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 ペニシリンがどうも上手く行かない。原因が分かった。有機溶媒だ。確かにこれ全く進めてない。前から気にしてた。有機化学が全く発展してない。石油いるかな…。化学繊維欲しいよな。でもな自動機織り機などの機械が出来ないと宝の持ち腐れだな。有機溶媒による抽出だけ教えてゆっくりやってもらう。問題は適する有機溶媒が有機化学の知識からくる合成によって大量に生み出す点と、原料となる石油をそもそも全く取り扱ってない。


 最低限イオンに関してはそのうち進めないとな…。有機はその後か。ペニシリンは頑張ってもらおう…。抽出が上手く行かないのにストレプトマイシンを生み出す放線菌の効用は発見された。だが…、抽出がまるで上手く行かない。無機の化学操作だけじゃ駄目なんだよな。


 スリランカが中々厄介だな。インドよりましかなって選んだけど、は…。アラブは国だけじゃない。乾燥地帯が困る。川の近くとはそうでもないが、それは灌漑の発達によるもので天水農業は無理だろう。灌漑を利用できるのは、すでに発達した文明があるという事だ。スリランカこの時代もう国がある。ただ中国から僧が行ったとあるので、拠点だけ作れないかな?と思ってるのだがどうだろうな。


 無理なら交易でとどめるか。インド全域とアラブよりマシだろ…。


 絶滅してしまったが実はアラブ地域にもダチョウは居たらしい。どれぐらいいたか?分からないから別ルートで行ってもらった。アフリカは島がちらほらあるのでそれを拠点にと思っていってもらったのがある。ソコトラ島からソマリアルートでいくつもりなので、思ったほど距離はない。それにアラブの方はややこしいが、ダチョウを交易品としてやるなら逆に好都合かもしれない。


 じゃ何故繁殖できなかったのか?で肉が美味しくなかったって点かららしい。赤身が強い。ただ焼き加減に気を付ければ赤身肉を好むなら十分旨いらしい。家畜としてこの時期から使うべきだ。卵も取れるのだから。何より粗食なのがいい。餌の種類量どちらも牛の比じゃない。


 現代において食料って視点で牧畜は効率が悪いと言われるが、それは餌に穀物を大量に使用するからだ。そもそも牧畜は特に遊牧はそういう形態じゃないんだ。遊牧は乾燥寒冷に対する農耕地に適さなくなった草原地帯での人間の食料を得る手段なんだ。そもそもイネ科の植物はそういった不利益な土地で発達したものが多く。穀物にならないイネ科はとても劣悪環境に強い。


 そもそも初期の牧畜は農耕に適さない土地の利用って形で、ステップに侵入した遊牧から広がっている。川の周りは農耕地帯になってるため、それ以外で牧畜が始まって遊牧に発展する。家畜がアジアに来てからは寒冷化によって悪化した農耕地から遊牧が始まる。現代的感覚で批判されがちな食肉だが、僕は穀物を過剰に食わせないなら、じゃ代わりに人が草を食うのか?と問われて食肉批判するものはまともに答えられないだろう。


 早い時期からのダチョウの家畜利用は間違いなく牧畜の未来を変える。


「空気の重さを計るのにいい方法ある?」


「え重さあるのですか?」


「あるよ。ああそうか今まで元素とか言ってきたね。僕らが接してるここに空気って気体がある。前話したように鳥がそらを飛ぶための浮力を得るためのものになる。水みたいな何か?があるから空を飛べるんだ。その正体は全く言ってなかったね。ちなみに脱線で空気無くても空飛べるよ。火薬あるから今度作ってみるよ。ただ厳密には火薬じゃダメね。あれ空気との混合によって爆発するから」

「脱線は置いておいて、その正体は大半は未知のXね。まあ君たちに期待と先に僕が話すかもしれない。今は未知ね。後残りの大半は酸素になる。他にもいっぱいある。元素の化合物じゃなくて、気体分子の混合物が空気。空気に重さがあるのは簡単にわかる。湯気をフラスコとかに通して、出す方も作っておく。んで出す方からも湯気が出てきたら、中がが入れ替わったとみなして重さを計るんだよ」

「んで前もって図っておいた空のフラスコとの差を計ると重さ違うから。湯気=水蒸気の方が空気より軽い。誤差の可能性もあるから何度もやってみると良いよ。ただこれじゃ重さがあるのは分かるけど計るって意味にはならない。答えを言うと、フラスコだと不味いかもしれないけど、中の空気を抜く。そしてまた入れる」

「空気はこれで測る。他の気体はそのつど詰めればいい。これ大事なのは圧力は同じにする点だけ、圧力が低いと気体が軽くなるからね。ちなみにこれ実験できない。何故なら真空にする道具が無いから…」


「ええ意味ないじゃないですか」


「ふふーん、今それに近い装置を開発してるんだよ。無くても作れるけどね。ちと面倒なのでやってないだけで。今作ってるのは気体とか液体を高圧にする装置なんだけど、これ気体の減圧もできるから。0になったら真空状態空気を抜くと減圧になる。装置が出来たら実験しておいてよ。装置使わない方法は面倒なのでやりたくない…。まあそうでもないか」

「今作ってるのは自動化なんだよ。手動ならある程度ポンプでできる。たださ、工業で使うにはそんなの使いたくないんだよ。分かりやすい言うと製鉄の風送るのに人力でふいご動かすみたいな…」


