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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
36/53

深紅の夜と語られざる真実

ヴァイオレット王国の首都。


三兄妹——アイビー、レミア、ゴロンが城門に立ち、槍を交差させた二人の衛兵に止められる。


衛兵1:「止まれ!」


衛兵2:「用向きを言え!」


レミアは落ち着いて推薦状の巻物を差し出す。


レミア:「私たちはスレイヤーズの推薦で来たわ。」


間もなく、三人は壮大な玉座の間に跪き、王女ヴァルヨネッセと対面する。


優雅な王族の衣装を纏い、オーラが部屋を満たす。


ヴァルヨネッセ:「立ちなさい。話して。」


アイビー:「スレイヤーズの言葉で、謹んであなたの治世に仕えたいと思います。」


スレイヤーズの名にヴァルヨネッセの目が輝く。


ヴァルヨネッセ:「彼らが保証するなら、歓迎するわ!」


だがカザクが眉をひそめて前に出る。


カザク:「殿下、彼らはトロイジールの配下でした。警戒すべきでは?」


三人は頭を下げ、反論できない。


ベリンダ:「傭兵だっただけよ。彼らの才能は本物で、忠誠は暴政ではなく、生き延びるためだったわ。」


カザク(厳しく):「それでも……トロイジールが死んだ今、疑いは残る。」


レミア(驚き):「トロイジール……死んだの?」


グルフ:「ああ。どうやって死んだか、なぜか……まだ未解決の件がある。」


ベリンダ(威圧的に):「カザク卿……国家機密を安い噂みたいに漏らさないでください。」


カザク(震え):「も、申し訳ありません! 口が滑り……」


ヴァルヨネッセ(穏やかに):「いいわよ。それなら逆手に取って。アイビー、レミア、ゴロン……あなたたち三人を特別捜査隊に任命するわ。この死の謎と、王国に残る脅威を調べなさい。」


