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 以前から考えていた。真空管を使った計算機を早速改良した。これ大きな桁はやらせないようにしていた。エニアックは故障が多くて使い物にならないからだ。あれは軍事のため実用性が無いにもかかわらず無理やり使ってた。原子爆弾と言いあの頃のアメリカは国力に任せた力業が多かった。あの国に戦争をするって本当に愚行だ。


 ハルノートの前にもっと温和な条件で同盟関係とかになるべきだったな。あの戦争で怖くなったアメリカが日本を徹底的につぶしてしまったから。仲良くした方が逆に牙を残しておけた。


 これを使って砲撃の弾道計算をいろいろやらせて軍事にフィードバックした。いずれは携帯型計算機を持たせるつもりだ。多少の大きさならどーせ大砲を運ぶ車があるからそこに乗せていけば良い。船なら当然運べる。問題は今は大きさより高価な点だ。そのため携帯はまだ避けたい。後内政の収支計算医無茶苦茶使えるだろうな。



「李北分かってるよな?」


 熊子がちょっといらだったように言った。


「ああ、日本製鋳造銃の製法は教えられないって事だろ?」


「うむ、それを教えるなら黄巾党は傀儡か、属国化となる。同盟軍でいられるのはそういう理由だ」


「何故だ?」


「お前の事は信頼してるし、徳丸様にも紹介してもいいぐらいだ。だが、数100年後の黄巾党はどうなってる?日本の信頼できる友でいてくれるか?後徳丸様が言うには中華は日本を除いて世界一の鉄の鋳造技術を持つ。だから自分たちでやれってのが徳丸様の意見だ。日本が軍事に結びつく高度な技術を教えるのは皆支配地域か属国だ」

「農業は一部最先端に近いものを伝えてるんだからそれで勘弁してくれ。これだって黄巾党の力をどれだけ押し上げてるか。徳丸様が言うには今は寒い時期なんだ。本来大量の餓死者出てるのを徳丸様は救って、それを世界中に広げてるんだ。これだけでもすごい事なんだよ。他国の人間にそこまでするのですか?と聞いた事がある」

「徳丸様は飢えからくる戦いを減らしたいからだと、だがな豊富な食料が兵を支えるのも確かなんだ。その点信頼してもらってるんだ。信頼できる黄巾党が支配しないと他の中華の国には教えるなと厳しく言われてる」


 予想はしていたが、日本製の武器が欲しくなるよな。それは無理だと分かると次は作る技術をとなるよな。ふざけるなだ。だが内政をしていくなかでこれも重要な事なので話し合っていた。青銅製の銃大砲は技術協力をする。鍛造製の銃もこれはすでに支配地域で生産してる。今回の製造で主にこれが使われている。


 製造の訓練と対価を支払うためだ。生産を任せて日本が一部対価を負担してる。いずれ技術が確立されたら中国近隣の国とは黄巾党と直接取引してもらう。高くつく面もあるので、直接取引までは日本が使わない払下げと、後は鋳造製の銃を無償で提供してる。といっても中古の日本製はすでに他の支配国に提供してる。それらを一部提供してもらってる。


 中華も炭素量が多い鋳鉄を叩いて鋼鉄にする。そのため日本の技術が違うことを普通は気が付けない。じゃ何故?重機や戦車を持ち込んでるから。あの量鍛鉄で作るって想像できないから。じゃ鋼鉄じゃない?理由は知らないが、連中あれが鋼鉄なの見抜いてやがる。自分はそこまで専門家じゃないから分からないが、鉄の職人に見させたかな。


 じっくり見せないようにはしてるんだがな。もちろん堂々と教えてくれとは今回見たいな時しかないけど。どこかで連中日本をなめてるんだよな。悪い意味で親切すぎるんだろうな。この点難しいんだ。それは徳丸様も困ってる。いろんな人にこの同盟の説明をしてるからだ。高度な戦略なんだ。


 そもそもすぐばれるようなら、協力体制を築けない。同盟より属国よりの利用してるだけだからな。ただ徳丸様以外の支配者の感覚ではさっぱり分からないだろうがな。傀儡がせいぜいだ。


 まず日本本国、これが3地域に分かれる。本土、南北。この南北は自治性が強いように将来変えると徳丸様は話していた。次に日本人が開拓した海外領土。ただし未開の現地住民がいる。次に国家が存在した海外支配地、満州などがこの例だろう。最後が同盟国だ。今現在は団体組織程度なので支援している勢力となる。


 ローマペルシャ、インド、これらを将来的にどうするのか?と、後は草原地域だ。徳丸様の構想では、黄巾党も大きく関係する。接する国家で囲んで管理しようってのが構想らしい。ローマ以南のアフリカはどうするのか?は決まってないらしい。国家もあるらしいが、基本は未開の原住民だ。資源のため入り込んではいるが、それ以上は関わってない。


