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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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誇りの拳

学校の屋上。新たな挑戦者、フリック・ストームヘッジと対峙し、僕は拳を握りしめ、彼をじっと見据える。


校舎の時計塔が刻む音とともに——


フリック(ニヤリ):「いくぞ!!」


フリックが強烈なストレートを放つ。空気が唸るほどの威力。


僕は流れるように迅足で横に滑り、拳をかわす。


フリックが即座に追撃。鋭い空手チョップから、高く回転するカポエイラキックへ。僕は低く身を沈め、頭上を抜けるように回避。動きは最小限で、的確。


フリックが苛立ち、連続攻撃を畳み掛ける。ボクシングのジャブからムエタイのエルボー。僕はかわし続け、決して反撃しない。目は冷静に彼の型を観察。


フリックの顔が歪む。


フリック(唸り):「逃げるなこら! 俺と戦え!」


アストン(静かに):「逃げるわけじゃない。ただ……君の戦い方を先に分析してるだけだ。」


フリックの目がピクッと動く。


フリック:「ちっ……上から目線で俺と喋る生意気な野郎がちょ苦手だ!」


僕は軽く首を傾げる。


アストン:「なら授業をちゃんと受けておけばよかったのに。もっとついてこれたはずだよ。」


それが引き金。フリックのオーラが爆発。


フリック(咆哮):「黙れぇ!!」


炎の矢のように拳を燃やし、目にも止まらぬ速さで突進。


フリック:「攻撃拳:炎!!」


僕は最後の瞬間に体を捻り、熱風が頰をかすめる。紙一重の回避。


フリックが止まらない。柔らかく波打つ掌打を連発。圧力点を狙う水のような流れ。


フリック:「流れる拳:水!!」


僕は両腕を交差。


アストン(静かに):「守護亀甲。」


巨大な亀の甲羅のシルエットが現れ、掌打をすべて受け止める。揺るぎない防御。


フリックが隙を見つけ、ニヤリ。


フリック:「隙あり!」


高く跳び、回転しながら体重を消すように円を描き、背後から壊滅的なキック。


フリック:「飛び蹴り:風!!」


僕は目を見開く——完璧なカウンターの隙。


アストン:「飛龍拳!」


僕はキックを潜り抜け、上へ跳び上がり、龍の爪のように拳を突き上げる。


フリックが慌てて両腕を交差。


フリック:「固い防御:土!」


岩のような障壁が腕に輝き、衝撃を吸収。フリックが数歩後退。靴底が屋上を削る。


二人が一瞬止まる。息が荒い。


フリックが体勢を整えようとする。


僕は隙を与えない。


アストン:「斬鳳凰蹴!!」


炎を纏った脚が急降下。獲物を狙う猛禽のように。


だがフリックが空中で脚を掴み、横へ投げ飛ばす。


アストン(驚愕):「何!?」


フリック(笑い):「ははは!! レスリング・スロー!!」


僕は空中で体を捻り、屋上の柵に脚を着地。すぐに蹴って反転。


フリック(ニヤリ):「来いよ!」


カウンターの構えを取る。


僕は自信の光を見抜き、中途で急停止。数歩後退して再評価。


フリック(心の中で):「へっ……見抜かれたか。」


アストン(独り言):「あいつ……上手い。かなり上手い。」


その時、屋上のドアが勢いよく開く。


エリセナ、グラシア、セトレが飛び出してくる。僕とフリックの超高速の拳の応酬を見て、足を止める。魔法も武器もなく、純粋な格闘技のぶつかり合い。


セトレの顎が落ちる。


セトレ(感嘆):「こ、これは……男らしさの別次元だ……! 呪文も剣もなし……ただ拳とプライドだけ……!」


エリセナが拳を握り、飛び込もうとする。


エリセナ:「アストン——!」


