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神藤家の退屈しない日常  作者: 三都花実
千尋の自覚編
20/33

兄のアドバイス

第20話です!

お久しぶりです。

お待たせして申し訳ないです。

 深月も帰ってしまい、千尋は部屋でベッドに寝転びながら伝承について考えていた。大体何百年も解けなかった伝承が今日明日考えたところで解けるわけがない。もっと気長に考えなくては。


「千尋。何やら悩んでいるようだな?私に聞きたいことは?」


 架稚子が微笑みながら現れる。初代神子姫。確かに伝承の全ては彼女が知っているのかもしれない。


「架稚子姫が言いたくなったら聞きます。大体これは今を生きている私たちの問題ですし、あまり力を借りるのはよくないです。」


「千尋は本当に真面目。そこがそなたのいいところなのだがな。まあよい。」


 架稚子は微笑んでいる。


「架稚子姫。話はそれだけですか?」


「ん?ああ。まだあった。そなた、深月の事をどう思う?」


「は?大和君ですか?あの大法螺吹き野郎の事は信じては駄目だと思うのですが、彼があの大和の跡継ぎであることは確かですし、利用しない手はないかなと。」


 千尋がそうやっていうと、架稚子は顔を手で押さえて、ため息をつく。


「はあ。本当にそなたときたら。阿呆が。...千尋。大和とか神藤とか抜きにして一度深月について考えてみよ。いいな。私の言いたい事はそれだけだ。」


 架稚子はそれだけを言うと、千尋の前から姿を消した。千尋は意味がわからず、小首をかしげる。





 縁側で千尋は千里に架稚子に言われた事について相談している。その架稚子の言葉を聞いて、千里は苦笑いする。


「本当に千尋ときたら鈍いんだから。どうしてこんな風に育っちゃったのだか。きっと兄貴と父さんが過保護なせいだね。」


 千里はそうやって自問自答している。


「こういうのは人に言われるよりも自分で気づいた方がいいとおもうんだけどなあ。...なえ、千尋。千尋は深月君を好きなのか?ああ、この場合はお決まりの友達としてとかじゃなくて異性としてね。」


 千里の言った言葉に千尋は顔を真っ赤にする。好き。大和深月を好き。千尋は首をぶんぶん振る。


「いやいや、ないない。大和君は好きなんかじゃないよ。ただの同志だもん。ただ、目的が一緒なだけだもの。わかる?お兄。」


 千尋の必死の言葉に千里はくすり、と微笑む。


「うーん。そうだな。じゃあ、何で千尋は深月君が婚約を解消してくれるって言った時に婚約解消してしまわなかったんだ?伝承を解くためだけなら、別に婚約はいらないだろう?」


 千里の言葉に千尋は百面相している。千里はにやりと笑う。


 千里は正直言って血筋も家もどうでもいい。家族さえ守れればいいのだ。千尋のように家に囚われすぎて、恋すら制限されるなんてナンセンスにもほどがあると常々思っていた。案の定、千尋は家に囚われているし、千尋には幸せになってほしい。まあ、こんな考えはただの兄馬鹿な考えなのだろうが。


「とりあえず、それを含めて一度考えてみるといいんじゃないか?千尋。」


 千里が言うと、千尋は複雑な表情を浮かべて微笑んでいる。

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