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今更で毒物の研究を始めた。当然こんな事とっくの前にやってる。目的は化学的見地から毒殺だとばれにくい毒物の研究だ。遅効性や病気に見せかける偽装の毒物だな。将来諜報機関を作る計画がある。ただまだ作ってない。今は専門じゃなくて兼用でさせている。その方が効率が良いからだ。
ただそろそろ情報を守るための考えも必要になる。諜報機関はそういったケースも対処するためだ。後今の情報収集がさらに処理量が多くなったら考えようと思ってる。私に届く情報を厳選したい。そのための選別機関を土台にしてそのまま情報局にしてしまう。今やらないのは、その必要性がまだないからだ。
兼業で問題が無いのは、そもそも商人の振りをするスパイが必要なら商人が兼業でやればいいからだ。そこから突っ込んだものが必要になるなら、今の兼業情報収集に私が不満を覚えてることを意味する。それが全くないんだ。おそらくもっと問題になるのは、現在他国の情報をあまり集めてないが、これを膨大にしたとき処理しきれない。
そっちの方が問題になる。だから将来構想としてこういうものを作ろうと言うのがあるんだ。これは多分スパイの常識的なものと違う。後CIAのようにこれに特殊工作員などを組み合わせていければと思ってる。後精鋭部隊などの特殊部隊とも連動させると都合が良い。今の時代においては人間の技術よりハイテクを巧みに使いこなす方が重要だ。
世界での戦いを将来意識して、様々な環境に特化した部隊の運用を考える訓練を導入した。世界中の特殊な場所に根を張ってるので、それらの様々な経験で日本軍を超える軍隊は多分存在しないだろう。熱飛行船から空からの戦いと言うのもすでに研究させてる。ただかなり重要機密なので場所は限定されるが。
熊子から連絡があった。軍隊が招集される初動が分かるので電信網を引いてはどうか?となるほどこれは機密の道具だ。だから万が一漏れてもって意味だろうな。まあ何かわからんだろう。最新の注意は払うが、どーせ見つかっても意味不明だろう。ただ2段階儲けた方が良い。アンテナのたぐいを巨大にするとばれる。
だから、郊外に長距離無線用の設備を設置できる別拠点を作るべきだ。洛陽の機械はできる限り小規模で済むようにする。これらの指示を出しておいた。これからはこれで連絡来るだろうな。以前からすすめてる船のSOS電信設備を使って中国方面に向かう船に送受信の設備を乗せて、過大な距離の電信をフォローする形にすればいい。
もちろん船ですべてはやらない。あくまで大陸間長距離通信が失敗した時のフォローだ。これによって日本からの援軍と南北同時開戦がより相手に大きな打撃を与えるように可能になる。だって今出発したと思ったら都の近辺で大規模反乱がおこるんだから。こりゃやばいわ。
水晶時計が完成した。ただし問題山済みである。実験室で完成したというだけ。それの何が問題か?というと山のようにある。いわばこれは時計ではなく、時間測定回路が完成したというものだ。これから時計にしていかなくてはいけない。その後も問題がある。水晶の問題になる。
一定時間の振動数によってそれを1秒として時計に使用する。だがこの振動数水晶の質によって違う。これは大きな問題だ。電子回路側を合わせるか?または水晶の側を不都合なものを排除する事になる。それはすなわち大量生産に向いてない。最初は船のクロノメーターに使おうと思う。
いずれはジャイロスコープと組み合わせてオートパイロット化の問題も関わってくるので、水晶の問題はとても大きい。それで将来的には人工水晶に移っていかなくてはいけない。その後は小型化の問題が出る。ある程度の大きさが無いとこの原理うまく作動しない。それを小型化する方法を見つけてほしい。これ結構なブレイクスルーだったのは覚えてる。
水晶時計理屈じたいはそう難しくない。1秒間の決まった振動数をカウントさせればいい。じゃカウントする電子回路って?カウント自体は有意義な回路だが、他の考えもできる。周波数=振動するを分割して大きな波にしてしまうって考え。そしてこれを上手く使えばそのままカウンター回路として応用できる。
