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 26歳になった。良彦の報告書を呼んでる。まあこうなったか、歴史が変わってる。中華はもう気にしてない。積極的に歴史を変えたから。大きな問題か?と言うとそれほどじゃない。流れは変わらない、ローマの繁栄の頂点がおそらく前倒しで迎えてしまう。5.6年は早く暴政になりそうだ。


 ただそれは別人になるかもしれない。その辺りが歴史とのずれで必然がある。この必然はそもそも上級階層の人間関係が変わらないからだ。全滅でもすれば違うのだろうが、すべての人が失脚はあり得ない。何が原因かというとイギリスからの撤退と海上封鎖だ。この2つで賢帝時代がスムーズに進んでいかない。


 当然私たちの反攻でダメージを負った皇帝は賢帝にならないからだ。しかも現在も継続して制海権の回復が行われてるのと、もう1つはたびたび異民族との境の街に海から攻撃を仕掛けてる点だ。延々とローマはダメージを負っている。だがローマは衰退が始まるまではすべて反乱を抑え込んでいる。


 そのため止まれないのを分かってる。ただ海を隔ててるので、攻撃してるふりみたいになってるのはある。一部以外こっちから攻撃してこないのでその一部は異民族との争いの最前線なので、イギリスからの反乱ととらえられてない可能性もある。正確に分析できるなら武器が違うから分かるのだが、そこまで分かってるのか疑問だ。


 歴史と同じ人物が暴政を行うのか?腐敗が進行して別の皇帝が荒れてしまうのか?は分からない。ただ暴政は個人の人間関係と資質によるものが大きかった。いざこざの絶えない親族の争いで孤立してしまい一人の重臣に頼りきりになる。これがあまり質の良い人間じゃなかった。


 そのため全体として衰えていく上層部でも、賢帝によっては抑えられる可能性はある。なんといっても全盛期のローマなのだ。末期の漢とは違うんだよ漢とは。早まるのか?それとも史実通りなのか?は分からない。ただ賢帝も失態となってしまったこの歴史がどう影響するのか?はイマイチ分からない面もある。


 これは、情勢が大きくうねってるため時期に関しては分からないから情報を小まめに取得してそれに合わせて動くようにと良彦には伝えておいた。


 タイガー計算機という手動の計算機を作った。徹底してローテクの後進国への配布として考えている。これは2つの意味がある。いきなり発展させたくないんだ。ちゃんと技術が発展する意味を理解してほしい。こういった計算機が必要になったから電子計算機が生まれたという意味を文化として積み重ねてほしい。


 日本の明治以降の発展はそれはそれで素晴らしい物だったと思うが、鎖国など言うアホな政策をせずに戦国時代にちゃんと西洋の高い理数知識を吸収していれば。そもそも軍事力は高かったが、理数知識、技術力は戦国当時もものすごく低レベルだった。積み重ねた自分たちで作っていった文化が無いんだ。


 もう一つは日本の都合だ。自分たちが苦労したものをホイホイ渡したくない。そのため自分たちでも自作できるようにとなるとハイテクは知識も膨大に伝えなくてはいけないから格差をつけたいこっちとしては、簡単には渡したくないんだ。こっちから学んで自分たちで自己発展する場合には問題ない。


 その場合多分相手が伸びる間に差をつける自信があるから、直接教育して追いつかれるのは嫌なんだ。ただ確かに市場を作りたいとなると西洋が日本に教えてくれたのも分からないでもない。文化レベルが低いと消費者となる富の蓄積が無いから貿易相手がいないからな。


 世界征服と言うよりは、世界戦略かな。一番重要なのがローマと原爆。これは戦略ではない、脅しの意味がとても大きい。全世界に向けての脅しだ。世界政府を作るつもりはない。理由は、移動時間だ。うちの技術を使えばすぐそこにその未来は見えてる。だが協力するつもりはない。まあ運輸すべてを握って運べばいいが、それをやって集まる世界政府が平和的なのか?疑問だ。


 次に中国侵略後に草原地帯について2つやる事がある。南部のガチな草原地帯で騎馬民族を戦闘民族化しないように管理する。これは可能だと思う。近代の機械的な移動手段の誕生が明らかに戦争における騎馬の重要性は落ちてしまった。実際は重火器のせいだが、これについては、騎馬民族の国家体制の方が問題。


 何故なら日露戦争付近までしっかりと騎馬と戦争は絡み合ってたからだ。重火器ではないのだ、完全に消滅したのは戦車を含めた自動車のせいだろう。その前に騎馬民族が衰退してるのは、重火器と騎馬民族の国家の相性が悪いせいだ、重火器の大量生産に必要な工業力が低すぎる。


