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すぐに朝鮮出兵。なんでも私に大王のそばに来てほしいとの事。科学班の何人か連れて行かないとな。今から指示を出して、新しい工業地区と、電気村を近畿に作ることにした。水利は絶対欲しいが、農地として向かないところならあるだろう。
とりあえず報告待ちだ。高句麗以外てこづる要素無いからな。のんびり待つだけだ。とりあえず石油採掘を本格的にやるためロータリー式掘削の機械を作る。単純に言えばドリルだ。これに関して電気で良い?分からないけど…。ああ駄目だこれ外にもっていかんとあかんのだ。蒸気機関使うか…。まじ内燃機関いるな。
実験は簡単にできる。これ井戸掘り機械を流用しただけなので、井戸掘ればいい。ちょうど良いから温泉と井戸欲しいところに使って実地だな。後は調査のためのボーリングもやった方が良いな。これはもろ科学班だな。この手の層学問にした方が良いな。温泉、井戸にも使える。地下の水脈なんかの推測にも使える。鉱物学と組み合わせるか。
いろいろごちゃごちゃやってると半島から報告が来たもう終わったらしい。多少弁韓での支配があるため残ってるがそれなりに戻ってきたので聞いてみた。
「なんで?」
「そのまま首長を残して臣従ですからね…」
「統一しないと駄目じゃない?」
「それはここと同じじゃないですか?」
「ああ私のせいか…、うんまあいいね。ちなみにどんな方針?」
「弁韓が整い次第飴政策を国境に近いところから進めていきます」
「うん分かった、その時不満からちょっかいかけてくるのを1つ1つつぶしていくわけね。んで武力は見せてあるので、余程じゃないと臣従そのままだろうと」
「はい」
失念してた…。勝手に上手くやってくれたが、当時まだ馬韓、辰韓ともに統一王朝なかった。ああだから逆に早かったのもあるのか。戦わず降伏したところあるなこりゃ。所謂調略だな。はーこんな早く片付くと困るな。大王家のところにいかないと。科学班はじわじわ連れて行こう。設備がこっちや佐渡の方が上だからな。そういえば釜石も工業都市になる予定だから科学班連れて行った方が良いな。
統括するのと、分けるの上手く考えないとな。分割はまるで企業の研究者みたいに。んで近畿をこれからは拠点にするか。大阪取ったの大きいな。早速移動だ。虚実交えつつ国家戦略だ。虚実なのは次の大王にこそかけてみたい。言葉が悪いが洗脳する…。技術者科学班とともに近畿にやってきた。
向こうに残したのいろいろある。それは報告を受けよう。すぐに大王様の元に向かう。平安以降と違ってまだあのまどっろっこしいの無いから良いわ。
「そなたが信善か?」
「はい大王様、宗像信善でございます」
「若いな」
なんか天皇のイメージと違うな…。まあこの頃天皇家って全く違うからな…。無理やり私が粛清したので権力集中してるけど、この人自体は連合王朝で育った人だもんな。
「父はまだ元気に生きています。円満な家族関係で譲られました」
「侮ってるわけではないぞ。まあ誰でも思う率直な感想じゃ許せ」
腰低いな…。
「ところで何故私が呼ばれたのでしょうか?」
「宗像のものに聞くとお主の指示があって進めた事ですと答えられるのでな」
「かなり裁量権は渡してるのですが、その辺り手柄を私にと言う謙遜もあるんですよ。でもまあ確かにこちらと西方ではやり取りに時間がかかりますね。それは大王様には手間でしょう。これから拠点を丸ごとこちらに移したので、いつでもなんでも聞いて下し。」
「朝鮮の事は良いのか?」
「はいすべて終わりました。ただ従属と言っても、税を取るわけでもなく朝貢もありません。むしろこれから心の底から従ったのか?確かめていく事になりましょう」
「それでは何も終わってないのでないか?」
