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「徳丸様熊子からの報告があります」


 董卓が死んだか。ただすべての兵士を引きあがることはしない。一部大陸に残す。それはこの後草原民族の制圧って目的があるから。ただ大々的にはやらない。これは日本の属国同盟国すべてと協力して包囲していく。ただそれまで実戦での軍事訓練のように利用していくつもりだ。今やってる要塞での攻撃の圧力をさらにかけていく。


 ただこれ問題がある。補給がかなり問題になる。そのためあまり大部隊に出来ないのだ。すでに道を作ってあるが、本格的な道をもっと作るべきかな。後食料自体どうするか?というのがある。今までは満州も負担していた。自国防衛の意味があったからだ。ただこれからはその意味を逸脱する。


 日本の食料比率を高くしなくてはいけない。さすがに負担を強いる。それに満州はまだ食料が潤沢なわけじゃない。日本から出す必要がある。これ負担になりすぎないように大掛かりな部隊展開はちょっと苦しいと思う。最終的には各国で負担するのでそこまで日本の負担は大きくならないが、それでも折角今回熟練の兵士がまるまる浮いたのだ。


 是非アジアの最終的な問題を片づけたいものだ。それに間接的に東部を圧迫してローマに圧力をかけてやりたい。後イギリスにもいずれ送らなくてはいけない。ただ対ローマまだ始まってない。時期がある。紀元が変わる時に愚皇帝の悪政がある。この混乱に乗じて、イギリスの対岸を占拠したい。


 プレーナー式の集積回路が誕生した。もうすでに成功してるじゃないか?なら後のICの方式はすべてこちらになる。キルビー式は集積回路が出来たってだけでブレーナー式は素子の作り方素晴らしかった。単位面積当たりの集積化がしやすかったとなる。そのためこの方式が後に生き残っていく事になる。


 ただ以前キルビー式を作ってる時にかなり助言を与えてるので、それがヒントになったか?は良く分からないが、それなりに時間がかかって完成したがこれで開発力が格段に上がったとはまだ言えない。言いすぎた?なら言い過ぎたかも。まあ電気はこれからは基本現場に任せるのでよほどのことが無いともう助言は避ける方針だ。


 以前コストと兵器の話をしたものたちから質問があった。


「徳丸様、戦艦と飛行機ですが、戦艦も人は必要ですが、飛行機は1台に必ず一人以上の人員が必要です。現在でもこれらの要因は専門職となっています。新しく雇うにはこれらをまた1から育てないといけないと思います。その費用を考えたら高くつくのではないですか?」


「うーんややこしいところついてきたな。それね、飛行機乗りって他にも使えるんだよ。戦艦爆撃以外にも使える。だから別に対戦艦で育てるわけじゃないから費用として考えるのは間違ってる。ごまかしじゃないか?と思うかもしれないから、具体的に言うと、飛行機と込みで撃墜されたら多分死亡するよね?そこで初めて費用が発生するんだよ」

「他にもね空母を対戦艦だけじゃなくて、敵地への空爆に使えるんだよ。戦艦じゃこれは無理でしょ。せいぜい沿岸部だけだ。空母に必要な経費って考え方は兵器としてどっちが得かだとあまり良くないな。兵器の特殊性って破壊されてすべて投資がぶっ飛ぶことなんだよ。だから壊れるときこそが兵器の費用の問題点なんだよね」

「これらをふまえてコンピューターが発達したら、この手の計算を戦略部にやらせようかな。すぐはやらなくていいよ。手動で計算なんて時間の無駄。対空砲を今精度高いのを意識していろいろ作ってるけど、それに対して飛行機の性能もあがるからね。どちらかが優位なら大体飛行機だよ。だからって無防備は良くないのと、後対処はあると思うがある装置で飛躍的にってのはある」


「あるんですか?」


「例えばだけど、コンピューターの発達だろうね。人間が操縦する以上飛行機は限界があるからね。それに対して、対空砲ってすべてコンピューター制御可能だからね。ただどのみちそれ対空特化で良いから戦艦規模の大きさは必要ないからね…」


 うーん国力工業力が足りなすぎる。無理やり実験室だけの科学を進めてしまってる。そのツケが加速器だ。あんな巨大施設造れないよ。そりゃ無理やり作ればできるよ。ただ基礎科学って簡単には金を出せない。投資金が大きい場合、すぐにメリットが分かるものじゃないとそれでもハーバーボッシュ法も無理があったんだ。


 何故か?あれは安価じゃないと駄目だからだ。それゆえ無理やり作るってのが出来なかった。実験室での成功から時間がかかった。無理やりってのが実験室だからな。今納得できる工業力って製鉄だけじゃないかな?もちろん、科学知識の進化からすると全く駄目。その点科学知識だけ異様に進んでしまってる。


 そのズレをツケって私は呼んでるんだ。他に問題がある。これは放置したまま以前から問題だが需要があるのは分かってるが、加工貿易をずっと続けてると貿易黒字になりすぎる。ただこれ大きな問題じゃない。それだけ儲けてどうするんだ?となる。日本の場合摩擦が起きたから問題になったが、そうじゃないんだ。