 そのため騎馬民族が今の日本の存在によって衰退するのは分かってるから管理できそうだと見てる。


 後は北部だ。ここにイギリスと日本の緩衝国家を作る。敢えて放置して、両国からの国家を離れた移住者によって原住民を絡めた独立国を作らせるべきか?後は日本に関係した国家の独立かな。ただこれはすぐじゃなくていい。だってその条件が投資金の返済だからな。



「良彦様、徳丸様からの便りです」


 うーん、そのうち通信がいるだろうな。中華とは船を使って無線通信をしてるらしい。欧州は遠すぎるな。


 さて、徳丸様にローマの近況を伝えたらかなり驚いた感じの返答が帰ってきた。うすうす気が付いてるが、徳丸様はなんらかの方法で未来を知っている。徳丸様はそれを遠回しに伝えてるため、今回の事で大体わかる。未来は徳丸様が積極的に世界と関わると徳丸様が本来知ってる未来と大きく変わっていくようだ。


 それが遠回しに書かれてるのだが、要するに大きく2点の事件が起こってしまった。イギリスのローマからの解放と欧州の外海の制海権を奪ってしまった点だ。これについて地中海は軍事的にはほぼ手を付けてない。だが交易をしてるから、何かしらの影響はあるかもしれないが、それについて良く分かってない。


 徳丸様が予知していた暴政がどうも怪しくなってるらしい。コンモドゥスと言う皇帝がやらかすのだが、後何十年も待たないとその時期にならないらしい、じゃ待てば来るのか?これがとても怪しい。2つの大きな事件によって、執政官が徳丸様の予知とずれて早く失脚している。


 予知通りコンモドゥスが皇帝になるのか?が怪しくなってきた。そこで徳丸様が仕掛けてみるか?と書いてきた。この暴政は家族関係が悪い皇帝が人間不信になって一人の人間を信用してしまい。その人間が政治を乱れさせるため暴政を引き起こす原因となる。こういった構造は他の皇帝でも生じるのじゃないか?との見方だ。


 帝国上層部に入り込めそうなろくでもない人間を見つけて、皇帝に近づくための資金援助をしたらどうか?って作戦だ。うちの子飼いの人間ではない。私利私欲で動きやすいろくでなしでかつそれなりに優秀な人間、そういう条件にあった人間を見つけ出して、たぶらかすんだ。何かさせるわけじゃない。勝手に混乱を生んでくれればいいんだ。


 これ面白いと思う資金は徳丸様が出すようなので、こっちは人間を選んで資金を援助するだけだ。他は何もしない。後は別の人間から情報を引っこ抜いて経過を観察するだけだ。


 以前徳丸様が提案されたもので、大陸北方を日本とイギリスで東西占領して間に緩衝地帯を作るという計画があった。そもそもウラル山脈と呼ばれる辺りになるが、その山で東西が分離されている。その左右を広く緩衝地帯にするって話だ。南は騎馬民族が支配している。だが北方は様々な狩猟民族が雑多に暮らしてるだけだ。


 我が国もそうだが、農業がやや苦しい。どのみち農業を基本とするなら中央地帯に広げるのは得策ではない。だがイギリスの地方領主に完全に任せているため彼らを利用すると領域を広げてしまう。そのため中央から探検隊は派遣する必要がある。広げてほしくないのは、この付近は軍事練習のための地域に過ぎない。


 本格的に戦争をしたいわけじゃないからだ。あまり本格的に進むと騎馬民族との戦闘になる。これを避けている。イギリスの地方領主にはこれが良く分かってない。自分も分かってるか?と言うと徳丸様の情報からだが、個々の彼らは脅威ではないが、一度強力な王が現れて国家を形成するととんでもく怖い集団になるので、彼らの領域は避けるのが無難だという事だ。


 銃さえあれば向かってきて防衛するのは簡単らしい。馬なので移動するから不利になって逃げて再戦となると、かなり強力な戦法なので相手の戦い方に乗ってはいけない。徳丸様からいずれは騎馬民族はなんとかするとあったが、概要が見えるまでかなり時間がかかるのでいずれらしい。とりあえずは防衛だけ考えてくれとあった。今はまだまとめて叩き潰そうと要するに追いかけてはいけないって事だ。


 さて、他にも独立についてあった。というかイギリスは独立してるんだよな…。徳丸様この辺り勘違いしてるかも。ただアメリカ大陸が関わってくるので読んでみた。初期の投資金を返してくれればいつでも独立して良いよって話らしい。ただし、順番があって、属国、植民地の順番らしいので、イギリスを属国と勘違いしたんだな…。


 いやこれ投資金返せと言わないよな。これは後で問題になるかもしれないからきちんと返答しておかないと。自分と言う頂点が存在するけど、同盟国として進めていく中華と似た扱いなんだよな。中華でもお金使ってると思うが返せなんて思ってないはずだから。扱いは同じだよな。


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