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ガレオン船とクロフネが完成した。無駄じゃないのか?なら。帆が無い鉄の内燃機関のスクリュー船が出来上がるまでは、ガレオン船は作っていこうと思う。単純にクロフネ蒸気機関が大変すぎる。すべての航路をクロフネにはできない。将来的に海外にこの技術売っても良いからだ。
東北の冷害被害者の移住がひと段落した。化学肥料による輪作畑作に切り替えたからだ。ただそれでも米の高い収穫量には及ばないので人はずいぶん減った。蝦夷の生活をそのまま送ってるものは放置してる。山の焼畑は悪くないと思う。ただ狩猟じゃなくて家畜も飼育くれないかな。北海道はいろんな部族がその方向になってる。
狩猟はやめてはいけない。それはあれらは増えすぎると害獣になるからだ。ただ化学肥料無しでは成り立たなくなったな…。釜石の集落にアンモニアプラント作ろうかな。ちょい収穫を上乗せでもらうようにしてる。後払いだ。後払いじゃないとなりたない。ビートの糖度がじわじわと高まってる。品種改良組は、本当に科学班の中ですごい貢献度。
ガレオンとクロフネをイギリスに送ろう。本当は様々な航路の輸送に使いたいが、今一番強力な軍艦が必要なところに送るべきだ。釜石にも電力村を創ろう。あそこを一大工業都市にする。んで宮城を米を中心とした農業地区にして、いずれ温暖化が来るか?品種改良が進んだら。稲作を北上していこう。
じわじわと、佐渡から新潟、宮城から関東。東北は緩やかな支配と従うものは農業に取り入れて、山の蝦夷の自治区化だな。北海道も全く同じで良い。ただ重要な資源はさすがに譲れない。世界中の狩猟民に似た政策で行こう。ただ戦闘が必要ならどんどんやるべきだ。それで支配とかしないだけで、対等ではあるが、力を見せつけこっちの要求はなるべくのませる。
ある程度目途が立ったので、いよいよアジア北部支配計画を発動させよう。これを避けていたのは、寒冷化が大きな障害になるから。ただなんとかなりそうなのと、もう1つは、資源のある所で重点的に工業をやればいいかと思う。基本狩猟民がいるところは放置の自治政策。農業は無理してやらない。
問題は草原の民にぶつかるところ。いったんそこで止まった方が良いな。連中もやばいリストなんだから。
まず、沿海州のウラジオストクの先端の島を拠点にする。後はカムチャッカ半島で石炭、金を探す。後はどこかに港となる拠点を作る。樺太は漁業以外は無理。後は油田かな。ここはゆっくり進めよう。漁業の拠点は前からあるので、そのまま地味にやる。原住民で漁業を中心にやる連中と交易すればいいかも。攻撃されれば反撃するが、それ以外武力はいらないかな…。
当面は北はハバロフクスクで止まろう。これ以上西は資源と相談。この近くで炭鉱があるらしいので、ここを工業都市にするのが良いかな。沿海州を広げていって扶余高句麗とぶつかるギリギリのところ。これは行ってみないと分からない。ここで水がある防御拠点を作って、彼らと交易する街にする。どうにか彼らを取り込みたいな。ただ高句麗は苦しいかな…。これは朝鮮から攻めるので、ただ押し返して満州は残すべきだな。
取り込む方法が分からん。そういえばコンプレッサー作ってしまったので、ポンプとか作ってなかったな。創ろう。人力器械をたっぷり作って友好地域にどんどん送り込もう。
航路にすぎなかった対馬や朝鮮までの島を支配しよう。そのうち朝鮮上陸だ。この時期ローマの衰退なんて比じゃない。中国ははっきりと混乱する。朝鮮をかすめ取ろう。電光石火で弁韓までやってきて、倭人と近い国を従えた。そこでいったん止まって支配を整えた。油断してはならない。この時期稲作が難しい。倭人がこの辺りにいたのは分かっている。当然稲作の問題が出るだろうし、かつこの地域は十分寒い。
早生は日本で作られたもので、倭人の先祖がこの地を南下して日本に来たときは無かった。そのためそれを発展させた北海道産はおそらく劇的なものになるだろう。続いて輪作畑作を整えていく。北部の地域はもう稲作を諦めたい。そのため弁韓で準備しておく。もしいろいろとてこづるようなら私自ら行っても良い。中国地方をのんびりやってるので余裕がある。コメの収穫まで一旦止めておこう。
大量生産はまだしないが、ペニシリン、ストレプトマイシンの大規模生産のめどが立った。あえて大規模にしないで設備だけ整えていこう。まずは大王家に医療部門の地位をもらおう。まず大王家の周辺の人たちで直せるものは直していく。ある程度信頼を得たため医療の役職「典医」をもらう。
いろいろと重なるのもあれなので、一族のモノを分けて割り振っていく。どっちにしろ宗像があらゆる専門職を独占しそうだ。
「電気がイマイチ進まない。何故?と思ったら。誰だこの電気村の設備造ったのは」
「私です」
「怒ってるるわけじゃない。なんでこれ上手く直流と交流切り替えてるんだ…。ずっとこの回路を通したものと電池使ってたから気が付かなかった」
「何ですかそれ?」
「多分わかってて名前の把握が違うのか。電気が逆方向に流れるときあっただろ?」
「はいうまく調整しました」
「うんどうやったか知らないけどすごいな。これが交流で調整後が直流。電池から電気を作ると直流だけど、発電機から作ると交流になってしまう。これ原理は簡単なので調べておいて。んでこれ皆で共有してないでしょ?」
「はい」
「そこが科学じゃないんだよな。後から振り返って科学技術の発展となるが、本人はその自覚がない。それこそ科学の神髄なんだよ。技術の理屈こそが科学であり、理論をもとにした技術の発展こそ科学技術なんだ」
ああ、これが僕が恐れいた事か…。技術の発展を焦るあまりに答えをすぐに教えてしまった。ただ問題もあるが良い点もある。科学は旨く導かないといけない。根本的には陰陽道とか、煉丹術、錬金術と変わらん。その点プラトンを批判したアリストテレスは正しく科学の徒だと思う。だが彼移行何故悪化したのか?
