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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
20/32

戦う理由

アストンの冒険はまだまだつづける! どうぞ楽しんでお読みください!

挿絵(By みてみん)


翌朝、トロイジールの王軍がサンドローザ村に再びやってきた。指揮官ブリッツが傲慢に馬を進める。


村長と村人たちが集まる中、ブリッツが村長を睨みつける。


ブリッツ:「村長! 税金の回収に来たぞ!」


村長:「申し訳ありません、ブリッツ様……ご覧の通り、我々は生きるだけで精一杯じゃ……今は税金を払えません……」


ブリッツ:「何?……なら、女と子供を連れて行くぞ!」


村長:「何ですって!? どうかおやめください、ブリッツ様!」 *慌てる


ブリッツ:「ははは! なら税金を払え! さもなくば女も子供も全員連れて、このみすぼらしい村を灰に変えてやる!」 *ニヤリ


村人たちが恐怖に息を飲む。村長は必死に説得するが、軍は馬を返して去っていく。


ブリッツ:「あと一日だけ猶予をやる! これが最後のチャンスだぞ、村長!」


王軍は馬を駆って去り、村に絶望と恐怖だけを残した。


村人1:「故郷を壊されるなんて……!」


村人2:「私たちはどうなるの……?」


村長は村人たちを落ち着かせようとする。


村長:「わしが何とかする……みんな、心配しなくていい。」


僕たちは村長の家からこのやり取りを見ていた。


グラシア:「関わらないほうがいいわ。」 *冷たく背を向ける


エリセナ:「そんな? みんな苦しんでるのに。」


グラシア:「これが私たちの使命ではないし、道中で全員を救うなんて無理よ。」


アストン:「師匠、どう思う?」


モルア:「僕? ……すまん、私…まだわからない……」 *うつむく


アストン(決意):「なら、助ける。僕も黙って見ていられない。」


エリセナ:「アストン、私も賛成!」 *笑顔


グラシア:「はあ……もう、感情で動くなんて……」 *目を回す


僕たちは村長に会い、助けを申し出る。


村長:「申し訳ありませんが、旅人の皆さんを巻き込むわけには……」


エリセナ:「お願いです、力を貸させてください。」


村長:「よそ者の皆さんを我々の問題に巻き込むわけには……」


苛立ちを抑えきれず、グラシアが前に出る。


グラシア:「なら、土下座して死ぬのを待つ方がマシってこと? じいじい……みんなを集め。」


村長:「何のっ……」


グラシア:「早く!」


村長は驚きながらも、村人たちを集める。


村長:「サンドローザの悪魔たちよ! 僕たちは一人じゃない。白龍様、どうか知恵を貸して。」


村人1:「白龍? 村長のお客さんじゃないか?」


村人2:「よそ者が何をできるっていうんだ?」 *疑いの目


グラシアが前に進み、村人たち全員を見据える。


グラシア(ニヤリ):「けっ! 悪魔を名乗ってるくせに、みんな怯えてるだけじゃない……情けないわね!」


村人3:「何!?」


村人4:「この小娘が——」


グラシア:「みんな、悔しくないの? 踏みにじられて、奪われて……」


村人たちが静まり、彼女の言葉の真実に気づく。


グラシア:「誇りを忘れたの!? 悪魔なら、悪魔らしく戦え!! 生き延びるためだけじゃなく、自由のために!!」 *激しく叫ぶ


村人たちの魂に火がつく。村長が本来の強靭な姿に変身し、咆哮を上げる。


村長:「自由のために!!」 *咆哮


村人たち:「自由のために!!」 *叫ぶ


激しい宣言の後、グラシアは急に疲れ果てる。


グラシア:「やっぱり大勢の前は苦手……」


僕とエリセナが駆け寄る。


エリセナ:「グラシアさん、すごかったよ!」 *満面の笑み


