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論理学を進めていたのでその流れを電気的なもので扱う。
「ここにスイッチと電球と電池があります」
AND回路OR回路をスイッチで表現する。直列と並列で表現できる。
「これ意味が分かる?」
「電球をつけてる?」
「いやそのー、ええーっとね、これANDやORを表現してるってわかる?」
「ああなるほど」
「分かりやすく物理的スイッチを使ったけど、これ何かもっと別のモノで代替できると良いな」
「手動スイッチじゃなくて?」
「うん。回路を重ねる必要があったとき、いちいち手でON、OFFなんてやってられないからね」
次にフリップフラップ回路を作る。
「これはね、先ほどのは1回こっきりの回路だけど。01って状態を保持しておける。保持したまま論理結果をだす」
「ああなるほど」
「分かる?」
「ええANDした結果とORした結果をさらにANDORとかやるわけですね。でも回路を2重にすればできませんか?」
「まあそれだけ巨大な回路になったとき問題があるし、結果をストックするってのが多くのいろんなことができるようになる。まあ当たり前だけど電池が切れたら消えるけどね…」
これメモリっぽいな。最後のつぶやきはHDDが分からないから多分ピンと来ないだろうけどね。反応悪いから何を当たり前のことをって感じかな。あこれ脳のモデルの1つでもあるよな。いつか、この歴史で解明できるかな…。まあ急ぐつもりは全くない。巨大なENIACなんて作らないぞ…。いきなりトランジスターを作りたい。
すっかり忘れていたが、2進数など10進数以外のものを教える。これ大事だ。まあここ最近将来コンピューター作るために動いてる。論理学と2進数はとても重要だ。
遷都都市京都で、雨の日のための作業員に使用させていた合羽と長靴がやめていく作業員に売れていた。欲しいと言われて困ってて、ちょっと高めに売ったら買ってくれた。現代からすればなんてぼったくりだが、これ仕方がないんだ。石油はそれなりにあるが、問題は化学プラントの設備がまだ実験的で脆弱なんだ。
ただこれ普通は買わないよな…。値段が高い。だがミノ?あんなものと比べたら少々高くても買う。しかも高級品ってわけじゃない。現代で言う車まではいかないが時計?ぐらいの値段はする。ゲーム機?でも良いか。ただし長靴とセットでだけど。じゃ何故買うの?で使ったからだ。高くてもミノと比べたらそれに見合う価値がある。
そこで使ってもらって価値を理解して、広めてくれる流れを作らないといけないと分かった。見てすぐわかるナイロン生地の衣服とかと違って、合羽は高級繊維には見えないからな。専門のチーム作って考えさせよう…。当然最先端のモノに精通してないといけない。意外と企画屋だけじゃかたづかない。やや科学者や先端技術の職人と企画屋が混じった人じゃないと。
有機化合物の高分子のX線回折が難航してる。水晶のような整然とした構造ではないためどうも上手く回折による解析が進まない。ヘモグロビンなどの生体分子で確か金属と結合させて分かりやすくするってのがあったが話してみるか。これ専門的すぎてうろ覚えなんだよな。
うーん、X線でどんどん複雑な有機化合物の構造が読み解けると思ってたのだが、すごくー甘かった。
「ガラパゴス組が戻る前に、合流するための知識を授けましょう。育種組が主に集まってもらっています。と言ってもそれなりの数ガラパゴスに行きましたけどね。君たちは育種を通じて変異の専門家だと思う。でも育種って人間にとって好ましい性質を選択して言くと思う。だけど、実際は好ましくない性質も生まれたりする」
「両方とも両親からの遺伝ではない。だからこの変異を突然変異と言う。生物には親とは違って突然子に発生する変異がある。その仕組みはまだ解明してないけど、育種はこれらの中で人間にとって好ましい性質の変異を選んで子孫に伝えていく。さて予言となりますが、人間にとっての好ましい変異は人間が選び出します」
「ですが、それは恣意的なもので、実際は好ましくない変異の方がむしろ数が多いです。この先何百年も生物は外界の環境に有利になるように観察して、それを反映した変異を起こす機構は見つからないと話しておきます。そしてもっと言えばおそらく、そんな機構は存在しないと考えています」