三人(頭を下げる):「光栄です。」


ヴァルヨネッセ(ニヤリ):「そして私が隊長よ!」


カザク&ベリンダ:「え!?」


グルフ:「ふむ……理にかなってるな。」


ヴァルヨネッセ(元気よく):「よし! 新しい冒険よ、私のチーム!」


三人の目が輝く。


ベリンダ(ため息):「無理しないで……王女。」


ポリに戻り、太陽が低くなる。最後の日を街で過ごす。


エリセナとグラシアは地元の図書館で魔法研究に没頭。


モルアはアリーナの新無敗王者。


僕は部屋で一人、黒騎士の伝説の剣デスレイヤーを磨き、思いにふける。


アストン(心の中で):「黒騎士……ソウル・シンクロ……死の時計……疑問がいっぱいだ。」


僕はうめき、ベッドに倒れ込む。


突然、通信オーブが輝く。ベリンダから。


ベリンダ:「アストン、私よ。トロイジールの死亡が確認されたわ。ヴァルヨネッセが調査チームを組んでる。」


アストン(目を見開く):「トロイジールが……死んだのか!? ネクロムは?」


ベリンダ:「壊れてるわ。あれ以来、一言も喋らない。深い精神的なトラウマね。」


アストン:「そうか……」


短い沈黙の後、ベリンダが話題を変える。


ベリンダ:「ところでアストン、私たちの約束のことなんだけど……今夜、時間ある?」


僕はベリンダを頬っぺたにキスされたときが覚えている。


アストン(ごくり):「う、うん……急な用が入らなければ。」


ベリンダ(くすくす):「ふふ……緊張してるの?」


アストン:「うん……ちょっと。」


ベリンダ:「ふむ……じゃあ、ポーラー・バーで待ってるわ。」


アストン:「わ、わかった!」


通話終了。


アストン(パニック):「デート!? 何着て行こう!?」


夕食時、僕はシャープに着込んで到着。女子たちの反応を試す。


エリセナ&グラシア(赤面):「誰?!」


モルア(笑顔):「へえ……」


女子たちが驚き、僕に視線を釘付け。


アストン:「どう思う?僕、変かな……?」


モルア:「全然、とってもかっこいいぞ弟子よ。何の用事?」


アストン(頰をかく):「誰かに……会うかも。」


三人が沈黙。暗いオーラが漂う。


女子たち(暗く):「女?」


アストン(ためらい):「えっ……うん。」


エリセナ(嫉妬):「デート!?」


グラシア(息を飲む):「行かないで!」


アストン(困惑):「え? でもなぜ?」


突然、エリセナが腕を掴む。


エリセナ(独占的に):「アストンが私たちから離れていくの! 嫌だ!」


アストン:「エリセナ……」


驚いたことに、グラシアが反対の腕を掴む。


グラシア(優しく):「行かないで、お願い……私たちと一緒にいて。」


アストン:「グ、グラシア!?」


長いため息の後、僕は行かないことにする。


アストン:「わ、わかった……残るよ。」


外へ出て、通信オーブが再び輝く。


アストン:「ベリンダ、僕だ。」


ベリンダ:「わかってるわよ。何?」


デートをキャンセルする。


ベリンダ(くすくす):「ふふ……やっぱりね。大きな借りができたわよ。」


アストン:「ごめん、埋め合わせするよ。」


ベリンダ:「そうしなさい。」


通話終了。


宿に戻る。女子たちは静か。僕は優しく微笑む。


アストン:「心配しないで、本当に……どこにも行かないよ。」


女子たちが沈黙したまま、僕は一人部屋に戻る。


ベッドに横たわり、目を覆う。幼少期の初恋の失恋を思い出す。


それは八年前、死の時計の能力が目覚めた頃、地元の公園で彼女と遊んでいた。


幼いアストン:「エミリーちゃん!」


エミリー:「アストン?」


エミリー・ローズフィールド、可愛く心優しい少女。肩まで流れる短い明るい赤髪。


彼女は白いウサギを抱き、微笑む。


エミリー:「見て、パパが買ってくれたの! うさぎ!」


幼いアストン:「わあ! かわいい!」


エミリー:「でしょ!? 名前はスノー。遊ぼう!」


幼いアストン:「うん!」


ウサギに餌をやり、撫でて遊ぶ。突然、日が沈む。


エミリーのママ:「エミリー……帰る時間よ!」


エミリー(スノーを抱いて):「ママ! じゃあ帰ろう、スノー! バイバイ、アストン!」


幼いアストン(笑顔):「バイバイ!」 *手を振る


翌日、エミリーが再びスノーを連れてくる。いつも通り遊ぶ。


突然——


死の時計がウサギの頭上に現れる。


幼いアストン(パニック):「あっ!」


エミリー:「アストン? どうしたの?」


幼いアストン:「え、エミリーちゃん! 時計!? スノー! 死ぬよ!」


エミリー:「何言ってるの? スノーは元気だよ……見て!」


スノーは元気に跳ね回る。


幼いアストン:「でも……この時計、絶対当たる! あと20分以内に、スノーは死ぬ!」


エミリー(怖がって):「やめてよ、アストン! 怖い話しは禁止!」


幼いアストン:「ご、ごめん……でも……」


エミリー:「でもなんてない! もう一緒に遊ばない!」


幼いアストン:「エミリーちゃん……」


スノーを見ると、時計がゼロに近づく。僕はウサギから目を離さず、死を避けようとする。


エミリー:「アストン、聞いてるの?」


幼いアストン:「あ……ごめん……何?」


スノーに集中しすぎて、会話が追えなくなっていた。


エミリー:「どうしたの、アストン? スノーばっかり見て。」


幼いアストン:「い、いや……時計が……」


エミリー:「も〜!スノーは元気だって言ってるでしょ!」


時計がゼロに近づき、僕の目が恐怖に染まる。

時計がゼロになると——


*バン!


サッカーボールが飛んでくる。誰にも当たらず、ウサギを驚かせる。


サッカー少年:「あっ……ごめん!」 *ボールを取る


驚いたスノーが道へ跳ねる。そして——


*ドガッ!


