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「以前から話があった元素って何?って話でこれ以上分解できないの意味を話すけど。酸化マグネシウムって物質がある。これ大半の化学処理で分解できない。元素と見れる部分がある。だがかなりいろいろ工夫して電気分解すればできる。ただ詳しいやり方は自分で見つけて、電気分解ってヒントは言ったから探してみて」


「ああやっぱり暫定だったんですね」


「うん。まだ出来るのかもしれない?って部分はどうしても残る。ただ元素と決定する方法はいずれもっと進化する。その時が来れば分解って定義じゃなくなるかもね。化学操作の常識であって、これに電気分解が加わって新たに単離されるものが増えたため、分解の常識が変わってしまったから。これですっきりするでしょ。だから早く見つけてね…」


 冒険航海は終わりいよいよモノを運ぶ時代になると思う。そこで測量をしてもらいたいので3角関数を使った等高線を記した地図の作成の練習をする。これを海岸線などで実施していく予定だ。ただ無理はしないように言うつもりだ。自分たちにとって有用である地図だけ偏って作ってくれれば良い。間違っても全世界マッピング計画なんて思わないでほしい。


 海底は前からやってる重りを付けた縄を垂らすような原始的なものを引き続き行う。これは進化が難しい。ソナーを使うのだが、機械を作るのがまだまだ先だ。


 紙飛行機を作ってる。ただこの紙荒いな。和紙でもかなり品質が良いとすごい綺麗。もちろん、このお遊びにそこまでできん。現代ならそのお遊びに上質な和紙レベルの安価な洋紙があるからな。そこが不満な部分。飛ばしてみる。


「皆これ見てどう思う?」


「飛んでますね」


「鳥やとんぼみたいもいるから飛ぶこと自体は珍しい事じゃない。これは僕が作ったんだ。人が作ったものが空を飛ぶ。ここが重要。人は空を飛ぶことができる。自力で飛ばなくてもこうやって道具を作って乗ればいいんだ。この紙飛行機を見ればそんなすごい事じゃないとわからないかな?もちろん実際飛ぶとなると大変なのは間違いない。だが飛ぶ道具って基本は人を乗せても変わらない」

「実際はものすごい問題がある。だが根本の飛ぶという行為自体はこの紙飛行機の原理でできる。その部分をすべて作り直さないといけないわけじゃない。例えば虫がいるのだが、虫を大きくしたらさぞ強い生き物になるんじゃないか?ならならない」


「何故ですか?」


「あれは大きくしたらつぶれてしまうんだ。それに対して紙飛行機は材質は変えないいけないが、このまま大きくして人を乗せられる。厳密にいうと卑怯な物言いだけどね。虫も皮を鉄にすれば問題ない。もちろん虫の力じゃいくら大きくなっても重すぎて動けないけどね。虫が問題が出やすいのは、人が作ったものじゃないからね。あっちこっち影響を与え合ってあの形になってる」

「人間もいずれそういう道具を作るだろう。まあそれまではそんなキセキみたいな道具はそうそう作れない」


 次に竹トンボを空に飛ばした。


「空を飛ぶには3つほど方法がある」


 そういって紙袋の中を燃えないように蝋燭で温めて手をはなす。不安定なのですぐ落ちるがほんのちょっとだけ浮く。


「他にもあるかもしれないけど、まあおおきくわけて3つ。これらを大きくして、材質の強度を上げる。後は竹とんぼなら回転をもっと強烈にする。蒸気機関の実用化が出来たら見せてもらうと良いよ。もう試験ではできてる。強力な回転って意味が分かるから。空を飛ぶ自体はそう難しい事じゃない。そこでがっつりやらなくていいから。人を乗せて空を飛ぶ道具を創ることを考えてみてほしい」

「本来職人さんたちに任せたいけど、具体的に進めなくていい。ボチボチやればいいから科学班にお願いしてる。例えばずっと空を飛ばなくて良いなら、丘から助走して飛ぶみたいのでいい。その時の道具は紙飛行機に似てる。鉄の棒を組み合わせて3角の形を作る。ここに中央にも鉄の棒を入れて強度を上げつつ、紐を垂らして棒に結んでその棒を握る。安全のため他にも紐を用意して体に括りつける」

