眼力凄いなぁ。




「じゃなくて。悩みだよ!」




 あ、復活した。




「……え? 言わなきゃダメ?」




 当然映見君のことなんて言えるはずもないから縁関係になるんだけど。




 いずれは知らなきゃなんないんだから。仕方ないよね。本人も『相談』に乗りたそうだし。




「楽になるぞ?」




 縁は地獄になるけどね。ケーキあったよね。台所に。失恋には甘いものが効くハズ。




「……頑張れ」




 訳の分からない私の励ましに縁は整った顔を顰めて見せた。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