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1/3時間  作者: 藤崎ユキオ
15/18

彷徨う花

アストンの物語わまだ続ける。どう顔楽しんで読めてください!

挿絵(By みてみん)


澄んだ空の下、太陽が住宅街を明るく照らす。


ヴァルヨネッセはゆっくりと歩き、馴染みのある家を見つめる。


家の玄関前で足を止め、ためらう。


今はリシテアのアパートに住んでいるが、あの静けさが心を重くする。安全な場所にいても、孤独が忍び寄る。


ヴァルヨネッセ(心の中で):「このままノックするべき? それとも……」 *自分を抱きしめて迷う


その時、声が響く。


少女の声:「ヴァル姉!?」 *驚きの声


ヴァルヨネッセは振り返り、笑顔になる。


ヴァルヨネッセ:「ステラ!?」 *満面の笑み


ステラ:「ヴァル姉! 会いたかったよ!」 *駆け寄って抱きつく


ヴァルヨネッセ:「私もよ、ステラ!」 *強く抱き返す


ステラ:「久しぶり! どうしてここに? 入って入って!」 *興奮


もう一人の少女の声:「ステラちゃん……誰?」


振り返ると、ステラの友達が学校帰りに一緒に歩いていた。


赤髪の少女——以前僕が助けたチェリー。そして、紫髪で前髪が目を隠す内気な少女、ムツミ。


ステラ:「この子たちが友達のチェリーちゃんとムツミちゃん!」


チェリー(囁き):「うわ……実物の方がずっと綺麗……」


ムツミ(頰を赤らめて):「……おとぎ話の姫様みたい……」


ヴァルヨネッセは優しく微笑む。


ヴァルヨネッセ:「ヴァルヨネッセよ。よろしくね、二人とも!」 *手を差し出す


チェリー:「こちらこそ! ヴァルヨネッセさん!」 *興奮して握手


ムツミ:「は、はい……よろしくお願いします……」 *そっと握手


少し笑い合った後、友達たちは去る。ステラがヴァルヨネッセを家に招く。


家の中、おじさんが温かい笑顔で迎える。


ステラ:「お父さん! 誰が来たと思う!?」 *元気いっぱい


サイモンおじさん:「おや? 特別なお客さんじゃないか! 座って座って! お茶とお菓子持ってくるよ。」 *歓迎


ヴァルヨネッセ:「サイモンさん! ありがとうございます……久しぶりのお茶とお菓子だわ!」 *座る


ステラ:「着替えてくるね! ちょっと待ってて、ヴァル姉!」 *部屋へ走る


ヴァルヨネッセ:「うん……」 *優しく頷く


おじさんがお茶を準備し、ステラが着替えている間、ヴァルヨネッセはソファでくつろぐ。懐かしさが込み上げる。


ヴァルヨネッセ(心の中で):「この穏やかで平和な時間……やっぱり、これが欲しかったんだ……」 *リラックスした笑み


家族の温かさと日常の喜びに包まれ、心が少しずつ落ち着く。初めて、静けさが痛みではなく、癒しになった。


数分後、訓練から帰宅した僕が玄関を開ける。


アストン:「ただいま——」 *疲れた声


ステラが興奮して駆け寄る。


ステラ:「おにぃ! おにぃ! 誰が来てると思う!?」 *笑顔


アストン:「誰?」 *困惑


ステラ:「こっち!」 *腕を引っ張ってリビングへ


アストン:「ゆっくりしてよ、ステラ!」 *引きずられる


リビングに入ると、ヴァルヨネッセがいた。僕は驚いて立ち止まる。


ステラ:「じゃーん!」 *満面の笑み


アストン:「ヴァルヨネッセ!?」 *目を見開く


僕の声に気づき、彼女が振り返る。顔が喜びに輝く。


ヴァルヨネッセ:「おかえり、アストン!」 *強く抱きつく


アストン:「ヴァ、ヴァルヨネッセ!?」 *照れる


ステラ:「ヴァル姉……おにぃに抱きつくしないで……」 *頰を膨らませる


ヴァルヨネッセ:「どうして?」 *無自覚


