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 医療班を集めた。


「そもそも病気の時、これは何々だって部分で判断するとき。きちんとできてる?よく考えたら直す事ばかりでどんな病気かを判断するって部分あんまりやってないね。これもっと充実させようよ。祈祷とか訳の分からんもの飲ませるのやめたいのよ。もちろん祈祷とか勝手にやれば?とは思ってるよ。ただ緊急時はそんな事で時間つぶして患者が悪化したら目も当てられん」


「直せなくても何々だと判断するだけって事なんですか?」


「うん、わけのわからん呪いだとかそういうの排除したいからね。それにはより多くの病気に対して原因はこうだと言えるようにしておかないといけない。直せなくても…、そこは残念だが仕方ない」


 日本近辺での航海術の訓練で小笠原諸島を発見した。船の中継地点として利用と、最低限の農業と生活自体はさとうきびの栽培で本土との交易なしには苦しい場所にしようと思ってる。砂糖がとても貴重なので多分成り立つ。伊豆諸島ですでにさとうきびの栽培を始めていたため特に問題なくこのモデルは上手く行った。


 ついでに南大東島も発見して、ここでも船の中継視点としての役割とサトウキビ栽培を行った。沖縄では一部しかまだ入植してないので無人島での大々的な砂糖生産はありがたい。おそらく蒸気船が出来ても外国から大々的に持ってくるのはかなり苦しいと思う。この時代の国家ってどうもそういうのがやりにくい。


 続いてフィリピンまでの航路をいろいろと探っていく。途中に島があった場合無人島は実効支配。ただし、都合がよくないと移住は無し。原住民のいる島はまともに交易ができるなら拠点作りに十分にすみわけができる場合は移住。こうしてミクロネシアを大体把握した。ただしほぼ把握し終わったのはずいぶん後だが、フィリピンに先についてしまった。そこからまた広がる形で航路を探索したので。


 おおよそ西半分の太平洋付近を把握したが、温帯ジャポニカに向いた土地が無い…。空いてる土地は寒すぎるか熱すぎるんだ。なんとなる土地はインディカでなんとか米を作ってるが、少しでも日本の米に近づけようと熱帯ジャポニカを栽培した。なんか先祖返りと言うか故郷に戻ってきた感じだ。中国原産だが、珠川あたりのかなり南部になるので、この付近と相性が良い。


 日本から売るものが鉄製品ぐらいで、サトウキビと日本の作物との交換って方が都合が良い。逆にこっちからかき集めて日本になるともっと良いものをいろいろ作らないと不味いだろうな。でもあまり高価だと南方に余裕がなくなってしまうし、交換してくれないよな。初期投資をしてるので、その分は返してもらえるのだがそれも数年だろうな。


 世代が変わると多分そういった恩義も忘れてしまうと思うし、だからこそ独立とか進むわけで。日本から放射状につながる海は滅多な事で独立させない。それでも不満を抑えた良い統治は目指したい。アメリカはアラスカから南下した太平洋岸だけ抑えようかな。ロシアの東側を絶対抑えたいんだよな。中国に進出することはめったなことではない。だからこそ、いつでも中国に攻められる土地は確保しておきたい。


 そもそも中国は北からの攻撃に弱いんだし。日本は海からになるから問題なんだ。陸の拠点がいるから。太平洋をぐるっと囲む一代帝国これが日本。そして後は親日本国の独立国で周りを固める。中国は3国志をモデルにするのが良いな。あれは良い戦略だと孔明も言ってるんだから。3分割。北方を遊牧民。内陸を漢人。そして海岸部の朝鮮につながるまで日本。当然朝鮮はいずれ支配に置く。


 ただし、当初はとにかく低姿勢にする。朝鮮は中国が怖いんだ。いなければすぐ支配できる。現代仲が悪いんは長い間中国に支配されていたので、中国の支配にはあまり抵抗しないんだ。その立場を日本が奪う。ただ、対中国は寒冷化の間は国内重視で行くのと、寒冷化に対抗出来たら、ロシアとか南北アメリカとかの原住民との共存に力を入れる。


 ただし武力衝突は避けない。この点はむこうもインカアステカと言う武力支配の王朝があったのでおかしくはないんだ。欧米がやりすぎただけで。まあ爺様とか父上は死ぬだろうからこれは言わなくて良いや。僕も多分死ぬ。その後もし生き返れたらやるつもりだ。


