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動物の本能のようなものをまとめていた。先天的なものと後天的なものの区別。遺伝云々の前に整理しておかないとな。ただ遺伝って古いんだよな。遺伝子が近年大きく発展しただけで、メンデルはかなり前の人。まずは観察して動物の生態などを調べておいた方が良い。
当然分類学のようなものは進んでるが、これあまり濃密にはやらないようにしてる。DNAの調査が入ると見た目の区別っていい加減だと分かるからな。後分類の根幹に進化論があるとないとでは大違いだ。進化して枝分かれしたものを分類してるだけなので。
石油鉱業関係で化石が集まりまくってる。それを使って古代から現代まで進化論を軸にした分類学のようなものをやってもらった。これはDNAが絶対取れないからな。進化論の補強みたいなものだな。今ある生物は遅れた生物とかじゃない。機能や形が進化してないだけで、遺伝的にはすべての生物が最先端のモノばかり。
だから過去どうだったのか?が分からないと本来の意味で進化の系統樹って良く分からない部分がある。ちょうど副産物で化石がたまっていたので良いや。これから化石発掘などもあんまり予算は与えられないけど、ありかな。考古学どうしようかな…。今さすがに余裕が無いよな。
「ところで研究を始める前にこれなんだと思ってる?」
「なんですか?」
「うーんやっぱり聞いてよかった。これね古代に死んだ生物の跡だ」
図解で泥に埋もれて生物の型が作られて行ってそこに死骸が消えてまた泥が石になっていく過程を説明していく。
「んま金型の仕組みと同じだ。特に砂で作る金型ってあるけど、あれととても似てる。多分中も金属じゃなくて同じ泥だと思うよ」
「えじゃくっついてしまいませんか?」
「実際くっついてるでしょ?それでも別の時間軸で出来たので型と中身は分離するんだと思う。まあ中の泥の成分が違う場合も多々あるとは思うよ。それほど貴重じゃないごろごろと出る生物もあるから、それで成分分析すると良いよ。人の骨は消えてなくなる程の時間がたってないから普通に骨で出るよ。人間なんてそんな程度の歴史だ」
「進化論がその根底にあるなら、やっぱり神様っていないのではないでしょうか?」
「科学でそれ言うかなー、いないと科学で証明はできない。でもさ、神への信仰に懐疑的になるきっかけには確実になるね。ちなみにさ神様が進化も作ったって考えもできるから。どうとでもなるけどね、私はねでもそういうの後付けだと思ってるんだ。世界中の神話って先に作られて、後から科学的事実が出て矛盾だらけになる」
「んで後から都合がよい理屈を作る。それって神様がそれだけ優れてるなら先にもっと優れた理屈作れるだろ?ってなるが、実際人が作ってるからだろうな…」
「科学は神への信仰を否定はしないが、間接的に懐疑的に確実になるね…。んで一部の頭の良い人は逆にさきほど話した神様がすべての科学法則を作ったって信仰に行くケースも多々ある。ただし、これ本当に一部の賢い人だけ。信仰ってそういう人たちの間だけじゃ維持できないからね。親から子で多分頓挫するよ。親ほど賢くない子なんて当たり前にいるからね」
戦略室から届いた報告書を読んでいた。中国上手く行き過ぎててちょっと違和感があった。それで何か見落としがあるんじゃないか?と専門家に頼んだんだ。特に大陸戦争を転戦した経験者や、中国での戦いに参加したもの加わってるからその視点は興味深い。以前から中国軍が大きくなってきたため日本軍を徐々に配置転換させてる。
その一部が戻ってきてこれらの資料作成に協力してもらってる。本来ならほぼ引き上げたいが、董卓との決戦が残っていてそれに参加させたい。おそらくここを叩けばまともな軍はなくなって統一への道筋が見えるだろう。まだ黄巾党は地方勢力の1つでしかないんだ。強引に皇帝だけ奪ってきたので、朝廷権力を手に入れたわけじゃないんだ。
