表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
101/168

101

 22歳になった。もう何年にもなるが、農業の心配が世界各国日本が関係してる地域ではなくなった。ただし、その他は間違いなく不作だ。世界が寒冷化で激動してる中、日本とその関係者は全く無関係でいる。それに直接向き合ってるのが黄巾党となる。農業政策だけでも黄巾党の支配体制は堅固なものになるんじゃないかな。


 まあ当然奪いに来るだろうけど。なんか反乱と討伐軍が逆になりそうだな。ただし、当面攻める地域があるためこっちから仕掛けていくようだけど。満州と支配地域を結ぶ間の支配者が脆いためそこを占領していく。正直言ってその西の盗賊団の方がよっぽど強い。袁紹ってこの地域の支配者ではなかった。


 漢から任命された官僚から奪ったものなんだ。元は一有力者にすぎなかった。戦争で奪ったというより権力の簒奪の方がふさわしい。その点からも袁紹が戦争上手なのか?が疑問がある点。この辺り曹操と後で差がついたんだろうな。実力が無いのに広大な地域を支配してたから。漢の官僚で董卓が任命したもの以外は大体弱い。


 これは秦もそうだった。秦は章邯が官僚上がりで頑張ったけど、基本知事であって軍管じゃないからな。董卓は討伐軍で活躍したものを任命したのと地元の有力者だったので私兵がちゃんといたのが結びついて強固な軍事政権になっていた。董卓が任命したものと、そうじゃないものでは雲泥の差がある。


 3国時代の活躍した領主達を支配権を渡す前に活躍させないようにして、漢の官僚支配地域を片っ端から占領していく。特に満州まではそういう地域ばかりだ。ついでに後に伸びてきそうな本来の史実で活躍した有力者も殺しておく。論功行賞が行われなかったのは、まだ黄巾党の討伐は終わってないんだ。


 残党狩りだったはずなのだが、その残党の方が強かったから大混乱になってしまったかと。黄巾党のトップはことごとく殺されたため論功行賞は多分この後すぐだったんだろうな。


 TVの簡易的な実験が成功した。まあそんな複雑じゃない。とりあえず右から左の走査線を走らせるブラウン管を作って。凸凹をモールス信号のようにして図形情報を送った。これが見事成功。凸凹信号文は「おはよう」だ。これを受像機を作って送るんだな。こっちはさっぱりまだ出来てない。音じゃなくて図形を送るってのが成功した。FAXだな。


 問題だな。根本に親日国を作るのは軍事と経済がある。支配領地植民地、こういったものを避けるためだ。同盟、経済圏。こんな感じになる。問題は、他国から欲しいものが資源しかない。おそらくかなり先の年代まで技術的優位を捨てるつもりが無い。そうなると、我が国に技術水準が追い付かない。


 欲しい商品が資源や食料以外ない。しかもだ、一度食料を依存する形にすると、自給率が下がってしまう。これは軍事的にものすごく問題がある。南北ブロックがそれなりに大きいので、ここの農業を強化しようかな。ただ台湾はいずれは工業化も進めないと。資源を買って加工商品を売るって経済はかなりまずい。


 一方的に収奪する様な構造になってしまう。いくら植民地じゃないと言っても限度がある。実質植民地では不味い。極端に食料を輸入するのはやめよう。他国も緩やかな技術提供をするので余剰人員を上手く商工業の担い手にしていくのが良いかな。困ったことに、これ未来予想がある程度できる私だから気が付く。そのため誰かに割り振って解決できないってのがな。


 まずは卵生の生物からでいいので、発生についての研究をもっとやってもらうことにした。考えてみると全くこの分野手を付けてない。特に脊椎動物の発生は良く似てる部分がある。哺乳類はいずれ残酷だがマウスとかで腹をあけてみるしかないんだろうな。まあその前に卵生の生物を良く調査してほしい。植物もやった方が良いな。


 風力発電と水力発電を地方と海外領土でやり始めた。多分すぐには火力発電所できない。今まで海外で使用していた無線通信は電池で運営していた。これらの電池を蓄電式にして自家発電するようにした。後は場所によっては電球など使うつもりだ。問題は当面無料配布かな。