 後南方の果物を中心に作物を栽培できるものは日本近郊の島でも栽培した。基本的に自給できるだけの作物は栽培してもらう。大々的に交易にするには弱い。沖縄台湾があるので、あまり砂糖に極端には困ってない。ただ量的にあればあるだけ日本には需要が十分にあるので。交易を中心にやるには蒸気船だろうな。日本貧弱な航海術と和船で小笠原諸島発見してるの驚きだよ…。


「今日はイオンを話そうかと。イオンってのは前準備として電気分解を知ってる方が良い。後は原子価を知っておいた方が良い。最近2つとも話したはず。原子価はほんとこつこつ気体固体ともに重量の実験してよ。電気分解はもろ見せたから良いね。そもそも電池が電気分解の逆だから。化学反応から電気を作ってる」

「塩はもう知ってるよね。食塩じゃないよ。酸塩基反応の生成物。残った塩はどうなってるか?でそれらがイオンになってる。イオンってのは電気を帯びて水中に溶けてる状態。じゃ乾いたらどうなるの?そこで塩は乾いたときに、電気的にイオン化してた生成物はつながって1つになる。すべてがじゃないけど、いくつかの物質はこうやって電気的にひかれあって結合してる」

「これが電子価につながってる。電気的にひかれあうのは実験する」


 絹とガラス棒を見せ、二つをこすリあう。そうすると絹はガラス棒にくっつく。


「どう?」


「くっついてますね」


「うん、これが電気的なのか?は分かりにくいんだけど、もっと違う物質同士でこすりあうともっと強いとパチンとした刺激になる。あれは電気が走ってる。この場合流れが弱いからそこまでならない。そして静電気は雷と同じものと話したと思う。共通する電気の正体となる。電気的なのか?電気的じゃないのか?は水に溶かすと分かる。電気的な結合は大体水に溶ける」

「酸塩基ともつながってるけど、水の中の水素イオンと塩基イオン=OHがプラスとマイナスを帯びてて、これと引き合うから、結合して固体だった塩は分かれてしまい解けてしまう。んで、水中にHイオンが多い場合は酸性で、OHイオンが多い場合は塩基性になる。だから両者を混ぜると水に中和されてどっちでもない普通の状態になる。くっついて水になってしまうからね」

「見てもないのに何故分かるの?この説明が電池が電気を発生させてるから。逆に電気分解は電気がイオンに電気を与えている。これら2つを説明するのに使えるってのもある。電池で電気分解したと思うから両者が逆にしただけの同じものってわかるよね。後原子価につなげるとより分かる」


「原子価ってのは、電気的な手だと思ってくれれば良い。何かしらの理由で電荷が1だったり2だたりと変化する。それが周期表の並び順になってる。4中央として、左がプラスイオン、右がマイナスイオン。水素はプラス1のイオンで、酸素はマイナス2のイオンになる。両者が結びつくとH2Oになるのは、中和反応から原子価と深く結びついてるのが分かると思う。見えてないが、こうやって破綻なく説明がつけられる」

「何かしらの理由ってのが、原子は電子を伴って存在してる。何故電気的に0になるか?は原子の核の部分が、電気的に相殺するようにプラスを帯びてるから。雷ってのはこの電子が空気中を飛んでると思えばいい。空気を伝ってるわけじゃない。文字通り飛んでる。あまりに強い静電気は雷のような光が出るとと思う。多少距離があっても強い電気が発生するとあのように間を飛んでしまう」


 そろそろ栽培地が増えてきたので、古くから栽培してる砂糖を大王家に献上した。このまま進めば恒常的に献上できる。その話はまだ待っておくか。大王家どう考えてるんだろうか?鏡とかすごいよ。だってこの時代青銅の鏡の時代だからね。歴史変えてしまうじゃない?ぐらいの鏡なんだよな。いずれ関わりが深くなったら世界にこれしかないって言っておいても良いと思う。


 役職をもらったり、縁戚関係になりたいんだよな。どーせ近畿の人たちにやってもらうし気楽。纏向からだろうな。あそこからやたらと強大になるもんな。誤差で今それぐらいなのだが、今作ってるのかな?あれ寒冷化とともに大きくなったと思ってる。寒冷化で大きくなるわけないって温暖化だったのでは?という人いるのだが、そうじゃないんだよな。


 まあ平和な時代にも大きくなるけど、集落としてまとまって効率化してるんだよな。過疎地域での地域医療とかそういうのに似てるのかな。だから寒冷化が悪化してから纏向って出来てくると見てる。ほぼ邪馬台国と同時進行。