「実験なら良いんじゃないですか?」


「言ったねー、まあ手動でもやろうって人はやっておいて…。ただほんと装置出来たら試してみてね。何度も言ってるけど、科学の肝は確認する事だから。誰かが言ってたとかそういうの駄目。全部追試する必要はないけど、常に確認する姿勢を怠らない事。後ね、苦労して試行錯誤して出来た実験は記憶に残るから。何か書物書くなら実際やってるのとやってないのでは自分の中での吸収度が全く違うよ」


火薬を使ってロケット花火を作った。科学班に話した脱線を見せるため。


「どう?翼じゃない空を飛ぶ方法ね。あそういえば火薬って空気いらない。水中で爆発するね。もちろん最初に湿ってると駄目だけど、それは空気とは関係ない」


「これ兵器に使えませんか?」


「使えるよ。まだ見せてないけど、鉄砲を大きくした大砲ってあるんだよ。ただね、これねある程度の威力が求められると大きくなる。爆発どかんーで玉飛ばすから。じゃこれみたいに火薬を推進力に使ったら?大砲みたいに大きくなくていい。2人ぐらいはいるかもしれないけど、携帯型大砲みたいの作れるんだよ。まあもっとすごいの作れるけどそれはまた別の話ね」


「さて、今回は以前話したのに繋がってるよ。周期表もう慣れてきたよね。埋まってきたし」


「まだがらがらですけどねー」


「まだまだネタバレしないよーって分からないか、この言語…」


「徳丸さんの言葉良く分からないのはいつもの事なんで」


「いずれ分かったときビビるよ。やっぱ失われた楽園の末裔かもーってね。でね、前回は期待だったけど、ちゃんと固体でもやっておいてって話するけど、重さを計るって大事なんだよ。化合物と反応前のもので重さの変化に規則性が有るんだよ。原子量がわっ勝てないと駄目だけどね。気体からだと同圧力、同体積ってまあ簡単なんだよね。これで重さ図ると水素を1とすると、酸素は大体16になる。正確には15、99なんぼだけどね。まあ16って受け取っておいて」

「炭素はCOをもやしてCO2に出来る。気体同士の反応なので重さの比で分かるかな。どっちにしろ気体と気体か。鉄鉱石から鉄すると酸素が抜ける。実際はごちゃごちゃ入ってるからこんな綺麗にならないか…。じゃ意図的に純鉄から酸化させてこれを還元すればいい。減った分が酸素の分だから。これはすでに気体同士の反応で16と分かってるから」

「元々原子の定義って重さなんだよね。だから重さがものすごく重要。だからね、こつこつとこの化学反応の重さの変化をいろいろ実験してほしいのと、なんといっても大事なのは気体の重さなのでこれ求めておいてね」


「さてそこで重要なのが、反応前の原料と反応後の化合物の重さをいろいろ図っていくと。反応に対する元素の比が分かってくる。これがCO2とかこういうものになる。COは存在するけど、ちゃんと燃焼させるとCO2になる。水はH2O。メタンガスはCH4。これを見ると水素1に対して、酸素が2、炭素が4だと分かる。これが原子価なんだ」

「この原子価が周期表の規則性を作ってるんだ」


「確かにそうなってますね」


「何度も言うけど、必ず化学反応の重さなどの実験してね…」


 不味いな、大半僕が進めている。鉱物はそろってるよ。僕が知らないものもいろいろ集めてきてくれてる。ただな元素発見とかまだ無いよな…。リトマス液なんとかなった。地中海のコケから発見されたんだけど。日本にも似たようなコケあった。でもこれも僕がコケで探してみてとヒントをね。まあ多少は僕が言わないと無理だよな。それでもなんだかな。


 これじゃダメってわけじゃないんだよ。結局現代の科学者って、過去の科学者のやったことをまるまるやるだけで、自分たちで創意工夫して発見してるわけじゃない。だから科学者を育てる教育とは同じなんだけど。すべて教えられるほど僕も巨人じゃないからね。


 転炉ができるまで、とりあえず空気を直接ぶちこむ反射炉での脱炭と似た中国式で対応する。転炉と何が違うん?というとあの傾ける部分が大きい。あれクソ効率が良い。大量生産に向いてない。何のため高炉作ったん?ふふー良いのだ。中国も高炭素鉄は農具に使ってたのだ。そもそも武器より農具の方が大量に使うから。


 そして転炉並みじゃなくても鍛造の鋼よりは大量生産出来る。十分武器の需要にも見合ったものになる。転炉作ったら農具も武器も同様にするから。刀じゃないなんて違和感となるが、結局基本戦場の大半の武器って槍だからな…。刀って基本馬上戦闘に作られたんだよな。槍抜けないからね…。突くじゃなくて、すれ違いざまにぱっくりと皮膚肉を切り裂くだからね。


 爺様の墓の前準備となる河の護岸工事が終わったな。後は墓をたらたらと小さなの創るだけや。さすがに死ぬ前にさっさとできすぎるのはまずいだろうな。これはどうなるかな。真っ向から中央と合わせないってのはどう思われるのか?ただ意味が分かったら、まともな天皇なら多分真似するぐらいのものなんだよな。ただ九州と近畿でそうも他人の墓気にするかな?ってのはある。


 ジャイロコンパスって難しいな…。蒸気機関が進んでるからやべーな。まあ鉄の船創る工業力が無い。でも小型なら行けるな。漁船とかボートとかってプラスチックだからな。やっぱきついぞ…。転炉は絶対だな。という事で次善策で自差修正をするって事にした。船が出来てみないと分からないが、船に乗せたときと降りたその場所で少し離れてコンパス使えば多分船の影響が出ると思う。


 ただ、船って固定されてるわけじゃないからな。ジャイロコンパスの方が信用できるよな。できるまでは自差の調査だな。


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