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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
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奇跡と秘密

埃が収まる中、スヴェグストが立ち上がる。より大きく、より広く。放たれる悪意が空気そのものを歪ませる。


スヴェグスト:「みんな元気だな。直してやろう。」


アビッス・アイズが再び燃え上がり、暗黒の恐怖の波がグループに向かって放たれる。


アストン:「散開!」


スレイヤーズが四散し、呪いの波を回避。


ヴァルヨネッセの紫の魔法が螺旋を描き、ヴァイオレット・ストリームが迸る。同時にエリセナのライトニング・ブレイドが突き進む。


二つの魔法が空中で交差し、予想外に融合——


シナジームーブ:ヴァイオレット・サンダー。


黒と紫の雷が咆哮し、スヴェグストを不意打ち。


スヴェグスト(うめき):「ぐっ——?!」


雷が爆発。エリセナとヴァルヨネッセが驚いて見つめ合う。


ヴァルヨネッセ(驚き):「わあ! これ……予定外だったわ。」


エリセナ(笑顔):「やったね、ヴァル!」


二人が手を繋ぎ、跳ねて喜ぶ。


モルア:「待って! あいつはまだ動いてる!」


エリセナ&ヴァルヨネッセ:「え?」


煙の中、スヴェグストのシルエット。


そして笑い声。


スヴェグスト:「ふはははは! 愚か者ども。私は遊んでやっていただけだ。」


無傷で現れる。エリセナの顔が青ざめる。


エリセナ(息を飲む):「そんな……私の雷だけでも貫通するはずなのに……!」


ヴァルヨネッセ(衝撃):「魔法融合でもダメージなし!? ありえない!!」


スヴェグスト(ニヤリ):「その手は先祖のナイト・ワィングには通じた……だが私は違う。進化したんだ! 雷など喰らってやる!!」


核から闇が脈動。先ほどより強大で抑圧的な魔力が波となってスレイヤーズを押し返す。


スヴェグスト:「さあ、本当の恐怖を味わえ! アビッス・アイズ!!」


瞳が再び燃え上がり——エリセナを直撃。


エリセナ(息を飲む):「しまっ!」 *回避不能


モルア(目を見開く):「エリ!」


瞬歩でモルアがエリセナを庇い、直撃を受ける。


モルア(頭を抱えて):「ぐっ!」


エリセナ:「モルアさん!!」


アストン:「師匠!!」


モルアが膝をつく。そして突然絶叫。


モルア:「いやだ……みんな……いやあああ!!」 *泣き崩れる


彼女の心に映るのは壊滅。スレイヤーズ全員の死。都市の廃墟。孤独な自分だけが残る。再び心を抉る孤独。


モルア(泣きながら):「いやだ……もう嫌……一人なんて……お願い……やめてくれ!」


アストン:「師匠!?」


ヴァルヨネッセが唇を噛み、素早くモルアに駆け寄る。


アストン:「ヴァルヨネッセ! お願い、師匠を連れて逃げて!」


ヴァルヨネッセ:「ええ!」


だがスヴェグストが獲物を逃がさない。


スヴェグスト:「ふむ……あの女の恐怖……美味すぎる。逃がすと思うか!」 *魔力を溜める


放つ前に、僕が迅足で接近し、魔法を遮断。


アストン:「鬼殺し、閃光斬!!」


鬼殺しが左腕を浅く斬る。傷が爆発し、腕が吹き飛び、魔法を強制解除。


スヴェグスト(楽しげ):「ほう……少し痒いな……」


左腕が再生。右腕の爪で僕に襲いかかる。爪と刃が激しくぶつかり合う。


*ガキン! *キン! *ガン!


