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 無線の運用について報告書を読んでいた。紙は豊富だし、万年筆も鉛筆もある。今更筆とか墨とか実用としては使えないよな。だがボールペンはまだないんだよな。あれってそこそこ高度な技術何だよな。ただベアリングはすでにあるから多分できると思う。タイミング的にもっと前に作らなかったので技術的なものじゃなくて必須じゃないのが大きい。


 代替できるものって意外に作らないんだよな。後マジックペンもあるな。鉛筆だと消えるから万年筆なんだけど、それ以外だとわざわざ創ろうと思わなかった。必要だった初期だと技術高すぎるし…。まあ良いやそのうち作るか。


 無線の運用上手く行ったようだ。以前うちの兵器に対抗する手段を考えておくようにって部署を作ったな。


「ええーーっと今回はいろいろ兵器も充実してきたので、方針みたいのを考えたいと思います。多分皆抜け落ちてる点で、対抗策ばかり考えてると思うけど、そうじゃなくて、対兵器として同様に既存物じゃなくて対抗するための武器を創るって発想ってありましたか?」


「ああ」


「その分じゃなかったね。もちろんこの部署では無理。だからアイデアがあったらアイデアを出して、無いなら科学者、技術者に聞いて対抗兵器を作れないか?など考えてみる事。でねまず1つ例を出すよ。今回電波を使った小型の無線音声通信を作ったけど、これ電波妨害をすればいいんだよ。どうやってやるか?とどういう機械になるか?はすぐには出ないけど」

「こんな風に原理を科学者に、そのための機械をどうやって作るか?を技術者を交えてとやっていけば形になっていくから。戦術とか戦略だけじゃなくて対抗兵器の発明も考えておいて」


「さてもう1つ対戦車の強力な武器を開発してほしい。君たちが技術者科学者を巻き込んで作っていく流れを作ってほしい。たださすがに簡単じゃないから1つアイデアを出す。ただまあ戦車を倒すには何が良いと思う?」


「より優れた戦車を用意する?」


「まあそれが王道、ただ今まだ開発段階だけど、飛行機による爆撃って戦車弱いんだよ上からの攻撃が弱いのと、対戦車の砲撃とは違うので違った避けにくさがある。ただね飛行機の問題点は相手も飛行機を使って戦うことになるから。戦車の配置位置まで行けない。そこで以前作ったロケット砲って歩兵の大砲みたいのがある」

「これにね対戦車ようの貫通弾を発射させるんだよ。この開発が出来たら本当に怖い。何が怖いか分かる?」


「簡単に壊れる?」


「そうでもない、実はとても怖い部分は、歩兵が携帯砲でぽこんとあてちゃって壊れた場合、とんでもない戦争に費やした費用がぶっ飛ぶ。戦車VS戦車だと相手の戦車も壊せる可能性があるから戦費は対等な部分がある。だが、歩兵の価値が低い国とかが、これやってきたら、とんでもない費用対効果が高いんだよ」


「経済ですか?」


「ああ君らも発展した兵器の戦いは工業の生産力の戦いでもあると分かってるだろ?そういった国家全体のぶつけあいの戦争になる。まだ私たちはこれ経験してないけどね、今は一方的に戦えてるが想像はできるでしょ?まあ概要だけざっと話しておくよ。この部署の大きな成果にしてよ」


 皇帝について指示を出しておいた。熊子が指摘したように子孫ならだれでも良いのでは?という意見に賛成だ。劉備もその権威でなんとかやってたのだから。いっそ劉備引き込めないかな…。皇帝奪還を目的として無理に洛陽に攻める必要ないと言っておいた。熊子もその方針なので多分そのようになるだろう。


 どーせこっちは血統が欲しいだけなので。劉邦の子孫は現代でもわんさかいるので、この時代ならたっぷりいるだろう。まあ日本と同じで先祖がどうたらってのに権威が薄いのは確か。その点劉備は実力と合わせて権威を高めただけにすぎないので。チャイナ=秦海外の名称だが、何故あんなすぐ滅んだ国がいつまでも中国の代名詞なのか…。


 中国人は漢民族と自称してるんだ。漢だろ?だから外国向けに漢って名乗りたいだけなんだ。対外的にしか価値を残さない皇帝だからな。董卓が長安に引っ込む未来は見えるので史実と違っても同じことは起きる。性格と本拠地から位置と長安自体当時から大都市であるのを考慮に入れると当然だ。


