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 大軍の移動って点ではいくらこの辺り出身と言えども、草原での移動とは全く異なると思う。その点やはり山脈は天然の要塞になる部分がある。日本の海ほどは絶対視できないって点。その点やはり騎馬民族を草原に追い出すのは問題ないと思う。砂漠、海、川、山。この辺りはやはり古代においては重要な壁だと言える。


 ただ海の要塞に守られてきた日本人からはやや頼りない。それがあるので、簡単には撤退できない。何か効果的な防御策はない物だろうか?山の民を孤立させるのではなく、農業をしながら定期的に山に入る集団にすれば彼らを監視網に使える。ただどうやって土地に縛り付けるか?が困難だ。同じ日本に住む相手でも苦労してるのに…。


 じっくり攻めればまず負ける相手じゃない。問題点は、まず食料。次に火器による武器の補給。要するに兵站。だがこれは発達した船舶輸送のため弾薬補充はさほどではない。こっちより食料が問題。まず第一に短期的な問題。次に長期的に無産兵士の維持がとても大変。これは距離的な問題より問題。弾薬に関して長期では全く問題じゃない。理由は国内の戦争がほぼ無いからだ。おかげで余裕すらある。


 国内で余裕ができた人間によって、開拓をしながら制圧に切り替えたため、長期の問題は解決。そうなると問題が減ってくる。高句麗との同時展開。なんとかやれてるが、長期的には怖い。偶発的な何か大きな賭けに出られるとやばい。いろいろ考えて、もうちょっと北から入れなか?と検討して豆満江を利用しようと思う。


 そこですでにウラジオストクに拠点があるのだが、ポシェト湾にも拠点を築くことにする。ここから船を使う。ただ、ここ水深が浅い部分もあるので、船は工夫しないといけない。とりあえず行ける所まで行ってと言うところか。将来的には水稲栽培ができるため、是非ここを取りたい。ここは領土にするので返さない。


 問題はこれらの平原を遮る山を抜けた先になる。この山脈おそらく道がある。ここからなら拠点を創れば決して高句麗行軍無茶ではない。まずは東北北海道の農業を目指し、その後品種改良で稲作を主体とする。高句麗の連中が邪魔をするかもしれないが、それこそが狙いだ。これで国境の圧力が減るだろう。


 国内に残った軍を余裕を作りながら送り込む。最初にとん挫した作戦の改良版なので、結局そこそこ最初の作戦悪くなかった。最短距離で抜けようとしたのが不味かった。間の盆地を拠点にして挟めば実はもっと近かった。しかもこれなら高句麗絶対誘い出される。今は水稲は多分できてないだろうが、他の山がちなものに比べると良い土地だからだ。危ないのがすぐわかる。


 高句麗は全盛期の強さに全く及ばない。今なら叩きやすい。かつこちらも統一して余裕がある。すべてにおいて高条件。


 やってしまった2面同時作戦。果たしてこれはミスなのだろうか?なら否だ。扶余と高句麗の国境線が問題になる。だから仕方がない。当初高句麗から攻める予定がこうなったのが原因。高句麗からならやりようはあった。つかー高句麗と扶余って中良さそうだな。この2つ小競り合いはあったのかもしれないが、大きな戦い歴史に残ってないような。


 一応この2つ兄弟国家みたいなものだから。ただ騎馬民族って同族同士で戦うとかしょっちゅうだからな。粛慎の後継が扶余つぶしたとき唐と戦ってる時期で高句麗弱ってた。長い歴史で互いに1度だけ、ただこれは多分歴史に残してないだけだと思う。本当はもっと争ったはず。だからって公にされるような同盟があったわけじゃない。


 それでも言えるのは高句麗の節度の無い戦いの連続と比べるとあまり扶余は周りと戦わないな。考えられるのは、扶余が歴史に残すような行動が無い点。これによって中国と争った回数が多い高句麗ばかり残った。次に高句麗自身も残したからになる。高句麗が残した時代に扶余はあまり戦わなかったのだろう。ちょうどその時期に一度だけ扶余との争いを残してるので。記録の問題だと思う。