 海外から買うものが資源以外バブル崩壊の前よりもっと無いんだ。しかもかなり資源潤沢にある。いずれ問題になるが今はかなりの国が植民地、属国だからな。摩擦すら起きないほどの技術格差がある。この状態を続けていけば絶対に不満が出る。だが、資源以外買うものが無ければ海外が欲しがるものを売るしかない。


 異常な黒字をずっと続ければ日本は何故海外に売るのか?って問題になるんだ。外貨を稼ぐ必要が全くないんだ。これが工業力が高まらない原因でもあるんだ。それ意識して国内で回してるのと、まだ国内の需要を満たすためだけに拡大していっても限界に全く届いてないからね。貿易国現代日本でもGDPの大半は内需だ。


 だが海外も回転していくならもっと速く成長するからね。ここが抑えられてる。そもそも追いつけないのと、後は技術格差をわざとつけてる問題もあるし。


「日頃、科学技術の有用さが科学の軸ではないと話してきたが良い例があった。私が伝えなくてもこうして書かれた論文がある」


そういって過去のヨットなどの帆が逆風でも前に進む理論についての論文を持ち出していた。


「何故今更それなんですか?」


「だって以前からやってきた流体力学がやっと飛行機でつながってきたじゃないかな?」


 皆今この話をする意味を理解してくれたようだ。


「本来話す話じゃない。だが私のせいもあるのだが、ちょっと急いで科学を発展させすぎた。いろいろその歪みが出ている。だから立ち止まるところは立ち止まらないといけない。もし私の急ぎ足がなければこの手の話題は100年はずれていてもおかしくない。だが実際はそんなにずれてない。だから古臭い話をしてもそう問題じゃない」

「そこに問題があるんだ。前から気が付いてはいたがいろいろとすかすかなんだ。基本的な科学の分野は抑えてるが、その基本がさらに枝分かれしていく。これが弱い。やっと生化学や物理化学など隙間について触れるようになったけど、これもそれが関係してる。細かい点でもっと科学理論の密度が高くなる必要があるんだ」


 言いたいことは言えたと思う。


「揚力が発生してるからで、それは翼で飛行機の場合はなされるだろう。翼と空気の関係が、帆と風の関係と同じなんだ。でもこれは知らなくてもどんどん帆船による航海は進んでしまった。理論と技術が絡み合って発展してほしかったのもある。今となっては古い理論だが、帆船が発達した時期ではかなり遅く出された理論だ」

「簡易な模型飛行機なら当時から作れたはずだ。こういった理論がもっと早く出て入ればその模型の翼と帆が似てると気が付いたものがいたかもしれない。まず技術の根幹の何故を知る事、次にそれらを知ることは技術の発展につながるって点。科学を土台とした技術が当たり前になってしまってからじゃ分からない」

「ここにいる科学者はそういった技術だけがつっぱした初期の時代を知ってるはずだ。今はそういう時代じゃないと分かるよね?その違いこそが技術の奥に理論を持たない技術体系は発展が行き詰るって事なんだよ。尤も君らはその初期をほんのわずかしか体験してないので実感がわきにくいだろうけど」


 ああある程度は分かると思うが、これ無理かもしれないな。彼らには技術だけが先行して理論が無い時代の歴史を知らないもんな。史実の過去の日本で数100年前の刀が有難がられるんだけど、刀って武器の限界のせいで科学とは関係ないけど、科学知識を土台にした武器の時代だとそんなのありえないと思うだろう。


 銃って存在もそろそろ限界に近づいてるけど、火器ってみればまだまだ発展してるんだよな。私の中国の理論がさっぱりだった高い技術の歴史を知ってるってのを彼らは知らないもんな。中国も煉丹術から発達したから理論が無かったわけじゃない。ただ紙とか関係ないし、煉丹術自体が意味のない理論だったのが大きい。


 意味のない理論と結びついた技術なら昔からあるからな…。錬金術もそのたぐいだよな。


 プルトニウムをためるって形でじわじわやろうとしてるけど、これ大きな問題があるな。そもそも核反応するわけなので不安定なんだ。あまりにも時間をかけるとこれ崩壊するよな。もちろん全部なくなるわけじゃない。ただ順調にためていくのはちと苦しいな。しかもだこれ危ないので保管が大変だ。嫌になってきたな。


 ただ当面巨大施設造るのは苦しいし、とりあえず放射性物質の安全な管理の実験にするか。いずれ巨大施設造って一気に作る。ただその時も安全性考えないとなノイマンガンで死んじゃったんだよな。明らかに被ばく。現場で収集してたわけじゃないと思うのに雑な管理だったんだろうな。


 ただプルトニウムの半減期は長いので、あまり考えなくても良いかもしれない。原爆の耐用年数ってそれより周りの装置が壊れる事だから。安全管理が大きな問題だな。原爆自体は作らないので、実験やらないで一発で落としてそれを実験にしようかな。それと言うのももう成功するのが分かってるので失敗しても構わないんだ。


 また打てばいいから。原爆によるローマとの交渉って有利にしやすいだけで、別に他の武器も圧倒的なのでそんなに困る事じゃない。ただそれだけの圧倒的差となると兵器の数が必要になるので、安上りでいつかは打たないといけないものだからな。


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