表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
26/168

26

「今回は天文学についてやりたいと思う。かなりの量の天体のデータがそろってきたと思う。ただ言いたいのは、航海天文学を大きく取り囲む様に天文学を新たに設置した理由だけど、本来天文学は天体の動きをメインに進めたかった。でも逆に動かない星を基準に船の位置関係を知りたかったのでややこしい天文学全体は避けてきたとなる」

「私が消極的なのは天文学って正直役に立たん…。化学は今は地味だがいずれ爆発的に価値になる。その点どうも乗る気じゃなくてね。時代が悪い今余裕が無いもうすぐ寒冷化で食べていくのにも必死な世の中になる。その中で悠長に天体の動きなんて観察してていいの?ってのがある。君らの飯は直接的には僕ら一族が食わせてる。そして間接的には勢力下の農民の徴収によって成り立ってる」

「そのため彼らに直結しにくい天文学はあまりやりたくなかった。化学だってなんとも言えない気分だ。後から爆発的に大きな意味を持ってくるから焦ってやってるのもある。それでも手を付けるのは他の分野が進み過ぎた。その割に天文学しょぼすぎる。天文学本当にごくごく一部はとんでもない役に立つものと繋がっている。その最終地点を目指すために急いでいこうと思ってる」


「星は動きますよ?」


「うーんまさにそこが重要なんだよね…、あれはさ星が動いてるんじゃなくて、地球が動いてるんだよ。航海天文学で時間と経度をやってる人は大体わかってるんじゃないかな?」


「基準時刻と航海位置での天体から求めた時間の差でしょ?」


「そそ、あれって地球が自転してるのが前提で必要な処理なんだよ1日に24時間としてね。後は円360を割れば1時間当たりの自転時間が分かる。基準時間から航海位置時間は角度分だけズレてるはずだからね」

「でもさ、太陽とか月って星に比べて移動が速すぎない?」


「ですね」


「あれは地球が他の天体の周りをまわってるか?逆に地球の周りをすべての天体が回ってるか?どっちかだからなんだよ。地球から見た場合は天体が回ってるから地球が中心だと思うじゃない?でね、これが科学の重大なポイントなんだよ。科学にとって確認は最大級の大事なものだと言ったけど、観察しましたよ?と言われると困る事なんだよ」


「それはどっちか分からないが重要じゃないですか?」


「うん、複数つの発想ができることが重要だね。別の可能性が有るときは断定しない事と、もう1つはこの発想って疑ってるよね?ここなんだよね。疑心暗鬼でずっと思考が止まってしまうのは良くない。だが疑う姿勢が無いと科学って駄目になるんだよね。地球の周りを天体が回ってると観察できる。だから地球の周りを天体が回ってるんだー。本当に?」

「この疑いを持つことが科学にとって本当に重要なんだよ。ただ疑いを延々と巡らせるのは良くないんだよね。そこが難しい。だから疑いを最重要にできないんだよね」


「さて天文学まだ重要じゃないから後でも良いじゃない?だけど、他にもあるんだよね。天体の動きって地球上の動きのある種理想形だと言える。地球上での物体の動きより複雑じゃないんだよ。物体の動きは科学の基礎の基礎なので、役に立たなくても発展させないといけないし、もうできてるんだけど、そろそろ科学班も付き合った方が良いけど、大砲の玉の動きって物体の動きそのものなので、それで命中率が変わってくる。宇宙はある意味地球の実験室だよ」

「地動説と天動説だけど、正しいか?はいろいろある。結論から言えば地動説。望遠鏡でしか観察できない地球の近くの他の光らない星を惑星って言うんだけど、これらを含めた星の動きを一番綺麗に説明できるのが地動説だからになる。ただ問題点もある。わが民族って文化的に太陽と月以外あまり重視しないんだよね。例外が航海と密接に関係する集団だけになる。僕らだよね」

「だから天体の観察をずっとしてる天文班以外はあまり説得力ないと思う。それ以外だと、遠くの光る星って近くの星に対して回ってるんだよ。これが地球が動いてる証拠なんだ。近いと地球が回ってる事による影響が出ない。これに対して遠いと自転とは違い周りながら観察してるわけだから。その影響が出ないわけがない」

「問題点はそんな高性能な望遠鏡まだない」


「無いのにその結論なんですか」


「まあいつものだ、恵みの書だ。君らもいつか死んだら疑問に答えられなくなってそういう立場になるんだからな。ご先祖もっと詳しく書いておいてよって思うでしょ。だから頑張り給え」


 専門的になった天体班が惑星の動きなど今まであまりやってこなかったものを重点的にやり始めた。ただ限界もある。もっと高性能の望遠鏡が必要だ。ただでさえ無理してレンズ開発してきたから、この分野停滞してる。必要が無いからね…。


 オーストラリアの外洋ルートが1つできた。ミクロネシアの東側を通るルート。サイパングアムだ。オーストラリアの西側から出発するとこのルートが近い。問題は西側から出発すると、ミクロネシアの西側の島々を通っていくルートになる。こっちはまだ開拓されてない。環境的に東側の方が湿潤な環境なので農業がしやすい。ただ島伝いにたどり着いたのでどうしても西側からの方が移住が進んでいる。


