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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
49/61

再燃する絆

翌朝学校に戻り、疲れ果てて教室へ。徹夜の代償が体に重くのしかかる。席に崩れ落ち、机に頭を預けて眠りに落ちる。


突然、足音が駆け寄ってくる。エリセナとグラシアが息を切らして現れる。


アストン(驚いて):「うわっ! 二人とも!びっくりした……」


グラシア(申し訳なさそう):「ごめんなさい! 昨夜はエリセナの家に泊まってたの。私がそばにいれば……」


アストン(微笑む):「いいんだ、グラシア。本当に大丈夫だから。」


エリセナは何も言わず、僕の隣に跪き、そっと両手を取る。僕は息を飲む。


アストン:「え、エリセナ……何してるの? 立って——」


彼女は答えず、ただ静かに抱きついてくる。温かく、無言の抱擁。


アストン(赤面):「エ、エリ……」


少し迷った後、僕もゆっくりと抱き返す。


エリセナは立ち上がり、前髪で顔を隠す。手が震え、瞳に涙が溜まるが、声はしっかりしている。


エリセナ(静かに):「思い出したわ……私がしなきゃいけないこと。これからは……私がずっとあなたを守る。」


グラシア(誇らしげに微笑む):「そうね……これが私のしってるエリセナだね。」


アストン(慌てて):「ま、待って、何の話!?」


エリセナ(僕の鼻をつまむ):「とにかく安心して。これからは……私があなたの背中を守るから。」


アストン(遊び心でうめく):「いたっ! ちょっと!」


グラシア(くすくす):「ふふ……やっと二人とも普通に戻ったわね。」


生徒たちが席に着き始める中、クリスタルが入ってくる。こっそり僕の席に近づく。


クリスタル(明るく):「おはよう、アストン~昨夜は無事でよかった……」


僕はもう寝落ちしている。


クリスタル(囁き):「本当に疲れてるんだね……」


しばらく僕の寝顔を見つめる。表情が真剣になる。


クリスタル(心の中で):「こんな可愛く寝てる子が……昨夜、私を守るために勇敢に戦った男なんだ……」


彼女は優しい笑みを浮かべ、そっと頰にキス。


クリスタル(囁き):「これがご褒美ね、私のヒーロー。」 <3


彼女の顔が真っ赤になり、慌てて席に戻る。


後ろの席からグラシアがすべてを見ていた。心臓が激しく鳴る。


グラシア(心の中で):「キ、キス……頰に……!」


彼女が一瞬固まる。やがて目が冷たくなる。

教科書を掴む。


*バシッ!


