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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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ヘリオス・セイバー

廃墟の建設現場の上空。スヴェグストが影と陽光の間を駆け巡り、怪物じみた翼が風に力を吹き込む。


下ではエリセナが炎と雷の噴射で飛行し、掌から炎の流れを放ち、彼の動きを封じ込める。


エリセナ(叫び):「目を離さないで、悪魔!」


スヴェグスト(嘲笑):「ならもっと頑張れよ、スカーレットの姫!!」


スヴェグストが唸り、炎を蛇のようにかわす。


一方、地上で僕は拳を握り、必死に考える。


アストン(心の中で):「まだソウル・シンクロは使えない。リスクが高すぎるし、消耗が激しい。あいつの再生が速すぎる……何か別の方法を……」


目を細める——スヴェグストの能力のパターンを探る。


エリセナ(絶叫):「アストン——避けて!」


我に返る——スヴェグストが急降下、爪を伸ばしてくる。迅足で間一髪かわし、爪が空を裂く。


スヴェグスト(ニヤリ):「作戦を練ってる暇はないぞ、ガキ。」


エリセナ:「こっちよ! ブレイジング・ファイア・ウォール!!」


炎の壁が爆発し、スヴェグストの視界を遮る。炎が高く燃え上がり、僕たちを悪魔から隔てる。


アストン(心の中で):「エリセナが押し続けているから、あいつは彼女に集中せざるを得ない……雷に撃たれるたび、あいつは3秒ほど硬直する。」


エリセナの元へ駆け寄る。


アストン:「エリ! 君のライトニング・ブレイドで撃てば、あいつが3秒ほど硬直する!」


エリセナ(目を見開く):「3秒!? それなら——」


アストン(頷く):「ああ! 僕があいつの手足と翼を切り落とす。それからエリ、君が君の最強の炎であいつを焼きつく。」


エリセナ:「アストン……天才ね……」


スヴェグストの咆哮が空を震わせ、炎の中から現れる。


スヴェグスト(唸り):「見つけたぞ。」


スヴェグストが突進——だがエリセナが手を掲げる。


エリセナ:「ブレイジング・ファイア・ピラー!」


スヴェグスト:「ちっ! くだらない小細工!」


炎の柱が外れる——が、一瞬であいつの視界を奪う。爪が僕に迫る。


アストン(囁き):「アブソルート・パリー!」


僕は剣を微かにずらし、攻撃を完璧に弾く。


瞬時にエリセナが撃つ——


エリセナ:「ライトニング・ブレイド!」


スヴェグスト(硬直):「ぐっ!」


スヴェグストが空中で固まる——麻痺で3秒。


エリセナ:「行け! アストン!!」


アストン(叫び):「うん! 鬼殺し、三角斬り!!」


鬼殺しが三本の精密な線を描き——翼二枚と腕一本が落ち、爆発。


スヴェグスト(咆哮):「無駄だ——!」


アストン(ニヤリ):「それはどうかな……」


スヴェグスト:「何!?」


上空でエリセナが最強の呪文を溜める。


エリセナ(詠唱):「太陽の女神よ、力を貸せ……」


追い詰められたスヴェグストは硬直しながらも逃げようとする。


アストン:「逃がすか! フラシュ・スラッシュ!!」


一閃であいつの両脚を切り落とす。


エリセナ(落ち着いて):「闇を浄化する刃よ……今こそ悪を貫け!」


詠唱を終え、腕を掲げる。掌に太陽エネルギーが集まる。


スヴェグスト(歯を食いしばる):「おのれ! スカーレットの姫!!」


アストン(叫び):「行け! エリセナ!!」


エリセナ:「ヘリオス・セイバー!!!」


巨大な太陽の炎の光線が放たれ、悪魔の体を斬り裂く。


炎が病のように食らいつき、細胞を貪り、再生を完全に止める。


スヴェグスト(絶叫):「があああ!! くそ人間どもがああ!!」


最後のアビッス・アイズを放つが——


アストン:「ダブル・スタブ!」


二本の剣が——悪魔の両目を直撃。


スヴェグスト(泣き叫び):「ぐるるる!! 汚いトリックを使うクソ人間どもめ!!」


アストン:「汚いトリック? それが輝く戦術って言うんだよ……」