 医療班を呼んで合同で今回は科学班への話をしようと思う。


「すごい大事な事言い忘れていたんだけど、血って顕微鏡で誰か見た事がある?」


「無いです」


「うん、僕が焦らせたのがまずいね…。細菌を重点的に調べてほしいと言ったから。まだ成果は出てないけど、僕はこれすごいと思ってるよ。薬の抽出が難しいんだよね。これが出来たら多分医療を含めた科学班の最大の業績となると思う。僕これほとんど助言してないからね。ひたすら他の細菌を抑えるってのを探す地道な作業だけどね」

「さて、血は僕が提供しようかな」


 ほんのちょっとだけ針を熱した後冷まして刺す。ちょっとだよ、本来なら名乗り上げてほしい。じゃあうん任せたとか言えたのに、誰も名乗りを上げない…。


「はい、これ見てほしい」


「丸いのがうじゃうじゃありますね」


「うん、赤は見えてるかな。これが血なんだよ。説明が遅れたけど、僕らの体も細菌と変わらない。最小単位細胞ってのが集まってできてる。細菌はそれが1つしかない。血の丸い奴も細胞で、細菌と同じで1つでできてる。血はバラバラだけど、皮膚とか内臓とかは、細胞が集まってできてる。厳密には核ってのがあって、それが血の細胞には無いけどね」

「これ生物学のかなり重要な部分だから。生物学の肝としてこれは言っておかないといけなかったなと思う。医療は人間相手だけど、人間も同じ生き物だからね」


「今のところ医療以外は専門あまり作らずにやってるけど、いずれは専門分野ごとにしようと思ってる。扱うことが膨大過ぎてやってられないでしょ。ただね、生物学って化学が進んでこないとあんまり重要じゃないんだよね。どうしても医療が突出してしまうから。実学的に育種だけはかなり重要だから遺伝についてやったけどね」


 インド西方からのメンバーが一部戻ってきた。あれ失敗した?


「駄目だった?」


「いえそうではないですけど」


 あ、ダチョウいるわ…。


「あれ人少なくない?」


「途中の無人島に置いてきました」


「何やってるのー」


 何かニヤニヤしてる。ああ住むことできたのか。


「見捨てたわけじゃなくて住んでる?」


「はい」


 モーリシャスとかあのあたりに移住地と拠点を作ってるようだ。そういえば寒冷化対策のための南方の土地確保はずっと話してあったな。ソコトラ島にも移民してきたらしい。あそこ地元の人いるよな。統治されてるわけじゃないのでその辺りはなんとかなるそうだ。今でいうソマリア辺りで捕まえてきたらしい。


 あそういえば熱帯雨林のあたりとかは居ないよな。あんまり考えずに一番近いアフリカって話してしまったな…。たまたま生育地域だったようだ。エジプトより近いからな。アラブ組とも合流してアフリカをいろいろと探索するようだ。熱帯雨林のあたりは病気とかあるからな。もうちょっと検疫頑張らないとな。


 今は体調悪い人が居ないか?見てそのまま通してるけど、体調が悪くなくてもしばらく隔離してチェックした方が良いな。マダガスカルとか、その辺りの島多いから話しておいた。そろそろ、今はやばそうなところだけチェックしてるけど、そのうち海底の等高線のようなものを交えた海図作らないとな。後測量とかの詳細な海岸線の地図も考えないといけないな。


 アラブのダチョウとアフリカのダチョウって交配できるのかな?ほぼ同種だよな。インド象ってどうなんだろう。繁殖に成功したら、北海道を中心にいろいろ広げるか。ヒナを育てるのが難しいらしいんだ。後将来的には、大人しい個体を選別して品種改良しないとな。これ現在もアフリカでは家畜化でしたし、卵を多産するのもいる。


 後アラブ組がとても良いもの見つけてくれた。ビートの種だ。アラブでビート?実は、アラブだとインドから移植したサトウキビだけど、その北ではビートによる砂糖らしい。まあこっちは普通に野生種もいるらしいのでおかしくないんだけど。イメージ的に暖かいよな。


 ダチョウを探して、ちょっとうろうろしたらしい。あのあたりペルシャ帝国あったよな…。ダチョウを探してると地元の人と話してたら、遊牧民の人がちょっと北まで連れて行ってくれたようなんだ。サトウキビの近くでてんさい栽培って奇妙だと思うが、今はまだサトウキビはない。


 後てん菜って選別して甘くするから、これからが大変だ。今はまだ糖分がちょっとあるカブって感じだ。寒冷化対策になるから、品種改良が成功するまでは、カブとして食べるか余ったら家畜のえさにするか。


 後ジャンクもどき船と違って、クリッパー船は早いな。まあこれもモドキなんだろうけど…。まだまだ造船技術高いレベルではないんだろうな。僕の雑な設計図が元だもんな。

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