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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
44/60

輝きな王子 vs 名もなき戦士

放課後のチャイムが鳴り、校庭が静かになる中、体育館裏のグラウンドに興奮のざわめきが広がっていた。


セトレは中央に立ち、取り巻きの女子たちに囲まれている。


取り巻き女子1:「セトレ様~! がんばって!」


取り巻き女子2:「あの平民をぶっ潰して!」


一方、1年B組の教室では、僕は席から飛び上がる。


アストン(興奮):「やっとだ! これで決着つけようぜ。」


グラシア:「待って、アストン——!」


エリセナ(頰を膨らませ):「あいつ、待つって概念ないよね。」


グラシア(くすくす):「さあ、応援しに行こう。」


夕暮れの黄金色に染まる中、僕とセトレが対峙する。


セトレ(自信満々):「よく来たな。」


アストン(ニヤリ):「挑戦は断らない主義だからな。」


セトレが木刀を一本投げてよこし、自分も一本構える。


セトレ:「ルールはシンプルだ。


1. 首より上への攻撃禁止。

2. 股間攻撃は卑怯——絶対禁止。

3. 戦闘不能か降参で決着。」


アストン:「貴族らしい決闘だな。ちょっと君にきにいったかも。」


セトレ(苛立ち):「お前の褒め言葉なんかいらん!」


群衆の中から、突然熱狂的な男子たちが叫ぶ。解説者と審判を名乗る。


解説者:「今、夕陽の下、王子様 vs 名もなき戦士の決闘が始まろうとしております! 審判、お願いしますぞ!」


審判:「了解! 右側、手の届く美しさはまるでおとぎ話の王子様! 市内一の富豪、グレッグソン・グループの後継者! セトレ・グレッグソン!」


セトレ(笑顔):「我がレディたちよ、この俺様を応援してくれ!」 *ウィンク


取り巻き女子たち:「きゃあああ~♡」


女子たちが悲鳴を上げ、セトレが手を振る。


審判:「えっと……左側は……特に背景のない普通の生徒? 完全にモブキャラ?! どんな運の悪さでこの決闘に巻き込まれたのか? いい勝負を見せるか、それともただのサンドバッグか?! アストン・ヘイルファイア!」