 無線は日本軍が使ってる、後現地人を訓練した人たちと協力してる。装置の使い方分からないからな。それ以外となるとだって価値が分かってないから。価値を知ってもらうために仕方なし。んで当面送電システムや発電所なんて避けたいのでこういったもので代用と、後は私が目指すエコ社会のためでもある。


 熊子からの報告書を読んでいた。華北地域に乗り出したようだ。ただし戦略的には良くないやり方らしい。内政を重視したいので、軍事的侵攻を抑えているらしい。奪っても後で苦労するのが目に見えてるのでわざと遅い侵攻をしてるらしい。ここ本来なら袁紹が抑ええているはずだが、董卓の論功行賞が無かったので、元の官僚がそのまま収めている。


 これは揚州とよく似た状況だ。そのため一気に攻めた方が効率がいい。ただこの地の問題人物が袁紹なので放置が決定した。仮にまとめる人間が出てきてもせいぜい袁紹じゃなーって事で片付いてる。ただ熊子は袁紹がどれだけダメなのか?分かってない。これは難しい。ぱっと見は大人物に見えるんだ。


 まさに見せかけだけは素晴らしい人物なんだ。人を使いこなす逸材の劉備が袁紹の立場だったら曹操は勝てなかったかもしれない。袁紹は間違いなく要注意人物だ。人を引き付ける人物でそれに付随する名門出身。これは劉備も利用してるので役に立つだろう。そして何より厄介なのは野心が高い。


 ただ王として人を使いこなす能力が無い。それでも野心と求心力で大勢力を作る危険がある。まとまりがない華北のまとめ役にこれほどふさわしい人物はいない。ただ万が一その問題が起きても袁紹だからまあ良いかとなる。楽に倒せるならって事で袁紹を上に立たせたくはないが、袁紹は戦いに勝ってまとめ上げるのは多分無理だ。


 どうやって上に来るか?の過程が全く思いつかない。多分無理だろう。史実は董卓の差配と支配者の官僚からの戦いではない簒奪があったため簡単に取れてしまった。こんな好条件まず無理だ。そのため力を削るためにじわじわ侵攻するってのは内政の重視が一番の目的ならかなり良い戦略だと思う。


 後無線を使った多面作戦でまとまった軍勢を作らないようにしてるようだ。これならまず上手くできないだろう。まとまってきたらすぐ引いて全く同時に別の地域を攻めさせればいい。こんなの無線以外無理だ。多分同数の軍勢じゃなくてもかく乱できる。


「今回集まってもらったのは、今となっては基礎の話だけど。科学の実験にとって重要なものって、限定条件だと前話したね。自然はいろんなものがありすぎてそのままじゃダメだと。実験は自然状態での実証とは違う。これに絡めて、いろんな条件を大量に変えて実験を行うべきじゃない。何故か分かる?」


「複数の原因に広がってしまうから」


「うん、要素還元主義がこれに絡んでる。機械的世界観も繋がってる。今更こんな話をしてるのは、近い将来これが苦しくなる科学ができるがそれも科学だから。私が以前話したのは0から始める科学の場合の重要な要素で、永遠不滅の科学の特性ではない。なんて言うのかな、歴史的に科学を見た場合、何故こんな発想になったんだ?ってのが今はなしてる事」

「ある程度時間経過したら必ずしも絶対じゃない。例えばわかる?」


「いや分からないですよ」


「だろうね、今回話したのはそれだけじゃないんだよ。科学教育って観点でこういうコツを知ってると実験方法とか生徒に伝えやすいからね。もう君たちもずっと後輩を教えてきて慣れっこかもしれないからこういうのもまとめておいても良いかも。やれば見せられるが、言葉にすると案外難しいんだよ。んでそれに染まってて、そりゃ答えられんよね」

「要素同士が相互作用する生物などが良いんじゃない?その場合多量の条件をそろって考えないと駄目になるからね」


「例えば?」


「それは難しいな生物学はさDNAによってやっと科学の入り口に立ったばかりなんだよ。相互作用と言えば生物だけど、逆に生物学は未発達なのでそういった研究は後回しになるだろうね。今回別の目的もあるので、そっちは今伝える事なのでちょっと早すぎたかな?まあその時が来たらと心にとどめておいて」

