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18歳になった。様々な事があった。まず息子が生まれた。海彦とした。なんとなく、船で大きくなった宗像にあった名前にしようと。もし来世があるなら、徳丸として永遠に当主をやろうか?とも考えたが、安定した世界になったら自分は裏方に回ろうかなと思い始めた。何せ天皇の娘の子だ。この子が当主をやる方が望ましいと思う。
さて大きな事は、あっちこっちで私が関わった地域は大豊作だった。それは半島や満州も例外ではない。これによって土台固めが簡単になった。以前は戦争に勝って支配した地域なので人心掌握が不安だった。だがこれによって世界的な不作の中大成功を収めたため、私の支配が認められた。日本ではもうすでにこれは認められてる。
多くの地域で私の支配領域でもなくても、私の農地で栽培されてる特別な作物や技術を教えている。ただ実験的に成功している満州の稲作はもうちょっと待つつもりだ。これは日本の東北と同様にさらに進んだ寒冷品種ができるまで待つつもりだ。コメはどうしても北限ぎりぎりまで育ててしまう傾向がある。ただ日本だけの事で満州ではそんな事ないのかもしれないけど。
これらの成功をもって、親日国への火縄銃技術の拡散を行う。同時に満州の防衛を考えて、大興安嶺山脈の地元民の活用と、これと同時に彼らをある種の斥候に使う。スパイではない、草原民の領域にはいかない。その手前、すなわち山脈の東側で彼らが侵入してきてないか?を活用と共に見張る事にする。
将来的には彼らの中から希望者で、山岳猟兵部隊を日本兵から彼らに切り替えるための下部組織を作る事になる。同時に治安維持も大きく地元の自警団に任せるようにする。彼らがいずれは、侵入者からの防衛部隊になってもらうつもりだ。武器と、数、そして練度が上がってきたら、彼らと共にいよいよ公孫氏に対する南下作戦を実施するつもりだ。
ある程度初期の親日の上層部にはこれらをすでに伝えて作戦を練っている。後は実際の部隊が出来上がるのを待つだけだ。
動力紡績機、機織り機を他領から見に来るようになった。人力の器械が他領で浸透したことが大きい。やっと機械化のメリットが分かるようになってきたようだ。トラクターーなどの相談も受けている。これは意外と早く工業化が進むかな?領土返還で最も重要なのが、農業による収入構造を変えることだ。土地への執着を無くすことが重要。
ただ実際土地自体は金で売買できる。大事なのは領域の概念だ。これを壊すことにある。その一歩が土地を持つことへの執着を減らす事にある。後は海外領もどんどん進めていきたい。良彦に任せてるがイギリスはどうするんだろう。私が任されてもあそこは困る。日本から遠すぎるんだ。そのため支援はしてるが、陣頭指揮を執って支援は全くしてない。兵器や技術の支援だけで、良彦に丸投げしてる。
戦車が完成した。ただし、かなり雑だ。キャタピラとかもない。装甲車だなこれ。まあでもいい。まずはこの形式から発展すればいい。このタイプでも十分使える。
モーターリゼーションはする気が無い。あくまで軍事用にと船に使いたいだけだ。軸は鉄道で行きたい。じゃ車の活用はいつから?なら鉄道網が出来てからだな。鉄道さえできれば車じゃなきゃ駄目っての無いんだ。軍事にはいくらでも思いつく点から軍事用がメインで作ったのがある。草原騎馬民族嫌いがあるかな。連中の武器を殺すのに最も良いのが戦車と高速輸送なんだ。
パルプの製造が成功した。何か高温高圧設備だけ特化して進化してる。いろいろあかんのがかなり分かってる。電気の躓きが大きい。後分かってるのはなんとか対応できるが、高度な数学と組み合わせた物理系の技術がどうも弱い。これはかなり問題だな。数学自体を発展させないと不味いな。
パルプの製造によってますます我が領の技術に関心を持たれるだろう。それほど増産する気はないが、他領に回せるぐらいは作れるのじゃないか?と思ってる。和紙はこれからどうなるかな…。和紙はどうやってもやすくならない手作業はもしなんとかなっても、結局原材料が高すぎるんだ。お札に使ってるほどだもんな。価値の高い紙じゃないと戦えない。
長かった、やっとジャイロコンパスが出来た。最終的にはアドバイスが効いた。地球の自転によってぐらぐらとぶれる首振り運動をする。だから首振り運動が無くなるとそれは地球の地軸と平行になって安定したということだと説明をした。これでじわじわと進み始めた。後は動力としてモーターを作る技術が上がったのが大きい。これ電気ありきの技術だな。
ゼンマイでも可能か?と言うと分からない…。ちょろQみたいなゼンマイでうごくものもあるんだからできそうな気もするが分からない。
3つの回転軸があるって事は、どうやってモーターの電源確保するの?こうなるよな。詰まりまくってたけど、その都度アドバイスした。多分時間かければできる。問題はこれが出来た1900年代の技術水準がほぼ無い点。これだから作るの先延ばしにした。そもそもモーター待ちだったし、他にも多分無理があったと思う。
それを押し通すためのアドバイス。回転をスムーズにするために液体を満たす。これを電解質として使う。一番外だけ直接電源と結ぶ。水銀と有機化合物。ただの油じゃ絶縁体なので、そこは工夫しないといけないが、絶対これってものじゃない。まあこりゃ今でも無理だ…。ピンポイントに言えば、できる程度の技術発展はしてるから。自然に見つけるのは無理だこれ。
