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なんつかー思い出すと僕はゴザを帆にしてた、あれから帆作りに携わってなかった。こんな事になってるとはもっと早く手を付けるべきだった。著しい生産性の低下になってた。ガレオン作る前に気が付いてよかった…。クリッパーはあまり台数が無い。大量の帆があるガレオン数十隻なんてこれじゃやばかったぞ。探検船じゃなくて、輸送船なので大量に必要なんだ。今までと運用理念が違う。
自由研究が上がってきた。悪くないかも。これ際限が無いのでちょっと見て打ち切りしてる。今回しなくていいかも。本当は打ち切りしたくない。ただ多くの人のためって手ごたえが全然ない。それは皆僕がやってるから。科学の本当大事な点は、ただ単純に世界を知る事なんだ。科学はその点で思想だと思う。
そうじゃないって人も多いが、世界観ってのは思想の中でとても重要だ。現代の理神論的キリスト教って頭でっかちのつまらんものだと思ってる。早晩あの手の信仰は衰退すると見てる。アミニズムこそ信仰の本質だと思うわ。早速科学班を集め担当者を呼んだ。
「うーん、50点」
「ええなんでですか」
「君僕に忖度しただろ?」
「はい…」
彼の研究は植物の燃焼させた遺骸を調べるで、これによって必要な栄養素を探るってものだ。おおっと思ったが、これ僕が肥料を頑張ろうとしてるのを知ってるからだ。グアノは輸送が面倒なのでやってない。だからガレオン欲しいなと思ってるし。ただガレオンじゃ付加価値があまりない安価な工業製品の原材料運搬ってあまり向いてないだろうな。
遅いし小さい。でも、日本で賄える肥料はいろいろ手を付けてある。そこを突かれたな。
「皆を呼んだのは良い研究だけど、僕に忖度した研究は好まないから。何故ならそれなら僕が直接専門班を作るからだ。じゃどういうのが良いか?と言うと、皆の役に立つものをって自分で考えてほしい。前も言ったけど本来科学ってそうじゃいけない。世界を知るための学問なんだ。ただ、イギリスにも行った事ことだし話すけど、欧州には昔ギリシャと言う国があった」
「この国金持ちの道楽で科学の芽生えみたいのがあった」
「ああ私たちはその末裔なのですか?」
「いや…、後さその伝承僕の一族だけで、君ら普通に中華の北方民だよ…」
「「えええ」」
栄光の民の末裔とか好きだねみんな。僕も君らと同族だけどね。
「脱線は置いておいて、その民は国が滅びたのが一番大きいが、戦争や国家の富にそれらが繋げられなかったのが大きい。そしたら変わっていたかもしれない。ローマがその後を継いだけど、ギリシャ程科学が発達してない。戦争が強いし、建築医技術はやたらと高度だけどね」
「民を豊かにするってのは戦争もその一つだ。奪われちゃいけないんだ。それにまだある」
「肉を焼いたときさ炭にならないでしょ?あれって高温なら消えるだけで、炭化まで行かない焼いたときの成分ってのが抜けてる。動物でしょ?だけど基本植物も動物もあまり変わらん」
「えええ」
「緑の成分以外あまり差が無いよ。同じ生き物なんだよ。ガスとして消えたんじゃないか?と考察があるのがCO2とH2Oだよね。惜しい、もう1つある。NOx窒素酸化物なんだよ」
「硝酸などの?」
「そそ。こういう燃焼で気体も集めて分析って作業あまりしてなかったのが出たね。ゴム管が出来たからこれからは気体も頑張っていこう。肥料創ってる、NH3合成しようとしてる。これでピンと来てほしかったな。窒素化合物が欲しいのよ。小便とかって、アンモニアを弱毒化した尿素でできてる。要するに小便が肥料になるように、アンモニアも化合物が肥料になる」
いい線いってる。だって現代ならガスクロやるもん。それが出来んからね…。道具の発展も急がないとな。モーター出来たし遠心分離は作らないとな。
「酸塩基いろいろ調べてるなら大雑把に強弱が分かれる酸塩基あるでしょ?」
「硫酸の方が塩酸より強いとかそういう差じゃないやつですよね?」
「うん、大きく違う」
「ありますね」
「あの理屈を説明する。酸の場合Hが乖離しやすいか?になる。強酸はHが強く乖離するけど、弱酸はHが弱く乖離する」
「当たり前ですね…」
「うん、ただこれ大事になる。弱酸と強塩基とか、こういうアンバランスな反応をさせてね、水を取って塩が出る。これをまた水に溶かすと変な事が起きる。例えば強酸の塩酸と、強塩基の水酸化ナトリウムを反応させると食塩ができる。食塩とかしても中性だよね。だがなんと弱酸と強塩基だと例えばソーダ灰なんてそれだね。これアルカリ性になるんだよね」
「ああそうですよね」
「あれ理屈は分からないでしょ?」
「はい」
「あれはね、水中で乖離しやすさが互いに違うんだよ。そのせいでCO3のイオンが乖離しきらずに水のHを奪って安定してしまうんだよ。そのせいで水由来のOH-が余って塩基性になるんだよ」
「手をつなぐようにってあれですか?」
「そそ物質は炭酸だけど水素イオンが乖離してないので水の中で炭酸じゃない…」
「イオン化せずに解けるものってあるのですか?」
「砂糖ってしてないのじゃないかな。あれはイオンではないんだよ。電気的に極性を帯びてるけど、電子が乖離はしてない。イオン化しない炭酸もそんな感じだと思うよ」
「今回これをやったのは、科学ってのは何故なの?って理屈を考える学問で、これが単純に鉄砲を作るとかは違うんだよ。どういう仕組みでって時、職人も筒と玉と爆発は語れるだろう。でも火薬が何故爆発するの?これは答えられる人少ないはずだ。そしてこれが極まれば、理屈を使って逆に新しい道具が作れる。君たちにはこれをいずれやってほしい」
「ただ何度も言ってるが、本来の目的ではない。それは世界がどういったものか?解き明かす事だ。それが便利な道具を創るって副産物を生んでるだけだ。今2つを分けて頑張れって言ってるのは、食べさせてくれてる人に還元するためだ。僕じゃないよ?僕も実は個人で稼いでるけど、そのすべてで君たちを養ってるわけじゃない。領民からの徴収したものが必ずある」
「それでも忘れないでほしいんだ。常に科学者は職人とは違う。何故なのか?って理屈の探求を忘れてはいけない。道具を作るだけが目的ではない。それなら職人さんたちだけいれば良い。彼らはやがて科学の後を追う事しかできなくなる。そういう時代が来る。例えばだ、職人ばかりの集団で開発は科学者がその集団にやとわれてるって形になる。知がそうやって民たちへも分散するんだ。そういう時代がいつかやってくる」
後装ボルトアクション式銃が完成した。これはとても大きい現代でもこれは生き残ってる銃だ。狙撃ライフルとしては最高傑作となる。改良の余地はいくらでもあるし、数発球を詰めないでボルトアクションだけで打つ構造も作れる。ただ当分良いかな。これシンプルで未熟な技術でも故障も少ないし。
開発当初は故障の塊と言う機関銃をそろそろか…。これ火薬の問題もあるんだよな。機関銃の量黒色火薬で打ったら煙だらけになる。同時進行で行こう。これは完成すごい先だと思う。ただもうその方向しか銃は無い。そして自動小銃だ。そうだ拳銃を創ろう。騎馬突撃にすごい威力を発揮する。これはすぐ出来るだろう。