ステラ:「だ、だって……おにぃ汚いもん……」 *赤面


アストン:「ステラ!?」 *傷つく


サイモンおじさん(笑い):「はは……相変わらずモテるな、坊主。」


その後、ヴァルヨネッセの学校生活について話す。


アストン:「ヴァルヨネッセは今学校のセレブだよ。」


ヴァルヨネッセ:「当然よ! おほほほ!」 *優雅に笑う


アストン:「新しい友達と忙しくて、僕のこと忘れてたんじゃない?」


ヴァルヨネッセ:「誰のせいだと思ってるの? エリセナとずっと一緒だったじゃない……二人の親密な時間は邪魔できないでしょ!」 *からかう


アストン:「し、親密な時間!? 何言ってるんだ! 友達だよ!」 *慌てる


ステラ:「エリセナって誰……?」 *頰を膨らませる


ヴァルヨネッセ:「アストンの彼女よ。」 *僕にウィンク


アストン:「待って! 誤解させるな!」 *パニック


ステラ:「彼女!? おにぃ! 勉強に集中するって約束したのに!」 *激怒


アストン:「違う! 聞いてくれ……!」 *敗北


ヴァルヨネッセはステラの怒りを見て楽しそう。おじさんはお茶を啜り、家族の騒ぎを微笑みながら見守る。


日が沈み、おじさんが喫茶店を開けにいく。ステラは宿題に取りかかる。僕とヴァルヨネッセだけになる。


ヴァルヨネッセ:「アストン……部屋に行ってもいい?」


アストン:「え!? な、なんで!?」 *動揺


ヴァルヨネッセ:「話したいことがあるの……悪魔のこと。」


悪魔の単語に、僕は真剣になる。


アストン:「わかった。上に行こう。」


ヴァルヨネッセは僕の急な冷静さに驚き、遊び心のある笑みを浮かべる。


ヴァルヨネッセ:「ふふ……エッチなこと考えてるんでしょ?」 *からかう


アストン:「な、何!? そんなこと考えてない!」 *動揺して冷静さが崩れる


ヴァルヨネッセ:「本当……?」 *目を細める


僕は目を逸らす。実際、少し考えてしまった。


部屋に着き、彼女はベランダへ。夕焼けを眺める。


ヴァルヨネッセ:「人間界って、本当に綺麗ね……」 *感動


僕は隣に立ち、彼女の純粋な反応に微笑む。


アストン:「暗黒界の夕焼けは違うの?」


ヴァルヨネッセ:「全然! ダーク・リールムの空は名前の通りほとんど暗いわ。太陽が白じゃなくて、深紅の光を放つの。」


アストン:「なるほど……それも独特の美しさだと思うよ。」


ヴァルヨネッセ:「ありがとう……」 *嬉しそうに微笑む


沈黙の中、夕焼けを眺める。やがて、悪魔の話を始める。


ヴァルヨネッセ:「実は……この世界に来る前、王国に追われていたの……」


アストン:「追われてた? どういうこと?」


ヴァルヨネッセ:「王女だってこと、忘れてないよね?」


アストン:「もちろん!」


彼女は小さく微笑み、続ける。


ヴァルヨネッセ:「本当は……父上の玉座を、信頼していた側近の若い悪魔、トロイジールに奪われたの。」


アストン:「え!? じゃあお父さんは——」


ヴァルヨネッセ:「うん……父上……第六代バイオレット王国の王、シェルツォ・ヴァイオレット・ターコイズは、彼の策略に嵌まって、トロイジールの手に落ちた。」 *涙目


アストン:「ヴァル……辛かったね。」 *優しく抱きしめる


ヴァルヨネッセ:「ありがとう、アストン……」 *抱き返す


短い抱擁の後、彼女は続ける。


ヴァルヨネッセ:「お母様は父上の急死を聞いて行方不明に……お姉様は復讐に出て、二度と戻ってこなかった。」


アストン:「じゃあ、ずっと一人だったの?」


ヴァルヨネッセ:「ううん……幸い、父上の忠臣たちが私を支えてくれた。でも、トロイジールが完全に権力を握って……」


アストン:「うん……」 *真剣に聞く


ヴァルヨネッセ:「王位を奪った彼は、父上の忠臣たちを次々と処刑した。知ってる顔がどんどん消えていった……」