それは、相関関係と因果関係の誤謬によく似ている。ただこれは大量にあふれるその他のオカルトのケースだ。アリストテレスは、別の理屈に隠されたシンプルな理屈に騙されたんだ。これはフロギストなど科学史にも大量に含まれ得るのでなんら問題はない。じゃ問題は?後の時代の人だ。科学は修正を認めないといけない。
しかも幾つか新しい発見があったのに地動説もみ消したんだ。この点は確認作業と疑いを否定してはいけないと常に言ってる。われ思うゆえにわれありはあんまり言いたくない。デカルトは単純すぎた。2つ大きな問題がある。疑うってのもある程度抑えてる部分があるんだ。この点彼は深い考えがない。次に脳科学はそこにメスを入れる。
まあ疑う事の重要性は伝えてある。多分そこまで極端にしなくても問題はない。時折過去の命題のチェックをした方が良いな。もし見つかったら儲けものだ。あれは違う意味で重要だ。印象?そういうものにおいてよかった。疑う事の重要性を科学の根幹におけたって意味ではすごく良かった。
「すべてを疑ってさ、疑ってる自分は確かにいるのを疑えないってどう?」
「正しいように思えますね」
「科学は懐疑的になるべきって根幹にこれがあると発展しやすい。なんとなく覚えておいて。でもこれ絶対の軸にはしないでほしい。これ問題も多い。後仏教とくそ相性が悪い。理屈を立てる自体はどんな思想でもやるんだよ。だけど実証や教祖への懐疑ってのは、科学に特徴的になる。仏教が唯一良い線行ってるんだけどね」
「以前も話したけど、科学って奇妙で、はじめと経過とその先って全然思考法が変わるんだよ。多少間違ってても暫定的な答えを出してくる。もっと良いもの出せるだろうって考えるよね?」
「もちろん」
「これが簡単じゃないんだよ。この先何十年で膨大な数の科学知識がたまったときやっともっといい方法あるんじゃない?ってなる」
「何故ですか?」
「それなりに天才的な人物が生み出したものをそうそう覆せるわけないんだ。あくまで比喩で言うなら、英雄を葬り去るのに、戦争で多くの人間をぶつけて取り囲んで滅多打ちだ。これこそが科学の真の力ともいえる」
「後ね、多くの人が納得できるものって簡単に理解できるものでしょ?良いかい?天才を打ち破るのに、天才しか分からないものじゃ多くの人が模倣できないんだよ。起点となるものは正しく難解なものより、簡単なものの方が良いわけだよ」
「科学にとってどっちが大事なんですか?」
「卑怯だけどどっちもね…、それよりさ科学は一人の天才の力によるものじゃない。それと同等の活躍を多くの人間の結果を積み重ねれば可能だ。例えばだ一人の天才がある1つの画期的理論を考えたとする。その前提に多くの人の地味な研究結果があったら?これ君たちなら分かるでしょ?」
「ああそもそもどっちが重要かが馬鹿馬鹿しいですね」
「むしろ逆、天才に匹敵する業績を数多くの凡人を足すと生み出せる。そして何よりその天才は後から分かるだけで、科学者の数の多さが確率によって天才を作る土台になる。両者はむしろイコールで見る立場なんだよ」
「間違ってなくても分かりにくいものが起点になる思考法はダメだね。あくまで数の力が生かせるとしてだけどね」
「大体数が多いって有利になりませんか?」
「はは、あるんだよこれがイドラだ」
「ああ噂の持つ先入観」
「うん、数が多いほどあれ信じちゃうからね。まあそれを制限してるんだから科学は数が生かしやすいね」
われ思うゆえにわれありは本当に悩むが、あれ劇薬過ぎてためらってしまう。でも懐疑は本当に重要なんだよな。イドラと懐疑主義、機械的世界観、要素還元主義と限定的な理想状態による実験。デカルトとベーコンってかなり似てるんだよな。