グラシア:「助けなきゃ——」


セトレが腕を伸ばして二人を止める。


セトレ(厳しく):「ダメだ。これは男同士の闘いだ。今入ったら、彼のプライドを傷つけることになる。」


エリセナが躊躇し、手を組む。グラシアが苛立たしげに舌打ち。


グラシア:「男のプライドって……本当面倒くさいわね。」


エリセナ(囁き):「……無事に終わって、アストン。」


屋上の二人が再び向き合う。視線が絡み、一歩も引かない。


僕はゆっくり回り、フリックの技をすべて分析。空手、ボクシング、カポエイラ……そして師匠の教えに似た、攻防一体の適応型。


フリックが再び突進。拳に炎を宿す。


フリック:「くらえ! 攻撃拳:炎!!」


炎の矢のような拳が突き進む。


僕は迅足で横に滑る——が、フリックはそれを予測済み。


フリック(ニヤリ):「その手は見飽きた! 飛び蹴り:風!!」


即座に回転しながら空中を切り裂くキックへ移行。


僕は体を捻り、制服の端をかすめる。フリックが着地し、即座に脚を伸ばして鋭いテコンドーキック。


僕は両腕を交差。


アストン:「守護亀甲!」


亀の甲羅のシルエットが瞬時に輝き、キックを正面から受け止める。だが生の威力で僕は数メートル後退。靴底が屋上を削る。


フリックが脚を下ろし、渋々ながら敬意を込めてニヤリ。


フリック:「悪くない……ここまでついてこれたか。だが遊びは終わりだ。」


僕は呼吸を整え、低い構えを取る。今の僕に残された一撃必殺——吠える虎拳。だがフリックの適応力は恐ろしい。どんな型も瞬時に読む。


フリックがゆっくり歩み寄る。捕食者のように僕に目を離さない。


そして——一瞬で消える。


アストン(目を見開く):「消えた!?」


次の瞬間、青い炎が拳を包み、僕の目の前に再出現。


フリック(咆哮):「攻撃拳:青き炎!」


青い炎に包まれた閃光の拳が頰に直撃。ガードする暇もない。


僕は歯を食いしばり、後方へ吹き飛ぶ。屋上を転がり、痛みが全身を走る。


エリセナの声が風を裂く。


エリセナ(絶叫):「そんな! アストン!!」


グラシアが目を見開き、手を胸に当てる。


グラシア(息を飲む、心が痛むように):「……いやだ……」


セトレが舌打ちし、拳を握る。


セトレ(つぶやき):「立てよ、凡人! こんなところで負けるな!」


僕は粗い屋上床に倒れ、視界が揺れる。


ゆっくり目を開き、震える腕で体を起こす。めまいが引き戻そうとする。


フリックがゆったり歩み寄り、指を鳴らす。


フリック(嘲笑):「それだけか? 情けないな。」


僕は口の端の血を拭い……ニヤリと笑う。


アストン(静かに、本気で):「君は強い。才能がある。本物の闘士だ。」


フリックが鼻を鳴らす。


フリック:「お世辞は無駄だ。」


アストン(首を振る):「お世辞じゃないよ。」


僕たちは視線を絡ませる。言葉はなく、最後の決着を約束するだけ。


両者とも構えを取り、筋肉を極限まで張り詰める。


フリックが僕のボロボロの姿を見下ろし、自信を膨らませる——明らかに優位。


僕は震える脚を無理やり立たせ、戦闘構えに戻る。筋繊維が悲鳴を上げる。


セトレが重いため息。


セトレ(静かに):「くっ……これで終わりかもな。」


エリセナが首を強く振る。


エリセナ:「違うわ! アストンはそんな簡単に倒れない!」


グラシアの鋭い目が、僕の瞳に残る炎を捉える。


グラシア(無意識に囁き):「そう……まだ終わってないわ。あの目を見て。」


エリセナがその呟きを聞き、即座に屋上へ叫ぶ。


エリセナ(叫び):「がんばって、アストン! 私たち信じてるから!! 負けないで!!」


セトレが舌打ちし、声を張る。


セトレ:「おい、平民! お前らしくないぞ——こんな簡単に負けるな! ちゃんと立て!」


