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 さらに寒冷品種の米が選別された。ただすでに栽培は上手く行ってる。ではどうやって見つかったか?と言うと実験的に限界まで北方で育てててもらった。これは元々小規模で農業としてはやってない。この品種を増やしていき北海道と中国東北の稲作の中心品種としよう。日本の東北はどうするか?考え物だな。


 念のため青森だけ別枠で将来的に育てるのもありかもしれない。東北は南北に長い温度差もある。


 後背の低い小麦がかなり改良された。もう西方に多い品種とは見た目に全く違う。これに収量の多い品種をかけ合わせれば良い。背の低い品種が先に完成してないと不味いので良かった。背が高いまま収量増加の選別をしてもやがては倒れてしまう。この順序がとても重要だ。これで緑の革命に一歩近づいた。小麦の改良は世界の食糧事情を一変させる。


 すでに海外領とイギリスに持ち込んでいる。うちに関わった海外の国は寒冷化による飢餓から遠ざかりりつつある。ただ黄巾党は難しい。漢に収奪されるだけなので抑えてるのと、清廉派は完全に分離したわけじゃないのでトップが本当に邪魔だ。食料を直接海外から持ち込んだり、人の間引きを海外移住で補ってる。


 ミンコフスキー空間の勉強会をしてる。なんと教えてもらってる。私が教えたのだが?とは思わない。これらの相対論と結びつく基礎を話しただけで発展させてくれたので、それを教えてもらってる。そもそも微積分も本当に基礎しか話してない。大半教えられた側で高いレベルに発展させている。でなきゃ電磁波について微積分を上手く扱えない。



「熊子さんそろそろですか?」


「まだだな」


 いずれ当初の計画より早期に反乱を起こすつもりだ。ただの農民の反乱じゃなくなってる。そのため暴発的にならない。後満州と連動できるのが大きい。多分その時期を狙っている。半島とは違う。あそこはもろ中華の領土なのでいくら漢が弱体化したと言っても放置されるわけがない。そのため何かしらの行動を起こすはずだ。


 すでに清廉派が洛陽にも侵食している。そのため何かしらの動きがあればすぐに対応できる。後数年でしかけるとしたら10年は計画が早まったな。ただ計画が早まった海外の出戻り組についてだがすべて受け入れるわけにはいかない。じわじわ増やしてる。だからすぐに始められない。


 まずそんな膨大な輸送が難しいのと、後は食料の問題だ。完全に漢王朝を排除して占領状態にしないと農業改革をするのは嫌な面がある。そのため食糧危機の漢の事情そのままでしかやっていけないため。海外からの党員を食わすのが農地だけでは問題があるので、足りない分を補ってる。


 李北が話をしてきた。


「熊子さん、俺って日本の傀儡になるんですかね?」


「えそんな事考えてもなかったな」


「別にそれでもいいとは思ってるんですよ。大きな世話になった面もあるので」


「いや本当にそんな事考えてないから。それならなんで現地人の軍隊を巨大化するんだ?」


「確かにその傀儡政権変ですね」


「ああそうだよあくまで日本は同盟軍にすぎない。人口が少ない民族が人口の多い他民族を支配する事はいくらでもある。でも、その場合軍事の主導権は絶対握ってる。その点全く日本のやり方はその方向性を考えてない。初期戦い方の指導的立場にはなるよ。新兵器には新戦術がいるからな。でもそこまでだ」

「それ以上やってしまえば、もっと利益が無いとやってられない」


「じゃそうすればいいのでは?」


「無理、その利益ってどれぐらいだ?となる。例えば収奪率を上げれば、他民族のやる気を損なって全体としてはあまり得をしない。後当然反乱も激しくなる。基本的には敵でなければそれで良い。日本の軍事的味方ならなお良い。当然今は同盟国だよ。でもそれがずっと続くかな?その点先の事は分からない。でも友好国ぐらいはずっと続くんじゃないかな?」

「その程度の利しかうちの徳丸様は考えてないよ」


 ずいぶん先の事を話されたが、実際はもっと利がある。ただ未来の事なので話さなくていいだろう。経済圏を創るって話だ。それには最低友好国じゃないとあり得ないって事だからだ。ろくでもない国と経済関係なら貿易するより奪うだろう?隠したいというより、徳丸様が未来を見すぎてる。


 それが悪い事じゃない。悪い意味で夢見がちじゃない。徳丸様の未来予想図は実に的確だ。ただそれを徳丸様を知らない人間が聞いてもピンと来ないだろう。実際あの人の描くようにじわじわと進んでるんだ。そんな未来徳丸様といろいろやり始めたころ想像もしてなかった。一緒にやってきたから分かるんだ。