 ただ性格が入ってるのが董卓らしいが、ここは合理的じゃない。同じことをした曹操が上手くコントロールしたのに対して、制御が面倒になって富だけ奪って放火して逃げるって合理的判断じゃない。その点性格がな。ただ董卓はその性格が多分必然のような部分がある。歴史には必然もある。あまりに似た状況に木曾義仲がいる。


 時代国が違っても似たような状況で、かつ性格がより残忍で短絡的。王の素質として辛抱強さがあるので、董卓はその点破滅が見えてるんだ。状況がかなり違うが、おそらく時間をかければ同じことをする。だがそれを許容すればむしろ相手が弱体化する機会でもあるため董卓に好き勝手させた方が良い。


 楽な相手だ強敵は時間をかければ力を蓄える。だが董卓はおそらくそうならない。辺境の武力王なのは間違いないが、中華と言う大国を運営する様な王じゃない。あれはその点怖くない。油断ならない相手って意味で呂布が劉備を嫌悪したのが分かる。一見人徳者のああいうやつの方が怖いんだ。


 ただ皇帝として擁立するのは絶対に避けるようにと。子孫を調査しておき。皇室が全滅したら新たに建てれば良い。間違っても勇み足で漢を並立して名乗ってはならない。その点黄巾党として良く知られた名前があるのでやりやすい。徐とか揚、青とか名乗っても大丈夫だとうせ3分割するから。その時の地方政権の国家名にすればいい。


 董卓は当面避けた方が良いな。黄巾の乱が史実より早かったため勢力図が滅茶苦茶だ。孫堅も一地方有力者にすぎなかった。大半が漢の官僚がそのまま残っている。ただの知事だ。当然だろう。軍事の専門家を内政の政治家として送るわけがない。3国志の領主たちは董卓が配置したものだ。


 黄巾の乱がまだ終わってない事になってるため、その論功行賞が行われずに連合軍は董卓の私利私欲によって空中分解してしまったんだ。ただ袁紹を急いで倒す必要があるか?孫堅は一族も考えたら将来とても怖い勢力だ。だが袁紹などあれほどの巨大な勢力だったのに落ちぶれたのだ。


 袁紹は大した相手じゃない官僚から奪った土地、優秀な部下。こういったものが支えていただけで、その優秀な部下を全く使いこなせなかった。じゃ何故そんな優秀な部下が集まったのか?と言うと名門の血と人柄だけはましだったからだ。こんなやつ放置しても多分良い。皇帝を見殺しにして董卓を置いておいてじっくり攻める熊子の戦略はそのまま支持しよう。


 ただ西に攻めるより北に向かって各個撃破して満州と繋げた方が良い。そうすると満州の戦力を草原民族に向けられるのと、こっちは背中を攻められなくていい。同盟を結んでも良い。董卓はほかっておけば自滅するので、皇帝を保護できないデメリットだけなので、これはまあいいやとなったので焦る必要は全くない。


 漢の制度と董卓の選択ミスが無いので全く違う様相になってる。董卓そういう意味では見る目が合ったな…。漢としては見る目が無いのだが、野心家ばかり配置したので反乱分子を育ててしまった。


 実験都市京都にラジオ局を開設した。まずは飲食店にラジオを置いてもらう。基本音楽配信かな。以前から世界中の楽器と私が作った楽器の数々と作曲(前世のパクリ)したものを流したり、歌も指導してかなりの数用意した。それにしてもまるで方向性が無い音楽だな…。いずれ好きな曲を客に聴いてそれを中心に流すような番組を作るか。


 ただ歌詞はかなりいじった。だってわけのわからない言葉が多分多すぎるから。政府のお知らせとかもこれで流せるようにはしたいな。新聞とかニュースが良いか?まあ良いやこの都市ずっと主人が不在のまま動いてるからな…。陛下なしでもう都市として機能しちゃってるんだよな。政治機能がすっぽり抜け落ちた首都って感じかな。


 以前から実用性でスケッチ部があったが、これを発展させて絵画文化を発展させようかな。いくつかラフで様々な絵を描いてみた。刺激になると良いな。娯楽は避けてきたが、いい加減手を付けた方が良いな。中身が無いとラジオとTVの使い道が無い。やっぱ演劇だよな。まずは舞台での演劇からスタートする。