アストン(苦笑):「あはは……みんなさん、ども……」 *お辞儀


観衆のほとんどが僕にブーイング。僕は優しく笑う。


取り巻き女子たちがセトレに熱狂する中、二人だけが声を上げる。


エリセナ:「アストン! がんばってね!」


グラシア:「私たち応援するわ!」


アストン(ニヤリ):「二人とも……もちろん勝つよ!」 *親指を立てる


セトレの表情が暗くなる。


セトレ(苛立ち):「また……この俺様よりあの平民を選ぶのか……目障りだ!」


審判:「両者準備完了! さあ決闘開始! 3……2……1……Duel Start!」


セトレ:「うおおおっ!」


開始と同時にセトレが突進し、連撃を繰り出す。僕は軽く受け流す。


解説者:「何だこの展開!? セトレ・グレッグソンが一気に攻め込む! だがアストン・ヘイルファイアが美しく捌いている?!」


アストン:「速いけど……動きに無駄が多いな。」


解説者(感嘆):「セトレ・グレッグソンの猛攻にもかかわらず、アストン・ヘイルファイアが完全に優位に立っている!」


取り巻き女子1:「ちょっと! セトレ様にネガティブな解説しないで!」


取り巻き女子2:「ブー!」


セトレ(唸り):「くっ……黙れ、平民! まだ本気を出してないだけだ!」


後退し、体が金色の光に包まれる。


セトレ:「らあああ! キングズ・オーラ!」


オーラが爆発し、力が急上昇。


アストン(驚き):「これは、魔法か!?」


セトレ(ニヤリ):「魔法? 違うぞ、平民よ! これは我が戦闘モード、我が闘気だ!」


アストン(笑顔):「なるほど……これで話になるな。」


セトレの攻撃がさらに速く、重くなる。僕は押され始める。


アストン(息を切らす):「重っ……!」


セトレ(笑う):「ははは! どうだ!? 耐えられるか、俺様の力を!」 *攻撃を続ける


アストン:「じゃあ、僕も本気を見せてやる。アブソルート・パリー!」


セトレの剣を上へ弾き、防御を完全に開く。


セトレ(息を飲む):「何!?」


アストン:「フラシュ・スラッシュ!」


無駄なく一撃。セトレの胴を綺麗に斬る。


セセレ(うめき):「ぐあっ!」


解説者:「見事な一撃! アストン・ヘイルファイアが反撃開始! いきなり致命打を決めた?! このままじゃセトレ・グレッグソンが負けるのか?!」


取り巻き女子1:「黙れ、このオタク!」 *マイクを奪う


取り巻き女子2:「そうよ! セトレ様が勝つんだから!」


セトレが立ち上がる。オーラはまだ輝いている。両手で剣を構える。


セトレ(歯を食いしばる):「この平民め……この俺様を何度も屈辱に晒しやがって……それも我がエリとグラシアの前で……もう容赦はしない!」


アストン(真剣):「あの構え……何か溜めてるな。」


セトレ(激昂):「裁きの刃を味わえ! ジャスティス・スラッシュ!!」 *大きく振りかぶる


金色の斬撃波が僕に向かって飛ぶ。


アストン(驚き):「なっ——魔法!? マジック・パリー!」


斬撃を森へ逸らし、木を真っ二つに。観衆が息を飲む。


エリセナ:「あのバカ! 一般人の前で魔法使うなんて!」


グラシア:「まずいわね……」


セトレ(哄笑):「はははは!! これが俺様の本当の力——王者の力だ!」


だが賞賛の代わりに、恐怖が広がる。


取り巻き女子1(衝撃):「嘘……セトレ様が……」


取り巻き女子2(震え):「怪物だ……!」


セトレ(威圧):「何……?」


人々が逃げ始める。僕は動かず、怒りに満ちた彼と向き合う。


アストン:「お見事だ、王子様。君のファンがみんな逃げちゃったよ。」


セトレ(激怒):「ならお前を壊す!」


セトレが連続でジャスティス・スラッシュを放つ。僕は迅足とマジック・パリーでかわし、弾く。


だが木刀が耐えきれず、砕ける。


柄を捨てる。


アストン:「プランBだ。」


迅足で突進。ジャスティス・スラッシュをギリギリで避けながら接近。金色の波が頰と腕をかすめる。


セトレ(哄笑):「ははは!! 逃げ回れ、平民! スタミナが尽きたらトドメだ!!」 *連発


攻撃範囲に入った瞬間。


アストン:「斬鳳凰蹴!」


燃えるようなロケットキックを放つ。


セトレは木刀で受け止める。


セトレ:「素手で来るか!? まだ俺様に勝てると思ってるのか、汚い平民な分際で!」


ブロックを予測していた僕は、空中で次の攻撃へ。


アストン:「咆える虎拳!」


セトレ(息を飲む):「拳!? あの体勢から!?」


*ドゴォォン!!