カウントしてんじゃない?なら違う。副産物としてカウントもできるってだけ。カウントして1秒波を作り出してるわけじゃない。後は直流をギザギザな波形にするインバーターと言うのもある。コンバーターの逆と解釈されるが、これSINカーブじゃないのも作り出す。だから疑似交流のような波形もできる。
後はそれらを動力に変えるモーターとなる。これもでかい。将来小型化するなら水晶とモーターの技術革新が必要になる。ただ船に使う分にはそう問題じゃない。携帯時計にしたのは振り子時計が問題があっただけで、小さくしなくてはいけないわけじゃない。
教えても良いが敢えて急いでないのでやってほしい。ただ、あれほど苦労したクロノメーターに比べて、なんてシンプルなと思う部分がある。様々な金属加工品でやってのけた過去が大変すぎた…。その点すでに目的は達成してるので電子化に向けた代替品の完成なのでえらく余裕がある。ただ意義は大きい、我が国が進める親日国への技術提供のためのハイテクローテクの違いのある技術が出来たのがうれしい。
いずれ明確にどこまで日本の領土とするか?はかなり考えなくてはいけない。この時代の発想なら武力の許す限りすべて奪いつくすってのがあるだろう。だが巨大帝国中国みたいになるのが嫌なんだ。強権による中央集権が逆に良くないものになってしまう。明らかにあの方が効率的政治システムなんだ。
だがその範囲は人口土地などでそれほど大きなものじゃない方が望ましいと私は考えている。ただ、中国のように分割にすればいいかな?とは思う。
「今回水晶時計を作ってもらったけど、こういうのどんどん作ってほしい。それで私が何か言わないでもどんどん発展していってほしい。その良い例として高分子有機化合物がある。以前電子回路と似てると話した。これをもうちょっと発展する。高分子化合物は、もう設計図を想定して実物を創るって段階になりつつある。ただまだ完全ではない」
これは3D処理が平面図ではしにくたいめ、直感的にサクサク作るにはコンピューターの発達が必要になる。
「部品って考えですよね?」
「そそあれに配線を組み合わせて建築のような設計図を作ってほしいんだ。今回新たにインバーターってのが加わったと思う。交流を直流にする装置はあったし、交流でそのまま動かすモーターとかもできていたと思う。だが直流から交流ってのはあまりなかったかと。交流って送電から便利って発想ぐらいで使ったと思うから」
「部品造るのは良いけど、ちゃんと設計図の図を共通に理解できるように作ってね。まあ地図の記号だな」
これ便利なので現代的な地図の記号を共通で作ってた。まだ日本全体の記号ではないが。
「ついでに将来的な事も話すけど、配線をあらかじめ設計図みたいに平面な板に配置させた基盤ってのを作ってほしい。似た例では、印刷のエッチングがとても似てると思う。絶縁素材に導体の板を張り付けて、残したい配線以外溶かしてしまうって形かな」
「ああ確かに印刷のエッチングと似ていますよね」
「まあ最後に絶縁被膜でコーティングするとなお良いね。配線の切断や接触不良が減るとは思うよ。後何より作るのも故障への対応も分かりやすい」
飛行機について十分な準備段階を経たので、エンジンについて助言を与えた。エンジンのポイントは2つ。必要な馬力とそれに対する重量を割り出す事。そしてそれをアルミによってつくる点。この2つで後はエンジンの十分な技術があれば作れる。ライト兄弟はエンジンの専門家ではなかった。彼らがそれなのに見事に飛行機を創れたのは、この2つを分かっていたことが大きい。
模型や母体となるグライダーのようなものはもう十分テストしてて、飛行自体はもう十分なものがある。後はそれを動力によって飛ばすことにある。その試行錯誤を一気にすっ飛ばす。ただもう当面は軍事には熱飛行船を使う。すでに空を飛ばすだけなら成功している。後は気球タイプじゃないもので発展していく流れが必要になる。
そこに手を付ける。軍事に使うにはただ飛ぶだけじゃ困る。熱飛行船では遅いスピードの部分を補ってほしい。というのも軍事的に使うなら低空飛行したとたんにあれは弓で狙い撃ちされる。何故なら体積が大きすぎるからだ。あっという間に穴が開いて墜落だ。
そのためある程度高度を保っての使用になる。その時爆撃に使うと正直あまり命中精度は良くないだろうと思う。後風の影響がかなり出ると思う。おそらくこれらの助言によって飛躍的に進歩するだろう。