車がウサギを轢く。


幼いアストン:「ああ! スノー!」 *駆け寄る


エミリー(衝撃):「スノー……嘘……」 *跪く


幼いアストン(叫び):「おい! 待て!!」 *車を追いかける


車は止まらず、消える。スノーは道に横たわり、死にかけている。


エミリー(泣きながら):「スノー! 私のスノー! お願い、行かないで!!」 *抱きしめる


最後の鳴き声の後、スノーは目を閉じ、息絶える。


幼いアストン(涙目):「スノー……エミリーちゃん……」


エミリー(絶叫):「スノオオオ……!!」 *泣き崩れる


エミリーのママが来て、彼女を慰める。僕はただ、好きな女の子が大切なペットを失うのを眺めるだけ。


幼いアストン:「エミリーちゃん……ごめん……」


エミリーのママ:「大丈夫よ、あなたのせいじゃないわ……」


エミリー(暗く):「違うよ、ママ……あいつのせいよ。」


幼いアストン(息を飲む):「え!?」


エミリーのママ(困惑):「何言ってるの?」


エミリー(目が暗くなる):「スノーが死ぬ前、あいつがスノー死ぬって言ってた……あいつがスノーを呪ったのよ、ママ!」


幼いアストン(衝撃):「なっ……!?」


エミリーのママ(困惑):「本当なの?」


幼いアストン(震え):「う、うん……言っよ、だって……見えたんだ……スノーの死ぬまでのタイマー……」


エミリーとママが恐怖に息を飲む。僕の能力の未知に怯える。


エミリー:「それよ!それだからスノーが死んだ! 怖い変なやつ!!」


幼いアストン:「違う! 僕——」


エミリーのママ(慌てて):「帰りましょう、エミリー!」


死んだウサギを抱き、エミリーとママは急いで去る。僕を一人残して。


幼いアストン(目が暗くなる):「僕……呪われてるの……?」


現実に戻り、僕はベッドに横たわり、目を覆う。幼少期の苦い記憶。


後で通信オーブが輝く。


エリセナ:「アストン、寝てる?」


アストン:「まだ……どうした?」


エリセナ(囁き):「舞踏室に来て。サプライズがあるよ。」


アストン(興味):「サプライズ?」


幸いスーツを脱いでいなかった。少し身支度を整え、舞踏室へ。


入ると、僕は凍りつく。おとぎ話のようなきらめくホール。


深紅のドレスのエリセナ、氷白のドレスのグラシア、黒いドレスのモルアが待っている。


エリセナ(笑顔):「どう……思う?」


アストン(驚嘆):「みんな……息を飲むほど美しい。」


女子たちが赤面する。


音楽が始まり、モルアが手を差し出す。


モルア(微笑む):「踊って、黒犬卿。」


アストン(お辞儀):「喜んで、風虎さん。」


完璧な調和でワルツを踊る。


モルア(ニヤリ):「私に追いつけるのか?」


アストン:「全力で、師匠。」


突然、モルアが踊りを止める。


アストン:「師匠?」


モルア(もじもじ):「あの……アストン。今夜だけ、名前で呼んでくれる?」


僕は驚き、微笑む。


アストン:「もちろん、モルアさん……」


モルアが微笑み、頰がかすかに赤い。


音楽のビートが速くなり、彼女はエネルギッシュに再開。


モルア(満面の笑み):「今夜を楽しもう、アストン。」 *手を差し出す


アストン(手を取る):「うん、モルアさん。」 *一緒に踊る


モルアとの激しい10分のダンスの後、音楽が終わる。


いつの間にか観客が集まり、拍手が沸く。


アストン&モルア(お辞儀):「ありがとうございます!」


後で美しいシンフォニーがステージのグランドピアノから流れる。グラシアだった。


僕はステージに近づき、彼女が座って微笑むのを見る。


グラシア:「一緒に演奏して、黒犬卿。」


アストン:「光栄です、白龍さん。」 *ハーモニカを構える


グラシアはピアノをプロ級の演奏。僕はハーモニカを控えめな技で追いつく。


デュエットは大成功。拍手と歓声が轟く。


グラシア(優しく微笑む):「上手だったわ、アストン。」


アストン(ニヤリ):「ギリギリセイブと思ったんだけど。」


グラシア(くすくす):「ふふ……正直、もっと練習が必要ね……」


アストン:「そうだね、完璧お女さん。」


突然、灯りが消える。


最後のサプライズ——


スポットライトに照らされたエリセナが魔法マイク石に優しく歌う。


近づき、マイクを差し出す。


エリセナ(笑顔):「一緒に歌って、黒犬卿。」


アストン:「う……僕……」


僕の歌声が中程度だと知り、ためらう。だが彼女が腕を引き、ステージへ。


声が中途で合わさり、不確かだが甘い。


拍手と歓声が舞踏室を満たす。


みんなと楽しんだ後、バルコニーへ。


外では星が深紅にきらめく。僕は女子たちにグラスを掲げる。


アストン:「今夜……ありがとう。」


女子たちが僕のグラスに合わせる。


温かな風が吹く。絡み合う四つの心が、静かに瞬間を抱きしめる。


――


第36章 深紅の夜と語られざる真実 終

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