背表紙で僕の頭を叩く。


アストン(驚愕):「いってぇ! 何だよ!?」


振り向くと、グラシアと目が合う。だが……その視線は違う。


姿勢は気高く、表情は冷徹。存在感が完全に貴族。


アストン(囁き):「待って……グラシア……? いや……またあの人だ……もう一人の……」


グラシア:「久しぶりね、馬鹿。」


そこに立っていたのはセルレアンの姫だった。


僕を睨み、鋭く問う。


グラシア(冷たく):「あの女は誰?」


僕は困惑する。


アストン:「どの女?」


彼女がラベンダー色の短髪ギャルの方を指す。


アストン:「あれはクリスタル、僕たちのクラスメイトだが……」


グラシアが鋭くクリスタルを睨む。視線がさらに冷たくなる。


アストン:「あの子はどうしたの?」


グラシア(苛立ち):「本当に気づいてないの? あの子、今あなたの頰にキスしたわよ!」


僕は息を飲み、手で頰を覆う。顔が真っ赤になる。


グラシア:「ま、まじ!?信じ乱ない!!」


言葉もなく、グラシアは踵を返して教室を飛び出す。


アストン:「ちょっと、グラシア! 待って——!」


彼女が止まらなかった。


エリセナ:「アストン!何が起きたの?」


アストン(真剣):「姫が戻ってきた……」


エリセナの目が見開く。


エリセナ:「まさか……もう一人のグラシア——セルレアンの姫がまた目覚めたってこと?」


アストン:「うん……あの優しいグラシアは眠ってるみたいだ。」


エリセナ(拳を握る):「すぐにリシ先生に報告しなきゃ。」


アストン:「そうだな。」


屋上。グラシアは一人、空を見上げている。表情が混乱に歪む。


グラシア(心の中で):「私……なんであんな態度を取ったのよ? いったいどうしちゃったの……?」


彼女は拳を強く握る。自分の感情が理解できない。


突然、明るい声。


レミア:「やっぱりここにいるわね、グラシア! 紅茶の時間よ。あなたの大好きなピーチスコーン持ってきた~」


グラシアの顔が無表情になる。


グラシア(冷たく):「今日は魚と遊ぶ時間はないわ。」


レミアが凍りつく。瞬き。


レミア:「……今、何て言った?」


グラシアの態度に既視感。威厳ある傲慢さ、鋭い舌……トロイジール城での初対面と衝突を思い出す。


レミア(静かに):「あなた……あの人よね?」


グラシアが苛立ったようにため息。手首を振ると、優雅な氷の杖を召喚。杖の先端に氷の欠片が不気味に輝く。


グラシア:「凍らせてやりたいけど……今は学校だからね。消えなさい。」


レミアが一歩下がる——そしてニヤリと笑う。


レミア(挑戦的に):「やっとね……再戦を待ってたわ。」


オーシャントライデントを召喚。水が盾のように周囲を渦巻く。


レミア(冷静):「あなたがまだ昔の切れ味を保ってるか、見せてもらいなさい。私を止められるなら止めてみな。」


グラシア:「ちっ……ごちゃごちゃうるさいわね、この魚女……」 *杖を構える


グラシアがタイムレス・ドメインを発動。屋上全体がエーテルの氷に包まれたポケット領域に変わる。


レミア(息を飲む):「領域……?」


グラシア:「安心なさい。あなたに不利になるようなことはしないわ。ただ学校を守るため……そして私たちの舞踏に十分な空間を確保するためよ。」


レミア(ニヤリ):「いいわ。なら私も手加減しない。」


レミアがトライデントを掲げる。


レミア:「波崩れ!」


津波のような奔流が押し寄せる。グラシアは氷の板に乗って優雅にかわす。そして反撃。


グラシア:「アイシクル・バレージ!」


氷の矢が雨のように降り注ぐ。レミアが即座に対応。


レミア:「私のあらたの力、味わうがいい……津波!」


巨大な波が氷柱を防ぎ、グラシアを飲み込む。水中で苦しむグラシアが氷の柱を生成し、水面に浮上。


グラシア(困惑):「ちっ……私の魔法……こんなに弱いはずがないのに! なぜ!?」


レミア(詠唱):「雨嵐!」


風が咆哮し、雨が弾丸のように降る。グラシアが重い雨に押さえつけられる。


グラシア(歯を食いしばる):「くっ……体が……動かない……?!」


レミアが渦巻く柱に乗り、目を輝かせる。


レミア:「これで終わりよ! オーシャニック・スパイラル!!」


グラシア(目を見開く):「まずい……!」


螺旋の水のドリルがグラシアを直撃。領域の壁に叩きつけられる。体が渦巻く波に沈む。


戦うことなく溺れる姿を見て、レミアが異変に気づく。


レミアが魔法を解除。水が消える。グラシアが腕の中に落ち、激しく咳き込む。


レミア:「捕まえたわ……」


タイムレス・ドメインが揺らぎ、消える。


僕とエリセナが屋上に駆けつける。レミアが濡れたグラシアを抱えている。


アストン(衝撃):「レミア!? 何があった!?」


レミア(謝罪):「すまない……前のグラシアが戻ってきたとわかった瞬間、挑戦に応じずにはいられなくて。」


エリセナ(心配):「グラシア……」


グラシアがまた咳き込む。


グラシア(弱々しく):「そんな目で見ないで……痛いわ……昔、スカーレットの姫が私を見たときと同じ目……」


アストン(驚き):「スカーレットの姫……?」


エリセナが優しくグラシアの手を取る。


グラシアが顔をしかめ、引き抜こうとする。


グラシア(叫び):「離して!!」


エリセナ(きっぱり):「嫌よ。離さない。」


グラシア(涙目):「なんで!こんなことするの……? もうわかんないよ……何もかも……」


声が震える。涙が頰を伝う。


エリセナ(叫び):「だったら全部教えて! あなたのことについて! 300年前に何があったのか!」


グラシアが震える。


アストン(穏やかに):「エリセナ、レミア。とりあえずHQに連れて行こう。」


エリセナ:「……うん。」


レミア:「私が運ぶわ。」


グラシアは無言のまま、瞳を大きく見開き、不安げに階段を降りていく。


――


第49章 再燃する絆 終

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