「私の考えるところ戦争に勝ったで終わりではないと思います。その後の統治にこそ本当の意味があると思っています。統治が上手く行ってるか?はかなりの時間がかかります。それを待っていたら大王様の元に駆け付けるのが遅くなってしまうので」
「良い良い、確かにそうじゃ。して鉄はどうなのだ?」
「それが一番終ったと思います。何せ鉄を渡さないとなったらその土地奪ってしまえばいいのですから。こっちとしてはそんなことはせずに円満に何かと交換でとかそういう事したいんですよ。取り上げてしまうのは簡単ですが、それじゃ泥棒と変わりません。でも許せないのは、日本を苦しめるため鉄を渡さない事です。考えれば武器になるので、日本を弱らせてやろうとか思いますよね。こういうのは絶対許しません。その時はもう鉄鉱山を取り上げます」
「なるほど甘いのではないか?」
「それは分かります。私は甘いのが良いと思っています。甘くするにはこっちが余裕がないと行けませんよね。大金持ちなら小銭ぐらい取られて怒らない方が良いです。豊かであればどんどん甘くするべきです。あまりに強欲になれば鉄槌を下せばいいのでは?と思っています」
「それがそちの祭りごとか?」
「はい。まず豊かになりましょう。余裕を作ってむしり取るような真似はやめましょうです。ただ私も泥棒には容赦しませんよ。その辺りの見極めをしてる最中です」
「この国もそうしろと?」
「似た感じで良いと思います。国の根幹はそれでいいと思いますが、些細な事がちらほら気になっています」
「それはなんじゃ?」
「名前ですね。確か大王も西方の出身なんですよね?」
「ああそうじゃ、むしろその方がこの辺りは多いのじゃないか?」
「そうですね。西方から広がったわが民は元の呼ばれかたから倭人と呼ばれています。当然大王も倭人です。これは中華が馬鹿にした言い回しです。それに腹を立ててるわけじゃないです。じゃなんて言えばいいんだ?と言われると、確かに返答に困るのです。せめて自分たちはもうちょっとマシな言い方をすればいいかと。この土地から大和朝廷、そしてそれはこの辺りの狭い支配です。これから広がっていくこの島国全体は日が昇る国、日の本の国、日本です」
「まだあります。秦の王は比類なき王として皇帝を名乗りました。大王も数々の王から推挙されて大王になっています。なら皇なる存在だと思いますが、真似するのも恥ずかしい。よって天帝の天をとって天皇なんてどうでしょうか?日本国、大和朝廷の王の中の王、それが天皇です」
「おおそれは良いな」
「ただ私は、本当は日本は小さな国なので政治制度的には王で良いとは思っています。ただ中華に馬鹿にされてるのが気に入らないってのがあって意地みたいなものです」
「?もり下がってしまったぞ…」
「ああ事実この日本すべて支配しても小さいんですよ…。それがそのまま数の上では戦争に勝てません。そこは分かっておかないとと思ってです」
「当たり前じゃないか?」
「いえ、いつか中華も攻め込みたいのです」
「なんじゃと!」
「今中華は落ち目です。漢の王朝がごたごた続きで乱れています。そしてこの冷害中華にもおそらく広がります。どの国も農作物の北限ぎりぎりまで耕作します。いつでもそこは冷害の大きな被害となるでしょう。いずれ動乱の時代になります。我が国はいち早く立ち直り、天皇を中心に国がまとまりつあります」
「こそばゆいのー」
「慣れてくださいそれに見合った国に出来ます。図体だけは大きいが、ガタガタになって分裂すれば中華なんかに大きな顔はさせませんよ。ただそれには自らの小ささを常に意識して、今は弱いがいつか強くなってやると思わないといけないのです」
「お主名前だけじゃないな?」