「え、どういう意味ですか?」
「ちょっと抽象的すぎたかな。例えばだよ。温度を感じ取って寒いからそれに対抗する様な変異を促進する様な遺伝の機構は存在しないだろうって事」
「何故断定できるのですか?」
「仕組みが大掛かりすぎてすぐ見つかるから。だから100年も見つからないなら多分ねーだろうなって事。ただ親が寒さに対抗して脂肪を付けて太ったとか、そういうのは遺伝するかもね」
「それどう違うんですか?」
「太ったって事が遺伝するってのは、寒いから太って体を暖かくしたって人間の思考は関係ないんだよ。結果として太ったってのが遺伝するってのは、別に寒さに対する保温以外でもあるでしょ?」
「食べ過ぎ?」
「そそ。これは大がかりな機構いらないんだよ」
FRP船がもうできた。エンジンも何もない。小型の手漕ぎボートだ。だが大事なのはそこじゃない。世界で最初の木造じゃない樹脂化合物による船だ。葦を使った船とか南米にあるので木造以外の船ってそりゃあるが、そういう問題じゃない。これらからの中型船までの船は大半これになるだろうって船だ。
木造船って原材料、人件費すべてが高い。ただ石油が枯渇したら無理だろうな。その時また木造に戻るんだろうな。計画ではエネルギー問題は手を付けていくが、石油製品はどうにもならない。再利用可能な物質にやがては変わっていくんだろうな。とにかく当面石油工業が成り立ってる間はFRPが主流になるだろう。まあ本当に小さな一歩だけど、漁船をさすがにこの速度では作れない。
コンバインが滞ってる。これ麦にも使うから全世界の農業変える。だからのんびりやってもらっていい。そこで人力の鎌じゃない稲刈り機を作った。こういうものが自動機械につながっていくものだ。田植えや精米脱穀などは米に偏り過ぎてる。そのため後回しで良い。まずは何よりコンバインだ。そもそも正状植えが絶対正しいわけじゃない。
ただ、満州など寒冷地で苗の寒冷保護栽培が始まっている。そのため田植えが絶対に必須の地域もある。後機械が前提だとコンバインを生かすため直播をアメリカでやっていた。あれも悪くない。
光電効果の実験を行った。本来アインシュタインの仮説があって行われる確認実験だが、光電効果自体が初めてであるためまとめて事例を先に見せる事になった。
「これらの数式の意味は波動である光と言う概念では理解しがたい。徐々に照射される電磁波と言うものではない。一気に鉄砲の弾丸のようにぶつけられると考えられる」
「やはり光は粒子なのでしょうか?」
「うーん、最近はそんな事ばかりやってるね。でも光の現象に対する波動の式もきちんと矛盾なく破綻してない。敢えて私は何も言わない。光は波と粒子の性質が矛盾なく2つある。これについてそのままなんでだろう?と考え続けてほしい。今やってるのは、波として確立された光に対して強固な粒子じゃないの?って疑問を投げかけたとなる」
実際はこれ太陽電池のための布石なんだけどね。今特に急ぐことが無いので、ずっと基礎理論ばかりやってる。だが本当はテクノロジーについても時間をかけるためものとして原爆と太陽電池を同時に進めている。原子力はどうするか?決めてないが、脱炭素燃料はずっと考えている。
十分な資源の確保のため戦争してるので、その動機を失ってしまうのは不味いのだが、まさか脱炭素燃料が数10年でできるわけがないので真剣には問題だと思ってないんだけどね。国民の理解が得らえにくい戦争として緩衝地帯ってのがある。戦前の朝鮮半島がそれになる。あれは失敗して植民地化してしまったが、本来はロシアの南下に対抗できる近代国家を作るのが目的だった。
朝鮮にまるで危機感が無いので、ああいう形になってしまったが。あれは貴族的天皇専制国家だったので出来たが、戦後の民主国家だと理解が得られるか?疑問がある。義で有名な上杉謙信だが、意味不明な出張戦争がこれだったのじゃないか?との見方もある。意味不明なこれらの戦争は当時じゃ家臣たちが理解できない高度な戦略だった可能性がある。
じゃ何故義なのか?全くの嘘ではないんだろう。ただ戦争に関してだけは異常なほど冴えている謙信がこの先端の考えを持っていた可能性は十分ある。得は?占領しても統治できないからだ。越後国内で内乱が多発した謙信が領土を広げるのに消極的だったのはある程度推測できるだろう。