グラシア:「別に……早く終わらせたかっただけ。」 *少し頰を赤らめる


アストン:「それでも……すごいよ。」 *微笑む


グラシア:「ちっ……バカ。」 *照れる


グラシアは照れ隠しに僕の鼻をつまんで。


日が沈み、村人たちは罠の設置と明日の戦いの準備を終える。村長の家で、僕は村長と村の戦士たちに作戦を説明。


アストン:「落とし穴トラップと挟み撃ち。直接対決は避けて、被害を最小限に抑える。」


村人:「なんて卑怯な! 僕たちは誇り高い悪魔だ! 正々堂々と戦う!」


グラシア:「じゃあ、名誉のために死ぬ方が家族を守るよりマシってこと?」


村人が黙る。村長が僕に頷く。


村長:「黒犬様、貴方の作戦に従います。我々は自由のために戦う。生きるためじゃ。」


夜、村人たちに食料を配るエリセナとグラシア。


グラシアが休憩していると、モルアが近づいて話しかける。


モルア:「どうしてそんなに気にかけるの? あいつらは悪魔だぞ。」


グラシアは無言でモルアを見る。そして答える。


グラシア:「論理的な理由はない。ただ……昔の自分を思い出させただけ。情けなくて、弱くて。」


モルア:「なるほど……」


グラシア:「どうしてあんなに種族にこだわるの? 悪魔なのは確かだけど、少なくとも敵じゃないわ。」


モルア:「それが……」


モルアは自分の過去をグラシアに語る。


話を聞き終えたグラシアは、モルアの痛みの深さを理解する。


グラシア:「大変だったのね……ごめん、知らなくて。」


モルア:「いいんだ……何年も一緒に戦ってきたのに、こんな深い話、初めてだね。」


グラシア:「うん、そうね。」 *かすかに微笑む


モルアは立ち上がり、グラシアに微笑む。


モルア:「話を聞いてくれてありがとう、グラシア。」


グラシア:「どういたしまして。次は私の番ね。」


モルア:「楽しみにしてるよ。」


夜は静かに過ぎ、太陽が昇る。


見張り台の村人が叫ぶ。


村人(叫び):「来たぞ!! 王軍が近づいてる!!」


スレイヤーズはすでに各ポジションへ。僕は前衛部隊を率い、エリセナとグラシアは村の魔法攻撃を防ぎ、モルアは……


アストン:「師匠、無理しなくていいよ。ここで見守ってて。」


モルア:「うん……すまんな……私も…助けたいのに……」 *まだ震える


エリセナ:「大丈夫ですよ、モルアさん! 私たちが師匠の分まで戦います!」 *前向きに笑う


モルア:「エリセナ……ありがとう。」 *優しく微笑む


グラシア:「行くわよ。」


モルア:「うん……がんばって。」


モルアは僕たちを見送る。拳を握り、苛立ちと葛藤に震える。


王軍が門をくぐり、罠に落ちる。


王軍:「これは!? 待ち伏せだ! 罠を仕掛けてるぞ!」


ブリッツ:「あの村長め! 税金より死を選んだか! 罠に気をつけろ! 慎重に進め!」


罠に落ちた兵を、僕たちの前衛部隊が挟み撃ち。


ブリッツ:「この戦術!? 軍事戦略家がいるのか!?」


王軍:「どうやら違うようです! よそ者が力を貸してるらしいです!」


ブリッツ:「ちっ! 面倒な! 撤退だ!」


グラシア:「逃がさないわ——アイス・ワォール!」


ブリッツが退却しようとするが、グラシアが巨大な氷壁で門を封鎖。


ブリッツ:「魔術師か!?」


兵は次々と倒される。同じ効果的な作戦を繰り返す。


ブリッツ:「馬鹿ども! 罠に引っかかるな!」


ブリッツが槍を掲げる。炎の魔力を宿した深紅の槍。


ブリッツ:「すべて焼き払え! ブレイジング・スピア!!」


炎の波が村へ向かう。グラシアがもう一枚の氷壁で防ぐ。


ブリッツ:「お前の氷など俺の炎に勝てん! ハハハハ!!」 *さらに強力な炎を放つ


グラシア:「ちっ! この炎、止められない!」


エリセナ:「私に任せて!」