「そうですね、国家作りも考えています。私は漢より秦が望ましいと思っています。儒教はゴミだと思っています。漢ががたがたなのは儒教のせいではないです。後々あれは毒になります。何故あんなものを重視してるのか?さっぱり分かりません。劉邦はその点政治音痴だと思います。始皇帝の方がやはりすごい」
「だが秦はすぐに滅んだではないか」
「それこそが今私が考えている国創りです。秦が滅んだ原因は多々あります。その1つに斬新な制度の押し付けが性急すぎた。後は個人の問題趙高と言う逆賊です。たった一人が政治の在り方に並ぶほどなのですからあまりに大きな膿だと思っています。最後に無駄な土木工事やりすぎです。私は大王様は土木工事してますが、無駄だと思えるものがあまりないと思っています。ただお墓はやばいですね…」
「秦もそうなのか?」
「規模が違います…。国が傾き民の不満はたまるばかり、あれは本当に始皇帝の悪政の一つです。お墓を作るなってわけじゃないです。それに天皇陛下ならなんとか持ちこたえるでしょう」
「そうかやめる必要はないか」
「まあただ国家が苦しくなるほどだから、力を見せつけられるって裏返しはそうですけどね。大王はやめるべきだと讒言してるわけじゃないですよ。秦のほろんだ理由の1つに無視はできないってただの理由にすぎません。さて政治ですが、秦を目指すなら天皇の名のもとに朝廷に命令系統を一本化します。すみません、これは天皇を頂点にではありません」
「なんだと?」
「今のような連合の合議制ではなく、天皇を助ける部下が集う感じです。中華の戦国からあった宰相や大臣や将軍です。天皇陛下は顔ですね。顔には頭が付いています。首から上が朝廷で、それが手足を動かす。これが中央集権と言う政治スタイルです」
「でもそれが滅んだのだろ?」
「いえ漢もほぼ同じです。最初だけちょっと緩くして分かりやすく朝廷が定めた法律を減らしただけです。漢も根本は法家なんですよ。儒家を気取ってますけど。中央集権までの間を作る。これが大事だという事です」
「なるほど」
「ちなみにいきなりやっても上手く行くと思いますよ」
「何故だ?」
「日本は小さいからです。むしろ中華は日本のために作ってくれたような制度です。あれはいずれ破綻します。考えて見てください。今は冷害で人はへるでしょうが。それが終れば人は増えます。人が倍に増えたら支配領域の意味が倍になります。今は土地のわりに人が少ないからなんとかなってるだけです。逆に言えば日本は多少増えても今の中華よりは少ないからなんとかなるでしょうと」
「じゃ何故やらんのだ?」
「土地ですね」
「土地?」
「天皇陛下は戦争に勝って支配したら自分の土地だと思うでしょ?」
「ああそうだ」
「日本全国皆従えたら全部自分の土地ですか?」
「そうなるかの」
「そんな国で頑張って開拓しますか?日本は農業をつかさどる私から見るとまだ農地が開拓できますよ?」
「やらんじゃろな」
「土地の私有の扱いが難しいんですよ」
「陛下の直轄地はちゃんと作ります。ですが、日本全国天皇の土地だって政治制度は同意できませんね…」
「何か妙案はあるのか?」
「大体問題になるのが、土地に入らせないって事なんですよ。家に無断で入ってきたら泥棒とみなしますよね?この理屈です。そこで公=朝廷の考える政治的な利益のためにはそれを許さないって事の許可するわけです。最初から取り上げて面倒を無くするか?ってのと選択しただけです」
「そりゃ判断が難しいな」
「ええだからこそ天皇陛下を助ける組織がいるわけです」
「それとこき下ろしましたが、儒家の所作は美しいですね。あれはぜひ取り入れるべきです。過度にはいけませんが」
「美しいのか」
「はい中華の人と関わることもちらほらあるので直接見ています。あれを政治だというなら馬鹿馬鹿しいですが、上下関係に対する所作の芸だと思えば称賛できます。過度のは否定的というのは非効率で仕事の邪魔をしてまで芸を重んじてはだめです。否定的なのはそれぐらいで問答無用で取り入れるべきです。階級によって人を見下すのは不愉快ですが、命令の順序として上限関係があるのは否定してはダメです」