「今回はちょっと自信が無い…。難解すぎる。ただ今科学は暇と言えば暇。科学知識を土台にした急進すべきテクノロジーが特にない。それでも将来早く実現してほしいって事が数多くある。そのため君たちのひらめきと努力を待っていられない。相対論について話そうと思う」
「ただすべてを言わなくても、以前与えた課題について光波を伝える媒質はあるか?についてだけど、これらの実験で副産物が出来た。光は運動状態によって速度が変化しない。これは慣性の法則と異なる。まず媒質の影響が考えられないのと、もう1つは光が何故感性の法則と異なるのか?についての説明が必要になる」
「これが相対論の根幹になる」
数式はかなり雑にやった…。大半の土台となる数学が新しい物なのですべて課題にした。突っ込んでやる自信もなければ面倒。後数学はびっくりするほど発展するので、そこまで丁寧に教えなくてもいい。
「何故相対論か?で物質の時間の流れが相対的に異なる。それはこれまでの星の動きや時計と関わる絶対時間空間の否定ですか?」
「そそ絶対に対する相対。それが相対論と呼ぶ理由になる。さて以上の検証方法についてだけど、とても精密な時計を今研究してる航空機の速度を上げて地球を何周もすると時間に違い生じる。これによって1つの検証が得られる。数多くの検証があった方が良い。そのためこれ1つで証明されたなんて思わないことだ」
「全く新しい土台を作るので勘違いで上手く行くことがあっては困る。そういった偶然は科学ではある。それを防ぐには検証の角度をどんどん変えたものを行うべきだ。ただそれは絶対空間が矛盾なく説明できていたのと違う」
「ああ、それは分かります。光速が早すぎるからですね?」
「そう、くそでかい惑星とかもそれなりに早く速度だけど遅いんだよ。そして多くの検証されたものは大砲じゃないか?微分積分もこれとともに使われた。大砲の速度は光に比べたら遅い。超精密時計だけど、いずれ電気回路の発展で必要になってくるので、さわりだけ話しておくと、水晶などに圧力を加えると電気が生じる。そして逆もまた生じる。電圧をかけると水晶が電圧が低いと目に見えるほどじゃないが変形する」
「これを利用するんだけど、当然これだけじゃだめだ。もっと様々な回路や電子部品が必要となる。後は任せて良いかな?ゆっくりでいいから。時計には散々苦労させられたけど、これを創れれば今までの機械時計とは比じゃない精密さが得られる」
「最初からそれがあれば…」
「そうでもないんだよ。油圧とかで感じたけど、機械的歯車のからくりって油圧にも通じてるし、もっと自動車でも様々なものにつながってる。それにまだ完成してないでしょ?電気回路って難しいんだよ。それより技術的副産物が多い機械時計の方が良いよ。だから急いでないからゆっくり作って。そもそも検証としては音速を超えるような飛行機が存在しての前提だしね」
「まあそれ以外も時計の完成形としていくらでも使い道あるけどね。後さ私は高い水準の科学技術を実現することが目標じゃないんだよ。科学者を作る事が目標なんだよ。そして皆が私を超えてほしい。2つの意味がある。1つは、私の手が足りない。分野を数多く作って感じるでしょ?私ひとりじゃ無理だ。そして発展の時間経過で私が全く思いもよらない事が十分できる」
「そうはいっても急いで実現したい技術はがあったのは確かだけどね。ただね何度も言うけど、科学者の土台に養っていく財力がいるんだよ。いずれは、皆が民間の組織に雇われてってのも可能だと思うが、これまでの経緯でそれが初期可能だったと思うかい?」
「無理だと思います」
「後豊かさや知識は暴力に奪われるからね。それで武器の開発につながる科学をなるべく優先した。いろいろな制約が無ければ別に急ぐ必要なんてなかったんだよ。銃に特に力を入れたのは、私は火縄銃程度だとそれほど有利だと思ってない。高度な技術や科学知識がもろ銃は生きてくる。弓じゃそれが生かせない。発展性の無さが弓じゃダメなんだよ」
「今最先端の銃はすべての武器を凌駕して、かつ他の例えば戦車などは科学知識の発展とさらに関わってくる。まだまだこれから単なる職人的技術から科学知識と深く絡んだ武器が発展していくよ。銃だけじゃないけど火縄銃程度で戦争が変わるなんて思ってるのは、戦いが分かってない。より高度な有利さを持つ武器に先に発展していくか?これが弓は劣るんだよ。槍などは論外だ」




