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 徳丸は良彦からの返答を見て考えていた。うーん間違えたかな?イギリス属国扱いだと思ってしまっていたな。良かったこれ良彦じゃなかったら不用意な一言で外交問題だった。実はどっさり武器は提供してるが、海軍ってあまり使い道ないんだよな。制海権を余裕で全世界取れるからな。


 逆に言うとそこまで強力な海軍必要ないんだ。質じゃない量がいらない。質はずっと高めてる。だからその実験のため海戦に強い意味があるイギリスを使ってるんだよな。だからそれほどお金かけてるつもりはない。後専門性の高い軍艦はほとんど作ってない。それは実験用にすぎない。


 基本は軍事と運搬兼用。だって昔のガレオン船もそんな使い方してた。護送船団なんて贅沢なやり方出来ないから。自衛の武器をそれなりに備えていた。しかも重装備じゃない。何度も触れるが、過剰戦力であるため手を抜いてるからだ。だから運搬船にそれなりに装備が備えられてる程度しか基本無い。イギリスでも船創ってるからすべて日本のものじゃない。


 確かにイギリスってほぼ現地人で戦ってるし、そうお金使ってないんだよな。中核となるのは初期拠点にしたイギリス近海の島々だけで、後は本当の反ローマ領主を味方にしただけなんだよな。中華に確かに限りなく近いよな。同盟国だわこれ…。分かっては居たんだけど、書いたときボーンヘッドしたみたいだな。


 王が良彦なのでつい勘違いしたが、ここローマからの解放って形だったのでそうなっただけで、良彦も現地妻との息子も出来たし、将来はできる限り日本の影響をいずれは落とすように以前話していたな。


 以前からかなり小さなレベルでやっていたプルトニウムの蓄積だが、こりゃまあ無理だな…。じゃ何故やってるのか?と言うと実験的に仕組みができるのか?確かめておきたかったので、それを少しスケールアップしただけ。後は安全性をまずは小規模なもので確立したい。これなら事故が起きても被害がほとんどない。


 大規模な濃縮が成功したらいずれ大規模な施設を計画しないといけないんだろうな。理屈をしっかり理解すれば原子炉PUから原爆を作ることは可能であると現代で読んだことがある。ただ今実現するのは不可能だ。これをやるには私じゃない。精通したものを集めて基本概念だけ話して任せてしまえばいい。


 ただ大きな事として再処理だけしなくてはいけない。放射線が強すぎて扱いづらいからだ。原子炉の棒から化学的にPuだけを抽出するのがこれだけ伝えて後は設計任せたぞ?となる。ようは爆縮レンズは計算によって反応をコントロールするので、最終まで反応させた原子炉に多い問題が生じるPU240の核反応の制御さえできれば可能なんだ。


 実際インドで成功例がある。日本が240の蓄積を大量にしてるが、これを問題なしと言ってるのをアメリカが危険視してるんだ。日本は原爆を作ったことが無いので計算についての知識がない、ようはただの無知だよな…。まあこれ難解すぎて、事実できるのと再処理で使いやすくすることしか私は知らない。


 ただ可能だって事実は何より重要なんだ。その理由も知ってる。ただ詳細な原理が分かってない。それでも240の問題は伝えられる。後はこの問題を克服する原爆のための仕組みを構築してくれ。ここが他人任せなんだ。


 建築学を進めだして副産物が出てきた。戦略室が要塞に使えないか?と言ってきた。それと言うのも常に言ってる私たちの新兵器が世界に広がる対抗策を考えろと、爆発力から大砲によって既存の城砦は役に立たないことが分かってる。特に重要なポイントは、これまで重視されてきた高さがかなり頑丈に作っても問題となってる。


 もちろん現在のモノなんて話にならない。だが今の兵器なら逆に高く作らないといけないんだ。他にも飛行機の存在もある。これによって高さがあまり役に立たない。おそらく飛行機の方が城壁や城砦より高度が上なのだから。


 社会発展と科学のずれが様々なところに出ているな。そうはいっても高度なものも作ってる。戦車や飛行機、建機、農業機械。ただこれわざと狙って作ってる。果たして現在のような大量生産なのか?と言うとなんとも言えない。本格的にベルトコンベアーによる組み立て作業についてまだそれほど普及してないんだ。


 手工業の分業作業に自動機械を混ぜてるだけだ。ただ工作機械はかなり豊富。これは時計の頃に発展した。機械の機械こそが西洋と東洋の大きな違い。中国の技術は西洋より高い物もあったが、機械の機械が豊富にあったか?ならなかったと思う。日本は中国に比べると手工業が発達していただけで職人の技術はそれなりだったが、高度な産業技術があったか?なら中国と比べると話にならない。


 なんとか大量生産にと苦労してるが、有機化学系が微妙なものがある。現代のような本当に安価な樹脂製品ってわけじゃないんだ。あったら便利なもの程度になってる。ゴミ袋がただみたいに大量にあるような量産体制にはまだなってない。これに関しては需要の問題もあってやってない。


 農業的にそのまま高価に使ってる。これで十分採算が取れるんだ。農作物の寒冷に対するビニール製品による保温ってかなり使えるからな。そもそも機械化が中途半端なので農作物高いんだ…。それゆえビニール製品のコスト問題がなくなってる。