「ただ量子力学が科学が単純に積み重ねたものと違うってのは分かると思う」


「ああ因果ですね」


「うん、まあ仏教用語だけどついつい便利で使ってしまうね。まあ私が言ってしまったからだな。うん因果律と要素還元は密接な関係があるからね。相互作用じゃないが、まあ単純ではなくなりつつある」


十分に鉱物の知識と石の知識が深まったので、これらを統括する地学を整えようと思う。活気ともいえるあの説を話すか。


「うちの知識として海洋と絡めた地理、鉱物探索のあらゆる知識。そういったものがたまってきたと思う。そこで1つ重大な事を伝える。まずこれを見てほしい」


 世界地図なのだが、大陸だけパズルのピースのように移動できる。


「さあ見てほしい」


 強引だが大陸を移動させて1つの大陸にした。


「これ見て何か思う?」


「あまさか1つの大陸だったって事ですか?」


「どうしてそう思った?」


「溶岩が地球の内部にあります。なら大陸ってその対流で動くのでは?と考えてです。言ってみれば流氷のようなものかと」


「ああその通りだよ。もっと言えば卵の殻みたいになってる。でも卵の殻って動かないよね?生物学詳しい人もいるよね。細胞は生まれ変わってる。でも皮膚はそれなりに強固だ。その皮膚が割れたらどうなる?」


「血が出ます」


「体液だって出る。肉だって飛び出るときもある。卵と決定的に異なるのは、それらの割れ目はやがてかさぶたでふさがる。その後皮膚が再形成される」


「溶岩はやがて固まる?」


「その通り、地表はこのように滑り込み、ひっぱられて溶岩の中がはみ出してくる。それが固まるわけだ」ただ地表が割れる場所は大体海だ。そのため見る事はない。火山も割れる場所だが、あれは移動のためじゃない。そこかしこにひびみたいなものがあるんだろう」


 紙を2枚を使って滑り込みを見せた。そして滑り込んで引っ張られる逆の端も見せる。


「この推測が正しいのは、石鉱物に詳しいなら多分溶岩が固まった岩見てるだろ?比率の違いはあるが、溶岩の成分って大体似てると思う。それは、地球の中が粘性の高い岩の液体で満たされてるからなんだ。溶岩が独立してるならこの成分は似通ったりしないはずだ」

「大陸は移動すると話したが実際見たわけじゃない。これは進化論と同じだ。膨大な時間をかけて移動する。生物学とも重なるが、南米とアフリカの生物は似ている。これは生物が移動したわけじゃない。元は1つだった大陸の方が移動したんだ。生物に詳しい人これは正しいよね?」


「はいフラミンゴがそうですが、鳥は飛ぶからでは?と考えてそれまでです」


「その通りだね。アジアのカエルとマダガスカル島のカエルって近縁なんだよ。これはいずれDNAで世界中のカエルを調査すれば分かるが、DNA検査って確立できてないね。これができると医療にも役に立つので化学の分野だけど頑張ってほしいな。ただね、これ世界中で繁栄したカエルが二つの距離を挟む地域で絶滅してしまった場合も似たようなものになる」

「証拠の1つであるが絶対的じゃない。ただ逆に言えば大陸移動説が是ならば、2つのカエルの関係は大陸が移動したから関係があるのであって、間の地域の絶滅説はとらなくても良い。大陸移動説は生物の分布にも使える、もちろん両生類は水棲だが海水には適応できないからね」

「これね落とし穴もあるんだよ。まだ歴史の浅い生物。猿とかね、これもアフリカと南米は似通ってる。だがこれは違う。大陸が移動した後進化したなら似通ってるのがありえないから」


「歴史の浅い生物は?」


「まあ正確な数字はDNAの調査が確立してからだな。でも猿が比較的歴史の浅い生物なのは化石で分かる。化石は分かる?鉱物扱ってる人は分かるよね?」


「はい生物の死骸の後ですよね?」


「今は絶滅した生物も多々発見されるんだよ。地層から年代が話かかるのは分かるよね?」


「土の堆積が上に行くほど新しいは分かります」


「古い地層に猿が含まれるのはまず無いよ。まあそれはこれからもっと化石を集めないと分からないけどね。まあ良いやそれらは君らが探ってほしい。私は1つの大きな指針を皆に与えた。後は証拠探しだよ。馬鹿馬鹿しいとは言わせないよ。それだけのものは今提示したから。じゃ頑張ってほしい」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