じゃ水で満たせば?電気分解するだろうな…。うわーこれ何も言わずに数年やらせていたの酷だったか?その間にモーターとか作ってたんだよな…。
食料が満たされたので、移民を活発にした。あっちこっちでで食料不足が起きてるので、食い物を餌に移民を募集する。奴隷ではないと分からせるのがとても大変だ。ただ中国はとても簡単だった。黄巾党が人気があるのに、さらにそこから清廉正義を名乗って実際それに見合う活動をしてる。そのため下地がある。
信用さえあれば皆不満なんだな。日本には連れてこない。海外のあっちこっちに割り振った。これであらゆる人種が出会う国になるんだろうな。戸籍の問題があってそこまで死んでないだろ?ってなるが漢が把握していた人口が3国時代戸籍を調べたら激減してたってのがある。大げさなのは分かるが、それでもこの時代ものすごい数の人が死ぬ。これを利用しない手はない。どーせ死ぬならこっちに来てくれよだ。
中期計画として、彼らの一部から本国への逆侵攻を計画してる。抵抗が無いのとそのまま日本式農業を学んだ現地人を農民に送り込めるので相当美味しい。ただ屯田兵にしようかな。一部しか連れて行かないので兵隊だけで良い。黄巾の乱早められそうだ。その前に公孫氏をなんとかしないとな。こちらも現地人で着々と軍隊を育ててるので時間の問題だ。
毒ガス開発にアドバイスをした。1つは、これはアドバイスと違うかも。今まで動物実験で効き目を確かめていたが、罪人を使って人体実験の許可をした。これはかなり上の人間が出さないと確かにまずい。やって無かったのが失敗だ。ついでに医療も大きく許可した。これは死刑囚以外も含める。後は毒ガスの処理で困っていたので、すべてに対応する必要はないと、吸収部分を交換式にした。
どーせ初期は敵じゃなくて自分たちのガスの影響を避けるためなんだし。毒ガス自体はすでに塩素ガスが出来てるので、マスク待ちだったからこれで完成した。後はどうやって使えばいいのかな?運用が難しい。マスクも中々信用できないし、出来たら使いたくない。とにかく安全に使いたい。敵だけを殺さないと。
人力潜水艦も完成した。これは元々スクリューの水漏れが問題だったので、これが船の技術で可能になったのですぐ解決した。だがこれじゃダメなんだ。その方法はもう示してある。金属パッキンによるオイルパッキンがそれである。これ無駄にならずに済んだ。いずれどのみち大型船舶はこっちになるから開発しておかないといけないけど。
すぐに電気とエンジンによる動力潜水艦の開発もスタートさせた。
農業の機械化って点で、動力脱穀機、籾摺り機、そして田植え機。これだけ必要になる。今までやらなかったのはこれ米だけじゃない?って点。せいぜい脱穀機=コンバインだけ。いや日本の米となる。アメリカの巨大農業は日本で言う直播でやってる。ただ田植えもかなり重要なものがある。理由は、寒冷地においては田植えこそキーになるから。
苗を温暖な場所で別途育てるため早マキが可能になる。これは田植え機がいずれ必要になるって事になる。ただゆっくり開発してくれればいい。目的は農業の機械化であって、絶対にやらなくちゃいけないってものじゃない。モデルを作り上げることにある。直播も検討すべきだ。
後軍事以外で重要なのが重機の開発だな。ただこれ難しいと思う。ショベルカーこそ理想だが、これが最も難しい。ブルトーザーはまだ簡単じゃないかな?そこからアーム部分の開発かと。トラックどうするかな。重機が無いのにトラックがあっても無駄だし、後、土をそう遠くに運ぶ必要もない。持ち上げるって大変だから、ウインチだけ作るか。ショベルカーこそが本当に作りたいよな。
毒ガスのマスクが出来たことにより、以前からやっていた防塵マスクと統合して、ついでに医療の衛生観念も組み合わせて、疫病予防のマスクを作った。ただ現在の不織布を使ったものではない。昔のガーゼマスクだな。ただこれ、全国民的には無理、疫病が流行したらせめて朝廷だけ蔓延を食い止めるために使うものだ。
不完全なのは承知してるが、最悪皇族だけ助かればいいわ。元々あまり朝廷って重きを置いてない。いずれ貴族院に押し込んで、まともに機能するようにしないと。
以前から考えて居ていたが、軍服を作ることを考える。以前から海外の船乗りは特に日本の服に拘ってない。そのため統一性のない服装ってのがちょくちょくうちの領内では見かける。現代風の軍服を作ってしまおうと、そもそも待ってた。化学繊維と繊維系の機械の開発を待ってた。綿で基本造るけど、それでも防寒用のN3Bとかもいずれは可能なはずだ。
夏は良いのだが、冬は日本の服は全くよくない。なんというか日本は夏以外は機能性が古来からずっと無さすぎる。通常気候にあった服が発達するのに日本はわざとか?ぐらい酷い服が多い。日本の服がすべて駄目なわけじゃない、湿気には悪くない服もちょくちょくある。夏のスーツとかあほかと思う部分があるから。現代の十二単って感じだ。
いずれはクールビズ考えたいね。洋服のすべてが優れてるわけじゃない。ただ日本古来からの服すべて冬に寒すぎる…。現代の化学繊維は技術も大きいけどさ。特に今の時代夏の暑さ対策より冬の寒さ対策だよな。元々寒冷地で戦闘にはかなり服装は気を使ってきた。現地の服より良いもの作れるからね。その点問題はないのだが、そもそも機能性が悪い。やはり軍服は草原民族の服の流れが良い。




