帰還の残響
ポリの石畳の街に朝日が昇ったばかり。僕たちは豪華な宿の前に集まり、帰還の準備をしていた。
穏やかな風が静かな町を吹き抜け、旅のマントと眠そうな目を撫でる。
アストン(伸びをして):「よし……このままここに残りたくなったまえに、出発しよう。」
エリセナ(ぶつぶつ):「残りたいって言ってるのはあなただけよ。」
グラシア(荷物を確認):「長い旅になるわ。時間を無駄にしないで。」
モルア(笑顔):「やっと帰れるの時間か……リシは私たちを恋しがってるかな、それとも鞭を研いでるのかしら。」
エリセナ(震え):「うぅ…思い出させないでよ……」
感謝の意を込めて店主が貸してくれた商人荷車に荷物を積み、車輪の音を響かせて、人間界への旅を始める。
領域をまたぐ曲がりくねった道を荷車が揺れる中、いつもより会話が弾む。道はもう安全で、心に余裕が生まれていた。
アストン(景色を見ながら):「ここに来たのが、まるで一年前みたいだな……」
モルア(腕を組んで寄りかかる):「いろんなことを経験したわね。成長もした。」
グラシア(静かに):「戦闘技術だけじゃなくて……関係性もね。」
エリセナが僕の方を振り返り、目が合った瞬間、慌てて視線を逸らす。モルアがそのやり取りを見てニヤリ。
モルア:「このまま遠慮がちにしてると、私が先に動いちゃうぞ。」
アストン(パニック):「え、え、どうゆこと!?」
荷車に笑い声が響き、空気が軽くなる。
日が暮れる頃、僕たちは到着した。往路で開いた人間界へのポータル座標。
アストン:「グラシア……お願い。」
グラシア(微笑む):「わかってるわ。」
グラシアが転移魔法をチャンネル。空間が歪み、人間界へのポータルが開き始める。
だが突然、ポータルが縮小。グラシアの魔法が不安定になる。
モルア(目を細める):「大丈夫、グラシア?」
グラシア(汗だく):「う、うん……思ったより難しい……」 *呪文を続ける
エリセナ(笑顔):「私も手伝うよ!」
グラシア(頷く):「うん、お願い……私一人じゃ足りないわ。」
二人の魔術師が一緒に転移魔法をチャンネル。共に研究し、訓練した成果が輝く。
エリセナ:「いくわよ!!」
グラシア:「ディメンション・ゲート、オプーン!」
人間界へのポータルが大きく開く。
アストン:「よし!よくやった、二人とも!」
モルア:「閉じる前に急ぐぞ。」
エリセナは一度振り返り、暗黒界の遠ざかるシルエットを眺める。
エリセナ(静かに):「さよなら……ヴァルヨネッセ。」
グラシア(僕に振り向く):「リーダー、準備はいい?」
アストン:「まだだけど、行こう。」
みんなでポータルに踏み込む。シルエットが光に飲み込まれる。そしてポータルは薄れ、空気に溶ける。
次元空間を飛ぶ。無数の色の光が渦を巻き、領域のヴェールを突き抜ける。
基地内の転移室に着地。ポータルがちらつく。
机に本を置いてうたた寝していたリシテアが、片目を開く。
リシテア(あくびしながら伸び):「……そろそろ時間ね。」
僕は最初に着地し、転がって壁に激突。
アストン:「うわっ……また着地失敗……」
エリセナは足元に火を噴射し、優雅に着地。
エリセナ(得意げ):「うん!完璧!」
グラシアは空中に氷の階段を作り、優雅に降りる。
グラシア(くすくす):「ふふ……今回は乱気流なしね。」
モルアは最後、英雄的な武術ポーズで着地。
モルア:「ただいま戻りました。」
リシテア(腕を組んで笑う):「おかえりなさい……王女は?」
僕は立ち上がり、コートを払う。
アストン(緊張):「えっと……ヴァルヨネッセは……残ることにしたんだ。自分の王国を再建するために。」