アストン:「うっ……」


ヴァルヨネッセ:「残った忠臣たちは隠れ家を作り、時を待つことにした。そして、真の後継者である私、ヴァイオレット王女が、彼らの未来を背負うことになった……」


アストン:「大変な責任だね……」


ヴァルヨネッセ:「うん……そして今、私はここにいる。義務から逃げて……みんなの目に希望が宿っていたのに……私は王女失格よ。」


アストン:「そんなことない! 君は精一杯やってるよ……初めて話した時、君はこの世界の支配者に会いたいって言ったよね。民を助けるために……」


ヴァルヨネッセ:「でも……次に何をすればいいかわからない……」


アストン:「じゃあ、一緒に考えよう! 二人の頭脳があれば、一人よりいいよね?」


僕は優しく微笑み、彼女を励ます。彼女もようやく笑顔になる。


ヴァルヨネッセ:「アストン……」 *優しい笑み


アストン:「君の世界のことよく知らないけど、助けたい! 僕を君の力にさせて!」


ヴァルヨネッセは頰を赤らめ、顔を隠す。


ヴァルヨネッセ:「う、うん……」


その後、数日前、学校周辺で悪魔を感じたことを話す。


ヴァルヨネッセ:「アストン……数日前、お昼頃に中庭で何か変な気配を感じたの。」


僕はあの悪魔侵入事件を説明する。


アストン:「実は、悪魔の侵入があったんだ。」


ヴァルヨネッセ:「え!?」 *衝撃


アストン:「うん……ポータルから悪魔の群れが湧いて、学校を襲おうとした。でも、学校には対抗手段があったんだ。」


ヴァルヨネッセ:「でも私、何も見えなかった! 魔眼を使ったのに!」


アストン:「あれはタイムレス・ドメインで封鎖されてたから……領域の外からは何も起こってないように見えるんだ。」


ヴァルヨネッセ:「つまり……私の真下で起きてたってこと……? 私は何もできなかった……?」 *口を覆う


沈黙。彼女の目が暗くなる。


ヴァルヨネッセは使者の言葉を思い出す。


ネクロム:「……ご自分の責任を果たさない場合、代わりに誰かが代償を払うことになるでしょう……」


彼女は気づく。自分が戻らずトロイジールの花嫁にならないことで、周囲の人間に危険が及んだのだ。


ヴァルヨネッセ:「アストン……ごめんなさい。私の同族が……君たちの世界を傷つけてる。私はもう、これ以上許せない。」


アストン:「大丈夫だよ、ヴァルヨネッセ……君のせいじゃない。君は——」


ヴァルヨネッセ:「君のせいじゃないって言われても、痛いわ! この世界にいたら、また来るかもしれない!」


彼女は背を向け、ベランダへ。翼を広げ、もう一度僕を振り返る。


ヴァルヨネッセ:「さようなら、アストン……ありがとう、全部。」 *涙目


アストン:「待って! どこへ——!?」


僕が駆け寄るが、彼女は空へ飛び立ち、夜空に消える。


アストン:「待って! ヴァルヨネッセ!!」 *手を伸ばす


翌日、学校で噂が広がる。ヴァルヨネッセを中傷する匿名ビラ。


女子生徒1:「絶対年上の男と遊んでるわよ。あの子、ギャルだし。」


女子生徒2:「あんな子、最初から嫌いだったわ……男子の注目全部奪って……」


女子生徒3:「ざまあみろ!」


噂する女子たちが去った後、僕は無言で掲示板へ。ビラを一枚ずつ剥がす。


アストン(心の中で):「ヴァルヨネッセ……世界が君を裏切っても、僕は絶対にしない。」


剥がしたビラをゴミ箱に捨て、拳を握る。


アストン:「必ず君を見つけるよ、ヴァルヨネッセ。」


――


第15章 彷徨う花 終

読んでくれてありがとうございます!気に入ったならそれは何よりです!ぜひブークマークしてください!

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