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 医療班にいい加減なものやでたらめな医療の調査を任せた。それらの中で問題のものは改善していくつもりだ。それなりには信頼されつつあると見てるのでなんとかなるのと、何よりうちの一族の指導は様々なもので改善を促してるので、多分意見を聞いてくれるだろう。科学班はうちの一族の強い支持があるのを多くの人が知ってるからだ。


 菜種から菜種油を搾ることにする。いずれ石炭石油で油は代用されるので、食用に使うためだ。エルカ酸の問題と言うのが現代で問題になっていたが、これどうもマウスのオスだけに生じる現象で、人間からは特に問題のある疾患が見られないとの話がある。いずれ問題が出たら考えればいいが、とりあえず無視しても良いと思う。油を使った料理あれば食えればいいとして様々な寒冷対策の作物を作ってるが味に関して補えると考えたからだ。


 上手くやれれば南方のインディカ米を使いたいので、料理法を研究してみる。ピラフが良いかな。バターは無いので脂身はなしで。ただ出来たら何かの肉を入れて脂身を補えばいいかと。魚介類だとどうやればいいだろうな。だしは魚か鳥ガラか。そういえば、アラブルートでたまねぎも運ばれてきた。これをグルタミン酸の素にしよう。出来る限り贅沢にならないように。



 自分の名は良彦。先の戦いの兵士をやってた船乗り。本来船乗りは大切にされるためそうそう兵士にはされない。だが自分は徳丸様の海外遠征計画に早くから加わっていたため原住民と戦いになったときの指揮官として船乗りから何名か選ばれた。ただ徳丸様に言いたい、確かに様々な武器を使った戦闘馬にも乗れる。だがあの戦いは鉄砲を使ってなかった。主に鉄砲が海外の武器になる。少数精鋭となるため鉄砲が重視される。


 鉄砲はそんなに強いのか?ならかなりの進んだ鉄砲を見せたもらったことがあるが、あれに比べたらそれほど優位とは言えない。近距離でケガをするのが問題だと徳丸様は思ってらっしゃるようだ。医療を学んだものはいることはいるが、そもそも寒冷化対策の移住計画があるため、その拠点に暮らしてもらうためだ。船乗りのための医者ではない。未知の病気あるため。船に何名かは乗ってるが、全世界の船の中の数隻にすぎない。


 今回はかなり独断が許された計画になる。正直言えば徳丸様は慎重すぎる。丁寧に話してくれたが、要は武器を模倣されるのをとても恐れている。そのため最新鋭の銃をどう扱うか?はかなり迷ってるようだ。当然自分たちも強い武器が欲しい。数が少なすぎるから。ただ確かに武器が漏れたらとは思う。それほど大きな優位になる。


 先ほどは優位は小さいと考えたがそれはあくまで最新鋭のものに対してであり、現地のものと比較すれば今でも十分な優位になる。模倣自体はそれほど怖いわけじゃなくて、それが発展するのがとても恐怖しているようだ。ただ自分たちも命がかかってるので、この辺りしっかり考えを聞いてるが、いずれ真似できないほどのレベルになったらもっと強い銃を持ってもらうとは言ってた。


 将来武器の開発競争になると徳丸様見てる。それは多分当たるだろう。徳丸様の未来視のような物言いは恐ろしく当たる。今回の寒冷化対策も徳丸様はもっと子供時からずっと準備してきて、年々実際気温が下がってきている。いつ問題が生じてもおかしくはない。寒い地域に行くことが多い自分は雪の頻繁にフル地域がちょっと南下してきてるような気がしてる。


 もちろん流氷が問題になるため渡航時期はかなり慎重に選択している。そして何より徳丸様が指示した大陸はすべて存在したことだ。あの人は多分領土から出た事ないと思う。その人が自分たちより詳しいのに恐ろしいものを感じている。3女神の加護があると噂されてるがそれが噂じゃないと確信してるほどだ。


 徳丸様が言うには欧州と呼ばれる地域には大きな帝国があり、ここと中国とペルシャという地域はできる限り接触を避けたいというのだ。だがこのイギリスと言う島だけは、その範囲が南部だけと聞いている。そのため北部に上手く影響を与えられないか?と考えて、慎重策を大胆に進めたらしい。