じゃ何故あんな苦労して?となるが、新しい政治体制には逆に古い朝廷全体はいらないんだ。皇帝の血脈だけあれば良い。いやむしろ都合が良い。名目的に漢を名乗るが、実質的には漢は滅亡させる。というか皇帝政治の破壊が目的で、全く違う政治体制だからだ。蒼天は確かに死ぬのだ。分かりにくいが。
さて分析結果だが、最大のカギは董卓との密約にある。これ董卓の個人の問題と思ってたが浅はかだった。小勢力と違ってある程度まとまった規模を持った董卓軍は連合軍全体の問題を如実に受けていた。そのため躊躇なく決断できたというのがある。結論から言えばほぼ日本軍のおかげと言っていい。
この手の火器は発明は早かったのに全く当初広がらなかった。何故か?精度が悪かったからだ。日本軍のやたらと高性能な火器を全体の性質だと連合軍全体は明らかに勘違いしていた。敵側に立つとこれは怖い。しかもだ初期の火器と比べれば火縄銃はかなり高性能だ。それを在庫処分みたいにふんだんに分け与えたのだから。
数がそろう事で性能の悪さをカバーした。そのため連合軍離散まで全く日本軍だけが突出した性能の武器があるとばれなかった。これらを背景に精神的に士気がものすごく下がったようだ。ここからは現場を経験した兵士の推測だが、妖術神の技のような神秘的な何か?を持った軍隊と見られてるらしい。
そういう言葉を実際聞いてるからだ。後こちらに投降した兵士もわんさかいるので、皆そう思っていたようだ。連合軍全体で著しい士気の低下があり、これじゃ勝てないと素早く行動に移したのが董卓だっただけで、董卓むしろ優秀だと思う。皆決断できなかっただけだ。ただ董卓の利己的な部分が無かったのか?ならあっただろう。その後の行動を見ればわかる。
そういえば皇帝を奪った後どうなったのか?の報告が同時に来ていた。なるほどそのまま濁流派が引き入れた董卓が洛陽を支配してしまったのか。皇帝がいなくてもいいんだな…。実際はというわけではなくて致命的なダメージな様だ。おそらくなんでもいいから血筋から皇帝を据えようとするだろうな。
そのまま董卓が収まってしまえば?これが董卓の欠点なんだ。略奪はできるが統治が出来ない。ここが曹操と決定的に違う。朝廷の機構を無理やりでも使わざる得ない。ただこれなら長安に戻るのがなおさら良いのだが、実は史実と決定的にずれてるのは、董卓に全く人望はないし、どっちかと言えば反感を持たれてる。
だが反董卓連合はできてない。だって黄巾党まだいるから。反董卓何故ならないか?なら第3勢力として黄巾党が機能してて、そんなことしていればこっちに付け込まれるからだ。そもそも漁夫の利を狙って皇帝奪ったのだから。反董卓連合が出来ないまま、地方軍閥の群雄割拠になってる。
しかも史実と違うのは、史実で董卓がいた時の朝廷が任命した武官が全く地方に配置されてない。あくまで黄巾党前の私兵で戦ってる。このせいで激戦区の河北で戦ってるのにすごい楽勝になってる。おまけに曹操がいない。なんだこのゆるげーは…。反董卓連合がいないから董卓そのまま長安に遷都を考えるような危機感を持ってない。
計算機から画期的飛躍をするための講義を行っていた。
「まずリフレッシュによるメモリーシステムは計算機によって完成しているから。そこはもう大丈夫かと思う。次のシステムは2つの進化になる。まずは以前話したチューリングマシン。単純な計算ではない命令をいくつかこなしていく。これをプログラムに組み込んでおく。あーしろこーしろを手順として読み取り装置によませるんだよね」
「後はこれらが完成したらこの中心部を使った補助システムを連動させたコンピューターを作る」
「なんですかそれ?」
「計算機に基本的には似てる。でもね、きもはプログラムにある。これを差し替える事で様々な計算機と違って決まってない操作を行える。例えば微分積分機能と2次方程式などの計算をはじめから回路に作っておくじゃなくて、細かな命令を組み合わせてそれらを実現しく。これは大雑把に言ったけど、実際はもうちょっとうまく言えればいいだけどね」
