蒼真日路の日常②
前回の続きです。
その日生徒会長の約束を無視して道場へ向かう。
道場が近くなっていくと活気のある声が聞こえてくる。
「失礼します。」
「蒼真日路入ります」
「来たか?日路。」
「はい、師匠。」
俺が5歳から通っている道場、名は日天神武流。
200年程続く流派で今の師匠で7代目だ。
「今日は遅刻しなかったか?」
「はい、今日はちゃんと遅刻しないで行きましたよ。」
「そうか、まぁ無理せず通え。」
「はい、ありがとうございます。」
「日路?、例の能力だがどうだ?
使いこなせそうか?」
「はい、やっと自分の身体に順応して来ました。」
「そうか、だがその力は、、、」
「分かってますよ、けど◯が託してくれた力だから絶対に無駄にはしない。」
「そうか、だが絶対に無理はするな‼️
自分の命を優先しろ。」
「了解っす。」
「学校では学生らしく過ごします。」
鍛錬が終わり家に帰宅。
はぁ明日も学校かぁ、面倒くさ。
次の日、この日も遅刻せず行くと校門前に黒く長い髪を靡かせて仁王立ちしている女帝がこちらを睨んでいた。そう生徒会長の本城楓だ。
面倒臭さ、、、
そのまま無視して行こうとしたら、
「待ちたまえ、蒼真日路?」
「昨日、君に言ったことを覚えているかい?」
「すいません、すっかり忘れてました。」
「そうか、君は正直だな。だがな約束は守らんとな。」
ピリッ、
寒っ?
俺の左手に冷たさが伝わった瞬間、凍り始めた。
これは⁈能力?
「また約束しても破るから凍らせて持って行こう。」
不適な笑みを浮かべて生徒会長の手からダイヤモンドダストが見える。
その瞬間、1人の男が生徒会長の頭を軽くコツンと叩き止めてくれた。
「楓、お前はアホか?他の学生がまだ通学しているのに力を出すな‼️」
「分かったよ、そんなに怒るな。」
パチン‼️
生徒会長が指を鳴らすと俺の左手の氷が砕けた。
「すまないな、蒼真日路。
楓は約束を破られるのが嫌いでな。」
「いえ、面倒臭さかったとは言え約束を破ったのは俺なんで、会長すいませんでした。」
「ああ、次は破るな。」
「今日の放課後必ず生徒会室に来い。」
「了解っす。じゃあ遅れるんで行きますね。」
今、会長を止めてくれた人物はこの学校の副生徒会長の神崎龍馬だ。
昨日の会長の言葉、そして今の力、そして副会長の言動、あの2人も能力者か、、、
あぁ、本当に面倒臭い。こっちは学校では普通に過ごしたいだけなのに。




