記憶の声
戦いの後、傷ついたスレイヤーズが中央ホールで再集合。
傷の手当てをし、ヘルスポーションを分け合い、互いに頷き合って安心させる。
息を整えていると、外から戦いの雷鳴のような音が響く。
グルフ:「部隊! 前進せよ! 進め……!!」 *剣を抜く
レジスタンス部隊:「自由のために……!!」 *城へ突入
僕たちは壊れたバルコニーへ急ぎ、内庭を見下ろす。
戦争が始まっていた。レジスタンスが複数の正面からヴァイオレット城へ雪崩れ込む。
グルフ:「ラアアアラララライ!!」 *猛烈に斬りつける
王軍兵が背後からグルフを刺そうとするが、カザクが正確な剣技で迎撃。
カザク:「背中は任せろ、司令官!」
グルフ(ニヤリ):「ヘヘッ! 元近衛騎士と肩を並べて戦えるとは……最高の名誉だぜ!」
カザク(微笑み):「何……今はただの戦士さ。みんなと同じだ。」
グルフとカザクは背中合わせで戦う。グルフは獣人らしい野性的な力で斬りつけ、カザクは騎士らしい精密さで魔法弾と剣撃を弾く。
主力部隊の後方では、ベリンダと精鋭魔術師団が砲撃陣形を組む。火球や岩槍が弧を描いて城壁の衛兵へ飛ぶ。
ベリンダ:「魔術部隊! 撃て……!!」 *手を前に
精鋭魔術師1:「ファイア・ボール!!」
精鋭魔術師2:「ロック・スピアー!!」
戦場の中央では、商人獣人三兄弟——クマ、パンダ、ポーラ——が参戦。
背中合わせの三人組が、強烈なパンチとキックを繰り出す。
クマ:「行くぞ、兄弟!」
パンダ:「うん……兄貴!」
ポーラ:「俺たちの力、見せてやる!」
一見コミカルな巨体だが、動きは一糸乱れぬ連携。完璧なシナジーを見せる。
エリセナ:「わあ……! すごい……! 本物のヒーローみたい!」 *目を輝かせる
突然、僕の視界が真紅に染まる。
頭蓋骨を貫くような激痛が走り、僕は頭を押さえる。
アストン(うめき):「うっ……!!」 *頭を抱える
僕の視界に無数の死の時計が溢れる。味方にも敵にも数百個が浮かぶ。体がふらつき、意識が遠のく。
モルア:「アストン!? 大丈夫!?」 *駆け寄る
体が崩れ落ちる。
エリセナ:「いや! アストン!!」 *振り返って走る
グラシアの目が見開く。僕が倒れるのを見て、瞳が暗くなる。
グラシア(衝撃):「嘘……」
ゆっくり近づき、跪いて僕の頭を膝に載せる。
グラシア(慌てて):「起きなさい! ふざけてるんじゃないわよ、バカ!」 *ポーションを探る
エリセナ(涙目):「アストン! お願い、起きて!」 *手を握る
モルア(歯を食いしばる):「おい! バカ弟子! リシに無事に帰るって約束したでしょ!」 *頰を押さえる
女性たちの声が遠ざかり、闇が忍び寄る。
そして僕は夢のような虚空に目覚める。
若い男の声が優しく響く。
声:「アストン……アストン・ヘイルファイア……」
黒い鎧の男が影から現れる。僕の姿に似ているが、年上で威厳があり、圧倒的な力を放つ。
黒騎士:「俺はスカーレティシアの黒騎士。300年間、君が身につけているペンダントの中に魂を宿してきた。」
アストン(呆然):「え、待って……何?」
黒騎士:「俺は剣デスレイヤーの核に魂の一部を封じた。その核が君のペンダントになったのだ。」
アストン(混乱):「情報多すぎて頭処理できない……」 *頭を抱える
黒騎士は優しく微笑む。
黒騎士:「ずっと見てきたよ……君の恐怖、疑い、勇気……そして、かなり大胆な夢までな。」
アストン(赤面):「大胆な夢?まさか! あの夢見てたの!?」
黒騎士(笑う):「ハハハ! 落ち着け。男なら当然だ。女の愛と温もりを求めるのは自然……だが、複数の女を同時に夢見てるとはな……」