「だから計算機とは違うコンピューターって言い方をする。もうちょっと高度になれば電脳と言えるんだけどね。これは脳の研究が発達したら、とてもじゃないが電脳とは言えないとはなるから避けた」
「そしてもう1つは、プログラム、中心部の命令装置、短期記憶装置、長期記憶装置、入力装置、出力装置、これらを繋ぐ基礎回路。これがノイマン型コンピューターの最終形となる。計算機で短期記憶装置は実現できてると思う。大事なのは、長期記憶装置がある事だね。この短期記憶は手順が終ったら消してしまうからね」
「命令についてはやりたい事でちょこちょこ増やしていけば良いから、まずは最小限の命令を作って何かをさせれば良いかと」
「ああ分かりました。まずは計算に使うことを考えて、長々と計算手順があるものをプログラム化すればよいのではないでしょうか?」
「うんまずはそれだね」
以前は史実の通りに原爆後にと思ってたがやめた。原爆は社会の産業の発達と切っても切り離せない。その点コンピューターなら可能だ。電気の分野でこれが一番戦後発達したものだろう。これ武器の発達とも大きく関わってる。そもそもエニアックは弾道計算装置だ。それらを小型化するなりして、船の武器システムが大きく変わる。
いやミサイルも使える。戦後の武器の発達にコンピューターの発達が欠かせない。集積度が上がって小型化したのも大きい。高度な機能を小型で実現できるのでミサイルと言う武器そのものに乗せてしまえる。後官僚機構をかなり補助できるのじゃないか?と思う。自動化がさらに進んで産業ロボットも可能だよな。
他の要因によって史実とはズレた発展もこれからは考えていかないといけないな。史実の通りやってるわけじゃない。単にそういう流れが前のものに積み重ねて発展しく科学に都合が良いからだ。でもそうとばかりは言えなくなってきたな。自動車もそうだ。軍事以外は農業用以外はちんたらやってる。
道路の問題があるためだ。鉄道もそうだレールが盗まれるような貧素な国家じゃダメなんだ。この辺りの後回しになるものについては、史実とは違ってそういったものに縛られないものは追い抜かして発展をしていこう。
近畿は発展してきて、まあレール泥棒なんてそうでないだろうと、大阪ー奈良ー京都を繋ぐ路線を作った。これによって大阪からの海運の物資を鉄道によって近畿に運べる大動脈が出来た。後は北陸を繋いでこの時代で発展してる地域を繋いで大阪湾から日本海へ抜ける鉄道路線を作りたい。この時代の京都はまだ都ではない。
陛下がまだ移りたくないというので、実験的な都市作りとして無茶苦茶やってる。実はもう町開発をする労働者以外にも住んでいて、けっこう発展していたりする。日本海自体にはすでにもう到達してるため、近畿圏は両方の海を繋いだことになる。これがかなり物流として重要なんだ。
玩具として無線による陸海空のラジコンが完成する。ただ、これ軍事利用したいんだよな。小型すぎてまだ思いつかない。ただ飛行機開発にこれ良いな。落ちても安心だし、ある程度形のモデルになる。何か偵察用に使えないかな?とりあえずは玩具としてで、偵察用にだけ研究させるか。
写真の技術が上がってきたので映写機を作る事にする。原理だけ単純に話しておいた。ようはパラパラ漫画だ。確か馬の走る姿が初期の映像だったはず。いきなり映画とかは苦しいので、ああいった短時間の映像を撮影していこう。写真の技術が上がってきたというのは、これ初期の写真って撮影に時間がかかる。あの時間を短くする必要があった。
これが短くなったので目途が立った。そうじゃないとパラパラ漫画にならない。1秒間に16から24枚で動画になったはずだ。早速これを基に将来の映画撮影の計画を立てよう。