 ATPが見つかっていた。えこんなに早いの?ってだって植物ホルモン教えたばかりだし、生化学うまれたばかりなんだけど。mRNAみつかってるしな。これはDNAの研究が先行して進んでるのですぐ見つかったのもある。ただ葉緑素はすでに伝えてあるのでかなり進んでいる。どのみちあれは現代でも完全解明されてない。


 で、何故こんな早くと思ったら、史実でもそうだったらしいのだが、何か良く分からん物質が生体から見つかったって感じだ。消去法でこれまで見つかってる物質があるので新物質だと、私がこれATPだなと見てるだけだ。名前とか一致するように伝えておこうかな…。


 生物学は良いな。大がかりな装置が無いが、生化学は歴史が浅くどんどん分析技術が高くなると近世の発見がどんどん出てくる。物理とか装置のせいで思い切り停滞してるもんな…。


 細胞内のリボソームなどの働きがどんどん発見されていく。生物学が充実してきてるな。ただこれ遅れるのもある。DNAだけを歪に発達させすぎた。その前に進んでいる生物学の事が後から出てきてる。これはX線を使った分析が物理学の発展から進んでるのもある。核だけが発達したけど、ミトコンドリアとか細胞膜や細胞内の組織がどんどん解明されてる。


 mRNAが発見された。これ案外難しいんだよな。ただ、あらかじめ生化学で放射性トレーサーを使う方法を伝えていためこれを応用してDNA、RNAで使用されるリンを特定する事で発見された。ただこれ、それだけじゃない、その前にウイルスであるファージの研究が利用されている。


 ウイルスは自身でアミノ酸を作ることができない。だから生物に侵入してアミノ酸を作らせて自身を複製する。これを利用した、これによってファージのmRNAが作られる。この研究ちゃんとトレーサーのリンを含むRNAはファージの塩基配列と似てる事が確認されてる。


 これは大腸菌のmRNAの発見ではなく、ファージが大量に複製をつくるためにmRNAを放出するのを利用してると見ている。大腸菌は合成のための必要なものを提供する入れ物に近い。後はその他の追加の様々な研究からmRNAを確認できたということだ。ファージによって大腸菌内で大量のmRNAを発生させる。この実験方法が確立して進んだようだ。


「今回生物研究の皆に集まってもらったのは、mRNAの発見によって重要な事を話しておこうと思ったから。このmRNAがタンパク質を作る間になってるのが分かると思う。さて具体的にどういうものなのか?ここでとても重要になるのが、塩基配列による暗号は3つの単位になってるって事だ」

「研究としては、生物内で合成されたタンパク質の中で短いものを使ってアミノ酸配列を特定してほしい」


「ちょっと待ってください。それなんですか?」


「ああこれまだだった?タンパク質はね、アミノ酸が最小単位なんだよ。後はね、化学的分析や電子顕微鏡の観察で分かってくると思う。DNAもそうだけど、最小単位の塩基が立体的につながってるものなのは分かってるよね?タンパク質もアミノ酸によってこうなってる。そっかDNAばかり頑張ってもらってこれまだ未発達なんだね」

「でね、このアミノ酸、原子みたいに無限にあるわけじゃない。繰り返し同じアミノ酸がタンパク質の立体構造の中にある。そうなると分かってくるのが、DNAってこれに対応してるから似た配列の繰り返しがあるのじゃないか?となってくる。そしてその最小単位が塩基3つなんだよ。塩基3つで1つのアミノ酸」

「これを翻訳してるのがリボソームの働きになる。電子顕微鏡生物学でものすごく大きかったね。顕微鏡じゃ良く分からなかった細胞内器官がさらに発見されたよね」


「どうやってアミノ酸と3つの塩基配列を特定するのですか?」


「まあ君たちが頑張ってとなるが、RNAを合成する酵素がある。微小生物、単細胞細菌を使って抽出液を作って生化学試験管みたいのを作る事だね。ついでに合成RNAを使ってタンパク質を作るのもそういった人工試験管を使うことになる。その調整は頑張ってとしか言いようがない。それじゃ皆解散ー」

「後ついでに、RNAの解読方法も確立させて。ただ寿命が短いのがあるからそれは私も分からん。DNA解読のまんまじゃできなかったはず。一工夫いるはず、というかいきなりDNAは膨大過ぎるから短い物から初めて欲しい。ウイルスでさえ膨大な量あるからね」


 いきなりやり過ぎたのじゃないか?というとそうでもない。まず私無しでもそれなりに進んでる点。この点言わなくても見つけたんじゃない?ならそうだと言える。ただ土台となる人材研究がそろってるので間違いなく加速する、これが大きい。正直言えば、明らかに量子力学が行き詰った。


 原子論から素粒子に向かわなくてはいけないのだが、これを行うには高エネルギーによる陽子などの反応が必要となる。この装置で分かりやすいのが加速器になる。未だ原爆すら開発してないのにそんな巨大設備造れない。この国が単純に私の国なら可能だった。そうしたら?となるが、長い目で見てそれは良くない。


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