スヴェグスト(叫ぶ):「誓うぞ!! 人間どもに復讐だあああ!!」


スヴェグストの体が爆発。灰と煙の嵐となり——壊れた角だけが残る。


僕は膝をついたエリセナの方を振り返る。彼女の息は浅い。


アストン(優しく):「すごかったぞ……エリ!」


エリセナ(かすかに微笑む):「ええ、あなたもね……」


彼女が倒れかける——僕は腕でしっかりと受け止めるし、姫様抱っこにする。頰が赤らむ。


エリセナ(囁き):「王子様みたいに抱き上げなくてもいいのに……」


アストン(照れ笑い):「まあ……君は論理的に一人のお姫様だからね……」


彼女がくすくす笑い、僕の首に腕を回す。


エリセナ(囁き):「今回だけ、許してあげるわ。」


顔がルビーのように真っ赤になる——でも心臓はしっかり脈打っている。


僕たちは勝利を手に、建設現場を後にする。


数分後、壊れた角が突然振動し、ポータルに吸い込まれる。


夕陽が空を紫に染める中、僕は焼け焦げた戦場からエリセナをお姫様抱っこで運ぶ。


アストン(心の中で):「伝説の悪魔、スヴェグスト……あいつがデス・キングの忠実な僕の一人なら……まだ他にもいるはずだ。」


エリセナが僕の頰の小さな傷に気づく。優しく指で触れる。


アストン(慌てて):「エ、エリセナ? どうした?」


エリセナ(優しく):「じっとしてて……ヒーアル。」


彼女の手が魔法の光に包まれ、傷がゆっくり回復する。触れ方は優しいが、目はしっかりしている。


アストン(驚き):「おお……治癒魔法も使えるのか? ありがとう、でもマナ大丈夫?」


エリセナ(微笑む):「大丈夫。この呪文はマナをほとんど使わないから。」


アストン(感嘆):「さすがスカーレットの姫だ。」


彼女が僕の肩に頭を預ける。


エリセナ(ニヤリ):「チームワーク最高だったよね、アストン!」


アストン(笑顔):「ああ! 一緒なら無敵だ!」


二人で小さく笑い合う。灰と混じった淡い雪が降り、戦場が静かに沈む。


場面転換——スレイヤーHQ。


ヴァルヨネッセが戻り、モルアを優しくベッドに横たえる。リシテアとグラシアが傍らに立つ。


グラシア(目を見開く):「まさかモルアまで……!?」


ヴァルヨネッセ:「エリセナを守ってたの。」


リシテア(微笑む):「なるほど……彼女らしいわね……」 *モルアの頭を撫でる


すぐに治療を始める。


リシテア:「意識はないけど、彼女のバイタルは安定してるわ。」


グラシア(ため息):「あのスヴェグスト……あの風虎モルアをこんなに倒せるなんて……怪物だね。」


10分後、僕とエリセナがHQに到着。


アストン(笑顔):「ただいま……」


エリセナ(ニヤリ):「大勝利です!」 *Vサイン


ヴァルヨネッセ(満面の笑み):「アストン! エリ! やったわね! 無事でよかった!」


エリセナの残りマナが少ないのに気づき、グラシアが近づく。


グラシア:「エリセナ……」


僕は戦術と二人でスヴェグストを倒した経緯を説明する。


ヴァルヨネッセ:「なるほど……エリの炎がなければ勝てなかったかもね。」


エリセナ(得意げ):「えへへ……どう? すごかったでしょ?」


グラシアが突然肩を揺さぶる。


グラシア(心配):「やりすぎよ、エリ! マナが尽きたらどうするの!?」


エリセナ:「でもいい結果が出たでしょ?」


グラシアが舌打ちし、突然エリセナを抱きしめる。


グラシア(囁き):「馬鹿! 心配したのよ、わかってる!?」


エリセナ(優しく微笑む):「グラシア……」 *抱き返す


僕は二人の温かなシーンに微笑む。ヴァルヨネッセがニヤリ。


ヴァルヨネッセ:「この子にもご褒美が必要ね! えい!」 *抱きつく


アストン(驚き):「ヴァ、ヴァルヨネッセ!? 胸が!」 *赤面


ヴァルヨネッセの抱擁を見て、エリセナとグラシアが僕を睨む。


エリセナ(頰を膨らませ):「エッチ・アストン!」


グラシア(無表情):「エロ・アストン……」


アストン:「なんで僕が!?」


笑いが広がる。


数分後、リシテアがモルアの治療を終える。


僕たちは勝利を報告。


リシテア:「みんなよくやったわ! オペレーション・デルタ、大成功よ!」