 後日本と結ぶルートで大量輸送となるとガレオン船がいるが、これ問題だな。時間がかかるので普通に地味な鉄鉱石小麦などを運ぶのは帆船では苦しいかもしれないな。大航海時代ってかなり貴重な物資を運ぶのが目的で単価がとても高い。その点蒸気船の発達まで無理かもしれないな。


 後はポリネシア探索になるが、まずはニュージーランドを発見したようだ。そこからポリネシアと太平洋アメリカ航路については任せようとは思う。硝石は中々貴重なのでガレオン船による直接ルートの価値があるかも。無人島での拠点作りはかなり進んでるが、いずれは原住民対策を考えないとな。


 アメリカ組がいよいよ東海岸に向かうらしい。難関のマゼラン海峡とドレイク海峡をいく事だよな。


「薬の元になりそうな細菌は見つかってる。でも抽出が上手く行かない。これは有機系の溶媒が無いせいかな?と見てる。さてここで有機化学の話をする。生物が作り出す物質は有機物として人工的に化学合成できない。だからそれ以外を無機化学とする。だが将来的にはできる。そのため何が有機で何が無機なのか?分からなくなる。でもそれは合成が難しいって事なんだ」

「そういう意味で後々意味がなくなるが、初期分ける意味はある。有機合成は難しいからできないんだ。だが決して不可能に近いようなものではない。ちなみに食べ物を作るのはかなり困難だと思う。仮にできたとしても多分意味が無い」


「それはどういう意味ですか?」


「作るのに対価となるものがかかりすぎるなら、作物作った方が安価にできない?って比較する損得勘定が働くからだ。作物を栽培するより安価に代替となる食べ物の化学合成はかなり科学が発達してもできないと思う。ただねここがポイントだ。安価じゃない生物由来の薬なら?」

「有機化学をなるべく早く進めないといけないのは、薬が大きい。他に最大となるものは繊維になる。これは代替になると思う。ただしそう単純じゃない。石炭とかほってるけど、ああいうものからできるだけで、元素から作り出すのは安価には無理。逆に言えば元素から石炭の代わりを作るのにより多くの燃料として石炭を使う…」

「ただね、石炭から作るような繊維は綿や絹と同じものではない。新しい繊維になる。まあとりあえずまずは生物が作った化合物が人工的に合成できてからだね」


 蒸気機関がやっと安全性って意味でまともなもが出来た。後は実用に耐えうるものが出来たら早速鉄鋼で送風動力として稼働だ。その後いろいろ用途を考えよう。ああハーバーボッシュ法のためのポンプがいるな。送風装置を実用してから頼むか。タービン式が将来的には欲しいが。あれはまだ無理だろうな…。


 コンプレッサーを創ることを頼んで。ついでに実験室でのアンモニアを使った気化するときの吸熱を利用した製氷実験をしてもらう。ただ作るだけなら、コンプレッサーって多分できる。だってこれ手動の加圧装置作ってるから。後はアンモニアを合成出来たら規模が大きな製氷装置作ってもらえばいい。冷蔵庫は電気を扱うまでやらない。


「いずれ機械が出来上がると思うから。その時機械のところに移動して実験してもらいたいことがある」


「どんなものですか?」


「氷を作ってもらう」


「氷?」


「今からその科学原理を話すから。これもまあ追試で確かめておいて。液体は気体になる時に周りから熱を奪う。分かりやすいのは汗ね。もう1つは、気体は圧縮すると温度があがる。この2つを利用して、水とアンモニアで氷を作る。まずはアンモニアを圧縮する、そうすると高温になる。これに水をぶっかけると水蒸気になる。この時に水は熱を奪うのでアンモニアが液化する。アンモニアの液化はー34度。そういえば温度計マイナスまではかれたかな…」


「基準値を下にすればできそうですけど」


「うむん、まあマイナスも使えるものはいるよね。後は液体アンモニアに直で触れないように水を氷にするかな?」


「難しそうなのは、高圧高温アンモニアに水をかけるところですね。水と混ざりませんか?」


「ああこれも分けた方が良いかもね。気体アンモニアは管とかにすれば上手く熱が伝わりやすいと思う。氷はまずいよ管にくっついちゃうからね。外壁に液体アンモニアを通した箱とかにするのが良いのかな」


 有機溶媒が弱いから。とりあえず蒸留を使った香水の開発をやってもらうことに。ただ科学班意味ないかもしれないから。逆に手伝ってもらおう。ただこれ需要があるか?分からないから少量で、日本人体臭薄いからな。西洋で発達したのが分かる気がする。ただ日本あの手の技術ないんだよな。


 全く手を付けてなかったけど、陶器作り発展させよう。これを科学班と共同でやる。それで後発の意味が出る。あまりに手を付けてなかった。だが今の分析力なら組成を探れる。温度とかも厳密にわかるかも。ああ無理だそんなすごい温度計無かった…。ハーバーボッシュのためにも考えてみるか。確か金属の場合炎の色とか見るんだよな。


 気体温度計に着手した。しかも、これ気体の反応に使うから都合良いだろ。圧力が分かれば計算式で出せる。ふふそっちは作ってあるからな。まああれも高圧用に改良しなダメだろうな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