「後は鉄の棒に帆船みたいな帆を付ける。工夫としては鉄の棒重いから中空にして管にする。重さの割には強度高いから。例えばだからね、危険なので安全性を考えた工夫をもっとしてほしい」


 多分有益な話にならないと思うが大乗と小乗の僧の両者の意見を聞いてみた。討論は無理だ。本国で散々やってるだろう。僕が間に入るのが今回のキー。


「大乗の人には悪いけど、僕は圧倒的に小乗に好意的。だったら何故大乗の人を招いてるのか?あなたたちにはさっぱり分からないと思うけど民の心のよりどころと支配者のものは別で良いと思ってる。この考えがこの世界どこへ行っても非常識だと言うのが理解してるからね。これがこの地域の常識だと思わないでほしい」

「同じ仏教なのにどうしてこうも違うか?で仏陀の教えの解釈の違いだと思う。僕は大乗は本質的に違うものになってると思ってる。仏教としてはおかしいけど、民衆の心のよりどころとしては間違ってるとは思えない。この話をすると多分解釈が違うと堂々巡りになるのは分かってるけど、僕はその点で小乗にも微妙な気持ちを持ってる」


「どういう事ですか?」


「仏教そのものになんとも言えない気持ちがあるって点。生きようと必死にならないように生への執着が無いと見えるんだよ。御免この点仏陀にはその両立が出来ていたのかもしれないと考えると正直仏教って分からんよ。さてこれはそもそも仏教そのものへの視点だけど、仏教って組織が維持できない。組織の維持はかなりの部分で強い執着が必要となる」

「これは絶対否定されるべき執着を含んでいる。仏陀が生きていた時はそうじゃなかったと思ってる。ただ死後維持しようとしたら絶対に否定的な執着が生まれる必要がある。君たちがここに来てくれたのは組織の存在がとても大きいけど、仏教が捻じ曲がる可能性が高い」


「そんな事考えたこともありませんでした」


「組織って命に似てるんだよ。当然中に生きてる人が居るからね。この人たちは組織の命=維持に無自覚に執着しだすんだよね。これは仏教だけの事じゃないから分かるんだよ。まず中核となる教えを次世代に伝えるものと、彼らを物資で支える在家が居ないと仏教って成り立たないでしょ。だから在家を獲得するために仏教は信仰になってしまったと見ている」

「小乗を見ていればすぐわかるけど、君たちのやってることは信仰じゃない。大乗は信仰に近い。仏教である必要が無い。それが在家を膨大に獲得した秘密なんだよ。これを君たちは解釈の違いとしてずっと議論して決着つかない。でも組織の維持って点で圧倒的な在家獲得能力が高いのは大乗なんだ」

「支持される数が多いのだからこれは素晴らしいに違いないと思うでしょ。他力本願だから支持がそのまま価値となる。問題となる組織の維持へのゆがんだ執着には目がいかない」


「なるほど」


 小乗の人は同意してくれるだろうな。ただ小乗が維持できてる国はすげーなって思うが、いつつぶれておかしくないと思う不思議なものではあるんだよな。


「だからって僕は単純に小乗支持じゃないし、信仰を民が求めるのは仕方ないと思ってる。大乗仏教は分からない形で別の信仰を土台にした異教から信者を奪ってるだけだと見てるんだ。大乗の支持者が圧倒的に小乗より多いのはここだと思ってる。僧本人も気が付いてないだけですり替えてるだけだ。僕は騙してるとは一切思ってない。本人も気が付いてないどう?」


「分からないです」


「これは解釈の違いじゃないからね。そもそも仏陀がそういったのなら仏教に否定的だ。僕個人は信仰に救いがあると思ってない。だから小乗なら興味がある。だが民には受けないだろうなと見てるから大乗も招いている。まるで予言者みたいに見えると思うけど、遠い将来中華を通って大乗仏教がやってくると見てる。その時いかれた教えと向き合えるように本場から呼んだのがある」

「何故自分が呼ばれたのか?イマイチピンと来てない大乗の人は、そのうち分かるから。こんなものが広がるのが許せないって思う時代が来るから。すでにあるのじゃない?」


「あります」


「何故かそういうのばかり広まるからね…、それは大乗自身が信仰を抱えてしまってるからなんだ。いくら坊さんが頑張っても、教えより仏陀への信仰で救われるんだとしてしか広まらないから…、これは異教の信仰と変わらないから」


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