 問題は日本の技術とどう関係するか?になる。基本日本国内もそうだが他領はどうしても遅れてになるし、自領も差ができる。この中で海外はとなる。ただこれは伝えれば勝手に進む場合もあるので、伝えるか?が重要になる。軍事に直接関係するものは、火縄銃しか教えない。


 しかも黄巾党は深く関わってるので教えてるが、同盟国レベルでは教えなくてもいい。これは将来独立を許可する満州などの地域のレベル。そして他にも将来独立が予想される日本3地域以外の海外領土も同様。日本3地域はまずは本州かつ、自領のみ。これは将来国家体制を大きく変えるためその時すべて与える流れになるため。


 今それをすると反攻されるから。そして海外支配地域は鉄など高度な技術をもう伝えている。この点やはり友好度のようなものを徳丸様は考えている。その点黄巾党は信頼されてない。現在仮想敵国であるローマよりましな最低レベルだ。あまりこれを強く伝えるのは避けてるだけだ。


 日本人の命を大切にするために地元の兵を利用してる。これが黄巾党との協力関係だ。傀儡ではないが、将来にわたる国家への信頼は全くしてない。それに従って内政は整えられていく。どのみち今の漢冷化は農業技術が最も重要だ。これだけでももっとありがたがってほしい。元農民ばかりなのにやけになって叛乱した部分があるから。


 いまいちこの農業技術のすごさ本来なら大量の餓死者を生む寒冷化の時代なのに感謝してないんだよな…。そっちより黄巾党らしく医療の方が分かりやすいけど。医療に比べて農業って、本来死ぬはずだったってのが分かってないんだよな。なまじ自分たちで作ってるからだろうな。


 短期留学制度と言うのがある。軍事技術を避けて、かつ必要以上に日本の知識を流出しないって裏を隠して、早く発展のための技術を習得するための制度だ。農業の技術と言うよりは農業技術のため科学知識や医療、基礎的な製鉄などの工業など。徳丸様は知識を隠ぺいしようとはあまりしてない。


 だが、ある程度制御しようとはしてるようだ。反抗的勢力にわたるのを防ぎたいようだ。他国に対する商業的優位性はあまり考えてないようだ。この点はあまり裕福な状態を保ちすぎると嫉妬を買うからだ。問題はそこじゃない。今の他国の国家姿勢では反抗的な勢力にわたった場合日本への攻撃という形でしか使わないからだ。


 技術発展させて商業的競争をしようってものは否定的ではないようだ。まずこういう形にならないと徳丸様は見てる。それは国家制度のせい。王政は帝政は論外、専制政治は話にならない。王は傀儡じゃないと駄目って断言していた。王族はそれを嫌うが、それにとって代わる専制的なNO2がダメなだけであって。


 支える組織自体では王族の傀儡はむしろ近代的だと語っていた。


 内政と言っても多岐にわたる。農業は本来重視されるものじゃない。国家が主導してやるのはせいぜい治水ぐらいなものだ。今回世界的寒冷化って特例に日本が対処できたためその方法を伝えるのが一番の目的になってるし、中華側もそうなる。最も重要なのは支配体制となる。これは根本は全く違うが、税金などの流れは元の漢のものをかなり踏襲する。


 問題点のあるものだけ改善していって、徴税菅などはそのまま登用していくつもりだ。大事なのは支配者が誰かなのか?これこそが全く違う部分で、ここも短期的には左程重要じゃない。長期的に世襲をやめるこれが改革のポイントだから。しかも名目上の頂点は皇帝にするつもりなんだから。


 ただ短期的には世襲にする。これに関しては、混乱を収めるためとそもそも優秀だからだ。そういう人間を選んである。それが子供にどうか?で当てにならないのと腐敗が最も問題だからだ。とりあえず問題込みで世襲でいずれ国家統一後落ち着いたら変更していく。そもそも単に農民が皇帝になるのなら、漢がそのままじゃないか。


 漢がまさにそうやって出来た国家だが、だが単純に農民が王になってはいけないんだ。そうなると結局どこにでもある単純な王政国家になる。それが巨大なので帝政なだけだ。農民というか普通の多数派の民のための国家。それが中華が今後目指す道であり、だからこそ黄巾党が頑張れるようにしたい。


 宗教として成り立っていたが、そのあたりかなり雑にしてしまった。そのため国家としての土台が無い。そこで日本も目指していく国民国家を進めたい。都合がとても良いのは黄巾党という民の反乱組織があったからだ。


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