 まあ実際国境を接するとこんなの高句麗と穏便な関係ってほぼ無いと思う。だがややこしいのは、高句麗に滅ぼされた東扶余は扶余族の別の国の可能性がある。北沃沮と重なってる表現されることも多い。そのため扶余国と争ったのは一度もないことになる。扶余が戦った記録は中国の援軍の時の中国側のものだけになる。謎だ…。


 まあ報告はタイムラグがあるから扶余への攻撃合ったかもしれんが、こっちへの攻撃で忘れちゃったとかあるけどさ。でもさ、こっちは扶余が弱ってるからチャンスだと情報流したのに馬鹿みたいじゃん…。お前らってなんなんだーってわけわからなくなってる。もちろん、今更攻撃したらなおさらあほだ。もう扶余やばくなってるからな。ここまで扶余追い詰めたら、次は自分の番だと分からないとあほだ。


「今回は電波ってやりたい」


 私はアンテナを2本用意した。効果を上げるため先には金属板を張り付けた。後は交流電圧をかける。少し離して、別のアンテナを電流検査装置につなぐ。針が触れる。


「はい電波。これ2つの長さはそろえた方が良いと思うのと、長さを変えたりしたりすると電流を良く受け取るちょうどいい長さがある。今これ適当なので…」

「有線の情報伝播は教えたよね。これ無線の情報伝播につながってる。ただどうやればいいか?イマイチ分からん。とぎれとぎれなら分かるから、研究して詰まったら教えて。ただねこれ単純にやっちゃダメ。その前に単純に電気じゃない、磁場が関わってる。だから正確には電磁波。後離れた電磁場が他に影響を与えるって雷がある。場合によってはあれで磁場が動いて羅針盤の針が動くときがある」


 金属板にガラスを挟んで回路につなげる。


「これが先ほどの基本原理、まあここに電気たまってる。ガラスを挟んだけど、これが空気だと思って、んでこの2つの金属板を広げたというわけ。間に電気がたまるように流れた。それが電磁波として他の金属板に波として伝わって電流を生み出したとなる。順序が逆だね、本来、このガラスの話から進むほうが分かりやすいのかも。ただこの装置知ってるといろいろとできる。電気を貯めるのも一つの機能だね」

「これらの根底に電磁波の理論があるんだけど曖昧にしか、良く分からない。電気の事を皆ももっといろいろ調べて理論化できるように頑張ってほしい。後とにかく電気は定量的にものを考えていくものなので、いろんな測定装置で数字を取りまくってね」


 トラクターがじわじわ増えてきて機械化が進んでいる。当然余裕がどんどん出来る。武器もいろいろと日本の皆が分かってきたし、そろそろいろいろ明かしていくべきだと思う。ただいろいろと慎重になる部分がある。陛下に相談しよう。


「陛下今回は、宗像の武器が変わっている点を話しようと思います。ちょっとうるさいので驚かないでください」


 そういって古い火縄銃で、大雑把なまとを狙って打った。


「何が起こったんだ??」


「的を見てください」


 随分ずれた感じだがかろうじて当たっている。矢なら突き刺さるだろうが当たった個所を粉砕してる。


「これが銃鉄砲と言うものです。とても強力な矢だと思ってください」


「これはすごい武器だな」


「ええ、本当はこれを日本軍に広く配備したいのですが、私はまだ物部氏をはじめ他の氏族たちを全く信用していません。今の世代が良くても、多分次の世代は何をするか?さっぱりです。もっと一緒に戦ったり、そして大和政権を順調に軌道に乗せてからです。そして何より各家が農地を農民に返してからです。これが最低ラインですが、最低でも次の天皇陛下からですかね」

「もう1つ理由があるんですよ。そもそも私の家の軍に回した後他の家に回す分作れないんですよ…、1つ考えがあるのは、これなら技術を流出しても戦えるそんなさらに新しい武器が出来たら良いかな?とは思っています」


