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「良彦様ローマからです」


 ついに来たかと言う感じだ。以前から練っていた皇帝が孤立化するのを狙って大陸への橋頭保を築く作戦。いよいよこれを発動する。日本からの援軍の準備はとっくにできている。元々間に挟んだり、直接的にと交易が盛んなので、日本からの物資は届くルートが確立している。


 上陸に当たって問題は待ち構えられることだが、これに関しては問題がない。ここ数年戦地以外は海岸沿いへの収奪を全くやってない。そのため警戒がなされてない。この計画もあったが、過去はローマのイギリス進行を衰退させるためにやっただけで、海上での襲撃で終わってる。


 ただ海上での襲撃はいまだにとまってないのだからさすがに大国ローマだ。あれだけコテンパンにして向かってくるので、どんだけ軍事費豊富なのか。いや多分疲弊してるとは思うのだがな。そもそもむこうから何度もこっちに上陸も含めて襲撃してくるから報復の意味もあるんだ。


 失敗してるから意味がないが、むしろこっちが被害者なんだ。それゆえに警戒してないのかな?分からないが、最も問題の点が問題にならない。ただ日本からは、何か実験的に上陸のための人工港を作りたいとの話があり、それは別口になる。


 何故?となると、火器が簡単には平坦な海岸部では積み下ろしできないからだ。それと日本の船は船底がこすってしまうので、ここで小型船に乗せ換えてとなるが、人はそれで良いが、重いし大きいので火器類は問題がある。そのため人がまず小型船に乗り換えて橋頭保を作ってから後からになる。


 夜に決行となった夜に人だけおろして、日が昇ってから兵器類が海岸に向かう予定だ。


「良彦様準備が整いました」


「よし上陸して陣地をくみ上げるぞ」


 折角人工港と言うのを設置するので大規模な陣地構築のための建築機械もおろしてく。問題はこれらはとても高価なのでどうにかして守らないといけない。多分兵器類を先に卸すので大丈夫だと思うが、日本はそれなりに金をかけてるが、大半の目的は今後の実験的な訓練もあるそうだ。


 見た事がない機械もわんさか上陸している。先行した馬と乗り物を使って周辺への索敵を出す。本来機械類で統一するのがよいらしいのだが、それではイギリスの部隊に出番がないし、日本だけでは数が足りない。それなりには金を使ってるが、基本お金をかけられない戦争らしい。


 いや分かる。自分はこの地が第2の故郷だが、日本からすればあまりに遠いし、何故戦うのか?の動機がかなり弱い。イギリスだけなら分かるのだが、将来的に大陸への基盤がないと周辺国に対してどうしても国力が劣ってしまうためだ。


 もちろん保険となるバルト海沿岸部もあるのだが、あそこは旧貴族たちへの不満解消の意味があってイギリス王国としては単純に力を増すものではない。日本にとっては対欧州での同盟国が強くあってくれるのはありがたいそれしかないのだ。それに対して自分を中心とした王家にはとても重要な戦争なのだ。


 実は、索敵として空からの索敵も行っている。ただ秘匿したいのもあり、あまり大規模にはやってない。それによって大まかにはローマの動きは事前に調べてある。それもあって余裕をもって上陸が出来た。ただ陣地構築や、さらに増援された部隊の配置はまだ時間がかかる。


 ただ人の上陸だけはおそらく余裕で終わるだろう。重機を使って数日でまずは上陸地点を守る陣地は出来た。後はこれらを広げていき、もう1つ重要なのはもっとちゃんとした港を作る事だ。それには対岸の遠浅の海岸では無理だろう。


 イギリスとの海峡に近い港町で、徳丸様がカレーと呼んでいたところが良いかと。以前もここは襲ってぼろぼろにしたのだが、直前の調査でそれなりに回復している。ここを奪取して逐次イギリスとのつながりを作らないといけない。元々計画にあったためすぐにとりかかった。


「良彦様何故最初からここに攻め来なかったのですか?」


「そうかお前に言ってなかったか、知ってるものもいるのだが、出来る限りローマに気づかれないように勧めるためわざとずらして人が少ない上陸地点にしたのだ。十分に準備が出来たら拠点となる港町を取るという作戦だった」


 さらに時間がたちカレーも拠点化してさらに陣地を築いて範囲を広げている。ただこれ以上はまずい。逆に守りにくくなるからだ。これで終わるつもりはない。ただ一度ローマを跳ね返さないといけない広げるのはその後だ。それにしても遅すぎるだろう?


 それは狙ったからだ。ゲルマニアを誘ってある。そして不穏な動きありでこっちも動いたわけだ。あっちも同時に動くと分散されるので好都合なので乗ってきた。そして最大の要因は少数の威力偵察を確実に殺してるからだ。


 後、大軍ならまずこっちの索敵を抜けるのは無理だ。それゆえにぎりぎりまで準備可能だ。今は広げずに砦と野戦陣地の構築を急いでいる。飛行機を使ってるため、ローマの動きもとらえてある。小型のものなら飛行距離もある程度保てる。


 大型の飛行機は飛ばせないが、空母ももってきてるので、それを地中海にも範囲を広げている。ローマ帝国はローマから命令はあるが、ローマから兵が発進するわけじゃない。その点はローマへの道と言われるぐらいの国家だ。この街道を使ってそれぞれの土地から兵士が発進して集まってくる。


 そして目的の場所に向かって分散した拠点から目的の場所に集まってくる。それゆえにローマを見張っていればとならないが、大軍が街道を隊列を組んで歩いていれば街道の位置は事前に知ってるのですぐに見つけられる。いつ来るかは大体わかる。


 ただ、集まってくるのをうまく各個撃破出来るかもしれない。普通なら出来ない。目的地でまってりゃそりゃ出来るが、そんなの考えればすぐわかるややずらして集結するだけでまず普通なら見つけられない。何故なら、離れた場所を探すのに少数で進むなら逆に各個撃破されるからだ。


 普通ならだ。時間差とずらした集まる場所を把握できるとしたら?そうこれが出来るんだ。だから拠点にこもっていれば楽なのだが、もっと楽なのは集まるまで待つ必要はない。いずれ集まってくるからそこから拠点防衛だが、それまで各個撃破してやろう。こちらは即時索敵から連絡を受けられるんだ。


「良彦様、敵が集まりつつあります」


「今はまだ集まる前なのだな?」


「はい、総司令の私を通さずに各自その分散した部隊をつぶしていけばいい。私達にはそれが出来る。ただ結果だけは伝えてくれ、それによって先々の作戦を考える」


 うーん、私も本当にこれでいいのか?と思うのだが、日本軍の荷運び出来る自動車があるためそれにのせて集まる前の小部隊をつぶす程度なら運べるようだ。これらに日本軍の火器部隊がそれぞれつく。本来なら私が命令をいちいち出すべきだが、そうじゃない戦争を日本軍が想定してるようだ。


 ただし、これは本来の作戦と違う。徳丸様がローマの軍隊の運用を知っていて、それを実際現地の情報と照らして新しくたてた作戦だ。直前で変更?ぐらいのものだが、それらを実行するための部隊が日本から来ている。そのため任せたほうが良い。


 それぞれの部隊が集まったら事前に決めていた拠点防衛に移るので、その前に何割か敵を削ってしまう。この後は自分が以前から決まっていたように全体の総司令になる。


「良彦様、敵が集まったようです」


 以前言ったようにこちらが動き出すときだけ命令を待ってほしいと伝えた通りその時がやってきた。


「各自配置について防衛と行こうじゃないか」

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