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 熊子から皇帝を拉致ったとの連絡がきた。おまけに傀儡皇帝になるのをを認めてくれたそうだ。正確にはちょっと権利が多い立憲君主制に近いんだけどね…。この時代だと傀儡って言われちゃうだけで、そもそも皇帝制度って確固たる法治主義国家がスタートだからな。それが漢でややゆがんでしまっただけで。


 立憲君主制と秦はまだ距離が近かったんだよな。決め手は国内が素晴らしかったのと、董卓に勝てそうだと思えた点だろうな。後者案外大事。折角頂点に座った国家が戦争弱いじゃやりきれんもんな。河北平定後は他にも叛乱地域が西北にあるのでそこを勧誘するそうだ。ただ、遠慮なく歯向かえばつぶすようだ。


 んでとりあえず一当たりしておいていう事聞かせるかとあまり乗る気じゃなかったんで、吹っ掛けたのを皇帝をまあ安全になるべく保ちながら観戦武官見たいなことをしてもらったというわけだ。まだ交渉中らしいが、中国全土に向けていよいよ黄巾党は皇帝を頭に据えた事を添えて国家名漢を名乗り始めた。


 これは大きな衝撃を与えたようだ。漢の皇帝が争いの中消えたのは大事件になっていたから。その犯人が黄巾党だった。まあ頭に黄色の布巻いてたからな…。それでも殺されたとかなら分かるじゃん。いきなり黄巾党がトップを持ち出したと思ったら皇帝で、正式に初めて国家名を名乗ったのが漢だったんだよな。そりゃ衝撃だよな。


 まあ当然非難囂々だよ。でも皇帝が自分の意志でやってると知ったらってのがまた衝撃だろうな。いずれ分かるこの国が中国で最もまともに政治をやる国だと分かるから。非難してた連中の方がよほど能無しの政治家たちだと知ったら考えると愉快だ。圧倒的な国家を中国全土に見せてやる。


 最終に近い目的を果たしたので、後は進軍ペース徹底的に遅らせた方が良いと話しておいた。秦が良い例だが、小さな国家のうちにしっかりと大きな国家で通じる政治制度をくみあげておくととても良いからと熊子には話してある。敢えて大きくしちゃダメなんだ。どーせ3ブロック体制だし、統治領域が大きくなりようが無い。


 何故ゆっくりやるかと言えば、今実際は寒冷化の酷い食糧不足だから。国民を飢えさせない最低限の部分の大きな違いを見せつけてやる。圧倒的な軍事力、圧倒的な国力を持つのに敢えて拡大路線を行かない。他の地域とどんどん差をつけて我々に支配してもらいたいと他地域に思わせるようにしたい。


 漢を名乗る事で勘違いする連中を無くしたいのもある。全く違う国家だ。同じ名前で同じ血筋だが、これは改革ではない主権をできる限り国民に近づけた革命だ。ただ熊子から軍隊を鍛えるために小競り合いは続けていくようだ。軍隊としては近い将来日本軍は撤退できるようにするのが最終段階らしい。


 青州、徐州、揚州、冀州。すでに4州を手にした。ただ青州は元々の黄巾党の地元、徐州はとなりで豊かなのでとったのと、肝心なのはその後の2州だ。これを電撃的に取れたのが大きい。弱いのと満州との国境が楽に守れる関係なのが大きい。残りはこうはいかない。ただこれだけの土地を桁違いの農業開発技術を持った集団が制したら圧倒的な国力を生む。


 なおかつ工業力もそれなりに高い。それに最初は弱かったが数と日本軍頼みだった軍隊も今は全く違う。河北で鍛え上げた軍隊が精鋭部隊として、後は豊富な国力を使った数頼みの歩兵たちにそれらの一部とはいえ殺傷力の高い火縄銃を使った大量射撃。後は分かりやすい大義名分が欲しかった。これも手に入った。


 要するに時間が進むほどどんどん他国との差が開いていく。その間にじわじわ小勢力を吸収していけば良い。とにかくゆっくりだ。理想は流民が流れ込んでほしい。多分そうなるし、それがゆっくりと広げる狙いだ。他勢力の自滅こそが理想だ。


 霊帝読んだ限りは今の生活を楽しんでるようだ。この人頼りないが、意外に苦労人。子が無かった先帝の後を継いで在野から探し出された貧乏皇族だ。ただ劉備ほどの才覚なかっただけで。権限はないのだが、あまり重要な人物でないので自由にふるまわせてるようだ。能力はないが苦労人なのか横暴なところが無いし、庶民と近い距離感が平気なので良く巡行に出かけている。