 後文字を覚えるために教育としてやってた漫画もあったから小説もスタートする。んで演劇から映画TVドラマが発展していけば良いな。まだTVできてないが、原理は教えたからな。


 トランジスタまたやってしまった。思い切り時間かけて放置してたのに突然出来たのは、これ黄巾党の乱に間に合わせるためだった。だが間に合わなかった。現場で熊子が上手く策を練ってくれたおかげで助かった。もちろん私が董卓の人物を伝えていたからだが、歴史は悪く描かれるが、それでもこれは誇張ではないと判断した。


 だって曹操がその後演技の方で悪意的に描かれるが、それでも董卓ほどじゃない。曹操を悪とするにはものすごく無理があるし…。儒教に全く染まってないどころか否定的な私から見るとむしろ曹操そういった時代でさっさと漢に見切りをつけて素晴らしい。それが出自からできなかったのか?劉備はその点古臭い。


 その演技でもはっきり董卓は無茶苦茶すぎる…。普通はもうちょっと考えて敵を作らないようにする。これが下手すぎるんだ。その点項羽などは前例となる人になったので仕方ない。董卓の場合は参考例があったのに全く勉強してない。歴史から勉強するって意味では家康がその最たるもので、実に前の幕府たちを反面教師にして上手く江戸幕府を作ってる。


 そこから近視眼的で短絡的だとみきったんだ。それを伝えておいた。もちろん現場で情報を集めて活用してほしいとは言ったが。まあだから揚州は思い切り間に合わなかった。だが孫策がこれ手早く制圧したので、孫堅の勢力が広がる前に急いだ方が良いと思ったんだ。でも熊子はじっくり行くつもりだったみたいで焦らせて良かった。


 そのため後押しするため送ったとなる。でさらに急いでたので奥の手使ってしまった。またアドバイスしてしまった。実験的に針釘のようなもので金属片に接触して実験していた。これを伝えて理屈を段階的に理解するように誘導した。


 ただ同時に整流作用を持つダイオードも作った。これによってまず整流作用について学ぶことになる。半導体自体の研究は進んでいて皆電気の流れはかなり漠然とだが分かってる。後はこの応用にすぎない。電流が逆には流れない。これ真空管にあった作用なので代用できる。その原理は4つの中間の価電子を持つ炭素やGEなどに3,5の不純物を加えて作る事になる。


 これによって価電子によって帯電がプラスになりやすい、マイナスになりやすいという性質ができる。これを3と5がどちらかになるのでそれを利用している。これを電子と電子が足りないプラスの穴のようなもので説明する。増幅はベースに流れる量に比べて両端を繋ぐ回路の量は多くなるってのを利用している。


 同一の回路なので上手く増幅機能として利用できる。微弱な電気信号をはっきりさせるとかそういうのに使える。特に電波が減衰する無線には必須になる。これアンプなどに使われる真空管は現代でも使われるようで、何か違うんだろうなと思うが、その辺り工学系の人間にトランジスターが発達したら聞かなくてはいけない。


 音楽系でもトランジスタも使うので、多分品質の問題だと思う。


 だが、これこの理論疑問視する声も多少はあったんだよな。問題はそれを反証する理論が無いって点。技術が先にあって理論を後で間に合わせる。この点は将来の課題になる。


 さて問題は工業的な生産だ。点接触トランジスタは実験室では可能だが、接合型トランジスタはかなり理論上になるため問題が生じる。理論の通り造るには純度の高いゲルマニウムが必要になる。不純物が決め手は分かってるが、その量がとんでもない数値になる。そのためゲルマニウム側の純度を極限まで100%に近づけないといけない。


 ただ将来的にはケイ素=シリコンに半導体は変わっていく。まあ作りやすいのでとりあえずだ。そもそも半導体を作るのが難しいのだから。何度も見たゲルマニウムの結晶化の映像が役に立った。実際作ったことはない。これ結構有名だからな。ただほんとかいな?ってやった事ないゆえの疑いもあってすべて任せた。


 元GEタネを使ってそれを軸に引き上げながら結晶を育てる。これ何かに似てるから覚えていた。氷だ。確かに氷ってたねがあるとそこから中心に結晶ができやすい。後不純物が融解側に残るのを付け加えてあげた。大事なのはほんとそうかよ?って自分でも疑問に思ってた。氷と似てると言ったのは、北極の氷も完全じゃないとしても塩が残りにくい。


