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要素還元や原子を伝えずにやった。原子を伝えてしまうと混乱するのでいずれ折を見て初期生に教えていこうと思う。要素還元は原子と密接に結びつくので、これは言わなくても原子と言うのがすでに思想的なものになる。
すべての種は植えた。後は我が家が乗り越える壁が至る所にある。間近に迫った倭国大乱だ。さてその前に倭国大乱の前に多くの移住者が生まれるのだが、これが寒冷化現象によるものになる。そもそも弥生時代は、縄文期の温暖化が終わったため始まる寒冷化の流れにあるが一時的には温暖化した、その程度の温暖化になる。
縄文期に稲作は中国で北上したといって良い。それが南下してくる。その寒さがさらに寒くなるのが倭国大乱の前の民族大移動になる。じゃ倭国大乱は寒冷化が原因か?と言うとそうでもない。半島で民族同士の争いが活発化するのは間違いなく寒冷化だ。だが日本は、それらの緊張状態の民族が入ったことによるものじゃないか?と見ている。
日本が特殊なのは、これらの緊張状態は徐々に発展するのだが、日本は最初から防御姿勢の強い集落の形成がされている。これは半島の状態を引きづったと見ている。正確には縄文人が絡むのだが、多数派の弥生人によって原住民VS移民とならずに混血の中で埋没してしまったと見ている。それらの争いは大和朝廷に受け継がれる。
日本の寒冷化は深刻だったのか?は飢餓があったともなかったとも分からない。ただ寒冷化自体は事実。手を打った方が良い。寒さに強い米、寒さに強い農作物、草を食べる家畜も考えた方が良いかも。後何と言っても貯蔵だな。
「父上、いずれ寒い時期が来ます。この時作物すべてにいいろいろ問題が生じるので手を打った方が良いと思います。今でも十分別勢力との緊張状態が続いてるのですが、もっとひどくなると思います。食べ物を求めて別勢力を襲うような連中は迷わず殺した方が良いとも思います。様々な対策とさらに軍備の強化はしておくべきかと」
「お前は未来が見えてる様な物言いが多いな」
「ええ恵みとはそういう部分が多いです。そういった巫女は多いでしょ?ああいうのは大体でたらめです。結果を伴ってないからです。僕はその点結果を見せてきました。例えば雨が降ると予言して、雨が降ったとします。雨が降らなかった場合もあります。どれだけ雨が降れば予言出来てるのか?こういうのが全く考えられてないんですよ」
「じゃ徳丸は巫女がインチキだと思ってるのか?」
「はい、本物から言わせるとね…、これは罰当たりじゃないですよ。むしろ神の代弁者を語ってる偽物が罰当たりなんですよ」
手は打ったが近畿は問題だな。手を広げて失敗してしまったか?とにかく自勢力だけならなんとかなるかもしれない。徹底的に他は殺す姿勢があればよいと思う。そして余裕があれば奪えばいい。平時は勝って食料を奪うってのが大変なのでやらないが。生きるか?死ぬかになったら力を蓄えておいて奪うべきだ。かつ奪ってくるものは迷わず殺すべきだ。食料が少ない周りから人が減れば奪う相手が居なくなるのだから。
Xデーに向けてやるべき事はやったが、その日がいつなのか?が分からない。天皇がやっぱり嘘八百だった。今いる天皇が何者か?良く分からない。というかあれって後から名前変わるんだよな。所謂秦の名前みたいな今の名前分からん。中国の年代を知るしかない。この辺りはどこも田舎だ暦がまともじゃない。
もう過ぎてるのか?宗像の名が無いのは確かなんだ。姓は何になるんだろうか?どうも単純な海人族じゃなくなりそうな気がしている。氏は本拠地から宗像になると思うが近畿の同族はどうなるのか?このあたりわからないな。祟神天皇より前は絶対。名前知ってるから、ただ問題は、実在の可能性であってこれは確実って天皇ではない。
楽浪郡に誰かを派遣しよう。
「父上楽浪郡に誰か派遣できますか?後漢語が出来れば望ましいのですが」
「半島の言葉ならいるが、さすがに漢語は居ないぞ」
「では将来的に見て漢語を話せるものをわが家でも配下に加えませんか?おそらく大王家への関係強化にもつながります」
繋がりが無いのだが、おそらく朝貢って形ならぶっつけでもいけると思う。高価なもの送られて門前払いは多分無いし、制度としてあるんだから。ただ年号聞くだけじゃ、あれなので漢語を教えてもらおうかな?これからも朝貢したいのでと言えば受け入れてもらえそう。そのものに年号を聞いておくように言えば良いだろう。
史実が変わりはしないが、これが何か記録に残ったら些細な意味での史実は変わるんだろうな。史実にない年代人物の倭国からの接触という事で。
「本当はもっとじっくり君たちを育てていきたいけど、いろいろ問題が生じた。近い将来長期の寒さに倭国は襲われる。食べ物におそらく余裕がなくなる。君たちも直接食料生産などに従事しなくてはいけないかもしれない。分かりやすく言えば時間が無い」
科学班にたいして寒冷化や倭国大乱で焦りだした。今何年かわからない。その前は温暖期なので突然やってくる。じわじわ来るものじゃない。だから今何年なんだ?が重要になる。
「本当は思考方法の方が重要なんだけど。これだと直接富や力につながるのが苦しい。僕は詩や歌、音楽など文化すべて含めて知だと思ってるけど、正直こういうものを発展させるのに時間を費やすのは悩む部分がある。知はすべてが知だと僕は思ってるが、余程気楽な時代じゃないとそれは難しいと思う。例えばだ、それだけ争いの無い時代でも、倭国を超えた国から襲われるって事もある」