僕は仲間たちを見ると、僕の腫れた顔に小さな本物の笑みが浮かぶ。彼らの言葉が、もう一つの闘う理由になる。


フリックが歯を食いしばり、興奮と好奇心が爆発。


フリック(狂ったようにニヤリ):「へっ……どれだけ楽しませてくれるんだ?」


再び爆発的に突進。


フリックが再び突進。拳に炎を宿す。


フリック:「くらえ! 攻撃拳:蒼き炎!!」


青い炎の拳が顔面へ。


僕はかわさず、足を踏ん張る。


アストン:「守護亀甲!!」


亀の甲羅がより強く輝き、青炎を正面から受け止める。屋上が揺れるが、僕は耐える。


その隙に僕は体勢を低くし、跳び上がる。


アストン:「飛龍拳!!」


フリックが嘲笑。


フリック:「同じ手は二度効かねえ!!」


空中で体を捻り、遠心力を利用した回転キック。竜巻のような刃が顔面へ。


フリック(叫び):「これで終わりだ! 飛び蹴り:鎌風!!」


僕は後ろに逃げず、迅足で間合いを詰め、回転の懐に滑り込む。


フリック(驚愕):「なっ!?」


フリックが反射的にキックをキャンセルし、カウンターを狙う。


だがその一瞬、彼の体が脳に追いつかない。


僕の拳が完璧なタイミングで腹に沈む。


アストン(咆哮):「吠える虎拳!!!」


フリック(苦痛):「があああ!!」


フリックが折れ曲がり、後方へ吹き飛ぶ。柵に激突し、金属音が響く。


フリックが目を見開く——僕がすでに空中に。


アストン(必死):「斬鳳凰蹴!!!」


炎のキックが顔面に直撃。衝撃波が柵の一部を砕く。フリックが屋上から転落しかける。


アストン(驚愕):「しまった!」


だがフリックは落ちない。足元に氷の板が瞬時に現れ、優しく受け止めて屋上へ戻す。


アストン(安堵):「グラシア……ありがとう。気が利くね。」


グラシアが少し頰を赤らめ、目を逸らす。


グラシア:「ふん……あんたみたいな馬鹿がやりすぎるの、予想してただけよ……」


フリックが呆然と空を見上げる。一つの真実はついに気づいた。


もし僕が手加減せず、そして仲間が介入しなければ——彼の命を落としていたかもしれない。


僕は氷の板に飛び降り、手を差し出す。穏やかな笑み。


アストン:「いい闘いだったよ、フリック。」


フリックが差し出された手を見つめる。驚き。


フリック(静かに):「……助けなんかいらねえ。」


軽く手を払い、彼は力強く跳んで屋上へ戻る。背を向けて歩き出す——肩は緊張し、プライドは傷ついても折れていない。


フリック(落ち着いて):「お前の勝ちだ。でも次は絶対負けねえ。」


アストン:「フリック……」


僕は彼の去る背中を見送り、腫れた顔で微笑む。


エリセナがすぐに駆け寄り、手を光らせる

エリセナ:「じっとしてて——アストン!治すわ、ヒール!」


柔らかな治癒魔法が傷を癒す。腫れと切り傷が和らぐ。


グラシアが次に近づき、小さな瓶を僕の唇に押しつける。


グラシア:「飲みなさい……ヘルスポーションよ、文句言わないで。」


僕は素直に飲み、ニヤリ。


セトレがゆっくり近づき、肩に手を置く。


セトレ:「ふむ……悪くない……平民にしてはな。」


僕は親指を立て、疲れた笑顔。


セトレが笑みを返す。


セトレ(傲慢に):「だが覚えておけ……お前を倒せるのは、このセトレ様だけだ!」


エリセナが苛立った目で睨む。


エリセナ:「無理よ。セトみたいな奴にはアストンが負けるはずないわ。」


セトレの顎が落ちる。


セトレ:「な、何!? エリ! 俺にそんなに自信がないのか!?」


グループ——男子も女子も一緒に——残った傷の治療のため保健室へ向かう。軽い口喧嘩と笑い声が響く。


――


第60章 誇りの拳 終

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