アストン(慌てて):「あああっ!! 声に出さないで!!」 *コミカルにパニック
黒騎士(穏やかに):「まあまあ……だがよく聞いて。俺はかつて宿敵デス・キングを倒し、スカーレット姫を守るために戦った。その誓いは今も俺を縛っている。」
アストン:「スカーレット姫? でも300年経ってるよね? もういないんじゃ……」
黒騎士:「いや……彼女の魂……君の仲間のひとりに宿っている。エリセナ・シルヴェストンだ。彼女の中にその残響がある。」
アストン:「エリセナの中に!? どういう意味?」
黒騎士:「おっと……時間だ。真実は後で……今は起きてくれ。」
アストン:「待って!」
白い光が視界を埋め尽くす。
目を開けると、僕の頭が柔らかい膝の上。
アストン(つぶやき):「グラシア……?」
グラシアの目が静かに輝く。
モルア(穏やかに微笑む):「遅かったわね、弟子。」
アストン:「僕、気絶してたか?」 *起き上がろうとする
だが起き上がる前に、エリセナが飛びついてくる。泣きじゃくる。
アストン(驚き):「エ、エリセナ!?」 *赤面
エリセナ(泣きながら):「うえええ……よかった……! もう戻ってこないかと思った……!」 *鼻をすする
アストン(優しく微笑む):「ごめん、エリセナ……もう大丈夫だよ。」 *頭を撫でる
彼女は頷き、鼻をすする。鼻から鼻水の泡がポンッと弾ける。
エリセナ(鼻をすすり):「二度とこんな怖い思いさせないでよ!!」 *鼻水垂れながら
アストン(くすくす):「はは……何その顔?」 *優しく笑う
エリセナ(頬を膨らませ):「モー!大嫌い!」 *頬をつねる
顔が赤くなる。
グラシアは僕とエリセナのやり取りを眺め、突然胸に手を当てる。
見知らぬ疼きが胸の下で脈打つ。
グラシア(心の中で):「何……この気持ち……?」
僕はグラシアを振り返り、微笑む。
アストン:「グラシア……膝枕ありがとう。」 *優しく微笑む
グラシア(驚き):「何!?」 *顔を背ける
変な反応に戸惑い、僕はじっと見つめる。
グラシア(赤面):「見るな、変態!」 *チラチラ盗み見
アストン(驚き):「え!?」
グラシアは僕の顔を見られず、顔を真っ赤にする。
モルアが僕の肩を叩き、微笑む。
モルア:「おかえり、弟子よ!」
アストン:「師匠……戦争はどう?」
モルア:「レジスタンスが一方的に優勢よ……私たちの作戦が成功したおかげでね……」
アストン:「そうか……ごめん……僕のせいで貴重な時間を無駄にしちゃって……」
モルア(穏やかに):「謝らないで、アストン……私たちはスレイヤーズだ。互いの弱さを補い合うためにチームなんだから!」
アストン(かすかに微笑む):「師匠……」
モルア:「それに、スタミナ回復のための休憩も必要だったわ。胸を張りなさい……私の弟子!」 *ニヤリ
アストン:「そうだね、師匠! ありがとう!」 *笑顔で返す
城の最後の区域がレジスタンスの手に落ちる。
モルアが立ち上がり、スカートの埃を払う。
モルア:「休憩は終わりだ。トロイジールのケツを蹴り飛ばしに行くぞ!」
アストン(立ち上がる):「うん。ヴァルヨネッセを救わなきゃ。」
エリセナ(笑顔):「行こう、グラシア!」 *手を差し出す
グラシアは驚き、首を振ってエリセナの手を取る。
グラシア:「ええ……」 *かすかに微笑む
僕たちは互いに見つめ合い、頷き合う。
再び戦いの光の中へ踏み出し、二つの世界の運命を変えるために。
螺旋階段を登る。ブーツが冷たい石に響く。
通路はどんどん高くなり、城の頂点——トロイジールの玉座の間へ向かう。
――
第28章 記憶の声 終