「儒教は中々良い話もあるんですよ。ただ根本的に周の政治が理想として組み立てられた政治姿勢なのですが、周ってどんな昔の国だよって、時代が違えば様々なものが違います。そしてその中で大半は良いものが多いのです。例えば日本はちょっと以前まで石器で農作業をしていました。でも今は鉄器を使っているところも多いでしょう。まだ石器のところ地方ではあるんですよ」
「些細な事だと馬鹿にするでしょう。でも1000年近く前の国ですよ。ありとあらゆるもの違います。それに先ほども言いましたが、国の大きさにあった政治ってあるんですよ。中華ってものすごく大きくなりました。それに比べてずいぶん小さかった周がすべての理想の政治だと言われても、あっそって言うしかないです」
「論語ってものすごく納得できるいい事も書いてあるのに、肝心の政治のための考えはお粗末すぎる。孔子と言う同一人物が書いたのか?って疑ってしまうほどです。まあ政治や国家運営はむつかしいです。納得できる点は多分政治や国家運営についてじゃないんでしょうね…」
「論語手に入れてあるので、もしお持ちでないなら天皇陛下も時間があればぜひ読んでください」
「くだらないんだろう?」
「中華と付き合うなら必須ってだけです…、アホな考えでもあの国上手く無視してる部分があるんですよ。何ていうかすごい重要な時に時折これに従ってしまって失敗してるんですよ。前漢後漢の間儒教政治ってのがその典型です」
「天皇陛下、実は後1つ重要な話があります。こっちに来たのは、陛下の子供の教育数人任せてもらえないでしょうか?もちろん、家があるのは分かりますが、語りつくせぬって思いで今もいっぱいです。陛下は頭悪いなって馬鹿にしてるわけじゃないです。思ったより理解してくれてると驚いています」
「いや自分でももう十分な年だとは思う。若いうちならもっと頭に入ると言いたいのだろ?」
「はい。すべての子供をとかじゃないです。何人かと、陛下がこの子を後継者にしたいって子を最も教えたいです。ただ一人だけだと私が都合のいいことを吹き込んでると思われないか?と思って。何人かいれば皆私に騙されるとはならないでしょ?」
「疑ってはないがな。こうして直接話せばすべて納得できる事ばかりだ」
「他の臣下の方や妃の家の方がね…、子供を取り上げるようなので、まだ小さいお子さんは生活を共にして教えるようなことはしません。私がどこかの部屋にやってくる形でも良いです。ただある程度年齢が高いのなら是非生活を共にして吸収してほしいのです。私の周りには私の弟子が多数います。それらからも教えを受けられます。それは大きな財産になります」
「うむ分かった。妃の家に話しておこう」
うちうちで話した今回の事大半臣下たちに発表することになった。そして大枠である朝廷の組織作りが始まった。ただ私はこれ単純には関わらない。まだまだ新参者なんだ。最大の難関を通り越したのでもう後はやるだけだ。傀儡=次の天皇だ。どうにかして徹底的に洗脳する。実際傀儡は素晴らしいんだ。
じゃ何故洗脳なんて?じゃ私やりたいのか?なら御免被るよ…。国家のためのあれば良いな程度の犠牲なんだよな。これアメリカはなんとも思わないかもしれないが、王族うらやましいなって国はちょくちょくある。何度もフランスも王族復活してたし。省庁王族、しかも歴史が長いなんてちょーあってほしいものだから。
私がやりたくないってのを気が付かれたくないんだよね…。生活が保障されるから、貧しい時代には素晴らしいが、より価値が出るのが、豊かな時代になったときなんだよな。その時損ばかりでやってられんよ。まあ今私豊かなので絶対やりたくないんだ。