 これは皆知ってたので、結晶化の性質として統一的にあるのじゃないか?とは話しておいた。まあ調査してくれ。


 まあ高純度化は他にもいろいろ説明した。ただ初期からの発展は無視した。そこまで面倒見切れん。後は自分たちで技術発展をやってくれ。そのうちクリーンルームとか集積回路とかやらないといけないんだろうな。ただその前にエッチングによる電気回路は開発させてる。あれがICチップにつながっていくから。


 半導体が見つかって楽勝だと思ってたら、すっかりいろいろこれ難しかったの忘れてた。あまりに何もないからどうしたの?って覗いてみたら、こりゃ無理だわってなっててこいれ。ただ半導体の研究はしてたので、理屈はいろいろしっかりしてた。ただ真空管の代わりを作るぞってのはさっぱり上手く行ってなかった。


 私がアドバイスしなかったら多分後数年はこのまま放置だったかも…。ただな私も実際すべてやれるわけじゃない。忙しいだけじゃない。科学知識はある程度あるが0からトランジスタを創った事あるわけじゃないんだ。こんなにも難易度高いと思い出してたら、一緒にやるべきだったか?というとそうでもなくて、すべては満州侵攻から狂ったからなんだ。


 あのつけが今に来た。おかげでいろいろ急がなくてはいけなくなってしまった。大きく助かったのは、草原民族が漢に進行していて漢がその圧力に史実よりも対応していた点。次に侵攻した満州軍と黄巾党を電信でほぼ同時に連動させた点。これで漢の主力が壊滅した点。最後に董卓との裏取引。それで急いだことがあまり意味なくなったけどさ…。


 ついでなので発光ダイオードの研究も進めてもらった。陰極線の研究から蛍光灯が出来ている。次世代ってわけじゃない。単についでだからって意味になる。待っても良いが、半導体ってここからあまり新しい機能は発展しないんだよな。もちろん全く発展しないわけじゃない。長い年月かければ変なものができる。


 だが当面重要なものはLEDかな。それに青色LED時間かかるかもしれないし。ダイオードチームそのまま居残ってもらった。


「ええーっと正孔や余分な電子によってダイオードの整流作用は知ってもらったと思う。トランジスタはこの流れ生じるけど、大半はベースでこの整流作用のような流れにならずにエミッタコレクタ間でそのまま流れてしまう。こういう理論になる。うんまあそこは良いんだ。これね、本当にそうなのかな?とも思ってほしい」


「ええ?」


「ああ整流作用があるからなんとも言えないけど。整流作用も怪しいものだ。このPN、NP接合に対する正孔や余分な電子の説明自体もなんとも言えないと思ってる。まあトランジスタは特殊なのでトランジスタだけの説明に対する違和感かもしれないけどね。ちょっとこれ強引なんだよね…」


「でも徳丸様が言ったんでしょ?」


「でも納得したのは君たちだよね?これ頭ごなしに言ってないよ。リンやホウ素によって価電子で説明したと思う。でもこれ根本的には量子的な原子の動きだよね?まだまだ分からないんじゃないかな?とは思ってる。疑うのはとても大事。ただ理屈で納得して前に進んだらそれに従って進めていくのも大事なんだよ」

「だから難しいよね。量子関係ってさそもそも原子論があったじゃない?これも電子とか中性子とか出てきて、もっと小さい物質になるじゃないかとなってしまった。この問題何故か分かる?」


「うーんちょっとピンときませんね」


「んまー原子が壊れにくいのと、電子がちょっと小さいのと原子核からは遊離してるからかな。電子はしょっちゅうポンポン遊離する。それが化学だし電気学だから。まあそれでも原子ってのはとても壊れにくい。すなわちだよ。壊れにくい=これは究極の物質の素であると勘違いしたんだよ」

「何かしらの見せかけの状態になってるのが量子関係はちょこちょこあるね。とりあえずはそのみせかけの状態で理論化していくしかない。違うかもしれないけど。ええーっとさおかしいな?と思える現象が登場してから疑ってもいいのじゃないかな?」


「まあそういう事なら。当面はこの理論で良いというわけですね?」


「まーね」


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