ヴァルヨネッセ:「アストン!」


アストン:「行け、ヴァルヨネッセ!!」


ヴァルヨネッセ:「わかったわ! 絶対死なないでね!」


エリセナ:「心配しないで、ヴァル! 私が彼の背中を守るから。」


ヴァルヨネッセが頷き、紫の霧の翼を広げ、モルアを優しく抱えて上昇。地平線へ消える。


残ったのは僕とエリセナだけ。


スヴェグストの瞳が再び黒き輝く。


エリセナ:「下がって、アストン!」


アビッス・アイズが迫る。僕は迅足で回避。


だが視線が僕を追いつく限り、逃げ切れない。


スヴェグスト:「最も深い恐怖に沈め、人間! アビッス・アイズ!!」


アストン(慌てて):「まずい!」


エリセナ:「フレーイムワィーブ・ヴェール!!」


炎の赤い魔力障壁が僕の全身を包み、呪いの攻撃を防ぐ。


アストン(驚嘆):「これって……?」


スヴェグスト(苛立ち):「ちっ……やはりスカーレットの姫を先に片付けるべきだったか……」


僕は距離を取り、位置を維持。


スヴェグストが首を鳴らす。


スヴェグスト:「残念だ。あの女の恐怖が好きだったのに。だがお前たちで十分だ。今の私は最強だ。止められるものなどない。」


僕は拳を握る。モルアの叫びがまだ耳に残る。


アストン(心の中で):「師匠が……あいつにすら負けたなんて……まさか本当に無敵なのか……?それならこの戦いは……」


僕の肩に手が触れる。エリセナの視線は揺るがない。


エリセナ:「アストン……怖がらないで。私がいるわ。いつも、あなたのそばに。」 *微笑む


アストン:「エリセナ……」 *笑顔


僕は振り向く。彼女の言葉が嵐雲を貫く陽光のように恐怖を貫く。


アストン:「そうだな。一緒に戦う。」


僕たちはスヴェグストと向き合う。並んで立つ。スヴェグストが傲慢に笑う。


戦場が再び咆哮する——剣と爪の激突、炎の渦、雷の火花。


僕は両刀を構え、エリセナの雷が剣を纏わせて突進。


アストン:「ライトニング・クロス・シュラッシュ!!」


輝くX字の斬撃がスヴェグストを切り裂く。鮮やかで強力。


だがスヴェグストは笑うだけ。傷が瞬時に塞がる。


スヴェグスト:「ふははは! まだ弱い。弱すぎる! その斬撃、くすぐったいだけだ!!」


僕は後退し、顎を固くする。そして目を見開く。


アストン:「なるほど……防御じゃない……再生力だ!」


エリセナ:「え!?」


アストン:「あいつの治癒能力が異常すぎる……僕たちの攻撃は、あいつの再生能力を追いつかないんだ!」


スヴェグスト(ニヤリ):「気づくのが遅い。もう手遅れだ!」


エリセナが即座にファイアボール・バラージを放つ。小さな炎の連射。スヴェグストが嘲笑う。


スヴェグスト:「またその小細工か? 子供の遊び——」


だが炎は傷つけない代わりに、何かが変わる。


スヴェグスト(困惑):「ん……?」


体が固まる。再生が遅くなる。


スヴェグスト(唸り):「何だと……!?」


アストン(分析):「そうか! 彼女は細胞を炭化させてる……癌化させて、再生を徐々に弱めてるんだ!」


エリセナ(ニヤリ):「ふふ……これがスカーレットの姫の魔法と、私の科学知識の力よ!」


スヴェグスト:「ちっ! 人間の汚い科学め……!」


僕は決意を燃やし、目を輝かせる。


アストン:「リシテア先生がいつも言う通り——『科学+魔法=奇跡』だ。」


場面転換——スレイヤーHQ。


無菌でハイテクな治療室。リシテアが腕を組んでグラシアと向き合う。静かな自信に満ちている。


リシテア:「ええ……私は魔女よ。デス・キングの元忠実な僕……そして本物。転生でもタイム・リープでもないわ。」


グラシア(瞬き、困惑):「じゃあ……どうやって?」


彼女は頭のなかで自分の魔法の知識が繋がり、そして目を見開く。


グラシア:「ソウル・トランスファ……新しい体に!?」