 徳丸様はかなり大雑把な計画を立て、それに一応従ってるが、あくまで参考だとは言っていた。知らないより知ってる方が間違いなく良い。それと絶対に守るべきは武器が3つの帝国に漏れない事にある。だがそれだけじゃなくて、できる限りまとまった集団とは戦わない事があり。今回それが大きな問題になっている。


 徳丸様が言うにはピクトと呼ばれる民族の王国が3つの島の1つにあり、それはちょっとやっかいだと話していた。だから他の2つを占領して力をつけてからが良いとは言われた。ただ問題もある。意外に小規模な集団にてこずる場合と、2つ目に敵がこの占領に気が付いて用意する点だ。


 後の計画は、これらの占領が成功したら支配にしっかり従うようになってで、彼らと協力して沿岸部から一部で良いから味方の人員を引き抜いてこいだった。これは逆に自分たちがずっとやってきた方法なので、それは素晴らしいとして今回のかなめにしれくれたようだ。実際の問題は本土北部ととなりのアイルランドにある。こちらは範囲が広いので、分裂した集団でも規模が馬鹿にならないって点と、万が一協力関係になった困る。


 だから分断されてる島から落とせとなったようだ。これには自分も同意できる事でもある。最終的に十分な戦力が整ったら北部に拠点を作って、ローマ帝国崩壊の時期があるからそこを狙って南下して全島占領しろだった。大陸は好きにしてくれとなった。いつもの沿岸部からの引き抜きが良いかと思っている。


 ただその時期は混乱期なのでどさくさに紛れてイギリスに近い地域を占領できるかもしれない。数100年後大きな王国ができる可能性が有るので、占領するか?諦めるか?は早く決断した方が良いとは言われた。


 未来に関して分からない点は、自分が関わることで、予言した未来が全く変わるらしい。その時新しい予言はできないと言われた。やったら最後もう変わるだろうと見ている。イギリス自体で大きく変わる可能性もある。徳丸様が細かい未来の予言はそれほど重視してないらしい。世の中には変わらない重要な事があるから。そこだけ抑えておけばどう変わろうが対処できるらしい。軍事的にはと言われた。


 徳丸様は、特別の秘密だと言って教えてくれたのは銃と言うのは今から1000年は後の技術らしい。こういった発展はすぐにはできないので、大まかな未来は分かるらしい。だが模倣がそれをすべて壊すらしい。だから怖いと。すべてが突拍子もない話だが、おそらく徳丸様のすごさは、一部の徳丸様の周りにいる連中と俺ら船乗りと技術屋が一番わかってると思う。


 ほぼ疑い無しに当たり前にもう聞いてしまうんだ。全的中ぐらい当たる予言なんて怖くなるほどだ。


「良彦様準備が整いました」


 雑多なそれぞれの地域からなる混成部隊。彼らを1つにまとめてるのは海になる。そして島と港だ。確かに様々な居住地域を作ってきたし、そこに倭人の妻や子供もいる。そしてそれぞれの拠点や島にも家族が居る。それでも自分の故郷は島と港を結ぶ海だと言える。そんな連中が集まってできた集団がこの集団だ。


 まずは左側の島から攻める。ここは人が減ってしまったと徳丸様から聞いてるから、それに従って順序を決めた。続いて北東にそして最後にピクト人の王国がある島だ。まずは人のいない船を止めやすい海岸に拠点を作る。


「良彦様付近に住民は居ません」


「よしまずはじっくり拠点作りに入る」


 皆それぞれの地域で自給自足をしてきたので農業のプロであり漁業や狩りのプロだ。しかも世界中から集めた徳丸様の特別な作物がある。やや寒い地域に合うのは確かジャガイモだったな。後はこの地域でも栽培されてる小麦とライ麦。ライ麦の方が寒い地域向きだったはず。こっちはまだ栽培し始めて経験が浅いので試行錯誤でやっている。後ビートがこの辺りの作物だったはずだ。


