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火薬班がニトログリセリン作った。これニトロセルロースができていればすぐ出来る。問題はそのままじゃ危なくて使えないって点。次に実験室なら簡単に作れるが量が足りない。工業化の指示を出しておいた。グリセリンは石鹸にも使えるので大量製造の方法を見つけておいて損はない。
「今回主要な次世代の火薬が完成した。これからも続けてほしいが、とりあえずこの2つを利用する方法を考える。君らに任せても良いが、知っての通りとても危険だ。危険性は分かる?」
「はい、ニトロセルロースは自然発火するかもしれない不安定性。ニトログリセリンはとても衝撃に弱いので扱う自体が困難です」
「実はこの2つ混ぜると安定する…」
「ええそんな簡単な事なんですか?」
「うん、驚くことにね。添加物として、硝石と木炭も入れるけどさそれは安定性じゃない。まあ黒色火薬もいろいろ混ぜるからあんな感じ。ただね安定過ぎて爆発しない。それをどうするか?雷管を使う。雷管を火縄銃みたいな導火線で燃やして完了だな。でも実験怖いよね…。僕も君らがやるからなんて軽く言えない。あぶねーの2つ混ぜるって勇気いるよ」
「ニトロを貯めて、そこに滴下したらどうでしょうか?」
「良いね、それなら離れて操作できる。滴下が終ったら煮凝りみたいの出来るから」
本当に出来た…。
「後これ安全なの確かめるの面倒だけどやっておいてね…」
「でね、無煙火薬もこれなのよ何かで固める。これはゲル化だけじゃだめ。後さもう1つ重要なものがある。これはこの2つと製法がまるで違う。ゆっくり探してくれればいいよ。未知のX含めた3つが基礎になる。ただ2つでも可能なので、とりあえずね。固める物質は石油化学で生まれるからとりあえず無理ね。後、最終的にそれを粘土みたいにネル液体を加える。この2つ加えて完成」
「何故ダイナマイトと違うのですか?」
「これね、銃って単純な爆発じゃないのよ。それだけを高めると砲身が暴発しやすくなる。玉を押し出すような爆発。口で言ってるとあほらしいが、その証拠にニトロをダイナマイトより減らすんだよ。最後の物質はダイナマイトもおかクズ入れたりする場合がある。ああいう物質。でもダイナマイトみたいなでかい棒と薬莢比べたらわかるでしょ。コンパクトに収めないといけないから」
「最後のは濡れた粘土を固めるためのようなもの。あワセリンあるね」
「え?」
「あそっか名前がな…。これ分留したんだな。ガソリンとか危険なので上手く扱ってほしいよ」
「後はアセトンかこれは木材の乾留で得られる。後は得られた木酢液を分留ね」
「木酢液って何ですか?」
「ああこれか殺虫なんかに使える。ただ多少危ないよな。食べ物には怖いね。材料は教えたから今度やってみてよ。煮凝りみたいのは割合が違うから危険かもしれないから十分に注意してね。ただこれ武器には使えないよ」
「どうしてですか?」
「量がほとんど取れない。実験だけしておいて。ちなみに大量生産は石油化学で得られる。これ発展できるかな。僕も本当にわからんよ…、それまで困るね。これ細菌に糖を与えて生成する。その細菌探すの大変だけどね。細菌の連中と相談して。まずは無煙火薬作ってからね」
ダイナマイトを作ったので手りゅう弾も作った。ついでに武器用にプラスチック爆薬を使った手りゅう弾を作った。これは建物の破壊などに使う。投擲の道具を組み合わせれば。一定時間後に爆発するため対建物や城壁などに使用できる。用途の違いは記しておいた。
ロケット班が実用的なロケット砲を作ったためこれの用途を説明した。
「後は飛距離と精度だね。でね、ただ飛ばすだけで何の武器になるの?ってなるよね」
「はい」
「ここに爆弾を括りつけるんだよ。銃って広範囲な攻撃できないでしょ?大砲は重い。その中間の武器で威力は大砲並みって作りたかった。大砲ほどの飛距離を要求すると巨大化する。そして威力も巨大化する。なら球を送るのに空中で火薬の力を使ったら?その答えがこれ。でも威力と広範囲攻撃が欲しい。だから別に爆弾を先頭につける。爆弾は無理に大きくしなくてもいいよ。精度と威力を上手く調整してね」
ロケット砲は中々まっすぐ飛ばない。これは計算とか無理だろう…。宇宙に行くロケットなら計算で飛ばすのだが、ロケット砲は大砲のような精密射撃は難しい。これは実験兵器と割り切ろう。対戦車の特殊弾で意味が出るのだから。ロケット技術自体は無茶苦茶使えるからその時に役に立つかも。