 民の暮らしを見るのが楽しいらしい。飢餓が始まった時代に幼少期を過ごしてて、民の暮らしが貧しいのを知っている。それが全く違うのだから。政治が何か?やっとわかったような話を盛んにしてるそうだ。同時に傀儡に納得してる。こんな政治出来るわけがない。そりゃそうだ。この国のどんな偉い人を連れてきても出来ない。


 前漢、後漢、と区分があるので、新漢を区分としては名乗る事にした。普通に漢だが、区別するときは新漢を呼称する。この新漢の政治だけが可能だと分かってきたのだ。自分が納めない方が良い政治と言うのは複雑ではあるらしい。だが董卓じゃもっと無理だ。もちろん董卓も部下に任せてるからそこまでひどい内政じゃない。


 だがもし董卓が率先して進めるならもっと違うはずだ。良い方に変わっていく国に楽しみがわいてるようだ。なおかつ傀儡よりは責任がある。国家統一がなったとき今のような暇はなくなる。ただ日本に一度着たらどうか?と提案してみるつもりだ。これで外交の役割を果たせるし、日本と関わると外交の重要性が多分分かるはずだ。


 どう考えてもその暇が他の幹部にあると思えない。適任すぎる。もちろん交渉するわけじゃない。そういった使節団のトップについてもらうだけだ。


 後今行ってる盗賊団との戦い。これ後年に漢皇室に認められた盗賊だよな。その前に皇室にごたごたが起こったからこの後どうなるか?分からないのと、黄巾党の乱が早くおこったので、本来同時進行だったのがかなり先になってしまったため、これ皇室に認められたの2代目なんだよな。当然まだ1代目だろうな。


 ただ山岳のゲリラ戦だ。これはちょっとやりにくいぞ。ずっと満州とレンジャー的特殊部隊を鍛えていたので実践投入するか?熊子に打診してみよう。冀州を制圧したとあったが、実はここがある。ただここな…。向こうが山から下りてくるなら撃退簡単なんだよな。だからわざわざ攻めるにはうま味の無い土地に地の利が多い敵を叩く。


 これが馬鹿馬鹿しくて無視したのがある。


 ついに飛行機が完成した。これについてはライト兄弟もそうだったが。実は飛行機の開発で最も重要なのは機体の方なんだ。エンジン自体は当然他ジャンルの技術なのでライト兄弟よりも優秀な人が何人もいた。だが上手く行かなかった。ライト兄弟は動力に頼る前にグライダー的なもので飛行試験を何度もしていた。


 リリエンタールに憧れていたのもその辺りだろう。軽量型アルミエンジンが出来たらあっという間に完成した。それはその前の機体に対する深い知識と経験があったからだ。私も実はそっちと合わせると飛行機の開発はかなり長くやってる。わざとそうしてた。史実を参考に重要度の高い機体の開発の方に力を入れた期間を長くした。


 後は軍事的に使えようになれば熱飛行船じゃ速度の問題でやりにくかった作戦が多くできるから楽しみだな。どういうのか?と言うと多少でも低空飛行にすると弓で狙われたらものすごく熱飛行船は弱いんだその点飛行機を多少の低空飛行で弓で狙い撃ちはよほどの運がないと無理だろう。


 熱飛行船より低空飛行可能なら爆撃や焼夷弾の投下が効率的になる。


 後それと関係してか?ついにサーモリパック爆弾が完成した。これ難航していたが、粉塵爆発に切り替えたら上手く行った。実際これがサーモリパックだってわけじゃないんだ。ただ一番簡単に実現できるのがこれなのでそこから上手く行ったんだろう。結局またやってしまった。助言で終わったかな。まあこれは仕方ない。この爆弾様々な高度な知識と技術を使うためややこしすぎるんだ。


 ただ思ったより高い性能が得られてない。ただ通常の爆発物よりは圧倒的だ。これは殺傷と燃焼に特化した性能を誇るため爆発力も原爆についでの超強力だが、その辺りは何かしらの計算が必要なのか?化学的なものがまだ足りないのか?分からないが、そこまで強力か?が何とも言えない。


 だが火力は期待通りだった。これは焼夷弾的な機能や、単純に殺人に特化した兵器としてなら期待できるかもしれない。王や司令部を確保する必要が無いなら飛行機でこれを宮殿などに落として破壊しつくしてしまうのが良いかもしれない。


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