 ただこれは家畜のえさに使えるとあったから運んできた家畜に食べされればいいか。すでにフェロー諸島やアイスランドに様々な家畜を使った牧畜と漁業で生活をしてる。この変の地域の呼び名らしいが、徳丸様が言うには別名になってるかもしれないから、場合によってはそっちに変えてもいいそうだ。自分たちが勢力を保てればこの呼び方になってしまうし、違っても問題はないとの話だ。


 水場も確保できたし、家畜の策なども作った後は家か…。ひとまず数人が泊まれる家が出来た。後で自分の拠点にしたいが、安全のためもっと家ができるまで自分は船で仲間たちと当分過ごすつもりだ。毎日探索には出てもらってるが、本当に人が居ないな。数日がたった。家も徐々に増えてきた。人も様々な地域から送ってきてる。


 ただ南米組と合流したアフリカの連中がぎりぎりらしい。アイスランドへは連れていけなかった。あっちは無人島で良かった…。体が大きくて戦いに向いてる連中で戦力として欠かせない。言葉は日本語をなんか適当に使ってる。それと言うのも船員はいくつかは原住民語を話せる。ごった煮な言語で会話してる。


 ただ日本語が無いとアメリカ組とアフリカ組はさっぱり通じない。アフリカアメリカでも地域によっては通じなくて困るぐらいなので。


 それぞれを連携してならもう十分やっていける拠点になった。数日が立ち探索組から報告があった。


「良彦様住民が居ました。ただ友好的なので言語を習いながらあちらにないジャガイモなどの農作物を与えたら喜んでいました」


「芽については話しておいたか?」


「はい、芽をとって目の前で食べました。芽が毒だというのは伝わったと思います。危険というのがなんとなく意思疎通できたのと、目の前で芽を取って調理してるのを見ました」


「種芋は減ってしまったが仕方ないか」


 島の大半が友好的でほぼ全島把握が完了した。ただいくつかの集団は反抗的ではないが友好的じゃない。これらは集まらないように友好的な集団で分断できていたので無視した。意思疎通がそれなりに出来るようになり、一部誘って船乗りにした。村として機能させるために何人か鍛冶ができるものを呼んで婚姻もいくつか結んだ。


 鉄が豊富にあるのでこれを使って鍛造で様々なものを作る予定だ。アフリカは東海岸はあるらしいが、アメリカは金属加工が無いので、必要な技術者は数人呼んである。だがここには連れてこなかった。大工は船乗りが兼用できるものが多い。一部の船員が船の修理をするからだ。将来的には鋳造所をアメリカで作る予定だが、これが難しいのは、高度な鉄精錬を持った技術者が単純に数いない。


 そのためとりあえずは鉄だけ日本から運んで鍛造になる。ただマゼランドレイク海峡を渡るのが前よりは安全になったが、それでも問題も多い。以前の技術である小規模な鉄精錬をアメリカの東海岸に設置してなんとか現地調達できるところから鉄を追加で運んでいる。先行して鍛造だけが広まって、後から小規模な鋳造鉄が補助してる。


 続いて北東の島に進行する。ただここは難しいかもと聞いている。なんでも良く分からないが石造りの防衛拠点のようなものがあり、用途不明らしい。何に使うかわからないが、それを防衛拠点に使われると面倒だと。かなりしっかりした作りらしい。ただピクト人の島だがオークニーの王とはつながりが無いらしい。


 拠点を作るが、探索は慎重にする。斥候的な意味合いになる。その点望遠鏡があるから便利だ。アフリカ組が持ってきたダチョウって鳥が役に立ちそうだ。馬にしようか迷ったが馬より餌が少なくていいらしい。騎乗はしにくいが、短時間なら足だけは速い。


「慎重にな、徳丸様の情報なら前の島ほど楽ではない。あの島は人が減っていたと聞いていてその通りだったが、今回はそうではない。拠点の充実と人が増えるまで戦闘は控えたい」


 例の石造りの建物を見つけたらしい。そこ以外で村が見つかったので、接触してみたようだが意外と友好的だったらしい。やはり王が居ないというのh助かるな。個人個人の判断で変わるものだ。いきなり見た事もない集団がとならないんだ。実はすでに前の島での船乗りを見つけてある。こうやってずっと自分たち倭人が目立たないように拡大してきた。よく見れば混じってるのだが、前面に出ないので安心はできるだろう。


