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 35歳になった。ついに原爆が完成して実験された。あっさりだなとなるが、小型化が必須なのでちょとペースを上げさせた。無事成功した。ただそのせいでもう広島型は開発をやめることにした。元々実験不要ぐらい楽なので作ってたが、将来的に爆縮型がスタンダートになるので成功するならそれでいい。


 それに広島型って欠陥があった。考えれば分かるが、あれ不用意な核分裂が起きる可能性があった。あくまで可能性だ。史実ではきちんと機能してるから。それでも可能性として開発中に爆発されたら目も当てられんとなるから濃縮ウランの使い道は他にいくらでもあるのですぐに開発中止だ。


 そもそも爆縮型がうまくいかなかったときの保険なので電力ばかりかかる広島型は用済みだ。まあその電力プルトニウムを作る早期引き上げの原発で作ってたから実際には困ってないけどね。浮いた電力でアルミでも作ろうかな。電力量が多すぎて、電池とかで貯められない。


 なら貯めるように使えるもの?でボーキサイトの精錬は中々魅力的なのだ。鉄と違って酸化が起きにくいし保存に向く。問題としては、豪州で実験したのだが、これからも小型化のため実験すると放射能がな…。一応地元民には近寄らないようにとしてある。


 不毛地帯なので近寄らないと思うけど。地下施設はやだな…。船で運んでドカンって安全上を無視したら巨大コンクリート地下施設より絶対金かからない。問題は他国を汚染するってのがな…。アメリカって自前で用意できるもんな。日本にはそんな不毛の大地ないな。それなら地下施設作る。


「今日集まってもらったのは原爆実験が成功した。まあ一部は担当者なので知ってると思う。健康診断ちゃんとやってる?」


「はい放射線の医学的影響という研究も発達しててかなり被ばくには気を使っています」


 史実じゃノイマンガンで死んでるからな…。オッペンハイマーはどうなんだろう。


「でさ、今でかすぎてこれ今の小型飛行機じゃ無理なんだよね…。どうすればいいと思う?」


「だから小型化ですか」


「まーね、でもさすぐは無理じゃない?でももうすぐ使いたいんだよ。それについて事後にしていろいろとまあローマに軍事的機密情報があるんだよ。焦らなくていいよ。それほど時間がないわけじゃない。んでさ腹案で考えてみたいんだよ。熱気球型や水素を使った飛行船なら出来ない?」


「え被ばく大丈夫なんですか?」


「効率が良いのは地上すれすれで起爆だけど、落下傘みたいのつけてゆっくり落としたらどうかな?気球じゃ駄目だが飛行船ならかなり速度早いから遠ざかれる」


「徳丸様のためなら被ばくしても志願する人いそうですね」


「ええ私そこまで鬼畜じゃないよ。君らもそう思ってるの?」


「いえ軍事関係の人ってちょっと徳丸様の崇拝が自分たちと違うような気もします」


「ああ慕ってくれてるから逆にやだよ。その案受け入れてもらえそうでもやらないからなー。それにさ一回こっきりじゃない、場合によっては戦略兵器となるんだから。まあ私は将来抑止力として使おうと思ってるから打つんだから。将来的には兵器としては使えないようになってほしいけどね」

「ただそういった規制が出来るまでは空爆ってのは被害がなくても見せないといけないだろうね。爆弾があるわけじゃ駄目なんだよ。これが自分たちに降りかかる恐怖を与えないと、一度落としてしまえば、後は実験的に別の不毛の大地でも良いんだよ」


「ただその水素ガスって巨大爆弾に乗せるのも十分狂信的なのですが…」


「可能性の問題だよ。まあヘリウム電球に使うから集めてるからやれない事はない。希少だが飛行船を飛行機と同じように航空機のスタンダートにするならありかもしれないな。例えば世界一周をのんびりやるなら飛行機より燃料効率はいいと思う」

「熱飛行船をだから作ったんだけど、あれ密閉飛行船より遅いんだよな。まあただの熱気球よりは早いけどさ、後風に流されすぎる…。もちろんこれも熱気球よりはましだけどさ、すべてにおいて熱気球よりましだけどなってものだからな。何より浮力と重量の差がしょぼいから今回のケースには使いにくい」

「以前戦争利用を考えたのはヘリウムより安価に作れるのと重量のある爆弾を載せる気がなかったから」


 どうも経済圏の考えがイマイチ理解されない。これがどんどん親日国を作って独立させるってのが分からないんだ。すべてを日本帝国として支配しないと分からない。前から言ってるが戦争に勝てても統治できないと意味ないから領土を増やす侵略戦争に乗る気がないって言ってるんだ。


 その原因がやっとわかった。船と車だ要するに物流。これが機械化しないとダメなんだ。経済圏って言葉は裏に現代的な物流が隠れている。これ馬鹿にならない欧州が大航海時代にアジアに攻めきれなかったのに、その後大国でも支配できるようになったのは船の機械化によるものが大きい。


 輸送の高速化と安全性の上昇や輸送量の増加がある。これを人からものに置き換えれば物流が進化してるのが分かる。実際他国と発達した物流でやり取りすれば考えが変わるかな。経済圏って支配の新しい形なんだよな。これが保護貿易化したのが大恐慌後の世界だったと思う。


