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良彦からの連絡を読んでいた。これは奴隷貿易じゃないな。来たくないのにつれてくる日本のアジア人の留学生労働者みたいだな。ただこれ問題はないな。安くこき使う目的で連れてきてない。言ってみれば移民を無理やり作れてきて協力させる。ただその後は同じ移民のメンバーになる。これが決定的に違う。マジで人がおらん。原住民も誘ってるから日本人が少なくなるな。
もう気にしてない。だから独立考えている。原住民の大半は農業してたんだよな。だって彼らって多量の狩によって絶滅種を生んでるのだから。これ主因ではないとの話もあるが、無罪ではない。ゆえに辞めさせた方が良い面もある。せめて牧畜に向いてほしい。養殖と同じだ。野生動物は無限ではないのだ。しかも彼らが狩をしてるのはとうもろこしの北限のためなのだ。
じゃジャガイモ、麦を創ればいいじゃない?そうなんだ、実際史実はそうなってる。狩りをするインディアンの地域で欧州人は麦を作ってる。これは米と同じで熱帯地方の種から栽培化したので無理があるんだ。彼らがすべて正しいと譲るのはダメなんだ。そもそも自分たちは同族と土地争いをして、原住民だけ違うのか?となる。
負けたら臣従しろよって話になる。族滅するまで戦うからややこしくなる。こじれないようにほぐしたいから、単純に殺して奪うって方法はとりたくないんだ。白人たちの問題は同じ人間としてやり取りしてないのが大きい。その事が争いを徹底的に避けることじゃない。衝突すべきは衝突すべきだ。おかしいだろ?同族とは土地をめぐって戦うのに。
これは現代的な法治国家の根本では考えたくない。それを作ってるんだから。ただできる限り譲歩するだけだ。絶対叩かないわけじゃない。彼らの大半は農業をしてたんだ。私は現代の先端の農業もダメな部分があると思ってる。上手くやれるからって無理な土地で農業して土地を荒廃させることが多々ある。これに歯止めをかけたいから。狩猟とか軽視してないんだ。
農業で向かない土地で暮らしてきた人たちの生活スタイルには意味があるんだ。ただその多くは工夫すればできる場所だ。だがその中の一部は真実がある。ここは触れちゃいけないんだ。例え上手く行っても将来何か問題が出る。さらなるブレイクスルーがあるまでそこは放置すべきだ。
例えば安全に雨を降らせたり、海水を安価に真水に変えたりだ。近代の動力を駆使した灌漑には限界がある。
皇太子たちとの授業だ。
「やあ皆さん、今回は科学教育が上手く行ってるのか?が関係します。皆さん神様いると思いますか?」
「ええ?」
「いきなりですよね。科学教育すると正直神様いなくなる気がしてるんですよね…」
「いえ別に」
「じゃ太陽はただの星がぐるぐる回ってるだけなのは分かりましたか?」
「はい」
「それが神なのですか?確かに太陽を見て神様だという人はおかしいでしょう。でも太陽と関係していつまにか日の神様が生まれます。太陽の形とは関係が無いから問題が無い。そうとは私は思えないんですよ。日の神様は太陽を詳しく知らないから生まれたんです。陰に隠れた部分から日の神様が生まれたなら影がどんどん消えれば人が神様を思う力は弱まります」
「その事が全世界規模で起こります。あらゆる場所から神は消えます。ただ神様と人との関係で合って、本質的に神がいるか?いないか?は分からないです。分からないものを信じるのが嫌だなと私は思うので神を信じてないだけです。理性を使って考えるべき問題ではありません。全く…」
「でも皆さんは神を土台にした権威を作っています。私は科学教育をしていくうえでこれが多分矛盾となるから早めに話してるのです。これからの国の先頭をたつものとして科学は絶対に避けられません。はっきり言いましょう。馬鹿馬鹿しくなっても神事ガンバくださいね」
「えええ」
「まあまだ実感わいてないでしょ?その時は愚痴でも聞いてあげますから。ただね、これ大事なんですよ。馬鹿馬鹿しいと思ってない民にはこうする事で権威が高まります。そして最も重要な事ですが、こんな事100年もやっていれば、科学がどれだけ発達しても神事は続けます。そういう未来が私にはわかります。まあこんな事言うから領民からは神様扱いされてますけどね…」
「後ね不思議な事があってもそれが神の力だとするのは早計です。不思議な力があるだけです。だって私これ神の力と言って領民支配に利用してるだけで、自分では全くそんな事思ってないですから…。ああもう皆さんと共犯者ですね。これ父親にも言ってないんですよ?何故私が陛下を交えず話してるか分かるでしょ?いろいろ秘密があってそれも共有しても良いと思ってるからです」
「それに私半分以上は頭で考えて先読みしてるだけです。例えば凍った道を急いで走っていれば転ぶかもしれません。それを指摘してあげて、訂正せずに転んだら私は不思議な力使ってますか?ただ私は人にはわからない危険をより多く知ってるだけです。」
「陛下に伝えてもいいのですか?」
