藤堂家にて②
日路さん、結婚して下さい。
そう思っていると、
「姉さんの代わりは私しかいないから。」
「どう言う事?、俺と結婚するって事?」
「はい、日路さんには私が高校を卒業するのを待ってもらって、その後にすぐ結婚して貰います。」
「椿ちゃん?、ちょっと待って、、、落ち着いて?」
「はい、私は落ち着いてます。」
「そ、そう?、けどさ、急に結婚なんてどうしたの?」
「急ではありませんよ?
姉さんが亡くなってからずっと考えていました。
姉がいない今、日路さんを幸せに出来るのは私だけだって。」
「日路さんは私の事どう思いますか?」
「えっと、、妹みたいで可愛いよ。」
そう俺が言うと冷たい目をしてこちらを睨んでいる。
怖いから、、、
「妹ではなく1人の女性としてです。」
「そうだね、」
返答に困ってると、渚さんが声をかけてくれた。
「こらっ、椿?
日路君が困ってるでしょ?」
「盛り付け手伝って?」
「はーい、
日路さん、さっきの返事後で聞かせてくださいね。」
目が笑ってないね。
ベクトル違うと思ったけど美羽と同じかな。
はぁ〜、渚さんのおかげで助かったな。
そう思っていると、玄関から声が聞こえてきた。
「ただいまー」
「おかえりなさい〜晋助さん❤️」
「おかえり。」
「お邪魔しています、師匠。」
「おう、日路、いらっしゃい。」
「日路とご飯を食べるのは久しぶりだな。」
「はい、本当ですね。」
「ゆっくりしていってくれ。」
「はい、ありがとうございます。」
そう言って師匠は着替えに行った。
道場には行くけどこうやって藤堂家と一緒にご飯を食べるのは本当に久しぶりだな。
お墓には行くけど、咲良が亡くなってから仏壇に手を合わせてなかったな。
それに、神殺しの鎖を使う時咲良に会えるからあまり実感がないのが正直な気持ちだ。
けど、手は合わせとくか。
「渚さん?」
「なぁに?日路君?」
「咲良に挨拶と手を合わせて良いですか?」
「ええ、咲良も喜ぶわ。」
「ありがとうございます。」
仏壇に手を合わせる。
(咲良、聞こえているよね?
咲良にはこの鎖を通して話すことも出来るけど、それじゃあ咲良は天国でゆっくり出来ない。
この鎖から解放されないと本当の意味での成仏は出来ないから。
だから、必ずこの鎖から咲良を解放して天国で幸せになって貰う。
そして、市川円、死生を必ず倒す。
もう2度と咲良のように被害者を出さないように。
俺の命に誓って。
咲良、愛してるよ。
だからもう少し、、、)
「日路さん?日路さん?」
「あっ?ごめん、椿ちゃん。」
「大丈夫ですか?」
「ああ、大丈夫だよ、
ちょっと考え事をね。」
「そうですか、食事の準備が出来ましたので行きましょう。」
「ありがとう。」
食事が終わったら改めて市川円や死生の事を師匠に聞こう。