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IPS細胞の講義を行った。
「今回集まってもらったのは、始めたばかりで悪いけど、クローン技術は多分息詰まる。ただ不可能というわけじゃない、科学知識としては重要なものになると思うが、実際これ使うとなると費用がちょっとね…」
「費用とは?」
「成功するまで皆が働くじゃない?それらは無料じゃない。しかもその時間他の研究などやってほしいし、研究者から技術者に教えてといっても結局その作業に時間を取られる。成功率が多分あがりにくいとみてる。でね費用の関係でもっと低い費用で済ませれる研究にシフトしていく」
「なるほど人件費ですね」
「まあ受精卵遺伝子とかだと手間かかるからな金額の高い食品のような扱いにもなる。体細胞ならそうでもないと思うけど。ES細胞は受精卵を使うんだけどこれは考え方は単純。受精卵を成長させないである程度分裂させて数を増やしてシャーレなどに置いて利用できるようにした形」
「えそれ高度な技術なんですか?」
「まあ分解したり、シャーレで生存させたりするのが多少手間。ただ確かにES細胞自体はあまり高度じゃないね。これをどう利用するか?なんだよ。IPSもES細胞も今やってるクローンみたいに遺伝子が初期化された状態になってる。ここに価値があるんだよ」
「完全な形を作るのは難しいけど、内臓の一部をこれで作成するこれが多分一番の目的になる」
「ああ確かにクローンとは違いますね」
「でもねなんでクローンこのまま続けてほしいかと言うと、内臓の移植手術って成功してるよね?」
「はい」
「それ他人のだよね?」
「そうなります」
「ES細胞もそうなんだよ。まあ女性のものになるね。免疫は分かるよね?」
「かろうじて」
「まあ全容は今研究中だもんな。この免疫が内臓移植で拒絶反応の原因になる。だから自分の遺伝子だと拒絶反応が軽減される」
「ああ卵子の核除去」
「うんそう、この場合受精卵だけどね。このついでに話すけど、IPSってのは体細胞を初期化して初期化された万能細胞にしちゃおうって技術なんだよ。でねクローンの初期化って受精卵じゃなくていいのは分かるよね?」
「はい」
「そこだよ、未授精の卵子にこの機能があるとクローン技術の研究者なら分かるんじゃない?」
「あまだ成功してないので、徳丸様の想定では…」
「ああごめん方法だけ分かるが成功例はまだなかったね…」
「まあそういうもので、これ未受精卵がもつ4つほどの因子がその引き金になってる。今はまだ分からなくてもこれクローンの研究とは別に出来るよね?」
「ああだから同時にやることになったんですか」
「しかも初期化の原因が分かるしね」
洛陽を押さえて大量の公文書を整理してて分かったことがある。どうも董卓は統治に興味がないわけじゃなくて、統治の仕方が分からないだけだと思う。それゆえ丸投げしたのだが、これが興味がないように見えるだけのようだ。その証拠に人事にはそれなりにうるさい。
後世にもその確たる証拠としてのちの群雄割拠の下地は董卓が任命した事が作ってる点。これを利用して董卓が任命する前に伸びそうな地方の英雄たちを次々小勢力のうちに殺してしまったのがある。この点は文章の整理の前に公孫瓚からわかった事だが。
董卓は何故後に自分の敵になりそうな人間を任命したのか?ここがさらに董卓が内政にそれなりに突っ込んでやっていたのが分かる点。中央につてが全くないので、仕方なく地方の清流派の連中にいい顔したとなる。後これらすべてが反董卓連合になったわけじゃない。
なおかつ袁紹はこれを不満に思って独自に冀州を奪取したので董卓が原因ではない。だがその一歩として渤海湾あたりをまとめる地方役人に任命している。ただ董卓が直接やったのか?と言うとそこまでは分からない。董卓が任命したってのもややこしいのだ。
天皇が任命したのと似てるんだ。もちろんそれは皇帝がいるのだが、皇帝が子供すぎてさすがにそれはない。純粋なお飾り、董卓もそれじゃお飾りじゃないか?なら違う董卓が人事にやたら熱心だった点。丸投げした可能性もある。董卓は宦官と組んで中央に入り込んでいる。
それゆえ清流派?の部分がある。この歴史においても似たような流れになっている。まあ私から見ると主導でという点じゃないと余ほどの事がないと統治に能力がある統治者とは見えないのだが、無関心だったわけじゃない。結果として同じなのではっきり言って些細な事だけど。