 新しいキャタピラ式の戦車が出来た。同時に重機にも使っている。ただ汎用性が高いのでゴムタイヤの装甲車的戦車を優先して創っている。輸送トラックとかも作っていきたいのと、安全が確保されるなら装甲車じゃないものとして輸送以外にも使用したい。機械化部隊以外意味が無いのか?ならそんな事はない。


 むしろそっちが主役工業力が追い付かない。日本軍だけなるべく機械化部隊にしたい。これはさすがに文句ないだろう。私たちは占領軍じゃない。あくまで同盟軍なんだから。火縄銃で全体の底上げするだけで総合力では古式ゆかしき武器が大半だ。火縄銃がそんな有効なのか?なら大量に使用するなら十分使える。


 戦国時代で勘違いされてるが、鉄砲はそれほど強力ではない。大量にそろえられた領主が少ないからだ。しかもだ、大量にそろえられる領主ほど兵隊も大量運用できる。だから全体的には主力の武器になりようがない。それでも意味があったのは、どんどん鉄砲が主力に西洋ではなっていったからだ。


 意味が無いならこんな事はありえない。高価な鉄砲をわざわざ増やしていく意味はない。日本はそのまえに戦国が終ってしまったのだ。


 ただ火縄銃の一番の利点は実は長期的視野にある。そこが日本は間違っていた。銃は発展性にこそ本当の価値がある。どうしてもマスケット火縄銃では費用対効果で圧倒的戦略的優位が得られにくい。鍛造では限界がある。だがそれでも鍛造で異常な量の火縄銃を日本が保持していたのはなんとも言えないが…。


 歴史的に質の良い鋳造銃が作られる頃にはマスケットの時代は終わったいたはずだ。そのため仮に製鉄の技術が当時高かったら火縄銃も戦略的兵器としての価値はもっと高かっただろうと考えている。以前から考えてるが民間利用においては技術をそれなりには供与していくつもりだ。すでに肥料から硝石が作られる可能性を分かっていて提供してるのだから。


 軍事より先に民需の技術が上がる歴史がこの世界では十分にありうる。


 バインダーがついに完成した。すごくうれしいのは、これ稲刈り機ではない。麦に使える汎用的なものだ。当然細かい部分は全く違う。だがバインダーって軸は変わらない。脱穀が無い稲刈り機だ。脱穀はぼちぼち機械化していずれコンバインとして合体させればいいかな?


 コンバインは特に急がない。確かに農業こそが一番力を入れてる。何故か?計画として農民一人当たりの生産性上昇によって農家の余剰人員を生み出すためだ。これ上手くやらないと問題が起きる。余った人の受け皿があるのを周知させていかないと。だがどっちにしろ卵鶏どっちが先か?なら農業が先に決まってるんだ。


 余剰人員が生まれないと工業化進めることもできない。軍事はまあ日本はかなり重点的に機械化してる。ただ海外はものすごく遅くやってる。もちろん日本の技術流出を遅らせるためだ。敢えて技術武器共に徹底した時間差を作っていこうと思ってる。通常これはあり得ない。じゃ何故か?


 この手の事でどんな国でも下地になる技術や武器の土台があったんだ。それがほぼ無い。そのためその下地作りが進まないと無理だというのがある。情報流出を妨げてるだけじゃない、根本的に無理なんだ。だって急いでやってる日本でもこんな遅いんだから。ある程度規模は必要なのと、急いで原爆を作りたいというのがあるので、国家としての工業の規模を大きく上げないといけない。


 そこまできてやっと海外流出を考える段階だ。今は確かに抑えてるが、それだけじゃない。国家としての下地が日本でさえできてないので、やりたくないのとできないの両方で、海外の技術格差を大きくしていくつもりだ。いつか、問題は生じると思う。宇宙開発なんてもそうだろう。国家全体の国力みたいなものが必要になる技術ってあるんだ。


 その限界が来るまでは、九州と近畿を徹底的にそして集中的に超絶テクノロジーと科学知識の地域にしていくつもりだ。


 戦略室において、日本の技術が模倣された可能性を考えた発展した兵器への対抗する戦術を考える事にした。後はそれに対応するための模擬的な戦闘訓練を受けた部隊を作ることにした。ただ根本的に大規模な模倣部隊を作るのは困難なので、こちらも少数精鋭の部隊とする。後はそれらの訓練からもたらされる知見を戦略室でまとめた。


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