 ただピクト人じゃないので、言語はやや意思疎通が難しい様だ。徳丸様が言うには、この辺りの言語は皆意思疎通困難な方言と似てるらしい。欧州はバスクと言う地域を除いて皆方言レベルの違いしかないようだ。それでも極端に意味が分からない方言らしいが。文の法則が良く似てるらしい。


 周辺の調査は終わり、友好がかなりいるが緋有効も多い。いつ敵対するか分からない。さて石造りの拠点ってのがどうなのか?調査してから考えるか。


「どう思う?」


「これ大半埋まっていませんか?」


「ああそうだな地下の設備か何かと思ったよ」


 これなら問題が無いな。徳丸様なんでこんなもの知ってるのか…。ただの一部が見えるだけで石碑でしかないぞ。よしこれなら問題ない。


 一気に探索を広げた。ここも友好集団で分断してしまえば十分だ。住人が少ない。戦闘が無くて良かった。同様にここでも住人を誘い込む。しかも同じピクト人なのはありがたい。さあこれからが問題だ。拠点が充実するのを待って、次の行動に出た。次は絶対に戦闘になる。まずは上陸ポイントを決めて、今度は居住空間のようなものは無理だろう。船を砲台にした戦闘用の拠点作りだ。


 攻撃は左程じゃない。そして何より数が少ない。そして反応がかなり遅い。犠牲を少なくするように作戦を変更した。


「うーん、このまましのぎきって、別動隊で王を直接殺すか?」


「船を使うんですね?」


「ああそれが強みだし、大体の位置は掴んでる。問題は中々砦が立派なんだよな。船の大砲は届かないだろうしな。もう1つの船の大砲は1つしか積んでないしな」


 砦を強化するように見せかけて別動隊で王を吸収することにした。女王制が多いと聞いたが、そこのところ良く分からないな。絶対じゃないらしい。ピクト人は財産の継承と王位継承が分かれてる場合があるらしい。王は普通に男王が普通にいる。どっちでも対応できるようにそれらしい奴狙うか。


 近接戦闘の護衛と数人の銃集団と最も重要な狙撃ライフルをもった1名で構成した部隊を編成した。このライフル特注中の特注。徳丸様が褒美としてくださったものを一番うまい奴に貸し出した。安全圏からの攻撃に向くため普段は自分が使ってる。対象が後ろに引っ込んでるのか?となるが、まあ船長もやってて自分が死ぬとかなりまずい。そもそも船長なんで陸の部隊長もやってるんだとぼやきたくもなる。


 ただ徳丸様は海上からの強襲部隊を考えていて、そのための実験舞台でもあるそうだ。ぼやいてはいるが、うちの国では必須だと言われた。


 あれ攻勢が弱まってないか?数時間立つと、彼らが戻ってきた。


「良彦様なんか派手なやつ打ちましたよ」


「おお王かもしれないな」


 結果は良く分からんが相手側が斥候みたいな兵の接近に変化した。今のうちに砦を拡張して、柵のようなものでじわじわと囲った。この土地案外肥沃だ。何故だろうこんな寒い島なのに。農地を作れるように拡張工事をしながら斥候をどんどんこっちも出していった。そこから分かったのは相手側は大混乱してるようだ。


 そりゃそうだろう。魔法か何かと思ってるだろうな。徳丸様からうまく銃は隠して魔法のように見せかけておけとは言われている。銃以外の戦闘もやれば多分このままならごまかせる。ただな人が足りなさすぎる…。狙撃銃以外攻撃には向かないんだよな。防御にはこれほど向いてる武器は無いのだが。ダチョウも悪くないが馬も必要だな。フェローやアイスランドには連れてきてるが、今回は荷を減らしたかったので食料の意味が大きなダチョウになった。


 こりゃ占領は苦しいな。じわじわと勢力圏を広げるのはできるだろうけど。人がな。いずれ移住者が増えると徳丸様が言ってたので、移住者を連れてきてしばらく様子見するか。


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