それに全くの的外れでもない。公孫瓚などは董卓の狙い通り反董卓連合に加わってない。はっきり言うと強引ゆえに雑。力は入ってるのだが、結果は伴わなくて空回りしたというのが正解だろう。なおかつそれなりに優秀なブレーン李儒がいたため、この手の事で使える手ごまが多ければ董卓はうまくいってた可能性がある。
いきなり地方から出てきて暴力とそれを生かす知恵しかない人間が中央の朝廷の人間を使いこなせるか?なら無理だと分かる。それなりに統治する気はあったというのは私の考えを改めなくてはいけないが結果が伴ってないので私の見立てで実害はなかった。
後最大の問題で、漢がそもそも統治に失敗してこの結果なので、うまく使いこなしても怪しいとは見てる。その点やはり荀彧と仲たがいしても独自の道を行った曹操は統治者として一味違うと思う。私はこの点儒教かぶれの連中がこの漢末期にはびこってるので、傲慢な曹操の犠牲者のようになってるが、荀彧はこの点私は低い評価になってる。
だからこそ曹操は怖いんだ…。
んまー史実の知識今のところ大失敗はないどころか有利な点ばかりなので問題はない。だが完璧な作戦には多分ならない。その点わかってる連中も部下にいるので上手くまとめてもらいたい。2点問題がある。特に中国は勝者の歴史ってのがある。
この点基本天皇の歴史なので日本はまだこれが弱い。だから大化の改新あたりは実に怪しいんだ…。日本の歴史の中でもあの辺りは微妙なものがある。大体聖徳太子がいたのか?は分からないが、仏教推進に力を貸した皇族はいただろ?それが天智天皇とは関係が薄かっただけだろ。
宗教戦争ではないのだが、蘇我氏と物部氏の対立の原因に宗教がある。その点蘇我氏はそこまで悪者なのか?かなり怪しい。もう1点は古い歴史が科学的素養がないものが残してるからだ。事件を残すその時、後との時代から整理するとき精査が足りない。
この2点において科学的な思考のセンスがないと現代だと話にならない虚偽脚色レベルの記述にあふれた内容になる。まあ私の予言なのでこの点すべてを言えないのだが…。
そういや袁紹も違うんだよな。まあ袁紹は何か文章があったわけじゃない。雑魚のうちに瞬殺だったから。袁紹は優柔不断と言われてるがむしろ若いころは短慮なほどの行動力。あれは典型的な将としてはダメなタイプだ。個人ならむしろこいつ脳筋ぐらい行動力がある。
問題はそれが適切じゃないから若いころも有能ではないんだけどさ…。年齢?なら違う、あれは個人としての行動力はむしろ狂気じみたものがある。それが将軍王となると途端に情弱な優柔不断になり果てる。2つほど問題がある。1つは、将や王としての判断力のなさ、後は周りの意見を集約するのがど下手。
あれを中心にしようと思ったのは大きな間違いだと思う。能力より家柄や性格だろうな。しかも、個人としては行動力があるから勘違いしてしまうんだよな。あれは若いころも成熟しても一貫して判断力がないんだ。決断の早さがあるので曹操も個人の早さだけなら同じなんだ。
でもそれが結果につながるのは判断力と言う能力の違い。特に周りの意見を集約させる将、王としての能力のほうがべらぼうに高い。曹操は信長にその点ものすごく似てる。とにかく判断の良さと決断の異様な早さがある。これは有能だけじゃない、人間としてのタイプが似てるんだ。
有能だけじゃないのは信玄がどっちかと言うと慎重で熟慮するタイプだから。そして、戦いにおいて信長曹操のタイプは生きる。むしろ信玄みたいなタイプが珍しい。多くのタイプは熟慮したような時間だけかけて、ろくな結果を出せない。まさに袁紹。
言葉遊びになってしまうが、私は決断力と判断力を違うものとしてとらえている。決断は結果が伴わなくていい。決断できる力になる。分かりやすい例が、3択のクイズなどで選べなくて時間切れなんてどうしようもないミスをするケースだろうな。
極端だとあるが、納得いく選択で決断するのと時間切れでやけくそで決断するのじゃ全く違う。判断力は結果が伴わないといけない。確率の問題もあるが、結果として優良な結果を伴う判断が判断力だと思う。決断力ってのは結果を問わないなら性格の問題でしかない。
だが、判断力と決断力が組み合わされるとこれが相当な破壊力になる。