 これが戦争につながったのだから、経済圏を大きくしようってのは国防に直結するんだ。現代日本がこれをあまり意識しないのはアメリカの経済圏に入れてもらったからだ。まあしばらく新物流で他国と貿易していれば浸透するのじゃないか?と思う。どーせどこも独立しようと全くしてないからずっと先の話だ。


 何故?となると、そりゃ今世界的な飢饉のはずだからね。それを助けてるのは日本と関わった国ばかりなんだよな。


 DNAシーケンサーの開発により大腸菌ゲノム解読プロジェクトを発足させた。今頃大腸菌?これには訳がある。史実でいうこれらの計画は史実と今のコンピューターの発達のずれがあり上手く実現できない。処理速度の問題、記憶媒体の検索の低速処理。まあ大容量は磁気テープで満たしてる。


 遅いが、最先端でも磁気テープは記録媒体として使われてる。PCじゃないだろ?それはそうだ、PCでそこまで大容量のバックアップ必要がない。PCなら高速のBD使ったほうが良い。シーケンスに苦情を言わないなら磁気テープはものすごい大容量だ。なにせテープの幅と長さ分の磁気記憶があるんだ。


 まあ問題は検索にあるんだよな…。これがゲノム研究では致命的だ。ただ解読するだけじゃない、その後遺伝子の機能の解明をしなくてはいけない。その時ヒトゲノムなんてやったら詰まってしまうのが見えるから大腸菌でちょっとコンピューターの発展待てと言うわけだ。


 大規模ゲノム解読が始まったころすでにファミコンがあったからね。いやスーファミさえあったかな。家庭娯楽機器で今の何十倍も高性能なんだ。今のコンピューターの低性能から考えると、とんとん拍子にDNAの解読の研究が進むと到底思えない。


 ほぼ最先端まできた生物学から考えると、ただし歯抜けも多々ある。これが思わぬ問題を起こすかもしれない。以前あったから。それでもコンピューターは40年は遅れてる。素粒子は戦前レベルだ。このずれは仕方ない。コンピューターは小規模でできそうだがそうじゃない。


 PCの発達が全くダメ。スパコンなら?スパコン単独で発達したわけじゃない。1つ1つのチップの集積率とかはスパコンパソコンもそう変わらない。PCが発達してるとスパコンも発達してるんだ。チップの集積率の発展が話にならんのだ。それはCPUだけじゃなくメモリーも、ついでに記憶媒体もまだ発達してない。


 遅れてるのは分かるが、素粒子っていまいち頑張る気になれないな。これモットーと大きくずれてるんだけど、まさに役に立たない世界の謎そのものだからな…。もちろん将来役に立つ可能性はある。よい例で核エネルギーなんて量子力学の研究のたまものだ。


 だが、その先は?と言うとそうなんだよな。先行研究があったから核エネルギーにつながったから素粒子も今から実用的な技術として役に立つのかもしれない。でもまるで気配すら見えない。と言うかアインシュタインが大きかった。エネルギーが得られる可能性を見せたからな。


 素粒子にそれがあるか?ならエネルギーを与えて壊すのはやるのだが、逆にエネルギーを取り出すのはまるで見えないな。対消滅はエネルギーを生んだと思うが、あれだけの研究なら加速器わんさか作る必要ないんだよな。素粒子本当に応用科学に結び付きそうにないよな。


 いろいろ言ったが私のポリシーモットーは役立たずでも良いから謎を解く知的好奇心にあふれていればいい。それこそが科学の神髄といつも言ってる。これが中国が圧倒的に先進的な技術力を持ちながら戦前後進国になってしまった大きな理由なんだ。


 まああそこ日本よりは理論好き。ただ百家争鳴以後がひどすぎたな。その点ギリシャ哲学って科学に繋がってるからな。技術と理論が絡み合っていたのでは練丹術だが、これが本当にうまく発展しなかったのがきつかったな。ただ錬金術も理論はごみだった。


 錬金術が素晴らしかったのは、世界の謎の解明を根底に常に持っていた点だな。理論の大半はごみってのは錬金術と練丹術両方に不老不死がテーマにあったから意外とこの2つ似てるんだよな。だから錬金術がすごかったとはあまり思ってない。その根底の部分がよかったのと。


 後は有用な化学の実験器具を大量に作った事だ。これは手放しで錬金術が科学の土台になったと言える。どっちにしろ、技術を実用的に説明する理論の発展において中国はダメだった点。だからこそ技術を説明する理論を重視してるんだ。


 有用なものは当たり前に発達するからね。だからそれだけに終始するのは良くないんだ。それでも何故抵抗があるのか?であまりに金かかる割に対価としての技術が見えてこない点なんだ。だから素粒子は初期の加速器だけ作って後は放置しようかなと思ってる。


 現代に追いつくような示唆を与える気がない。どーせそれらを得るのにさらにエネルギー量が必要な加速器作らないといけないんだから。コンピューターはやるつもりだ進化するほど、その有用性をものすごく知ってるから。ただこれは社会への働きのほうが大きい。


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