「必要だと思うならね。僕は必要だと君たちが判断しないと思っています。神を信じれて、その気持ちのまま死を受け入れやすいなら。私はそれを邪魔するのですよ?ただ科学は相いれないから覚悟しておくようにと話しています。そこまでしても知る必要があるものです。かつあなた達が学ばないなら私は皇室を切り捨てます。間違いなく不敬ですが、私が忠誠を誓ってるのは日本と言う国です」
「私を含めてあなた達も日本を成り立たせるための道具の1つにすぎない」
「やっぱりとんでもない人ですが、父上うすうす気が付いてるのですよね?」
「ええ私が無私なので見逃してもらってる点が大きいです。それに陛下はずっと連合王として人の顔色うかがって権力をふるってきたので、生まれながらの支配者とは違うんですよ。私もその点違和感を受けてる部分もあります。皇帝が存在しなくても最初から皇帝だったのは始皇帝ぐらいです。あの人はその点異常です。あなた達は過渡期の子供たちなので分からないと思いますが、支配者として生まれてきた皇帝はずいぶん傲慢な人間ですよ」
「まあ中華はこれから崩壊するので、そういった王を笑ってやりましょう。愛される王様が日本の目指す道なのですから、あれじゃダメなんだと深く理解できるでしょう」
「神事がこれからも続くですが、これは本質は意味を知って価値を認めてるわけじゃないからです。ただの日常の反復作業をやらないと気持ち悪いのが、数100年単位になっただけです。根本的に無意味だから問題があるならやめるべきです。例えば人を殺して神への供物なんて速攻でやめさせるべきです。または後追いもダメです」
「実は科学と両立できる神への信仰ってあるんですよ」
「それはなんですか?」
「日本のモノではないです…。私が日本の信仰を軽微なもので残したいのは逆にそこなんですよね。宗教的発展を世界的に見れば日本の信仰って古臭いんですよ」
「ええ」
「良いんですよ。信仰なんてそもそも分からないものを奉ってるので、進展が本来できるはずがないんです。だから古臭いものほど本当は価値があると思っています。でね両立ですが、1神教ってのはこれがやりやすいです。西の方で流行してる宗教です。これは1人の神しかいないので、あっちこっちに精霊の神がいる宗教とは違います」
「だから世界そのものを神が作ったとしてしまえば後は何もする必要が無いです。素晴らしいでしょう。でもいろいろその分問題があるわけです。まずそんな馬鹿馬鹿しいの最初から神の存在がいらないとしてもいいのです。はっきり言いますこじつけ論法です。後から都合が悪いから都合よく解釈しただけです。その証拠にちょこちょこ、具体的にどう作ったか?聖書に書いてあって矛盾だらけになります」
「ただ根本的には日本の信仰よりは圧倒的に相性が良いのは確かです。して問題その2は、神の距離が遠いと信仰心が薄れます。これを保てるのですごいです。すでに初期の時点でかなり神との距離が他の信仰と比べて遠いですからね。最大の問題は、ルーツをたどると、元は多くの神が居たのに、得手勝手な都合で1つの神をえこひいきしただけなんです…」
「多くの神がいる私たちとなんら変わりないんですよ。科学は新しいことが大事ですが、私は信仰にとってはあまりいいことだと思いません。もし日本がこんな歪な信仰なら政治にとっては邪魔なので排除しようとしますよ。例えるならねじ時曲がった枝を若いころ切っておけばよかったと思うようなものです。私にとって信仰の発展とはそういうものです。より醜くなる」
「神は感じるものであって考えるものではない。死生観は信仰が影響してはいけない。今回で講義やめにしましょう。多分これだけで、陛下には伝えられない事を伝えれました。私は他は陛下に内緒でやる事ではないので、これからの日本の政治を見ていけばおのずと分かります。そして何より皆さんをこうして呼んだのは科学教育するためです。これは私じゃなくてもできます」
「引き続き学んでください。政治ついてこれで終わり?ですが、科学を学べば分かります。劇的な変化が起きます。そのうえで政治を考えるとそれを知らない人たちとは全く違います。科学を学ぶこと自体が根本的に政治姿勢が全く違うんですよ。ちなみに私の信仰心は神社という場所にあります。あの空気好きなんですよ。だから私素直にこの頂点である天皇家を頂点にしたいわけです」
「そこには死生観は全くありません。生きてる時に感じる心地よさ、特に聖と言う場所やそれに関わる人の所作に対するものです。その気持ちが死生観から神への信仰が排除されても残ります。その気持ちの1つ1つは天皇家を支持する基盤になると私は確信しています。あしざまに無意味と書きましたが、そこに宿る好意自体は無意味じゃないです」
「科学を知っていくうえで、それらを土台にした国家が想像できます。その中で異質な自らの存在に悩んだ時はこれらの言葉を思い出してください。少なくとも科学に精通した私は矛盾なく天皇家に好意を持っています」
モールス信号を創ろう。これ科学班と技術屋でちょうどいい。電磁石の原理を使ってるので、ただこの程度なら知ってる技術屋いるが、まあ科学班の勉強で良いわ。実用的なものはすごい先。これものすごく簡単なのだが、治安が不安でやりたくない。九州の元のわが領内なら多分できるけど。なるほど実験的に作ってみるか。