グラシアの氷が溶ける中、エリセナが巨大な炎の壁を召喚。ブリッツの炎を押し返す。


エリセナ:「ファイア・ウォール!!」


激しい炎が融合し、空へ向けて爆発。村は無傷。


エリセナ:「やった!」 *目が輝く


グラシア:「ナイスアシスト、エリセナ!」 *かすかに微笑む


ブリッツ:「おのれ……魔術師どもめ!」 *槍を掲げる


槍の魔力が尽き、もう炎は出せない。


ブリッツ:「ぐあああ!! もういい! 俺の手で潰してやる!」


ブリッツは馬で突進するが、落とし穴に落ちる。素早く飛び上がり、単身で襲いかかる。


ブリッツ:「ハハハ! 子供じみた罠など俺には通用せん!」


ブリッツが魔法の槍を手に僕へ突進。


ブリッツ:「死ね!!」


僕は槍を弾き、飛ばす。そして剣をブリッツに向ける。


アストン:「終わりだ。降伏しろ。」


ブリッツ:「なるほど……わかったぞ! お前か! 全部お前の仕業だな!」


アストン:「そうだ……僕の作戦と、村人たちの勇気がお前を倒したんだ……」


ブリッツ:「倒した? このブリッツ様が!? 冗談じゃない!」 *剣を抜く


僕は構え直し、次の攻撃を待つ。


ブリッツ:「死ね! 黒犬!!」 *突進


鋼が激しくぶつかり合う。僕は受け、弾き、かわし、反撃。最後に腹へ蹴りを入れる。


ブリッツ:「ぐはあ!!」 *痛みにうめく


蹴りがブリッツを吹き飛ばし、家に激突。


家の一部が壊れ、隠れていた小さな悪魔の少女が姿を現す。


アストン:「しまった!」


ブリッツは少女を乱暴に掴み、人質にする。


小さな悪魔少女:「きゃあ!!」


ブリッツ:「武器を捨てろ! さもなくばコイツを殺すぞ!」


アストン:「くそ……」 *剣を落とす


ブリッツが狂ったように笑う。


ブリッツ:「はは……ハハハハハ!! お前が俺を倒しただと? 笑わせるな!! 結局この俺様、ブリッツ様が勝つんだ!! ハハハハ!!」


小さな悪魔少女:「助けて……!」 *涙目


一瞬でジェットブーストのキックがブリッツの顔面に炸裂。彼を壁へ吹き飛ばす。


モルアだった。閃光のように駆けつけ、少女を救った。


小さな悪魔少女:「え……?」 *驚く


モルア:「大丈夫かい、かわいい子?」


モルアは少女を抱き上げ、優しく抱きしめる。少女はモルアの胸で泣く。


小さな悪魔少女:「わあああ! こわかった! ありがとう……!」 *すすり泣く


モルア:「よしよし……もう大丈夫よ。」 *背中を撫でる


僕は心温まる光景を見て微笑み、グラシアに勝利の合図を送る。


グラシア:「勝利だ!!」 *杖を掲げる


村人たち:「オオオオオウ!!」


村は歓喜に沸く。ついに抑圧から解放され、犠牲者ゼロで勝利。


村人たちは残った兵を捕らえる。村長は元の小さな姿に戻る。


モルアは気絶したブリッツに近づき、頰を叩いて起こす。


ブリッツ:「お、お前は!? 悪魔の死刑執行者、風虎!! 噂だと思ってた!」 *恐怖で震える


モルア:「運がいいやろうだ、私が変わったから。協力すれば命は助けてあげるぞ。」 *冷たく睨む


ブリッツ:「はい! どうか命だけは!」 *情けなく懇願


村人たちが歓声を上げ、モルアを英雄と呼ぶ。


モルア:「私が……英雄?」


エリセナ:「そうよ! 小さな子を救ったんだから!」


グラシア:「その称号にふさわしいわ。」 *かすかに微笑む


僕はモルアに近づく。彼女は僕の目を見る。


アストン:「おかえり、師匠。」 *優しく微笑む


モルアは少し頰を赤らめ、笑う。


モルア:「うん……戻ってきたよ、弟子! 今度は殺すためじゃなく、守るために戦う!」


風が強く吹き、暗黒界に反乱の風が吹き荒れる。


――


第20章 戦う理由 終

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