藤堂家にて③
お久しぶりです、咲良さん。
師匠、渚さん、椿ちゃんとこうやって皆んなで食事をするのは本当に久しぶりだ。
あんな事さえなかったら今頃、咲良も一緒に食べてだんだよな、、、
そう思うと後悔が押し寄せてくる。
(日路?大丈夫だよ、日路は何も悪くないから。)
(自分を責めないで。)
(咲良?シンクロしたの?)
(うん、余りにも日路が辛そうだったから。)
(そっか、ありがとう。)
(それに、こうやって私の家族とご飯を食べてくれてありがとう。)
(パパやママ、椿も凄く喜んでる。)
(こっちがありがとうだよ、藤堂家には本当に感謝しかないよ。)
(だからこそ守ってあげれなくてごめん、、、)
(だから、日路は悪くないって言ってるでしょ?)
(いや、俺がもっと強かったらこんな事にはならなかった。)
(この幸せな家族も苦しまないで済んだんだ、、、)
(日路、ちゃんと聞いて?)
(あの時はどうしようも無かったの、それに日路がいなかったらもっとたくさん犠牲者が増えてたよ。)
(だから日路には感謝しかないの、パパもママも椿だって日路には感謝してる。)
(だから日路は前へ向いて幸せになって欲しい。)
(ありがとう、咲良。)
(だけど俺は命をかけて必ず市川円、死生を倒す。)
(それだけは変わらない。)
日路、、、本当に、、本当にごめんなさい、、、
貴方に全てを背をわせてしまった、、、
(日路?時間が来たからまたね。)
(ああ、ありがとう咲良。)
(ありがとうはこっちだからね、日路。)
同調が切れる。
「日路さん?日路さん?」
「えっ⁈、椿ちゃん?」
「大丈夫ですか?お口に合いませんでしたか?」
「違うよ、ちょっと考え事をね、、
とても美味しいよ。」
「それは良かったです。」
「日路君、たくさん食べてね♪」
「はい、ありがとうございます。」
食事が終わり、片付けの為食器を持って行こうとした時、
「日路?俺に何か話があるんだろ?」
「道場で話そうか。」
「は、はい。
では片付けをしてからで良いですか?」
「日路君、片付けは私と椿でするから晋助さんと話してらっしゃい。」
「でもごちそうして頂いたのに、片付けまで甘えてしまっては、、」
「良いのよ、誘ったのはこちらよ。」
「日路、ここは甘えなさい。」
「じゃあ次はちゃんと片付けもさせて頂きます。」
「分かったわ、次はお願いするわね。」
「日路さん、お父さんと話が終わったらさっきの続きね。」
「はい、、、」
怖いよー、、、
師匠と一緒に道場へ向かう。
「失礼します‼️」
道場に一礼して入り、師匠と向かい合わせに座る。
「日路?俺に話したい事はなんだ?」
「はい、単刀直入にお聞きします。」
「市川円、死生の事を教えてください。」
次回掲載は5月10日を予定していますのでよろしくお願い致します。