蒼真日路の答え③
この本を読みなさい‼️
よし、話題を変えよう‼️
「美月に聞きたいんだけど、おすすめの本とかってある?」
「日路君にぴったりなのがあるよー」
「本当か?」
「これなんか日路君におすすめかなー」
どれどれ?
んっ⁈
題名を見ると、、、
二兎を追うもの一途も得ず野垂れ死ぬ。
「へ、へぇー、、、」
「どんな内容なんだ?」
「題名通りだよ?主人公が女にだらしなくて捨てられて独りぼっちになって死ぬ話。」
「そ、そうなんだ。」
「何で、この本が俺にぴったりなんだ?」
「日路君、わからないの?」
「どう見ても日路君にお似合いだよー」
委員長は頬を膨らませてこちらを睨んでいる。
今日はよくその顔になるなぁ、、、
まぁせっかく委員長が勧めてくれたし読んでみるか。
「美月、そんな顔するなよ?
可愛い顔が台無しだよ?」
「う〜〜〜」
委員長が変な声を出して顔が真っ赤になっている。
「そう言う所だからね、浮気者。」
どう言う事だ?委員長って時折り意味の分からないことを言ってくるから困る、、、
「はい、はい、痴話喧嘩は部活終わってからしてねー」
「はーい‼️」
副部長に言われ委員長と俺は席に戻る。
他の部員は来月の学園祭に向けて執筆作業をしている。
皆んな集中してるなぁと感心している最中委員長はこちらを見て睨んでいる。
さて、委員長を無視して勧められた本を読んでみる。
読み始めて30分が経過し、一つの結論に至った。
この主人公最低だな‼️
何人女の子をたぶらかせてるんだ?
しかも何でこんなに最低な男なのにモテるんだ?
全く理解出来ない、、
しかも何で委員長はこの本を俺に勧めたんだ?
全く理解出来ない、、
俺はモテないし、浮気もしないし、好きになったら一筋だからこの主人公と俺は正反対だな‼️
けど意外と面白いからもう少し読もうかな。
あっという間に下校時間になり皆んな帰る準備をしている。
「蒼真君、集中して読んでいたね?」
「はい、最初はどうかなと思いましたが読んでくうちにハマってしまいました。」
「良いね、蒼真君、文芸部向いてるよ。」
「ありがとうございます。」
「で、何の本を選んだんだい?」
「美月に勧められたんですが、これです。」
「あ、ああこの本ね。」
「はい、美月が俺にぴったりだって言うんで、、」
「そ、そうだね、、、」
「まぁ、楽しめてるんなら良かったよ、、、」
どうしたんだ、部長、、
この本何かあるんですか???
「蒼真君?」
「はい?、浅野さん?」
「あのね、美月ちゃんと同じで日路君って呼んで良いかな?」
「良いよ。」
「やったー‼️、じゃあ日路君って呼ぶねー」
「私も〜日路君が良いー」
「良いですよ、副部長。」
「この際、皆んな日路君呼びにしましょう。」
「「「「賛成‼️」」」」
と言う事で俺の事は日路君呼びになった。
そして委員長が般若の如き顔で俺を睨んでいる。
俺は後悔した、俺の出した答えに、そして生徒会ではなく文芸部に入ったことを、、、