白虎の咆哮が炸裂。完璧に決まり、セセレを壁に叩きつける。


セトレ(苛立ち):「ありえん……この俺様が……平民なんかに負けているんだと……?!」


僕はゆっくり近づく。彼は木刀を支えに立ち上がろうとする。


セトレ(息を切らし):「う……まだ終わってない! 俺は負けない! 平民に負けてたまるか!!」 *ふらつきながら立つ


アストン:「無理するな、セトレ。」


セトレが再び剣を構える。


セセレ(弱々しく):「ジャスティス・スラ——」


アストン(腕を叩く):「もういい。」


剣が落ちる。セトレは崩れ落ち、悔しさで泣き出す。


セトレ(泣きながら):「なぜ……なぜ俺が負けるんだ……俺は王になるはずだ……はずだったのに……!」


アストン(穏やかに):「王になるのに近道はない。」


セトレ(歯を食いしばる):「黙れ、平民!」


僕は手を差し出す。セトレが払いのける。


執事たちが駆けつけ、彼を支える。


セトレ(唸り):「もう女の子のことじゃない……これは我がグレッグソンとしての誇りの問題だ。」


アストン(笑顔):「ならいつでもまた挑戦してこい。待ってるぞ、セトレ。」


セトレは舌打ちし、僕の真っ直ぐさに苛立つ。

後でエリセナとグラシアが近づく。


エリセナ(心配):「アストン! 大丈夫?」


グラシア:「素手で魔法を相手にしたんだもの……無傷じゃ奇跡ね。」


アストン:「うん……浅い傷だけ。自然に治るよ、心配ない。」


エリセナ:「セト……ごめんね。あいつ、ほんと面倒になった……」


アストン(笑顔):「いいんだよ、それぐらい。」


グラシア:「それにしてもすごかったわ。武器なしで途中から対応して……」


アストン(ニヤリ):「全部モルア師匠のおかげだな。」


エリセナ(振り返り):「でもセトが……すごく傷ついてるみたい。」


アストン:「話しかけたいなら行ってきてもいいよ。僕は気にしないから。」


エリセナ:「うーん……やっぱりやめとく。あいつ、話しかけたら調子に乗るだけだし。」


グラシア(くすくす):「ふふ……その通りね。」


三人で去る中、近くの壁の陰からクラスメイトのクリスタル・ラベンダーが決闘を最初から最後まで見ていた。


クリスタル(静かに):「あれ……本当にアストン? やばい……かっこよすぎてちょイケメン……まさか私、もう惚れったじゃん?!」 *顔を赤らめる


彼女は胸を押さえ、心臓が速くなる。


クリスタル(心の中で):「うん……この気持ち……間違いない。」


決意の笑みを浮かべ、彼女は高揚した気持ちでその場を去る。


保健室。セトレは黙って横たわる。執事が近づく。


執事:「この敗北を旦那様に報告しますか?」


セトレ(冷たく):「我が父には関係ない。」


執事が怯む。セトレが睨む。


セトレ:「一人にしろ。」


執事たちが去る。しばらくして、影からグスタフが現れる。


グスタフ(嘲笑):「へっ……王族の名が泣くぜ。ボコボコにされたな。」


セトレ(激怒):「てめえ!」


セトレが拳を繰り出すが、グスタフが軽く受け止める。


セトレ(驚愕):「何!?」


グスタフ:「弱いな。あまりにも弱すぎる。王になるには程遠い。」


セトレの目が見開く。ベッドに崩れ落ち、目が影に覆われる。


グスタフ:「力、欲しいか? 誰であろうと逆らえないような、本物の力。」


セトレ(静かに):「……欲しい。絶対的な力。」


グスタフの顔に暗い笑みが広がる。


グスタフ:「なら……俺に任せろ。」


彼が手を差し出す。暗い呪文が部屋を包む。影が広がる。


翌朝、ロッカーを開けるとまた封筒。


エリセナ(眉をひそめる):「またセトからの挑戦?!」


グラシア(楽しげ):「フフ……しつこい人ね。」


アストン(開封):「いいや……これは挑戦状じゃない。……ラブレターだ?」


エリセナ&グラシア(同時に):「ええええ!?」


エリセナ(慌てて):「誰から!?」


グラシア(くすくす):「ふふ……誰かが本気で秘密の崇拝者がいるみたいね~」


アストン(頭をかく):「さあ……名前がないんだけどただのいたずらかも。」


突然のラブレター。イタズラか、本気か?


困惑した顔で、僕は手紙をポケットにしまう。好奇心が頭を満たす。


――


第44章 輝きな王子 vs 名もなき戦士 終

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