「そういった危険を無視してると必ず後からつけがくる。ある日突然勢力を増した外圧に滅ぼされる。ちなみに中華はこういう危険と隣り合わせだ。匈奴などがその1つだと思うが、常に北方の騎馬民族の脅威にさらされている。中華が1つにまとまってもあそこは危険がいつもあるし、それに対処しないと大きな問題になる」
「詩や音楽が富と結びつくってかなり特殊な条件だと思う。その特殊な条件以外、富や力に直結しやすいものを蓄積すべきなんだ。それを早く進みやすくなるための奥の手を教えてしまう。本当は自分でそれを見つけてほしい。だが先ほども話したが時間が無い」
「金が良いかな?金箔をどんどん叩いて薄くして、折り曲げて曲げたところから半分に切る。これを繰り返すと、薄くて小さな金箔がどんどんできると思う。これいつまでできると思う?」
「え?」
「実はこれ神の力のようなとんでもない力でも、これで終わりって所がある。その最小単位を原子といって金が都合が良いのは、金原子1つってのが最低単位になる。これはそれほど重要じゃない。じゃ水だとどうなるの?水は2つの原子が混ざってできたものなんだ。仮にみ原子、ず原子とでも言っておけばいいかと。世の中のありとあらゆるものは、複数の最小単位が結合したものが重なり合ってできてる。金は単体で重なり合ってるかなり珍しいものになる」
「徳丸様何故それが分かったのですか?」
「おお良いねー、疑うのは大事だよ。でねただ疑って終わりじゃなくて、本当にそうなのか?と考えるのが大事なんだよ。君たちが本当にそうだと確認したものを恵みの書に残していってほしいと言うのは、いちいち何度も本当にそうか?って確認してるときりがないからね。ただね人間間違えるから、恵みの書も時折は確認した方が良いよ。敢えて言わなかったけど恵みの書からの言及ね」
「具体的に1つ話すと、青銅ってのは銅と錫からできてるけど、銅は自然状態ではさまざまな不純物が混ざってる。一度精錬してもまだいろいろ混ざってる。もっと純度を高くする方法があるんだけど、それはおいおいと。錫も同じね。これらは金とちがっていろいろ処理することで原子が重なった状態にできる。ただ鉄よりは加工しやすい」
「でね、鉄って実はほんのちょっとだけ混じってる重要なものがある。仮にこれを鋼の元原子となずけようか。この鋼の元の量によって堅さが決まるんだ。じゃどうやってそれを調整するの?そこでは科学の出番はない。ただ何故か?の答えは出せる鉄だと実際手を動かす技術の方が大事。でも他のモノなら違うかもしれない。悪いね、僕も具体的にはあまり数多く知らないんだよ。それを探してほしいから君たちを配下として育ててるんだ」
「原子の考えはおそらく富と力に直結する科学の知になると思う」
実際は神の力とか持ち出すとクオークとかあるんだけど、それは勘弁してー、後神の力じゃないしね。この時代ならその表現以外無理なので。
銃を創ろう…。もうだめだ。大量に殺すしかない。人に関して大きく歴史が変わるだろうな。そのうち大王家の名前も全く当てにならないだろう。バタフライエフェクトなんてレベルじゃない。子孫となる人間の先祖を大量に殺すつもりだから。我が家の様々なものは絶対に守らなくちゃいけないんだ。飢えた人間にわが勢力の人間が殺されてなるものか。
佐渡島で作ろう。島という島は全部うちのモノにする。小笠原諸島伊豆諸島にも早く手を出そう。戦乱が終わったらすぐに佐渡島に退避させる。意味不明なので多分ある時から消えてしまえば何が何だか分からないだろう。まず硝石を創ろう。これはどこでも良いや、銃が無ければ意味が全く分からんから。
まずは青銅で作ろう。大砲などもいずれは、後木砲なども。鉄の技術が上がるまでのつなぎで良い。次にこの混乱期さえ乗り切ればこれらの技術は封印する。後は科学の発展を待って、その後解禁だ。よしやろう目指すは大量虐殺だ。
「今回の主題は、技術を支える科学だ。皆は何故船が浮くと考えている?」
「木が浮くからそれから創るからでは?」
「じゃ今から見せるもの見て」
僕はとても薄くした鉄製のかなり大きなお椀を水に浮かべた。見事浮いた。
「このように鉄でも浮く」
僕は椀に水を入れて沈めた。
「そしてこうすれば沈む」
次に解体した魚の浮袋を水に浮かべる。
「これと同じになる。ようは上が閉じてるか?閉じてないか?の差でしかない。分かりやすく言えば、椀の上から浮かした後から蓋をハメても多分何も変わらない。木が浮くのは一定の量の重さが水より軽いからになる。この原理と同じで、浮袋の中に入ってる何か?水より軽いからになる。その浮袋の上を取り除くと椀になるというわけだ。船の大きさ分の水を押しのけて、浮袋のような何かに水が置き換わってるからるからが浮く原因になる」
「これが?」
「鉄の船が作れれば、火に強い船が作れる軍艦としては中々優秀では?当然ぺらぺらの鉄で今はやったが、頑丈さが居るので厚みはいる。重くなって沈むは大きくすればいいので問題じゃない。問題はこれを動かすのは大変だーだ。すぐに実用化はできないが、科学がもたらす知見が力となり富となる1例だ。今は僕が教えたが、君たちがこういったものを見つけ出すんだ」
「ついでに、この何か?だけど、人は水の中でおぼれてしまう。この見えない空っぽの中に人が息苦しくならない何か?が入ってる。当然それらは何かしらの原子が集まったものだ。僕は知が軽視されないように富と力に繋げろと言ってるけど、実際科学の本質は、僕らが暮らす多くのものを説明するものだ」