アストン:「任務完了……かな?」


ヴァルヨネッセが僕の言葉に大きく微笑む。彼女はアイビーとレミアの方を向く。


ヴァルヨネッセ:「やったわみんな! 私たち、スレイヤーズとして最初の任務を達成したのよ!!」


アイビー(笑顔):「やったわね! ノワールチーム万歳!」


レミア(落ち着いて):「ええ、やったわ。」


三人の悪魔少女がハイタッチ。僕は彼女たちの幸せな姿に微笑む。


リシテア:「大努力で感謝を!今はゆっくり休んで回復して! スレイヤーズ、解散!」


全員:「了解!」 *敬礼


ヴァルヨネッセとエリセナがマナベッドで回復するため休息エリアへ。


アイビーとレミアが弟ゴロンの様子を見るため治療室へ戻る。


僕は作戦室へ素早く覗きに行く。モルアがまだ意識を失って横たわっている。


指揮室に残ったのはグラシアとリシテアだけ。


リシテア(頷く):「なるほど……エリセナの炎、スカーレットの姫の覚醒で別のレベルに進化してる……しかも加速的に。」


グラシア(腕を組む):「アストンもよ。嫌だけど認めるわ。あの子も成長してる。ただ戦うだけじゃなく……リードしてる。」


二人は無言で視線を交わす。変化を認め合う。


その夜、シルヴェストン邸の寝室でエリセナは毛布にくるまる。


机の上に読み終えた魔法書パイロマスタリーが置かれている。


エリセナ(感嘆):「すごいわ! スカーレットの姫の力で、魔法書の内容を一晩で覚えられるなんて!」


横向きになり、枕を抱きしめる。優しいノックが沈黙を破る。


エリセナ(驚き):「お母様? どうしたの?」


アリシア(心配):「エリ……あなたから強大な魔力パルスを感じたけど……何かあったの?」


エリセナ(笑顔):「そっか……やはりお母様には隠せませんね。」


スカーレットの姫の力と記憶の覚醒を説明。アリシアが驚きで止まる。


アリシア(厳粛):「そう……姫が私の可愛いエリを選んだのね……」


エリセナ(困惑):「それってどういう意味、お母様?」


アリシアが毛布を直す。


アリシア(遊び心):「なんでもないわ……ママが子守唄を歌ってあげるわね。おやすみのためにママが甘やかしてあげようか?」


エリセナ:「お母様……もう大きいんだから——」


アリシアが衝撃を受け、口を手で覆う。


アリシア(泣き声):「エリ……ママの愛を拒否するなんて信じられない……」


エリセナ(苛立ち):「もう、お母様……大げさなんだから。」


場面転換——ダーク・リールムの未知の場所。


神秘的な影が黒く揺らぐ水溜まりの前に立つ。スヴェグストの最後の瞬間が逆再生で映る。


???(少年の声):「あのスヴェグスト……傲慢だったけど、役に立ったよ。」


???(大人の男の声):「ノン・ノン! あの傲慢バカは教訓が必要だ! 計算なしの行動はただの愚かさよ!」


???(可愛い少女の声):「お腹空いた……もうお昼じゃない?」


???(深い女性の声):「次の段階に移りますか、王?」


厳しい影の下、デス・キングが玉座に座っている。


デス・キング(穏やかに):「スヴェグスト……我が最も忠実な僕だ……第二の機会を与えるに値する……蘇生せよ。」


???(おどおどした男の声):「は、はい! 王よ!」


スヴェグストの角の欠片に不気味な魔のルーンが活性化。


角が振動し、暗黒のオーラに包まれ、再び……


スヴェグストが全身を再生。


スヴェグスト(跪き):「王よ……第二の機会を与えていただき、光栄です……この傲慢の罪、スヴェグスト・ドレンツァイガー……二度と失望させません。」


デス・キング:「よろしい……これからは独断を控えよ……人間どもを侮るな。」


スヴェグスト:「はい、王よ。」


???(遊び心の女性の声):「もう死ぬんじゃないわよ、スヴェグスト……ほほほ!」


スヴェグスト(怒り):「ふざけるな! 必ず復讐する……スカーレットの姫、そしてあのガキに!」


スレイヤーズが息を整える頃、闇は再び動く。


――


第56章 ヘリオス・セイバー 終

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