「まだ日本が統一されてばかりだかな。そこらは無理にはいわんよ」


「ただ武器以外ならどんどん行こうかな?と思ってるんですよ。例えば以前献上した鏡とか、あれ世界中探してもあれしかないですよ」


「中華とかにあるわけじゃないのか?」


「ないです、ローマに行ってもない。あれほどのものは宗像以外作れません。現在は職人が頑張ってるのですが、いくつかは私の学問の教え子が成果を上げた変わったものもたくさんあります。そこでですね、まずはその下準備として、陛下が率先して学校作ってほしいんですよね。何故それをわざわざ言うか?と言うと、子供への初歩の初歩は国でお金出したいんですよ」


「以前話してた民の意見が反映される政治か?」


「それは結果としてで、政治のための学校じゃないですよ。こっちは朝廷で上げてもらいたい議題ですが、武器の方は宗像の家の都合なので言えないんですよね。実はいくつか便利な道具って武器に転用できるんですよ。まいいかって思ってますけどね」


 科学の勉強のため様々な機械を見てる殿下たちに陛下にいろいろ伝えておいてと言っておいた。道具を運ぶのが大変だが、御所に持っていけば良いだろう。陛下の御所にもくもくと黒い煙をまき散らすのは何か抵抗があるが…。話してると姫から個人的に相談があると言われた。


「私科学者になりたいです」


「えええーー」


 ちょっと予想外…。だってこれ天皇家の洗脳のためにやった事だもん…。科学者育てる気なんて全くなかったよ…。


「でも、有力な家に嫁いで子供を産むとかだと無理じゃない?」


「うーん…」


「なら私と政略結婚する?多分陛下の臣下で一番の有力者だと自分では思ってるけど、宗像はすでに娘を天皇家の嫁に出してるからつながりがあるけど、逆に天皇家から嫁を取るのも悪くないなと」


「えあえ」


「困るよね、困るついでに、子供1人で良いから側室もらったらその代わり駄目?酷い求愛なんだけど…」


「あ、はいそれで良いです」


「ええ冗談も入ってたのに」


「冗談なんですか?」


「いや本気も当然。実はね全くの政略結婚じゃないのよ。僕も科学者になりたかったんだよね。でも家の事があって皆に任せてる。だから似たような板挟みになった倭姫を応援したいなって」


「じゃ心に決めた人がいて側室なんて話が出たわけじゃないのですか?」


「えそう思えた?そうかも。はい違いますよ。子供ぽんぽん生んでたら多分科学の追及に支障が出るから。後から探せば良いやって思い付きですよ」


「ああそうなんですか。じゃ結婚しましょう。これを逃したら多分科学者になるなんて無理です」


 あれよあれよと進んで結婚してしまった…。天皇家を傀儡にするために相互婚姻って考えていたけど、計算外だ…。


 高句麗からの反撃が来たそうだ。だが撃退した。また重装騎兵出てこなかったそうだ。あ、まだ完成してないのか?似たようなのは出てくるかもしれんが、若干違うかもしれんな。最初から完成形なんてないだろうし、数も少なかったよな。何より全体の数が差ほどじゃなかった。もしかしてこれ、本当にまだ拡大前だからなのか?規模がかなりスケールダウンだぞ。


 日本って高句麗の最高点で戦ってぼろ負けしたんだよな。意外とそこまで行くまでにけちょんけちょんに負けてる。まあ魏とイケイケの時代の鮮卑じゃな…。ぐは、ここでしっかり基盤作っておけば勝てるぞ。後地元住民に新しい農法教えってやって、それなりに開拓出来たら。じわじわ前線上げていこう。多分圧力もっと強くなる。


 今回は前回とはけた違いのところまで来てる。失ったらやばい地域。おそらく何度も来そうだ。扶余の方もじわじわ来てる。そして狙った通りだが、国境の圧力が強くならない。小競り合いのまま。2方面作戦の成果が出てきたかな?山がちなので、東北平原と違って、大軍だと一方行になるんだよな。かといって少数じゃ勝てんだろうしな。前とはやっぱ桁違いだわ。


 ただ別動隊で山道通ってかく乱するのもありうるから、一方通行に対してあまり絶対視したらあかんな。山はやつらの庭だからな。


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