リシテアの目が少し暗くなる。僕は最悪を覚悟するが——
突然、強く抱きしめられる。
リシテア(優しく):「おかえり、アストン……無事に帰ってきてくれてありがとう。」
僕は目を瞬き、頰を赤らめる。
残りのスレイヤーズもすぐに加わる。モルアがリシテアに温かく抱きつく。
モルア:「本当に恋しかったよ、リシ。」
リシテア(優しく微笑む):「よく守ってくれたわね。誇らしいよ。」
エリセナ(興奮):「信じられないくらいすごいことがあったよ! リシテアさんが一緒にいたらもっと楽しかったのに!」
リシテア:「ごめんね。私の役目はここで門を監視して……みんなを信じることだったから。」
最後にグラシアを見る。彼女の表情は読み取れない。グラシアが前に進み、無言でリシテアを抱きしめる。
リシテア(驚き):「グラシア……?」
彼女は優しく氷青の髪を撫でる。
リシテア(静かに):「……変わったわね。」
感情が落ち着くと、僕たちは暗黒界での異常な体験を語り始める。
アストン:「師匠は悪魔の子どもたちに憧れられる伝説の英雄になったんだ……悪魔を蹴り飛ばして人質の子どもを救う姿、めっちゃかっこよかった!」
リシテア:「本当? 悪魔殺しモルアが……?」
モルア(赤面):「も〜やめてくれ、アストン! 恥ずかしいぞ!」 *背中を叩く
アストン(痛がる):「あっ!」
エリセナ(輝く目):「悪魔の友達もできたよ! ニルちゃん、ベリンダさん、カザク卿と奥さん……そして私の特別な友達、獣人三兄弟:クマ、パンダ、ポーラ!」
アストン(微笑む):「あと、傭兵の兄妹:アイビー、レミア、ゴロンも。」
エリセナ(嫌悪):「うえ……あのアイビー、アストンを誘惑しようとしたの。」
アストン(赤面):「え!? でも僕は——」
エリセナ(ぶつぶつ):「それにベリンダさんのセクシーな体をバカみたいにチラチラ見てた!」
アストン(慌てて):「エリ! そこは言わないで!」
モルア(ニヤリ):「私たちがいなかったら、童貞卒業してたわね!」
アストン(真っ赤):「師匠!」
リシテア(くすくす):「ふふ……楽しそうだったわね。」
アストン(ため息):「まあ……大変なこともあったよ。ヴァルヨネッセが洗脳されて戦わなきゃいけなかったし、玉座を奪った暴君を倒すのも……」
エリセナ(目を見開く):「そう! アストンが奇跡的に魔王トロイジールを倒したんだよ!」
リシテア(驚愕):「何!? 魔王を倒したの!?」
アストン(頰をかく):「一人じゃ無理だった……みんなの力のおかげで、ソウル・シンクロっていう新しい能力で倒せたんだ。」
リシテア(息を飲む):「ソウル・シンクロ……!?」
彼女の目が不思議な感情で輝く。僕は能力の詳細を説明する。
リシテア(厳粛に):「なるほど……これが運命だったきしら……」
アストン:「運命?」
リシテア(微笑む):「何でもないわ……忘れて。」
僕は困惑して眉を上げる。会話が落ち着いた時、突然グラシアが前に進み、全員に向き直る。
グラシア(真剣):「あの……みんなさん、私……言わなきゃいけないことがあるの。」
部屋が静まり、全員の視線が彼女に集まる。
長いため息の後、グラシアが話し始める。
グラシア:「本当は……みんなが知ってるグラシアは……私のもう一人の自分……セルリアンの姫なの。」
部屋に衝撃が走る。
アストン(困惑):「えぇ〜!? どういうこと?」
グラシア:「全部思い出したわ。私たちの本当の正体、彼女と私の過去……そして今、なぜ一つになったのか。」
――
第37章 帰還の残響 終