リシテア(微笑む):「正解! さすが天才ね。」


グラシア(あんぐり):「待ってよ……あなた、他人の体を使ったの!?」


リシテア(くすくす):「違うわ。自分で作ったの——完璧な複製。ホムンクルスよ。元の体を100%再現したもの。」


リシテアが保存方法を説明する。低温カプセル、老化しない細胞、さまざまなテストボディ——男性型も作ったが、すぐにやめた。


グラシア(驚き):「あなた……男バージョンの自分まで作ったの!?」


リシテア:「一度だけですが。気に入らなかったわ。」


グラシアの目に好奇心が灯る。


グラシア(目が輝く):「どうやって作るの? 材料、方法は——?」


リシテア(冷静):「死体よ。」


グラシアが少し後ずさる。


リシテア:「落ち着いて。300年前の戦争中に集めただけ。誰の命も奪ってないわ。」


彼女は生命ポーションで細胞を若返らせ、物理変形カプセルでスキャンデータ通りに死体を完全に再構築したと説明。


グラシアがゆっくり頷く。


グラシア(感嘆):「それ……天才的ね。」


だが年数を数え始めると——300年+現在——リシテアが不気味に微笑んで遮る。


リシテア:「本物の女性は年齢を明かさないものよ。」


グラシアが息を飲み、即座に理解する。


その時、治療室のドアが開く。レミアとアイビーがゴロンを苦労して運んでくる。


リシテア:「何があったの!?」


レミアとアイビーが優しくゴロンの髪を撫でる。


レミア:「弟がずっと泣き続けてるの!」


アイビー:「悪魔の目からの呪い魔法。最悪の恐怖を見せられたのよ!」


ゴロンが突然叫び、震える。


ゴロン(泣きながら):「ごめんなさい、モルアさん……本当にごめんなさい……!」


リシテアが即座に指示。


リシテア:「ベッドに置いて。全身スキャンするわ。」


アイビーとレミアがゴロンをなだめる中、グラシアの目が細まる。


グラシア:「あの魔法……アビッス・アイズ!ナイト・ワィングの必殺呪いよ!」


リシテアの眉が上がる。気づき。


リシテア:「その通りだわ……!」


彼女は懐かしげに微笑む。


リシテア:「あなたはやっぱりあの時代の英雄ね……黒騎士の仲間。」


グラシアがむくれる。


グラシア:「300年経ってもまだ彼に惚れてるの?」


リシテアが夢見るように、懐かしげに微笑む。


リシテア:「ふふ……わからないわ。いずれあなたもわかるわよ。」


グラシアが赤面。一瞬、僕の顔が彼女の脳裏に浮かぶ。彼女が慌てて振り払う。


その時、ゴロンが半時間泣き続けた後、ようやく落ち着く。


リシテア:「スキャン・トタル。」


青い光がゴロンを包む。データがリシテアの視界に流れ込む。眉をひそめる。


リシテア:「あったわ。脳に寄生虫——くっついてる。」


素早く鎮静剤を注射し、ゴロンの額に二本指を当てる。


リシテア:「アノマリー・イレイザー。」


細く正確なエネルギー光線が頭蓋に射入。焼けず、傷つけず——内部で寄生虫が焼け死ぬ。


ゴロンの呼吸が楽になる。


リシテア(ため息):「終わったわ。よく寝れば元通りよ。」


レミアとアイビーが強く抱き合い、涙を浮かべる。


レミア:「ありがとうございます、リーダー……本当に感謝するわ!」


アイビー:「ええ、リーダーよ!私たち、恩に着るわ!」


リシテアがニヤリ。眼鏡がキラリと光る。


リシテア:「本気? ふふ……じゃあ実験台になってくれる?」


アイビー&レミア:「ええ!?」 *冷や汗


注射器を手に、リシテアがパニックで逃げるアイビーとレミアを追いかける。


グラシア(くすくす):「ふふ……やっぱり誰であろうと……リシテアはリシテアね。」


――


第55章 奇跡と秘密 終

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