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以前指示してあったウイルスが発見された。史実のようにタバコモザイクウイルスである。結晶化に成功した。ただかなり困惑してるようだ。病原体が結晶化?別の物質なのではないか?など研究者たちの議論が紛糾してる。ただこの結晶化までの過程から、多分これが病原体だと考えられている。
実をいうとウイルスが発見されたと思ったのは私だけだ。後の皆はこれが何なのか?が分かってない。仕方ないからウイルスについてちょっとだけ助言した。細菌より小さな病原体もいるだろうと助言した。もちろん生物なのですか?と言われたが、研究してこれが増殖する事実を突き止めれば良いと。
結晶化する奇妙なものだが、単離する期間を変えればウイルスが病原体なら細菌最近のように増殖するだろうから同じ量の植物からとれたものでも結晶の重さがバラバラになるはずだと。その後増殖する存在であることが認められた。そのまま細菌とは違うためウイルスと命名された。
実をいうと医学の進歩が薬や外科手術に偏っていたため、根本の原因をきちんと解明すべきだと思ったのでウイルスの発見を急がせた。ウイルスが良く分かってないが、病気の治療法だけ発展していた。治療より予防となる衛生面だが、細菌と似た部分があるのでウイルスが良く分からなくても発展できた。
名前は以前存在を予言しておいたので、そのまま通った。電子顕微鏡まで発見は無理かな?と思ってたけど、うーんなるほど結晶化かそれすっかり忘れていたな。電子顕微鏡も研究してたけどどうなったかな…。
ウイルスが本格的に研究の対象となったため、家畜の固有の病気を調べるように指示をした。まあ様々なコロナウイルスが有名だが人と動物で感染するものもあれば、動物だけの感染するウイルスもある。これは医学と言うより農業かと思う。
劉備が見つかったとの連絡があったが、同時に去ってしまったとの報告もあった。残念だ、思った通り頭が固い様だ。董卓と何が変わらないのか?と否定的に黄巾党の誘いを蹴ってしまった。それが違うんだよな。董卓に民の事を考えた国家運営なんてできるか?傀儡に意味がある。それに史実での曹操は最終的に子供の時代に禅譲してしまう。
魂胆が見え見えなんだよ。自分がその場にいたら怒鳴りつけたくなった。そもそもこんな乱世になったのは漢の政治の悪化のせいじゃないかと。漢の政治を変えていかないといけないって意識が無いんだよ。劉備はその辺り馬鹿だと知っている。まだ曹操の方がその辺りマシなんだよな。
ただだからこそ違いが分かったらこれこそが漢を貴ぶやり方だと分かるんだけどな。それには黄巾党の優れた政治を見せつけるしかない。それにはまだ時間が足りない。そのための放逐だ。ただ熊子はこのやり方否定的だったな。黄巾党の幹部は劉備が重要人物だと知らないから特に深く考えもせず逃がしてくれたけど。
熊子は私が警戒してる人物だと知ってるからな。彼の人望と血は魅力的なんだよな。まさに彼こそが理想の旗皇帝なんだよな。彼自身が皇帝にならなくても近しい血のものが皇帝を助けてくれると助かるんだよな。こっちの人間を送り込んでも傀儡の意味合いが悪くなるからな。危険性があるからって殺してしまうのは惜しい。
危険性?だが私は半分は劉備の尊王ってポーズだと見てる。根本的にはやくざの組長と変わらんと思ってる。擬態が上手い。だがいくつかそれでは説明できない事があり、両方本物なんだろうなと思う。野心は本物だが漢皇帝を打倒してまで手に入れないだろうと思う。荀彧と孔明の違いかな。
私のような考えはまず生まれないから、曹操みたいになるのが当たり前で、私は荀彧の方があほだと思ってる。儒教かぶれは本当にアホが多いのが残念だ。私はその後の中国を知ってるから皇帝システムをなんとかしないと思っただけだ。2つ、まず皇帝システムは基本駄目。だが私は歴史の無い中国の皇帝と言うのが残念で、日本モデルを使ったというのがある。
2000年近くやってきた実績があるからね。私はその点まあチートだ。だから曹操が正しいとは思ってる。その上を行けると思ってるのはチートに尽きる。もちろん曹操に深い考えが無いのは知ってる。考えての結論ならあんな簡単に司馬氏に乗っ取られないだろう。信長と曹操はその点も似てるが、信長は考えていたようだ。
徳川とは違う中央集権を考えていたようだ。ただ徳川はそれを擬態した。反発が大きいからだ。光秀の裏切りの候補の一つだ。やってる事は同じなので光秀はこれが原因なら無駄死にしたなと…。光秀の裏切りの頃に分かるようになるのだが、信長は徳川での外様大名に家臣団をしていこうとしていたと見ている。
出世すればするほど将来の政権の中央から遠ざけられる未来が見えたらそりゃ馬鹿馬鹿しい。まあ候補の1つにすぎないのだが。こりゃないなって候補もあるが、同時にどれもこれも怪しいって候補も多数ある決定的にこれってのが無いから信長も光秀を怪しいと思わなかったんだろうな。
劉備を危険視しすぎなかったのは、曹操ほど能力的に怖くないのと頭が固いからだ。私はこんなのでいいのか?というような遠い血の皇族を立ててでも漢皇帝を作る。そのため根本の部分で漢の皇帝の権威に多分歯向かえない劉備は怖くないんだ。
漢の傀儡ばかり考えてるが黄天はどうなったのか?だが、これ2つの大きな要因がある。曹操に召し抱えられた青洲兵は黄巾党が煮詰まった軍隊で在りそのため教義なしには瓦解していた点がある。初期の黄巾党はそこまで熱心じゃない。不信仰よりも不満の解消と食わせてくれるので集まっていただけの烏合の衆だ。
そして黄天なんちゃらをくそまじめにやってたのは張角達上層部だけである。わざとこいつらさっさと始末するように動いたのはこれもある。後で面倒な事言われるといやだったから。信仰が嫌いのは結果さえ出れば手段なんてどうでも良いのにこだわるからめんどくさいんだ。それが成り立つのは、死後と関わる信仰だけだ。
結果が分かるわけないからな。それに対して現世利益のための信仰を重視していたので、結果にとって邪魔なだけの教義など捨てるに限る。別派閥によって上手く行ったと思ってたけど、後々残党と合流した時に内情が良く分かりそれを熊子が伝えてくれたというわけだ。逆に言えば私が心配しすぎていただけの気がする。
後の歴史の青洲兵を知っていたからだ。あれはほんと追い詰められて熟成したな…。信仰って歴史の中で大体そうなってる。あれだ刀を叩くのとよく似てるわ。長い時間叩かれて熟成するのだ。
便りに続きがあった。一瞬訳が分からなくなった。董卓が帰ったとの事。ついに来たかと思ったら、なんと董卓軍単独で帰ったそうだ。ここで困惑したが、熊子も困惑したらしく詳しく幹部に聞くと、まああくまで諜報に協力してるだけで、熊子単独の諜報部隊がいるわけじゃない。
世界各地に情報網は持ってるが、それは貿易と組み合わせてるだけで、まだ専門でそれを行う機関は発足したばかりだ。それと言語と人種の問題があるので、現地採用もいるだろうな。元々ローマは間接的に情報を集めている。アジア人が目立ちたくないのもある。史実でも中国が国交を断念してるため、アジア人が前面に立っていたら目立つはずだ。
現地の人間から情報を集めるのはすでに下地はできてる。